FAIRY TAIL ~妖精の使徒~   作:一時停止

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今回はそこそこ長くなりました。
でも前半が淡々としすぎかなあ?

ティムキャンピーの描写が出来無い。
ですので各自でご想像くださいw

あとはルーシィとちょっと絡みます。


第十六話

 

私が妖精の尻尾(フェアリーテイル)に入ってから1週間が経過した。

ギルドに来て最初にミラさんと出会った。ミラさんは雑誌で見るよりも凄い美人だった。

一緒にリサーナという妹さんも働いていて彼女も美人だった。

そのあとにマスターが現れてお説教が始まった。

でも次第に話が変わり、その話に引き込まれた。凄いカッコよかった。

その時聞いた事なんだけど、ハルジオンの件は彼が上手く収めてくれたそうだ。

 

ミラさんとリサーナの2人に彼の事を聞いた。二人共凄い嬉しそうに話してくれた。

少し顔が赤かった様な気がするけど・・・・・・もしかして?

私とアランさんとの出会いも2人に話した。と、言っても私が一方的に姿を見ただけだから、あっちは私の事を知らないだろう。それでも私は助けてくれた彼にお礼を言いたい。

そこまで話すと2人は笑みを浮かべてある事を教えてくれた。

 

友達も出来た。名前はレビィちゃん。本が大好きで、私が小説を書いている事を聞きつけたらしく、読者第一号の予約者になった。レビィちゃんとも彼の事を話した。

どうやら彼女も、というよりギルドメンバーのほとんどが彼に友好的な感情を持っているらしい。

彼は相当の人気者の様だ。レビィちゃんとは本の事でよく話すらしい。

私もいろいろ話してみたいなぁ。

 

ギルドの依頼は、マカオさんを助けに行ったり、エバルーとかいう嫌なヤツから本を取り返したり、色々な仕事をした。

まだ入って間もないけどこれだけは自信を持って言える。このギルドはサイコーだ!!

そして今日、彼が帰ってきた。

 

 

 

 

 

 

 

ふう、やっとギルドに着いた。

ハルジオンの件も思ったより時間がかかったが、まあ上々の結果だろ。

依頼人も報告を受けて喜んでくれたしオッケーだ。

よし。とりあえず酒と飯だな。ミラたちに何か作ってもらおう。

 

「うーす、帰ったぜ」

 

入口で一声かけてから中に入る。

そこからは声を掛けてくる連中に言葉を返しながら進む。

 

「おかえりアラン」

「ようカナ。相変わらず飲んでんな」

「まあねー。今度付き合ってよ」

 

「よう、お疲れ」

「服を着ろグレイ」

「うおっ!?」

 

「やあ、お疲れ様。仕事はどうだった?」

「問題ねえよ、ロキ」

「ふふ、流石だね」

 

「お帰りー」

「おうレビィ、後で土産があるぞ。シェストの本だ、探してたろ?」

「うそっ!? やったー、ありがとアラン!!」

 

「アラン、俺と勝負しろー!!」 ダッ!!

「オッケー」         バキッ!!

「ごぺッ!?」         グシャッ!!

 

「凄い人気ね、ナツはともかく」

「それがアランです」

「ん? あの時の娘か。改めて自己紹介といきたいが少し待っててくれ、報告を先に済ませる」

「は、はい」

 

「ミラ、リサーナ、ただいま」

「「おかえりなさい、アラン」」

 

と、こんな感じで俺はギルドに帰還した。

 

 

 

 

 

 

 

 

マスターが不在だったので俺は依頼の結果報告をミラとリサーナにした。

今は一通りの報告が済んで2人には飯を作ってもらっている。

よし、待っている間に自己紹介といくか。

カウンターの椅子に腰掛けたまま、体の向きを金髪少女の方に変える。

 

「それじゃあ改めて、アラン=クロスフォードだ。よろしくな」

「ルーシィです。よろしくお願いします。アランさん、少しよろしいでしょうか?」

「アランでいいぞ。敬語もいらん。それで何だ?」

「あ、はい・・・、じゃなくてええと、私、お礼が言いたくて」

「お礼?」

「うん。アランs・・・・・・は私を2回も助けてくれたから」

「2回? 船の事じゃないのか?」

「うん。私はもう1回助けられてるの」

「・・・・・・スマンが思い出せない。魔道士の事ならすぐ思い出すはずなんだが」

 

