バカとテストと召喚獣 ~The if or true story~ 作:天沙龍月
UA2800越え、お気に入り40件越えありがとうございます!感想をくれた足元注意さん、メリーさんありがとうございました!おかげで早く書けました。
…そして一つ謝らなければなりません。
サブタイを見ると分かると思いますが今回初めて前編後編に分けました。すみません!内容が膨らみ過ぎて1話に収まりきりませんでした!今回でも8000字越えてます。予定していたものを全て書くと2倍以上の内容になってしまいます。なので不本意ではあるのですが、分けさせていただきました。
では本編をどうぞ!
レビウスside
「ん…。朝か。」
俺が目を覚ますと部屋の窓から月の光が部屋を弱々しく照らしていた。さて、今日から二度目の高校生か…。俺は目元の涙を拭いながら体を起こし伸びをする。時計を見ると午前4時だった。いつも通りだ。俺は部屋着からトレーニングウェアに着替えて、ドアを開け部屋から出ると、
「おはようごさいます。レビウス様。」
「おはよう。ディル。」
ディルが居た。ディルはいつもトレーニングに付き合ってくれている。トレーニングというのは戦闘を想定したトレーニングで、トレーニングの場所は地下室だ。俺とディルは談笑しながら地下室へと向かった。
地下室に着いてディルは俺に二振りの剣を持ってきた。この剣は鉄で出来ており、トレーニングには十分な強度もある。ディルは剣を俺に渡した後機械の制御室に向かい、俺は何の構えも無くただ目を閉じ立っていた。少しして、トレーニングが始まった様だ。ディル以外の気配を感じ、こちらに向かってくるモノを弾いていく。どんどんこちらに向かってくるモノのスピードが上がりそれと対応するように弾くスピードは上がっていき、常人では何をしているか分からないくらいのスピードまで上がった。そこで、初めて目を開く。そして、もっとスピード上げていき限界まで上げ、最後に向かってくるモノすべてを受け止めた。
「…どうですか?」
「1秒間に250連撃でした。前回よりも速度が1.2倍になっています。いやはや人間とは思えませんな。」
「あはは、そんなことありませんよ…。ア…や…ヴにはまだ追い付いていませんから。」
「彼女たちは…。」
「分かってますよ…。それでもです。だって俺も一応…ですから。…には負けていられませんよ。」
今やったトレーニングは自分が1秒間にどのくらいの速さで剣を相手に当てられるかのトレーニング。これ以外にも色々なトレーニングをやっているが目標とする人たちにはまだ届かない。それでも継続はしている。継続は力なりというからね。
2時間後
トレーニングは軽めにして終わらせた。夜もトレーニングはするし、今日からは学園に通わなければならないからね。そんなに朝から疲れたくはないし、余力は残しておかないと。地下室から出てシャワーを浴びた。その後朝食用の服に着替えて、起きてきた凛音や凛花と一緒に少しゆっくりお茶を飲みながら談笑し、凛音は朝の準備があるからと少し早めに切り上げた。それから少しして、食事が出てきて皆で談笑しながら食べた。さて、
「凛花、学園に行く準備をするよ。なるべく早く終わらせてね。」
「は~い。」
20分後
凛花が準備をやっと終わらせて、学園に行く準備が出来た。もう学園に行こうと思う。今日はなるべく早く行かないといけないからね。色々とあるから。
「さて、いってくるよ。凛音、ディル。」
「「いってらっしゃいませ」」
凛音にいってきますのキスをして、学園へと向かった。
other side
ここ文月学園では学力こそが力であり、テストの点数こそが正義である。
other side out
雄二side
俺は朝早くから学園にきていた。理由は2つある。1つは昨日、Aクラスに宣戦布告されたことについて考えるため。もう1つは姫路に呼ばれたためだ。姫路が俺に用があるとするとその用件は限られてくる。
「どうした?姫路、俺に何か用か?」
「実は坂本君に聞きたい事が…ちょっと良いですか?」
…何だ?今何か殺気が…。
「…え?」
姫路が何かに驚いた様だ。一体何だ?まさか…あいつ…。
雄二side out
other side
「……以上です。2年1学期最初の戦争は、FクラスがEクラスを倒して終結しました。」
