あれから二週間が経過した。
俺の怪我も完治し、やっとこさ退院できることになった。
「世話になったな、ポーさん」
「その呼び方は止めろといったはずだよ」
「まあまあいいじゃねえか。今更だろ」
「まったく・・・。さっさと出て行きな」
そこそこ一緒にいた事もあって俺たちの会話もだいぶ軽くなったと思う。
「治療費はいくらだ?」
「いらないよ」
「は?」
「別に金には困ってないさね。それにアイツ等の恩人だからね」
「・・・・・・俺は本当にアイツ等を救えたのかな?」
俺が目覚めた次の日、あの3人が来た時に俺は衝撃を受けた。
左目で見たリサーナの魔力が限りなく無に近い状態だったのだ。
聞くと魔力を収める器ともいえる機能が異常をきたしているらしい。
今のリサーナは器にヒビが入った状態のようなもので魔力を貯めれない。
結果魔法が使えない状態だそうだ。(ミストガンとも話したがおそらくアニマの影響だろう。魔力は生命にも関係することなので
本人は「魔法が使えない人の方が多いんだし、気にしてない。ギルドの手伝いでもするよ」と気丈に振舞っていたが、それまでずっとあったモノがなくなったのだ。
辛くないはずがないだろう。
「あまり気にするんじゃないよ。あんたのせいではないし、少しずつだけどヒビは修復されるんだ。いつか魔法が使えるように治るさ、あたしも手伝うんだからね」
「・・・そうだな。本人が前を向こうとしてるんだから、俺が水を差してはダメだな」
「あんたも、出来るだけあの技は使うんじゃないよ。負担が大きすぎる」
「わかってるよ。極力使うつもりはない」
あの技というのは
この期間中、雑談の中でいくつか俺の能力や魔法についても話した。
医者から見ても、やはり
改めて忠告をしてくれる辺り、心配してくれているのだろう。
それはさて置き出発だ。体の感覚も戻さねえとな。
しかし話はまだ終わってなかったようだ
「ちゃんと
「・・・・・・やっぱ行かなきゃダメ?」
「当たり前だよ。あんたが行かなきゃ私が色々言われるんだからね」
「あー、しゃあねえか」
実は、
リサーナの事も大げさにしたくないし、マカオたちのように謝りに来られるのも鬱陶しいので、完治したらギルドに顔を出すという事で此処へは来ないようにしてもらっていたのだ(マカロフとミストガンは例外だが、二人共忙しいのだろう。2~3回顔を出しただけだった。ちなみにあの3人はちょくちょく来た)。
幸いポーさんの人間嫌いとも利害が一致したので、怪我の回復ためにもその方がいいという後押しをしてもらった。
その為、俺が勝手に出て行ったらポーさんに迷惑がかかる。
仕方なく俺はポーさんに場所を聞いてギルドへと向かうことにした。