バカとテストと召喚獣 ~The if or true story~   作:天沙龍月

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 お待たせしました!UA3700越え、お気に入り45件ありがとうございます!

 今回はなんと!9500文字越えです!これでも削った方なのに……。

 あとがきで大事な発表があります。

 では、本編をどうぞ!


第4話 転校生 そして、放課後 後編

 明久side

 

 訳が分からなかった。え?なんで?僕と木下さんが同棲するなんて話になってるの?母さん、何も言ってなかったんですけど!?

 

 「どういう事です!?」

 「どうにもこうにもそういう事だよ♪まぁ、詳しい事は放課後ね。」

 

 キーンコーンカーンコーン

 

 龍星さんのその言葉と同時に予鈴が鳴った。ヤバい!

 

 「それじゃあね、凛花。」

 「それじゃ、龍星様。」

 

 龍星さんは如月さんにそういうとすぐに教室に戻って行った。如月さんも教室に戻ったようだ。え?僕たち置いてきぼり!?

 

 「じゃ、じゃあ、僕たちも戻らないと。」

 「…やだ。」

 「何で!?」

 

 木下さんが僕の手を離してくれない。ヤバいよ!本当に遅れちゃうよ!僕は良いけど木下さんは絶対に遅れちゃダメだ。

 

 「…だって後、放課後しか会えないんでしょ?…だったらもう少しこのまま…。」

 「…大丈夫。多分、昼休みには一度Aクラスに行くと思うし…授業の間もこの端末で連絡出来るよ。…それでも寂しい?…だったら………これでどう?」

 

 僕は木下さんを安心させるような口調でそう言った。僕だって木下さんと離れたくて離れるんじゃない。だからせめてハグをしてあげた。1分ぐらいして自然に離してくれた。その時、木下さんは顔をメチャクチャ赤くしていて凄く可愛かった。

 

 「…ありがとう…。あきくん…。」

 「…それじゃあ、今度こそ帰ろう?」

 「…うん。」

 

 そして、僕たちはそれぞれの教室に戻った。まぁ、僕は結局は遅れたけどね。だって遠いんだよ!屋上からFクラスって!

 

 明久side out

 

 

 

 

 

 

 雄二side

 

 明久のやつ何で遅れて来たんだ?如月の方は普通に戻って来てたが…。まぁ、次の休み時間にでも聞いてみるか。

 

 

 

 授業が終わり休み時間になった。さてと、

 

 「おい、明久。」

 「…何?」

 「さっきの時間結構トイレが長かったんだな。病気か?」

 「そんな訳無いじゃないか!ただトイレが混んでただけだよ!」

 「本当か?」

 

 なんか怪しいな。龍星はなんかFクラスの連中とすぐ仲良くなってるし、さっきの時間一体何があったんだ?まぁ、明久は本当に困ったら俺たちに言うだろうし、本当にトイレが混んでただけかもしれん。明久を信じるか。

 

 「なぁ、如月。」

 「どうかした?確か…代表の坂本君だよね?俺に何か?」

 「いや、一応代表として自己紹介でもしようかと思ってな。代表の坂本雄二だ。呼ぶ時は名字でも良いし、名前で呼んでくれても構わない。まぁ、よろしく頼む。」

 「よろしくね!俺はさっきの時間、吉井君だっけ?彼には会ってないよ?…それを聞きに来たんでしょ?」

 

 本当に何なんだ?こいつ、俺より頭が回るんじゃないか?だがだったら何でFクラスに…。

 

 「…まぁ、聞きに来たっちゃ聞きに来たんだがな。まぁ、分かった。すまんな。」

 

 さて、如月か。こいつはどう使うとするかな。

 

 雄二side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 明久side

 

 昼休みになった。やっと木下さんに会える!いや授業中にも連絡はとってたけどね。なんて惚気けながら雄二たちとお昼ごはんを食べていたら、バキッ!という音ともに僕のちゃぶの足が折れた。お弁当は大丈夫だったけど先生にボンドを貸して貰わなきゃ。

 

 「はぁ、先生からボンドを借りてくるね…。」

 「なんとも災難じゃなぁ。わしもついて行くかの?」

 「ありがとう秀吉、その心遣いだけでも貰っておくよ…。」

 

 秀吉に感謝しながら職員室に行った。さて、福原先生はいらっしゃるだろうか?

