バカとテストと召喚獣 ~The if or true story~   作:天沙龍月

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 大変お待たせしました!言い訳はしません。サボってました!半月程、全然創作意欲が湧かずそのまま放置していました。ごめんなさい!ですが安心してください。今回も何とか8000字越えです。そして、完全なオリジナルの話です。
 後、お気に入り30件越え、UA1900越えてました!ありがとうございます!
 それでは本編をどうぞ!


第3話 帰り道 そして、真実

 明久side

 

 校舎の中に入ると僕ら以外に人影はなかった。木下さんをこのまま一人で帰らせられる事なんて出来ないので、木下さんはAクラスに、僕はFクラスに行って荷物を取りに行き、一緒に帰ることにした。ただ問題が一つ。木下さんが僕の手を離してくれないのだ。

 

 「き、木下さん。」

 「何?あきくん。」

 「もう手を離してくれないかな?」

 「…やだ。あきくんはまた居なくなるかもしれないじゃない。」

 「そんなこと…「ないって言い切れる?」…言い切れません。僕が悪かったです…」

 

 こんな調子で離してくれない。

 

 「もう、しょうがない…僕も一緒にAクラスにいくよ…」

 「えへへ♪それでいいの♪」

 

 仕方ない。このまま手を繋いでいくしかないようだ。まぁ、僕も本当は手を離したくないからいいんだけど。少し歩いてAクラスに着いた。それにしても、やっぱりすごい教室だなぁ。木下さんの机に行って荷物を取りに行く。さてと、次は僕の荷物か。

 

 「忘れ物はない?」

 「そんなのないよ?あきくん。」

 「それじゃあ、次は僕の荷物を取りに行こう。」

 「分かったわ。」

 

 AクラスからFクラスは結構遠い。何せAクラスは新校舎。Fクラスは旧校舎たからだ。5分くらいしてやっと着いた。行く途中で誰にも会わなかったから良いけど、Fクラスの連中に見つかりたくないな。もし、知られたらと思うと寒気が…

 

 「あきくん?顔色悪いよ?」 

 「あ、ごめんごめん。ちょっと考え事をしてて…」

 「もしかして、あたしとこんな事してるってFクラスの連中にばれたらって考えてる?」

 「…うん。そんな事になったら僕だけじゃなくて木下さんにも迷惑がかかっちゃうから。」

 

 それだけは避けたい。もしそれで木下さんに何かあったら…僕は生きていける気がしない。やっぱり僕は本当に木下さんが好きなんだって思う。こんなにもいとおしいのは姫路さんにも感じたことがない。

 

 「そんな事絶対ない…それでもあたしはあきくんが好き…。それに如月さん?もいるじゃない。だから心配しないで…?」

 

 そうだ。僕たちにはレビウスさんもいる。あの人ならFクラス、いや学園が相手でも負ける事は万に一つもないだろう。だってLGNIのCEOの時にもテロや紛争がある所に一人で行っては2、3日で解決してきた。そんな話をいくつも母さんから聞いている。

 そんなことを話しながらFクラスに着いた。よし、誰もいない。自分の荷物を取ってふと、視線を感じた。誰だ?この感じは雄二や島田さんではないらしい。誰かわからないというのはとても怖い事だ。誰かわからないということはこの状況を見られて、僕たちにどんな影響があるかわからないし、もしかしたら、僕を狙った暗殺者かもしれない。ただ、この視線に悪意は感じられない。

 

 「どうしたの?あきくん?」

 「いや、何でもないよ。さぁ、行こう。」

 

 悪意が感じられないということは、僕たちに悪影響がある可能性は低くなる。このまま観察だけしていてもダメだろう。それに、木下さんを早く帰して家に帰りたい。母さんに聞きたい事もあるし、頭の整理もしないと今後に影響がある。

 僕たちは少し喋りながら下駄箱まできた。

 

 「じゃあ、靴を取って履き替えるまでは手は離す。それでいいね?」

 「うん…しょうがないからね。待っててよ!本当にね!」

 「分かってるよ。」

 

 こうして、僕たちは一度手を離し、靴を履き替えて昇降口に来て、手を繋ぎ直した。なんか、言葉も変だけど。帰り道で、

 

 「…あきくん、本当に記憶無いの?」

 「そうだよ。小学3年から前の記憶は無いんだ。どうしてか分からないけど。ただ…」

 「…ただ?」

 

 これは木下さんに言ってもいいだろう。

 

 「ただ、昨日の朝変な夢を見たんだ。」

 「どんな?」

 「夕暮れで僕は幼稚園の頃ぐらいに小さくて、隣には僕の事をあきくんって呼ぶ、茶髪の同じくらいの女の子がいて…」

 「…それで?」

 「その子が僕に告白してきて、僕もその子に告白したんだ…って木下さん大丈夫!?」

 

 木下さんの顔が真っ赤だ。もしかして…

 

 「それって…あたしがあきくんに告白した時の…」

 

 やっぱりか。あの子は木下さんだったんだ。だけど、

 

 「僕たちって付き合ってたの?」

 「そうだよ。幼稚園の頃からね。」

 

 そんなことも忘れているなんて僕は本当にバカだ!この身を呪いたくなる。あぁ、何で忘れてるんだよ!