「ふーん。やるじゃないか。今頃負けたクラスは設備がボロくなって腐ってるだろうね。悔しかったら勉学に励んで次の戦争で取り返せって教えてやりな。人生は戦いだって。」
あたしは前の戦争の報告を受けていた。流石はあいつらがいるクラスだ。どんな理由で戦争を始めたか知らないが…簡単には負けないだろう。
「いえ…それが…生徒の自主申告で教室設備は入れ替えていないんです。」
「うん?どういうことだい?」
教室を入れ替えない?何故だい?それに何かメリットがあるとは思えないが…。全く何をしたいんだろうね?そんな事を考えていると、ドアのノック音が聞こえた。
「…誰だい?」
「本日からこちらの学園に通う事になった、如月龍星と如月凛花です。」
「入りな。高橋先生、布施先生、この話は後だ。いいね?」
「「分かりました」」
「「失礼します。」」
転校生か。こんな時期には不自然だが…。受け入れない訳には行かないからね。と考えていると、ドアが開いた。端正な顔付きの黒髪の青年と長髪で黒髪の綺麗な顔の少女が入ってくる。青年の方は青年とは思えない雰囲気を漂わせていた。何故あんな雰囲気が出せるのか疑問に思ったがそれよりも…
「初めまして。学園長先生、本日からこの学園のFクラスの方に通わせていただきます、如月龍星です。よろしくお願いします。」
「初めまして。学園長先生、同じく本日からAクラスの方に通わせていただきます、如月凛花です。よろしくお願いします。」
なんとも礼儀正しいね。だが…龍星の方は何故Fクラスなんだ?頭は良さそうに見えるけどね。
「そうかい。あんたたちが…。あたしがこの学園の長、藤堂カヲルだよ。よろしく頼むよ。それで…何故この学園に来たんだい?」
理由も言わずにこの学園に通われても困るからね。ちゃんと理由を聞かせて欲しいものだよ。
「そうですね…貴方には話していた方が良さそうですね。人払いしてもらっても宜しいですか?貴方以外には聞かれたくない内容なので。」
「分かった。高橋先生、布施先生。」
高橋先生たちに下がる様に目配せする。。高橋先生は少し心配そうな顔をして留まっていたが最終的にさがってくれた。あたしを信頼しておくれよ…さて、
「…これで良いかい?」
龍星の方は申し訳なさそうに、
「すいません、ありがとうございます。では理由でしたね。実は俺たちは、ある生徒たちの護衛をしに来たんです。」
ある生徒たち?一体誰だい?
「その生徒たちの名前は?」
「2年Fクラス吉井明久。2年Aクラス木下優子、以上です。」
吉井?あの観察処分者の吉井かい?後Aクラスの木下?その子は確か優等生の…。だが…
「何故だい?」
「それは吉井君の立場のせいです。貴方も…少しは知ってるんじゃないんですか?吉井君の事を…」
「っ!」
あたしは動揺していた。龍星の目が、暗い深淵の様な目をしていたからだ。何なんだ?こいつは吉井の事をどこまで知っている!?そうだよ。あたしは吉井の事を多少は知っていた。吉井の履歴を見たときに疑問点があり調べさせた。そうして出てきたのが吉井はLGNIと何か関係があるという噂だった。まさかあの噂は本当だったのか!?
「吉井君は今とても危うい立場なんです。実は吉井君の父はLGNIの現CEOで、後を吉井君に継がせようとしています。それだけでも危ういのですが、それ以外にも吉井君は普通の生活を学ぶために護衛はいません。これで分かりましたか?」
龍星が答えた。LGNIの次期CEOってだけでも最悪命を狙われるだろうが、護衛も居ないなら吉井は今世界を1人で相手にしてるようなものだ。危な過ぎる。だが木下も?
「木下さんは吉井君の婚約者なんです。昨日までどちらも知らなかったようですが。」
また、龍星が答えた。そうだったのかい…。木下が…だが何故だ?吉井と木下にはほとんど接点は無いはずだが……。
「それで?あたしはどうすれば良いんだい?何か手伝える事はあるのかい?」
龍星は首を左右に振った。
「貴方たちには何かをしてもらわない方がこちらとしては好都合です。その方が敵が出てきやすいので。」
あたしには何も出来ないのかい…。吉井の為に…。だが、そう思うのと同時に疑問が浮かんだ。だったら…
「あんたら二人でどうにか出来る問題じゃないんじゃないのかい?」
「いいえ。どうにか出来ますよ。此方には龍星様がいるで。」
今度は凛花が答えた。何故龍星がいればどうにか出来ると言えるんだい?