 

 「失礼します。Fクラスの吉井です。福原先生いらっしゃいますか?」

 

 職員室がざわついた。おそらくFクラスの生徒が来たからだろう。まぁ、当然の評価だろう。だけどそんなこと気にしていられない。僕は急いでるんだ。木下さんに会う時間が少なくなっちゃうからね!福原先生は…

 

 「あぁ、ここですよ。吉井君。」

 「そこでしたか。」

 

 福原先生が気を使ってくれた。ありがたいです!先生に言ってボンドを貸して貰う。その時気付いたが、ボンドが瞬間接着剤になっていた。教室を変えなかったから備品が少し良くなっていくのか。

 

 「それじゃあ、借りていきますね。」

 「はい。ちゃんと返してくださいね。」

 「分かってますよ。」

 

 職員室から出て教室へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 「おまたせ~。」

 「おぉ、遅かったな。」

 「まぁ、ちょっとあってね。」

 

 僕は自分のちゃぶ台を直すためさっきの瞬間接着剤を見せた。そして、あるロボットアニメのロボットのドッキングのような音を出しながら接着剤を勢い良く飛び出させる。これ一回やってみたかったんだ。

 

 

 「さすがは瞬間接着剤。あっという間に修理完了!」

 「良かったのう、明久。接着剤が良くなったのじゃな。」

 「苦労して勝ったんだもん、せめて支給品くらいレベルアップしてくれないとね。」

 

 それにしても……本当に運が良かったとしてもEクラスに勝てたのはFクラスの皆のおかげだ。これでクラスの皆の自信に繋がれば良いけど……。Aクラスとの試召戦争では、また皆の力を貸してね。Aクラスとの試召戦争では雄二はどんな作戦を考えてくれているか。多分だけど真っ向勝負なんてしないだろうから……代表を各クラスで決めて戦うのかな?どちらにしてもこっちに優勢な作戦を考えてくれているだろう。これで姫路さんも良い環境で勉強出来るだろう。まぁ、

 

 「雄二!何で設備の交換を断ったんだよ!?」

 「何だ?お前、あんなボロっちい木の机が好きなのか?」

 「こんなすぐ壊れるちゃぶ台よりは良いに決まってるじゃないか!」

 

 ドン!あ、やべ!ちょうどちゃぶ台にあった瞬間接着剤が手に付いた!秀吉の方に残り少しになったであろう接着剤の脱け殻が……ということは、

 

 「うわぁ~!ちょっ!うが!」

 

 驚いた拍子に倒れてしまう。当然、ちゃぶ台も付いてくるので僕の上にちゃぶ台が!

 

 「どうせ吉井は勉強しないんだから、机なんて関係無いでしょ。」

 「関係無くないよ!机は!お弁当食べたり、居眠りしたり、落書きしたり、学園生活の大事なパートナーじゃないか!」

 「……というより一心同体……。」

 

 ムッツリーニナイスツッコミ!

 

 「そのちゃぶ台も今日だけだ。俺たちはAクラスに宣戦布告されたんだからな。」

 「あ……。」

 「次に勝てばAクラスの設備が手に入る。少し計画は狂ったが、問題はない。事はすべて俺の計画通りに進んでいる。な、姫路?」

 「え?あ、はい……。」

 

 何で姫路さんがそこで出てくるんだ?まぁいいや。

 

 「さて、Aクラスに乗り込むぞ。」

 

 雄二が教室の扉の前でそう言った。それを待っていたんだ!早く木下さんに会いたいなぁ~。

 

 

 

 

 僕らはAクラスの教室に着いた。

 

 「ここがAクラス……。」

 「まるで高級ホテルのようじゃの……。」

 「ふ…僕が学園生活を送るには、ふさわしい設備じゃないか。」

 「見て!吉井!フリードリンクにいお菓子が食べ放題よ!」

 