 

 「あきくん…もし、あたしが危険な事に巻き込まれたりしたら助けてくれる…?」

 

 木下さんが不安そうな顔をしていた。木下さんを猛烈に抱きしめたくなる。ここはグッとこらえて…ってもしこれが無意識のうちに安心させる方法を導き出しているとすれば…? 僕は木下さんを抱きしめ、頭を撫でる。

 

 「大丈夫だよ…。僕が木下さんを絶対に助けるから。安心して…?」

 「あ、あきくん…えへへ…ありがとう…。」

 

 よし、安心してくるたようだ。

 

 「…だけどあきくん、いつまであたしのこと木下さんって呼ぶつもり?」

 「え?じゃ、じゃあ、どう呼べば良いの?」

 

 そんな質問は想定外だった…木下さんの答えは決まっているだろう。

 

 「ゆうちゃんって呼んで…?」

 「いや、それは…」

 「皆の前ではまだダメだけど…ゆうちゃんって呼んで?」

 「き、木下さん、「ゆうちゃん」ゆ、ゆうちゃん。「それでよろしい。」わかったよ…。」

 

 僕、結構恥ずかしいんですが…。

 

 

 そんなこんなで別れ道まできていた。

 

 「それじゃ、ここから違う道だから…また明日の放課後、屋上で。」

 「また明日…。大好きだよ!!あきくん!」

 「僕もだよ。」

 

 こうして僕たちは自分の帰路についた。

 

 10分後

 

 僕は家に着いた。さてと、これから夕食の準備をして、夕食がすんでから母さんに話を聞こう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 1時間後

 

 夕食を済ませたので母さんに話を聞こう。母さんと父さんは海外のLGNIの本社にいるので電話するのにも一苦労。あ、つながったかな?

 

 「もしもし?LGNIの本社ですか?」

 「そうですが、どちら様でしょうか?」

 「吉井明久です。母さんはいるでしょうか?」

 「あ、明久様!?すぐにお呼びします!」

 

 受付の人、結構驚いてたな。それはそうか。次期CEOが電話してくるんだもんな。程なくして母さんが出た。

 

 「もしもし、明久?どうしたの?」

 「実は母さんに聞きたい事があるんだ。」

 

 聞きたい事は決まってる。

 

 「なにかしら?」

 「今日学校でレビウスさんに会ったよ。母さんたちが依頼したんでしょ?」

 「そうよ。貴方がCEOになる前に死んでしまったら意味がないもの。」

 「そうか…。後、木下優子さんって知ってる?」

 

 父さんがCEOになったのも僕の為って言ってたしね。でも何で?そして今日のメインの質問をする。

 

 「…!何処でその名前を?」

 「本人に会ったんだ。」

 「そう…。優李がそういえば同じ高校って言ってたわね。それで?」

 

 母さんか驚いてたのが電話越しでもわかる。それに優李さんって誰だ?普通に考えて、おそらく木下さんのお母さんってところか。

 

 「それでって…母さんは知ってたの…?僕が記憶を無くす前から木下さんと知り合いだったの。」

 「そうね、知ってるわ。だって…貴方たち婚約してるもの。」

 「やっぱりそうだったのか…。今日、レビウスさんが教えてくれたんだ。でもどうして?僕は木下さんの事を覚えてないの!?」

 

 やっぱり母さんは知っていた。なのに何で僕に言ってくれなかったんだ?

 

 「それは…貴方が知るにはまだ早すぎるわ…。もうこんな時間ね。それじゃ、明久、木下さんの事大事にするのよ。」

 「ちょ、母さん!…切られた…。」

 

 最後は強引に切られてしまった。何で僕には教えてくれないの?母さん。

 

 明久side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 明菜side

 

 ごめんなさい明久。まだ貴方には教えられないわ…。もし、ここで教えたら貴方はまた…。

 

 明菜side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 優子side

 

 「ただいま~」

 「おかえりなさい。今日は遅かったのね~」

 「ちょっと用があって…。」

 

 あたしは家にやっと着いた。家に入るとお母さんが夕飯の準備をしていた。お父さんはまだ帰っていないらしい。

 

 「お母さん。お父さんと秀吉は?」

 「まだお父さんは仕事が残っているらしくて。秀吉はまだ部活かしら?帰り道で会わなかったの?」

 「いいえ。会ってないわ。」

 「そう。じゃあ、優子早く着替えてらっしゃい。…何か用があるんでしょ?」

 「は~い。てか、あたしが用があるってよく分かったね?」

 「そりゃあ、貴女を何年見てると思ってるの?考えている事くらい分かるわ。さぁ、早く着替えてきて。」

 