俺は左目で魔力を見た魔道士は忘れない。

というよりすぐ思い出すと言った方が正確か。

魔力を目にした時、過去にその魔力を見た時の事が頭に浮かぶのだ。

コレも左目の力なのか、視認をきっかけとして記憶を思い出しているだけなのかは定かではないが、とにかく過去に見た魔力はほぼ絶対に忘れないのだ。

周りには説明がメンドイので何か聞かれたら魂が見えるの一言で済ますが。

 

「ううん、アランは知らなくて当然なの。」

 

そして、ルーシィは過去のことを話してくれた。

簡単にまとめると

・馬車で移動中に山賊たちに襲撃される

・そこに妖精の尻尾(フェアリーテイル)の紋章を入れた銀髪・黒コートの男(俺)参上

・そいつが山賊全員ボコボコにして去っていった

 

との事だ。確かにそんな事があった気がする。

 

「つまり、その時ルーシィは馬車の中に居たと?」

「うん。そうなんだ」

「なるほど。だから俺は見てないのか」

「だからね。その時とハルジオンでの事、どうもありがとう」

「たまたま近くにいただけだ。気にしなくていい」

 

そう言うとルーシィは「あははっ」と笑い出した。

何故そこで笑う? よく分からん。

と、そこに飯を持ってミラとリサーナがやってきた。

2人は俺の前に皿を置きながら口を開く。

 

「ね、ルーシィ。言ったとおりでしょ」

「ええ。まったく一緒でした」

「私達を助けてくれた時もそう言ってたもんね~、アランは」

「アランって口が上手いのに変なところで単純というか、ワンパターンなのよね」

「・・・・・・どういうことだ?」

「ルーシィがお礼を言ったらアランは絶対さっきの言葉を返す、って私とリサーナで予想したのよ」

「アランったら照れちゃって~」

「だから別に照れてはないからなリサーナ」

「あはははははっ」

 

俺達のやり取りを見てまたルーシィが笑ってるよ。

くそ。何か悔しいな。

 

「まあ、それはともかくアラン」

「うん。食べて、食べて」

「そうだな。んじゃ、いただききます」

 

うん。いつもの事ながらうまい。

ちなみに俺はあまり自炊をしない。

長く旅をしていたので料理も出来無い訳ではないのだが正直メンドくさい。

S級依頼の報酬も大金のため、金銭にも困らずに店やギルドで食べることが多い。

まあ、たまにミラ達が飯を作りに家にも来てくれるのだが。

それにミラ達の料理は店の料理に負けず劣らずうまいからな。

夢中で飯を頬張る俺にリサーナが話しかけてくる。

 

「どうアラン? 美味しい?」

「ああ。どっちもうまい」

「も~、そこは《美味しいよ、リサーナ》って言って欲しいなぁ」

「あ、それは私も言って欲しいなぁ」

 

などと盛り上がってる二人を置いといて俺は食事を続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ごちそうさま。 ・・・・・・ふあ~、眠いな」

 

飯を食ったら、睡魔が襲ってきた。

仕事中はハードであまり眠れなかったからなあ。

 

「大丈夫? 帰って寝る?」

「んー、メンドイ。 ミラ、空き部屋借りていいか?」

「いいけど・・・・・・、今回はどっち?」

「深い方だな。2~3時間位だと思う」

「わかったわ」

 

そこでナツの失敗談などをルーシィに話して楽しんでいたリサーナがこちらに加わってきた。

 

「え、アラン寝るの? じゃあ私がアレしてあげようか?」

「だめよリサーナ。アレは私がしてあげるの」

「ミラ姉は前にやったんだから今回は私に譲ってよ」

「リサーナだって何回か抜けがけしたじゃない」

 

そしてそのまま二人で言い合いを始めてしまった。

しょうがない止めるか。

 

「はいはい、喧嘩しない。 まだ日も高いし仕事があるんだろ? 嬉しいけど今回はいいよ」

「む~、でも・・・・・・」

「はぁ、仕方ないわね」

 

2人共、渋々だが納得してくれたようだ。

そこで、首を傾げながら俺たちのやり取りを聞いていたルーシィが口を開いた。

 

「あの~。アレって何ですか?」

「「「・・・・・・・・・・・・」」」

 

この時俺たち3人の思考は一致していた。

それはつまり――

 