 島田さんが驚いている。だけど僕は昨日ここに来てたんだよね……。だから、そんな驚かないんだけどここは演じなきゃな……。

 

 「うふん、そんな事にいちいち驚いていたら足元を見られるよ……。もっと堂々と構えてなきゃ……。」

 

 僕はブレザーのポケットに入りきらない程お菓子をいれておどけて見せる。

 

 「ことごとく発言と行動がともわなぬのう。」

 

 秀吉の言う通りだよほんと。まぁ、わざとやってるからね、バカを演じるために。さて、漫才はここまで。

 

 「あらぁ?開戦は明日じゃないの?」

 「姉上!」

 「もう降服しに来たの?」

 

 ほら、お出ましだ。あぁ、木下さん……本当に可愛いなぁ。ヤバイ、また抱きつきたくなってきた。

 

 「もうすぐ俺たちのものになる設備の下見だ。」

 「随分強気じゃない?」

 

 雄二も木下さんも悪い顔してるなぁ。雄二がAクラスの高そうなソファーにどこかの悪者みたいな格好で座る。

 

 「交渉に来た。クラス代表同士での一騎討ちを申し込みたい。」

 

 やっぱりか。普通の方法じゃ僕たちが勝つなんて不可能に等しいからね。まぁ、他のみんなは結構驚いてるみたいだけど。

 

 「貴方バカじゃないの?2年の首席に一騎討ちで勝てる訳ないでしょ。」

 「怖いのか?確かに終戦直後で弱っている弱小クラスに攻め込む卑怯者だしな。」

 「今ここでやる?」

 

 雄二が挑発して木下さんの苛立ちを悪化させる。上手いな、さすが元神童。

 

 「……待って。……一騎討ち受けても良い。」

 「代表!?」

 「……でも、一つ条件がある。」

 

 あ、霧島さんだ。やっぱり霧島さんがクラス代表なのかな?ってあれ?霧島さんが姫路さんの方に近づいて……

 

 「負けた方は何でも一つ言うことを聞く。」

 「え?」

 「それがFクラスに宣戦布告した理由か。」

 

 やっぱり霧島の狙いは……雄二かな?これは公式の試合みたいなものだから条件を飲めば雄二が霧島さんから付き合ってほしいと言われても断ることが出来ないしね。良い考えだね!霧島さん。

 

 「勘違いしないで。あたしたちAクラスには学園の治安や品格を守る義務があるの。一学期早々何の努力も積まない内に戦争をやらかしたバカへの制裁措置よ。」

 

 木下さん頑張って正論っぽくしようしてる!がんばれ~!

 

 「良いだろう。代表同士の一騎討ち、負けた方が言うこと聞く。」

 「一騎討ちじゃないわ。5対5よ。」

 「優子?」

 

 やったぁ!雄二が条件を飲んだ。良かったね、霧島さん。あれ?今僕どっちの味方だっけ?なんか分からない内に話が進んでるし!みんな固まってる?何で?

 

 「代表が負けるとは思わないけど慎重になるに越した事はないわ。」

 「よし5対5で構わない。その代わり対戦教科の選択権はこちらが貰う。」

 「……分かった。」

 「交渉成立だ。」

 

 え?何で代表が5人になってるの!?そんな事を思っている内に雄二がAクラスを出てしまう。話が分かんないだけど!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 僕たちはAクラスを出た後屋上に来ていた。僕と一心同体になった(間違いじゃない)ちゃぶ台でお菓子を食べていた。(Aクラスから少し盗んで)

 

 「どうすんだよ雄二?あんな約束して。」カリッ

 「俺たちが勝つんだから関係無い。」カリッ

 

 関係無い事は無いんじゃない?だって負けたら雄二の人生が終わっちゃうかも(笑)その慢心が命とりかもよ。

 

 「向こうが言いなりになる特典が付いただけだ。」カリッ

 「本当によいのか?あの霧島翔子という代表には妙な噂があるようじゃが。「噂?」成績優秀才色兼備。あれだけの美人なのに周りには男子が居らんというはなしじゃ。」

 「へぇ~。モテそうなのにねぇ?」

 「噂では男子には興味が無いらしい。」

 