 お母さんには何でもお見通しみたいだ。あたしは急いで部屋で着替えてリビングに戻ってきた。するとお母さんはもう夕飯の支度は終わったようでリビングでくつろいでいた。さて、本題だ。

 

 「それで?どうしたの?」

 「実は…今日、あきくんに会ったの。」

 「あきくんって吉井明久君?良かったじゃない。」

 「そう。それである人にこう言われたの。」

 「なんて?」

 「あたしとあきくんは婚約してるって。」

 「…誰に聞いたの?」

 「レビウスさんって人。何でそんなことになってるの!?」

 

 お母さんの雰囲気が、少し変わった。

 

 「そう…。レビウスさんが…。優子は吉井君と婚約してて嫌?」

 「嫌じゃないけど…何でそんなことになってるのか教えてほしいわ。」

 「…分かったわ。これから話す事はまだ吉井君には絶対に言わないで。」

 

 お母さんは少し暗い顔をしていた。聞くには覚悟が必要ってこと?どうして?

 

 「…分かった。あきくんには話さない。」

 「良かった。まず何で婚約してるかっていうとこれは、吉井君を守る為に必要なことだから。そして、優子にも話さなかったのはそれを知って貴方に危険が及ばないため。」

 

 婚約する事があきくんを守る為?そして、それを話さなかったのはあたしの為?どうして?そんなこと…

 

 「よく分かってないみたいね。貴女は吉井が今どんな存在だか分かる?」

 「…LGNIって会社の次期CEO。」

 「そう。貴女はLGNIの事を知ってる?「…いいえ」そうよね。LGNIというのは正式名称でいうとlaureate global navigation and armaments industries 優秀な世界的な航行技術及び軍事技術工業というの。この会社の仕事としては世界の優秀な工業会社の監視と粛清。吉井君の父親がそこのCEOなの。世間には知られていない会社なんだけど、どの国もこの会社には頭が上がらないわ。自分たちの軍事技術の情報をすべて知っているから下手な真似をすると国が無くなってしまうからね。」

 

 あきくんはそんな所の次期CEOなの?何で?

 

 「何であきくんはそんな所のCEOにならないといけないの!?」

 「それは…吉井君を守る為よ。彼は生まれた時から特別な「力」があった。その「力」は世界のどの国も喉から手が出るほど欲しい力だったの。幼い頃から色々な国から狙われてきたわ。だから、吉井君の両親はその時のCEOであるレビウスさんに自分たちの息子に特別な「力」があり、そのせいで息子が狙われている事を伝えて守ってくれる様に頼んだ。そうするとレビウスさんはLGNIのCEOにする事を薦めたの。あの人も不思議な人でね、吉井君が特別な「力」を持って生まれてくる事を知っていたようなの。それでLGNIは吉井君の為に作ったから好きに使うといいといってくれた。それで吉井君の父親である輝久がCEOの席を譲り受け、どうにか吉井君を狙われないようにしたの。」

 「あきくんの事についてはなんとなく分かったけど、お母さんは何でその事を知ってるの?」

 

 細かい出来事まで知ってるなんてどうにもおかしい。

 

 「それは、私が吉井君の両親の幼なじみだからよ。吉井君の事を相談されてレビウスさんを紹介したのも私なのよ。前までLGNIの結構上の方だったからね。秀介さんも分かっていたわ。貴女たちには隠していたけど。」

 「何でお母さんはLGNIに勤めていたの!?」

 

 お母さんは少し悩んだ顔をして、

 

 「レビウスさんにスカウトされたのよ。貴女たちが生まれる1年くらい前にね。君が今後生むであろう子供たちの為にって最初は半信半疑で断ったんだけどその後不思議な体験をしたの。まだ生まれる事も分からなかった貴女たちの事が見えた。その中の貴女たちはとても苦しんでいた。私が護らなきゃって思った。それでスカウトを受けたの。その後貴女たちが生まれて今に至るわ。」

 

 おかしい…。お母さんの話はびっくりだけどレビウスさんは未来が見えていたとか?…そんなのありえない。もう空想の話だ。そんなことをお母さんと話し合っていたとき、突然リビングの扉が開いた。そこにいたのは、

 

 「ただいまなのじゃ。母上、姉上。何か話をしていたのかの?」

 

 秀吉だった。秀吉にこの話を聞かせるのはまずい。

 

 「何でもいいでしょ。ね、お母さん。」

 「そうね。」

 「そうかの?それなら良いのじゃが。」

 「さて、夕飯を出さなくちゃ。優子少し手伝って~」

 「わかったわ。」

 

 