「それは…………………………。」
「何だって!?」
この話を初めてからあたしは今一番驚いていた。だが…
「まぁ…理由は分かった。この学園での2年間を楽しみな。」
これ以上こいつらと話していると頭がおかしくなりそうだ…
「ありがとうございます。学園長先生。ではまた朝会で、失礼します。」
「あぁ、それじゃあね。」
全く…とんだ生徒が入ってきたもんだよ…。
other side out
明久side
僕は今まで生きて来た中で一番驚いていた。
それは少し前の事だ。
今日は全校での朝会があるため、僕は遅刻をしないように早起きして学園にやって来ていた。だってレビウスさんが転校して来るんだよ?遅刻なんてしたら失礼じゃないか。Fクラスに着いた。もう雄二やムッツリーニも来ていたようだ。
「おはよう。雄二、ムッツリーニ。」
「お、明久か。こんな早くにどうしたんだ?お前、いつも遅刻ギリギリに来るのに20分も前に来るなんて。明日は世界の終わりじゃないか?」
「そんなことないよ!全く失礼だな!」
なんていつもの会話をしているといつの間にか朝会の集合時間が間近に迫っていた。もう行かなきゃね。
「朝会の集合時間だね。早く行こうよ。」
「あぁ、分かってる。よーし皆行くぞー。」
『うーい。』
僕は雄二に促して朝会へ向かった。
朝会は滞りなく進んでいきすぐに転校生の紹介になった。その時、問題が起きた。転校生たちが壇上に上がっていく。え?たち?それに……
「初めまして、皆さん。私が今紹介に預かりました、如月龍星です。出身はフランスですが純日本人です。どうかよろしくお願いいたします。」
黒髪の端正な顔の青年が挨拶をして軽くウインクをする。それで反応が分かれた。女子からは黄色い歓声が、男子からは舌打ちの嵐が。だけどそんなことは関係ない。昨日会ったレビウスさんは普通に三十代ぐらいだったのに今は17,8ぐらいにしか見えない。どうしてだ!?若返った?そんなことがあり得るのか!?そうしてる内にもう一人が自己紹介を始めた。
「初めまして、同じく如月凛花です。よろしくお願いいたします。後、名字で大体分かるかも知れませんがこちらの龍星は私の兄です。」
黒い長髪の美少女がレビウスさんと同じようにウインクをした。今度は男子が黄色い声援が、女子から舌打ちの嵐が、女子って恐い! そんな中僕はというと か、可愛い。はっ!ダメだダメだ!僕には心に決めた人がいるんだ!首をブンブンと左右に振る。雄二たちに変な顔をされたけどそんなこと気にしてられない!さっきは何も見なかった。それで良い。そんなことより!レビウスさんの妹!?本当によく分からない!何なんだ!? なんて思っていた。
「えー、自己紹介も終わった所で如月龍星君と凛花さんのクラスを発表します。龍星君がFクラス、凛花さんがAクラスに割り振られました。クラス代表にはもう発表していましたが如月君たちは試召戦争には参加する事が出来ません。試召戦争の間は試召戦争の観戦をしてもらいます。」
高橋先生からさっきよりは軽い驚きを与えられた。やっぱりそうなるよな~。試獣の操作の訓練をしていないからね。ちゃんと訓練をしていないと試召戦争に参加しても言って悪いが足手まといになってしまう。そんなこんなで朝会が終わった。
僕たちは教室に戻って先生からレビウスさん改め龍星さんの紹介がされた。
「朝会でも言っていた通り龍星君はフランス出身ですが貴方たちと同じく日本人です。仲良くしてあげてください。」
「改めて如月龍星です。本当は1学期の最初から来たかったんですが手続きが遅れてしまいこんな中途半端な時期になってしまいました。少し日本に乏しい所があるかも知れませんがどうぞ仲良くしてください。……もしこの中で俺の妹に手ぇ出したい奴がいるならぶっ殺してやるからかかってこい。なんて…冗談です♪」
いや…全然冗談の顔じゃなかったですけど…Fクラス皆が同じ事を思っただろう。だって笑顔のはずなのに全身から凄まじい程の殺気が出てるんだよ?あれ?それなのに誰も気絶していなかった。まさか…気絶しない程度に殺気を出していたのか!?す、凄すぎる。
「皆さんどうかしましたか?シーンと静かになって?」
先生が少し驚いている。そうでしょうね。いつも騒いでいるクラスの皆が静かになっているだもん。驚きますよね…。そんなHRが終わった。龍星さんは休み時間になってすぐ教室から出ていった。僕はあとを追う為に教室を出ようとした時、雄二から声を掛けられた。
「どうしたんだ?明久?」
「ちょっとトイレに…。」
「ゲームの続きを早くしたいんだ。早くしてくれよ。」
「分かってるよ。」
たぶん雄二は僕が龍星さんと会う事を薄々感づいている。あんな自己紹介をしたから心配してとか思ってるだろう。僕は教室を出て、龍星さんがいるであろう屋上に向かった。
「…来たね。吉井君。」
やっぱり居た。龍星さんが佇んでいた。
「なんで龍星さん、若返ってるですか!?それに妹ってどういう事です!?」
龍星さんに近づきながら聞きたい事を聞いた。龍星さんはいたずら好きな子どもみたいな顔をして、
「驚いた?吉井君たちにサプライズ的な?」
「そんなことあるわけないでしょ!本当はどうしてなんです!?」
「まぁ、本当の事を言うと若返ったというのは言葉が違うんだよ。」
どういう事だ?