 そりゃあ、そうでしょ。霧島さん、雄二以外に興味ないからね。そういう意味じゃ噂は本当だけど。

 

 「男子にはって……まさか!?霧島さんの目的って……!?(ガチャ―ン!)ままままさか。まさかそんなはずは……それって変だよ!そんなことがこんな身近にあるわけじゃない。ねぇ!島田さん?」

 「ある……。そんな変な娘、身近にいるわ!」

 「見つけました!お姉さま!」

 

 島田さんに誰かが抱きついてきた。誰だ!?あの娘!?

 

 「ひどいですわ!お姉さま!美春を捨ててけがわらしい豚共とお茶会だなんて!」

 「放しなさい!寄らないで!」

 「誰?」

 「……二年Dクラス清水美春。」

 

 ムッツリーニが説明してくれる。ってムッツリーニいつの間にカメラの整備終わらせたの!?

 

 「やめて!離してよ!」

 「恥ずかしがらないでください♪お姉さま♪本当は美春の愛してくださってるのに、照れ屋なんですね!」

 「ウチは男子の方が好きなの!「あぁん!」吉井!言ってやって!」

 

 そこで何で僕に振るかな……。まぁ、しょうがないこれも人助けだ。

 

 「そうだよ、清水さん。女同士なんて間違ってる!たしかに島田さんは見た目も性格も胸のサイズも男と区別がつかないぐらい……四の字固めが決まって~!」

 「ウチはどう見ても女でしょ!」

 「そうです!美春はお姉さまを女性として愛してるんです!」

 「ギブギブ!ギブ!」

 

 島田さんと清水さんから四の字固めを決められる。メチャクチャ痛い!何でこんなことするのさ!?ていうかムッツリーニも島田さんのスカートの中を見ようとしないで助けてよ!

 

 「い、痛い!島田さん助けてよ!何でも言うこと聞くから!」

 「ほ、本当に?それじゃあ今度の休み、駅前のラ・ぺリスでクレープ食べたいなぁ!」

 「え?そんな!?僕の食費「あぁ!?」がぁ~!いえ奢らせていただきます!」

 

 

 くっそぉ~!今度の休みは木下さんとデートの約束してたのに!島田さんの悪魔!

 

 「それから……ウチを美波様と呼びなさい!ウチはアキって呼ぶから!」

 「は、はい!美波様!」

 「それから……それから、ウチの事あ、愛してるって言ってみて!」

 「は、はい……。言います……。」

 

 そんなこと言える訳無いじゃないか!僕が愛してるって言えるのは木下さんだけに決まってるじゃないか!だけど今、命を取られたら放課後木下さんに会えない!だったら言うしかないのか……!

 

 「させません!」

 

 清水さんが絞める力を強くする。痛いよ!

 

 「言いなさい!」

 「うぼぉ!」

 

 それに応じて島田さんも絞める力を強くする。何で!?このままじゃヤバイ!だからムッツリーニ!島田さんのスカートの中を覗こうとしてるのは分かったから僕を助けてよ!

 

 「さぁ!ウチの事を愛してるって言いなさい!」

 

 もう言うしか生き残る道はない……。島田さんなんて大ッ嫌いだ!

 

 「は、はい……ウチの事愛してるっ言いなさい!」

 

 チーン

 

 え?なんか今鐘の音が……

 

 「!!このッバカ~!」

 

 島田さんが僕にトドメを刺した。それから僕は昼休みから放課後まで記憶が無い。 ていうか昼休みになってから龍星さんを見ていない。どこかに行ったんだろうか?一応僕たちの護衛ですよね?まぁ、ちゃんと僕たちの周囲には気を配っているだろう。

 

 明久side out

 

 

 

 

 時は昼休み始めに戻る

 

 

 龍星side

 

 吉井君たちはAクラスに行ったようだね。さてと、

 