「そうか、ルーシィがいたな。じゃあ今日はルーシィに頼むか」

「そうね、頑張ってルーシィ。大丈夫よ、気持ちいいから」

「いいなぁ、ルーシィ。アランと甘い時間を過ごせるなんて」

 

――ルーシィを弄るという方向に。

 

「え? え? な、何が? 甘い時間って・・・・・・?」

 

何を想像したのか真っ赤になっていくルーシィ。

この慌てようが実に面白い。

 

「さ、行こうかルーシィ」

「い、行くって何処に?」

「ベッド」

「ベッド!?」

「「いってらっしゃ~い」」

 

悪乗りを続ける俺たち。

そしてここに新たな乱入者が現れる。

 

「何してるの? アラン」

「ああ、ちょっとルーシィと寝ようと思って」

「え!? そうなのルーちゃん!!」

「ち、ちがっ、私は、べ、べべべ、べつにそんな・・・・・・(ゴニョゴニョ)」

 

 

そんなルーシィの様子を見て悟ったのだろう。

レビィが呆れたように言葉を発する。

 

「はぁ。アラン、あんまりルーちゃんをからかわないの」

「はっはっは。面白かったんでつい」

「もう。それにアレなら私がしてあげるから」

「おっ、マジで? 仕事はいいのか?」

「今日はチーム別行動の日だから問題なし」

「マジで? じゃあ行くか」

「うんっ」

 

レビィの腰に手を回してそのまま歩き出―――。

 

「「ちょっとまったーーー!!」」

 

―――せなかった。

ミラとリサーナの2人が俺たちの前に立ち塞がったからだ。

 

「ちょっとレビィ、抜けがけなんてずるいわ!!」

「そうだよ。レビィは一番回数が多いんだから遠慮してよね!!」

「2人は仕事があるんでしょ?私は暇なんだからいいじゃない!!」

 

そしてそのまま3人で言い合いを始めた。

さっきミラとリサーナを止めたばっかなのに何でこうなった?

・・・・・・・・・・・・俺のせいか。

ま、いいや。いい加減眠気も限界だし俺は寝よう。

 

白熱する3人を置いて、俺はギルドの奥の部屋へと移動した。

コートを脱いでイスに置き、ラフな服装へと換装する。

さっきはああいったが、やっぱりアレはあった方がいいなぁ。

まあ、あの状態じゃあ仕方ないか。

そしてベッドに潜り込むとすぐに眠りに落ちていった。

 

 

 

 

 

 

 

あのままだったら一体どうなってたんだろう?

皆色々言ってたけど、気持ちいいとか甘い時間とか。

それにベ、べッドって言ってたし、も、もしかして本当にソウイウコトを?

しかも3人ともした事があるみたいだし・・・・・・。

思わず顔が熱くなる。でもアランなら・・・・・・。な、何言っているんだろう私は。

ていうか3人ともまだ言い争ってるし。

でもアランの寝顔か。・・・・・・・・・・・・見てみたいな。

う、うん、ちょっと行ってこよう。

ち、違うよ?ほらあれ、そう、アクエリアスの事を知ってるか聞きに行くだけ。

うんそう、だから全然やましい気持ちはないんだから。

 

 

 

部屋に入ってみるとアランは既に眠っていた。

横にあるイスにはアランがいつも着ているコートが置いてあった。

ベッドに近づいてアランの顔を覗き込む。

・・・・・・うわぁ/// 

いつものカッコイイ感じとはまた少し違う印象。

穏やかな、どこかあどけない寝顔を見てつい胸が熱くなる。

これは反則級の威力ね。

 

しばらく眺めていると急にアランが手を挙げた。

そのまま何かを探すように手が宙を彷徨う。

何となくその手を握った瞬間―――

 

「え? きゃっ!!」

 

―――物凄い力でベッドに引きずり込まれてしまった。

び、びっくりし・・・・・・え? 

気づけばベッドの中でアランに抱きしめられていた。

 

「ちょ、ちょっとまってアラン!! わ、私初めてでそんないきなり「スー、スー」―――」

 

ね、寝てる。もしかして寝ぼけてるだけ!?

うわ~、恥ずかしい///

私早まってとんでもない事を言ってなかった?