「元に戻ったが正しいかな。俺はある時から不老になってしまったんだ。信じられないと思うけど本当だよ。LGNIのCEOだった時は歳をとったように見せていただけだしね。幻覚でね。あと凛花は妹じゃない。養子だよ。木下さんを守らせる為に連れてきたんだ。」
「そう、だったんですか。」
龍星さんの答えはすっと耳に入ってきた。そして、龍星さんは思い出したようになにかを取り出した。
「はい、これ。俺たちへの連絡用の端末ね。あとフリーチャットも出来るから木下さんとも連絡出来るよ。良かったね~これで授業中も寂しくないよ(笑)」
「そんなに木下さんが恋しくなることなんて…すいません。あります…。」
昨日、木下さんと再会してからというもの、木下さんが近くに居ないとなんか落ち着かくなってしまった。Fクラスでも演技には支障が無いものの何度か顔に出る所だった。早く木下さんに会いたい。そう思ってしまうと落ち着かない。あ、ヤバい。
「き、木下さんに今会えますかね?」
「全く…しょうがないね。…あぁ、凛花?今どこ?…ふぅん。じゃあこっちに来てくれる?…うん。お願い。それじゃあね。」
龍星さんが僕に渡した端末と瓜二つの端末でどこかに連絡してこちらを見てニコニコしている。
「良かったね♪すぐ来れるって♪」
「誰がです?」
「君が会いたいって言ってたでしょ♪愛しのフィアンセを呼んでおいたよ♪」
何だろう?もしかして…
「あっきくーーん!!」
「え?ぐふ!」
屋上の扉からこっちに飛んでやって来る木下さんに抱きつかれた。あぁ、ゆうちゃんだ…。木下さんの感触が、匂いが、暖かみが、僕を落ち着かせてくれる。さっきまでの不安な気持ちを溶かしてくれる。ずっとこうしていられたらどんなに幸せだろう……。
「やぁ、凛花。」
「どうしたの?突然呼んだりして。」
「いやー、この状況見て大体分かるでしょ?」
「…まぁ、そうだね。」
「おーい。お二人さん、もういいかい?時間が押しているんだ。」
龍星さんが読んでいる。しょうがない。
「…分かりました。…ゆうちゃん離してくれるかい?その代わりに手、繋ご?」
「…分かった。いいよ。はい、手。」
僕と木下さんは抱き合うのをやめて手を繋いでいた。もちろん恋人繋ぎだ。さて、
「で、龍星さん何ですか?」
「入れ替え早いね~。ま、良いや。でね、吉井君と木下さんを呼んだのは言わなきゃいけない事があったからなんだ。」
「一体何ですか?」
「実はね…」
龍星さんためるなぁ。本当に大事なことなんだろうな。
「二人に同棲してもらうことになったんだ♪」
こうして初めに戻ることになる。
明久side out
時は朝会終了まで遡る
優子side
あたしたちはクラスに戻って改めて如月さんの自己紹介を聞いていた。
「如月さんはフランス出身ですが皆さんと同じく日本人です。仲良くしてあげてください。」
「改めて如月凛花です。1学期の始業式から転校して来たかったんですが手続きが長引いてしまい、こんな中途半端になってしまいました。日本に乏しい所もあるので教えて頂くと幸いです。どうかよろしくお願いいたします。」
綺麗な人だなぁ。あきくんも朝会の時にやけてたし…あたし、そんなに可愛くないのかな…。そんなことを考えると自分が嫌いになりそう。うぅ、あきくん…。
「……さん。木下さん!」
「は、はい!」
「話を聞いてましたか?」
「すみません…。考え事をしていて…。」
「考え事も良いですが、話は聞いて下さいね。」
「はい…。すみません。」
あきくんの事を考えていたら高橋先生に指名されていたようだ。あきくんの事を考えていると他の事が疎かになるみたい。気をつけなきゃ。
「それでなんでしょうか?」
「実は如月さんに学園の中を案内してほしいのですが。良いですか?」
「別に良いですけど…。いつですか?」
「今からです。1時限目の授業は公欠にしますので、大丈夫です。」
「分かりました。如月さん行きましょう?」
「あ、はい。よろしくお願いいたします!」
何だ、学園の案内か。如月さんとは聞きたい事もあるし、丁度良いや。あたしは如月さんに教室から出て学園の案内を始めた。それより…
「改めて如月凛花です。よろしくお願いいたします。」
「あたしは木下優子よ。優子で良いわ。あたしも凛花って呼ぶから。」
「はい!優子!」
この子、一つ一つの動作に気品を感じるわ。どこかのお嬢様なのかしら。それに、如月…。彼女に疑問を抱きながら案内を進めた。
「大体、終わったかしら。はい、これ。」
「あ、ありがとうございます!」
大体の案内を終えて自販機から紅茶を買う。1つを凛花にあげた。談話室に行き一息ついた。さてと、
「で?単刀直入に聞くわ。凛花はあたしを守りに来たの?」
「…まぁ、そうなりますね。あ、そういえばこれをどうぞ!」
凛花から何かの端末を貰った。何かしら?