 「あ、龍星どっか行くのか?」

 「まぁね。ちょっと妹に会って来ようかなって。何か欲しい物とかある?ついでに買ってくるけど。」

 「いや、特に無いな。じゃあ妹さんによろしく言ってくれ。」

 「うん。Fクラスの連中には絶対関わるなって言っておくよ。」

 「何でだよ!?」

 

 俺は須川くんの声を無視して教室を出る。全く愛娘をあんな奴等に関わらせる訳無いじゃないか。どんな悪影響が出るか知れたもんじゃない。そんな事を思いながら空き教室にきた。ここで凛花と待ち会わせしていた。

 

 「あ、龍星~!」

 

 お、来たようだ。凛花が手を振りながらこっちに来た。

 

 「一体何の用?こっちはFクラスの人たちが来て大変だったんだけど。」

 「一応、定時連絡が欲しかったから呼んでみただけだよ。で?どうなったFクラスとの交渉。」

 

 これが一番聞きたかった事って訳じゃないけどね。

 

 「なんか代表を決めて戦うみたい。後、廊下にこんなものがあったよ。」

 

 凛花が見せてきたのは小型のカメラだった。あぁ、ムッツリーニ君だっけ?彼のカメラだろう。

 

 「廊下のどこにあったんだ?」

 「ゴミ箱の近くだったはず。」

 

 全く……

 

 「それで持ってきたと?……凛花、よく考えてみて?俺たちの目的は?」

 「吉井君と優子の護衛?」

 「護衛は秘密裏にやらなきゃいけないでしょ?だったら、表で目立ったらいけないんだよ?凛花がやった事でどんな事が起きる?」

 

 凛花は少し考えて、ハッとした。

 

 「……カメラの持ち主に気づかれたらそこからどんどん怪しまれる……!」

 「だからこういうのに気づいても触れちゃいけないんだよ。今度から気を付けてね。」

 

 ムッツリーニにこの事がばれると最悪、坂本君まで情報が行きかねないからね。凛花からカメラを貰い、カメラのあった場所に後で戻しておこう……。さて、

 

 「Aクラスでは友達とか出来たかい?」

 「うん!いっぱい出来たよ!」

 「それは良かった。お昼は食べた?」

 「もう食べたよ。」

 「そっか。それじゃあ、戻って良いよ。」

 

 一応俺もここに来る前に食べておいて正解だったね。凛花が戻った後、俺は一人考える。……吉井君と木下さんを同棲させることでまだ繋がりは切れないはず。これでどのぐらい持つか……3ヶ月は持って欲しいものだ。そうすればラグも力を取り戻すし、こちらの準備も終わる。そうすれば事はすぐにでも解決するはずだ。全く吉井君も面倒な「力」を持ってるものだよ……。

 そんなことを思っている時、突然 キーン! と金切り音が頭に響く。まさか……

 

 「……不味いかもしれない。」

 

 この音の主の相手は俺がしないといけないようだ。今戦えるのは俺しかいないし、たぶんこの相手は「力」が暴走して本能で活動している。しかも俺も万全の状態じゃない。それでもやるしかないか。こっちに気づいて戦いに来るなら、早くて2、3日はかかる。それまでに準備はしておこう。よし、今後の方針も決まったところで俺も戻ろうかな。

 

 

 

 

 

 

 

 教室に戻ると吉井君が気絶していた。

 

 「吉井君、どうしたの?」

 「実はな……」

 

 坂本君に聞いてみた。要約すると吉井君が島田さんを怒らせて、四の字固めを極められたらしい。それは吉井君が悪いね、反省した方がいい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、放課後になった。さてと、

 

 「吉井君、全然起きないね。俺、保健室に連れていく?」

 「あぁ、頼む。まぁ、もう少しで起きると思うが。」

 「分かった、一応連れていくね。」

 「気を付けてな。」

 

 坂本君に一応一声かけて行く。まぁ、今から行くのは屋上だけどね。さてと、

 

 「吉井君、起きて。」

 「ん……。え?は、はい!」

 

 殺気をまぜて吉井君を起こす。まぁ、今まで引きずってたんだけど。

 