とりあえず状況を確かめてみる。

ベッドの中で向き合って寝ており、私の顔はアランの胸に埋めるような形になっている。

また、離れようとすると力が強くなる。どうやら逃がしては貰えないようだ。

 

しかしこの体制はマズイ。

密着しているせいでアランの匂いと体温を敏感に感じてしまうのだ。

改めて意識するとどうにも恥ずかしいものがあり、私はアランに背を向けるように体制を変える。

これぐらいなら動かしてもらえるようだ。

しかしこれが失敗だった。

背後から腰に手を回され密着しているこの状況。

アランの動きが目に見えない分、余計にドキドキする。

というか腕枕状態だけど苦しくないのかな?

それにいつまでこの体s―――!!

 

「ア、アラン///?」

 

またも抱き寄せられ密着具合が上がる。

更に私の頭の下にあった方の手がむ、胸に触れている。

それに腰に回っていた手も更に下に移動しつつある。

こ、これはちょっと・・・・・・。

アランの名前を2、3度呼ぶが起きる気配は皆無だ。

そして胸と太ももまで降りていた手が動き出す。

 

「んっ、あぁ、やめっ///」

 

決して強い動きではなく、優しく撫でる様な感じだ。

羞恥に体温が上昇し、じわじわと体が疼きを覚える。

 

「あっ!! ――くぅ―――」

 

思わず大きな声が出てしまい慌てて口を閉じる。

ど、どうしようこのままじゃ。

そこまで思ったときに部屋の扉がノックされた。

ソレに反応したのか位置はそのままだが手の動きが止まる。

 

「ルーシィ、居るの?」

「ミ、ミラさん? 助けてください!!」

 

ガチャっとドアが開き、先ほど口論をしていた3人が入ってきた。

 

「やっぱりここにいたのね」

「みんな助けて~」

「ごめんルーちゃん、無理だよ」

「え? な、何で!?」

「アランの眠りには特殊な時があってね。今回はソレに当たるんだけど、その時のアランはよっぽどの事が無いと起きないの」

「何でそんな事に!?」

「本人曰く、《昔旅をしていた頃は野宿が多くて熟睡出来なかった。だからいざ安全な所で熟睡すると反動でそうなるんだと思う。俺寝るの好きだし》だって」

「しかも、女性を抱き枕にしちゃうのよ。それで一度捕まえたら起きるまで絶対に離してくれないの。全員体験済みだから間違いないわ」

「じゃ、じゃあさっき言ってたアレって・・・」

「うん、抱き枕役の事だよ」

「ど、どれくらいこのままなの?」

「程度は違うけど本人が寝る前に2~3時間と言っていたから長くてあと2時間半くらいかしら」

 

そんな、あと2時間以上もこのままなんて。

しかし3人は私とは全く別の思いらしい。

 

「いいなぁルーシィ。私もアランと寝たかったなあ」

「仕方ないわよリサーナ。私たちはまだ仕事があるんだし」

「でもまた1人増えるのかぁ。ローテーションが減っちゃうね」

「ど、どういう事?」

「え?だってルーちゃんもアランのこと好きなんでしょ?」

「な、何を言って―――」

「あはは、バレバレだよルーシィ。それとも自分ではまだ気づいていないのかな?」

「・・・・・・・・・・・・」

「まあともかく、ルーシィは今日仕事お休みね」

「え? アランが起きたら行けるんじゃ・・・・・・」

「んー、絶対とは言えないけど骨抜きにされて動けなくなるんじゃないかなあ」

「うん、そうだね。手の位置を見るに既に始まってたみたいだし」

 

つ、つまり皆も同じ体験をしてきたと・・・・・・?

色々1度に聞かされてパニックに陥り掛ける私を更なる言葉が襲った。

 

「でも今回はまだマシじゃない?」

「そうだね。時々アランは上半身裸で寝てる時もあるしね」

「私なんかその時に、直接触られたし」

 

ち、直接ってつまり服の中に手を・・・・・・!?

そ、それはダメ!!

まだ心の準備が・・・・・・。

だけど相手にはそんなこと関係が無かったようだ

 

「んっ!! ちょっ、~~~~~~~///」

「あ、動き出した」

「じゃあルーちゃん、頑張ってね」

「なんなら一緒に眠っちゃえばいいわよ」

「ちょ、ちょっと待って!!」

「「「ごゆっくり~~~」」」

「お願い、待って~~~!! ―――んんっ///」

 

その後本当に2時間以上そのままだった。

詳細については黙秘させて頂きます。

 




という訳で多少のキンクリです。

ルーシィとの絡み、どうでしたかね?(震える声)
相変わらず不安でいっぱいですが頑張りマス。


次回はエルザ登場予定です。

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