「これは?」
「それはですね、私や龍星様、それに吉井君に連絡出来る端末です。それにフリーチャットが出来るので授業の間も吉井君と話せますよ♪」
「っ! そ、そう。ありがとう。」
やった!あきくんと話せるんだ!えへへ♪
「あ、そういえば…優子は吉井君の何処が好きなんですか?聞きたいです♪」
「え!?そ、そうね…全部好きだけど一番好きなのは笑顔、かな。えへへ。」
「そうなんですか!良いですねぇ~。青春してますね!」
凛花がいたずらっ子みたいな笑みを浮かべる。な、何よ。そんな時だった。凛花が何かに気付いた。あれはあたしのと瓜二つの端末だった。
「…私だけど、どうかした?…今ですか?談話室ですけど。…え?はい。分かりましたけど…。木下さんも連れて行った方が良いですか?…はい。それじゃあ。」
「誰?」
「あ、龍星様です。屋上に来て欲しいと。優子も一緒に来て欲しいそうです。」
「そ、そう。」
龍星さんが?どうして?そう思いながら屋上に向かった。
ん?何か話し声が聞こえる。
「誰です?」
「君が会いたいって言ってたでしょ♪愛しのフィアンセを呼んでおいたよ♪」
もしかして、あきくんと龍星さん?あきくん、あたしに会いたがってる?なんかとてつもなくあきくんに抱きつきたい!
「ほーら♪抱きついてきたら?」
「そ、そうね。」
あたしは助走をつけ、あきくんをロックオンして飛んで行った。
「あっきくーーん!!」
「え?ぐふ!」
あたしはあきくんに抱きついて離さない。あきくん!大好き!あきくんの匂い、感触、暖かみが心に染み渡る。もう離したくない。ずっとこうしていたいよ…。
「おーい。お二人さん、もういいかい?時間が押しているんだ。」
龍星さんの声で現実に戻った。あきくんが申し訳なさそうに、
「…分かりました。…ゆうちゃん離してくれるかい?その代わりに手、繋ご?」
「…分かった。いいよ。はい、手。」
あきくんは小声でゆうちゃんと呼んでくれた。それだけで嬉しかったが、その後の言葉もあたしにはとても嬉しかった。あきくんが自分から手を繋ごうと言ってくれたから。あたしとあきくんは抱き合うのをやめて手を繋いでいた。あきくんの方から恋人繋ぎにしてくれた。嬉しい♪
「で、龍星さん何ですか?」
「入れ替え早いね~。ま、良いや。でね、吉井君と木下さんを呼んだのは言わなきゃいけない事があったからなんだ。」
「一体何ですか?」
「実はね…」
一体何だろうか?
「二人に同棲してもらうことになったんだ♪」
「え?えぇ!?」
あたしは混乱していた。あきくんと同棲!?
ということで明久と優子が同棲しちゃいます!これでもまだ4話の半分いってません。すいません!作者のミスです。
同棲する事になった明久と優子ですが、後編ではまだ同棲はしません!そこだけは注意してください!
後、レビウスがやっていたトレーニングですが、これは某黄金騎士や某銀牙騎士のトレーニングをモデルとしています。分かる人いたかな?
本作品への評価、感想、お待ちしております。
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次回「4話 転校生 そして、放課後 後編」お楽しみに!