 「今、何時ですか!?」

 「もう放課後だよ。たぶん、もう木下さんも屋上に来ていると思うけど。」

 「わ、分かりました……。すみません。」

 「いや、別に良いよ。だけど、島田さんには後で謝っておくんだよ。完全に君が悪いよ、あれは。」

 

 吉井くんが気まずそうな反応をする。

 

 「聞いたんですか……。」

 「女の子の扱いはちゃんとしてあげないと、いつか刺されるよ。」

 

 俺も一度刺された事あるしね。いや……もっとかな?まぁ、良いや。

 

 「はぁ……。」

 「女の子の事、舐めない方が良いよ。前刺された時、めっちゃ痛かったし。」

 「え?刺された事あるんですか?」

 

 吉井君が驚いた顔をする。そんな驚く事かな?

 

 「普通、一回は刺された事あるんだよ。永く生きてると。」

 「マジですか……。」

 

 そんな事を話していると屋上に着いた。屋上にはもう凛花と木下さんが先に来ていたようだ。

 

 「あ、やっときた~!」

 「いやぁ、ごめんごめん。吉井君が気絶していてね、起こすのに手間取ったんだ。」

 

 気絶という言葉を聞いて、木下さんはとても心配している表情をして、

 

 「アキくん!大丈夫なの!?午後、呼び掛けても全然応答してくれなかったから心配したよ!?」

 「全然大丈夫だよ!心配させてごめんね。」

 

 木下さんは吉井君に抱きついて、吉井君は抱きついて来た木下さんの頭を撫でている。あぁ、コーヒーが欲しい……。凛花は凛花でそれを羨ましそうに見ていた。いや、いつもじゃないけどやってるでしょ……。って何でここに来たか覚えてるかな……

 

 「オーイ!皆さんここに来た理由覚えてる~?」

 「何でしたっけ?」

 

 吉井君が答える。はぁ、全く……君も忘れてるのか。

 

 「吉井君と木下さんの同棲のことについて聞きたかったんじゃないの……?」

 「あ!そうでした!す、すいません!」

 

 吉井君が慌てて木下さんと抱きつくのをやめて、こちらに向き直る。もちろん、木下さんと手を繋いで。まぁ、いいや。聞いてくれるだけ……。

 

 「同棲させる理由だけど二つあるんだよ。」

 「二つ、ですか?」

 「まず一つ目に吉井君たちを守りやすくする為。これは、敵に狙われやすくなるデメリットもあるけど、こちらも迎撃しやすいメリットもある。」

 

 まぁ、これは表向きの理由だけど。

 

 「二つ目に吉井君と木下さんの愛を深めて欲しかったから♪」

 「そっちの方が本当の理由か!」

 

 吉井君が驚いていた。まぁ、本当の理由ではあるんだけどね。君が思っているような理由ではないんだけど……。

 

 「まぁ、そういうことで明日には家の準備が終わるから、そっちに移ってもらうよ。」

 「……早いですね?」

 「昨日明菜さんと優李さんに聞かなかったんだよね?……全く、言っておいてくれないかな?はぁ……。」

 

 はぁ、昨日教えておいてくれればこんなことになんなかったんだけどなぁ……。吉井君たちが困った顔をしている。

 

 「あ、ごめんごめん。まぁ、今日も明菜さんたちに聞いてみて。後、龍星さんが怒ってたって言っておいてね。一応これで話は終わりかな?明日の放課後に家に案内するから、空けといてね。」

 「「分かりました。」」

 「それじゃ、また明日ね。」

 

 その一声で吉井君と木下さんは屋上から居なくなった。後に残るのは俺と凛花だけだ。

 

 「そういえば、凛花。」

 「何?」

 「俺、用が出来たから明後日からちょっと2、3日吉井君たちの事、よろしくね?」

 

 凛花は驚いて、

 

 「どうして!?その間、私だけじゃ無理だよ……。」

 「大丈夫、俺の代わりを連れてくるから。」

 「そういう問題じゃないもん!どうしても龍星様が行かないといけない用なの!?」

 「そうだよ。俺が行かないと駄目なんだ……俺が……。」

 

 そう言って俺は凛花を安心させる為に抱き締める。それでも凛花をなだめるのに10分ぐらい掛かってしまった。

 

 「大丈夫だよ……俺はちゃんと帰ってくるから……。さぁ、帰ろう……?」

 「うん……。」

 

 はぁ、これは凛音に言ったとき絶対同じ反応するなぁ。と思いながら屋敷に帰った。……案の定凛音にも同じ反応をされた。……別に死地に向かうなんて言ってないんだけど。どうしよう?あいつを連れて来ようか?

 

 

 

 

 

 レビウスside out

 

 

 

 

 時間は少し遡る。

 

 

 明久side

 

 僕は木下さんとまた一緒に帰る為にFクラスに向かった。姫路さんがまだ残っていたようだ。えーと、僕は龍星さんに保健室に行って起きたって設定で良いか。

 

 「はぁ、ひどい目にあったなぁ。あ、姫路さん?何書いてるの、姫路さん?」

 「あ、吉井君!?」

 

 こんな時間まで勉強かな?僕が近くに寄るとやっと気づいた様だ。

 

 「あ!」

 

 何かの紙が落ちた。なんだろう?え?これは……もしかしてラブレター?誰に?……まさか!だけど、雄二には霧島さんが……

 

 「あ、あの!これは……違うんです!いえ違わないんですけど、違うんです!」

 

 姫路さんが慌てて言い訳しようとしている。木下さんに再会するまでは、多分気になってしまっていたけど今はそんなに気にならない。やっぱり木下さんに一途になったからだろう。でも一応好きだった人だからちょっと心配だなぁ。

 

 「……変わった不幸の手紙だね。」

 

 ちょっとバカの演技をしよう。

 

 「それはそれで、困る勘違いですけど……。」

 「相手はうちのクラス?「……はい。」そっか。じゃあ、僕が正しい不幸の手紙の書き方を教えてあげるよ♪」

 「いえ!これは不幸の手紙じゃないですから!」

 「不幸の手紙だよ……だって…………」

 

 なんて下りをやって分かった事がある、僕の事を雄二×明久のカップリングで受けにしてる少女がいるらしい。後でOHANASIしようかと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 そして少しして木下さんと合流して一緒に帰った。もちろん手を繋いで。あ、そう言えば、

 

 「ゆうちゃん。」

 「な~に?アキくん!」

 

 木下さんがとても上機嫌にこちらを向く。

 

 「実はね……今度の休みにデート行こうって話、その次の日でも良いかな?」

 「え!?何で!?」

 「実はね、島田さんにクレープを奢らせられる事になって……」

 

 木下さんの機嫌がどんどん悪くなっていく。

 

 「…………その島田さんって娘のせいでデートの予定が……」

 「ゆ、ゆうちゃん?」

 「その娘、殺して良い?」

 

 木下さんが殺気を隠そうとせず、笑顔でそう言った。その時、僕は咄嗟に木下さんを抱き締めた。

 

 「ゆうちゃん、そんなこと言わないで……。お願い……僕はゆうちゃんが人を殺すのなんて見たくない……。」

 「あ、アキくん……。ごめん、ごめんね。アキくんとの楽しい時間が無くされると思って……ちょっと熱くなっちゃった。」

 

 僕は冗談だとしても木下さんには、手を汚してほしくなかったんだろう。僕は木下さんを抱き締めているうちに泣いていた。それで木下さんをなんとかなだめる事ができた。そして、なんとか僕は泣き止んで木下さんに僕が抱き着いた形で分かれ道に着くまでそのまま帰った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 木下さん、君が手を汚すくらいなら……僕が……

 

 

 明久side out

 

 




 はい、明久が危ない事を言っていますね!まぁ1章では関係ないんですけど……そう、1章ではね……。

 今回も伏線いっぱいですね~!

 大事な発表なんですが……実は2月中盤までこのSSは更新しません!活動報告を見てもらえば分かるんですが、失踪ではないので安心してください!
 後、感想をお待ちしています!

 レビウスの言っていたあいつとは?レビウスの戦わなければならない相手とは?

 次回「代表戦 そして、同棲開始!」

 次回もお楽しみに!

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