 なんとか誤魔化せたかしら。まだあんたに話す訳にはいかないの。あきくんの為にも。

 

 優子side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 時は1時間程遡る。

 

 

 

 

 

 

 レビウスside

 

 今、俺と凛花は明久君たちを尾行をしていた。さっき、帰った様に見せたのは凛花と合流するためと明久君に俺達がもういないと思わせ木下さんは自分が護らなければと考えさせる事の2つ。

 それにしても、木下さんは結構積極的なんだなぁ、さっきからずっと明久君の手を離そうとしていない。明久君も満更じゃなそうだけど。……こう見てると何年も付き合っている恋人同士にしか見えないんだけど…さっき再会したばっかりなんだよな。

 

 「…いいな。」

 「どうした?凛花?」

 「だって、ああいう事してくれないじゃん!」

 

 頬を膨らませまがら訴えられても困るんだが…

 

 「凛花、しー。気付かれる。」

 「っ!…ごめんなさい。」

 「分かってくれれば良いさ。…家に帰ったらそれについて話し合おう?いいね?」

 

 凛花の髮をそっと撫でながらなだめる。

 

 「…分かった。」

 

 凛花は少し頬を赤らめながら納得したようだ。さて、明久君たちの尾行を続けよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 明久君たちがFクラスにいたときだった。誰かが明久君たちを見ているようだ。それも隠れて。俺と凛花はなるべく気配をわからせずにその相手に近づいた。相手とあと数十歩の距離から一気に加速し、峰打ちをする。ちゃんと効いてくれたようで地面に倒れ込みそうだったのをキャッチする。このおかっぱ頭の少年…この学園の制服だから明久君たちのクラスメイトか?だが、AクラスやFクラスにはこの生徒は居なかったはず。別のクラスの誰か?しかし、この状況を見られたのはまずいな…。

 

 「どうするの?」

 「そうだなぁ、記憶を消すか。」

 「それが一番良いと思うよ。」

 

 凛花と相談し、記憶を消す事にした。消すといってもさっきの場面だけだ。後は彼の脳が勝手に記憶を捏造してくれる。どうやって消すか?そんなの決まっている、「力」を使うんだ。その名も絶対順守。相手に強制的に自分のさせたい事をさせる力。どこかの9人兄妹の長女様のような力やシスコン元王子のような力と似ているがそれよりももっと強力で並の人間ならば太刀打ち出来ない。さて、

 

 「おーい。起きろ!」

 「ん?な、なんだ!?お前らは一体誰だ!?この学園の生徒じゃないよな!」

 「俺は如月 龍聖、こっちは如月 凛花。よろしく。君は?」

 「お、俺は根本 恭二だ。」

 

 よし、これで名前は聞けた。この「力」には相手の名前を知っている事が不可欠だ。これで準備は出来た。

 

 「よし、根本君、こっちを見てくれ。「な、なんだ?」………………レビウス・ディ=シルヴァティアが命じる。根本 恭二、さっき見たものをすべて忘れろ。Fクラスにいた者たちの事もだ。」

 「何を……ウッ!頭が、頭が痛い!!………はい、忘れます。」

 

 成功だ。これで何とかなっただろう。明久君たちも無事に帰ったみたいだし、俺たちも帰るか。

 

 「凛花、帰るよ。」

 「はーい。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 30分後

 

 ふぅ、家に着いた。俺たちの家は、まぁ言うところの豪邸だろう。文月学園から少し山の方に行った森の中にある。結構デカイ。ここには俺たちの他にメイドさんの凛音と執事のディルがいる。凛音は黒髪のショートで背丈が凛花よりちょっと小さい。真面目で健気な子だ。年齢は今年で19かな?ディルは銀髪の老紳士。何でも頼みを聞いてくれる頼れる人だ。出迎えは凛音か。

 

 「ただいま、凛音。」

 「ただいま、凛音さん。」

 「お帰りなさいませ。レビウス様、凛花様。凛花様、何度も申し上げていると思いますが、私にさん付けは不要です。」

 「いやいや、凛音さん、それは出来ないですって。」

 

 …また始まったよ、凛音と凛花のさん付け議論。凛音は自分にさん付けは要らないと、凛花はさん付けは敬称なのだから必要と主張し合い、終わらない。別にどっちでも良いと思うけどなぁ。ずっとこのままって訳にもいかないよな。

 

 「だからさん付けは要らないと!」

 「いやいや!要りますって!」

 「どっちもストップ。4月とはいえまだ肌寒い。早く家に入らないか?二人とも風邪引くよ。それじゃ。」

 「待ってくださいませ!レビウス様!私がご案内するのですから!」

 「待って~!」

 

 こうするのが手っ取り早い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 家の中に入ってすぐディルがやって来た。

 

 「お帰りなさいませ。レビウス様。お食事の準備が出来ております。」

 「分かった。ありがとう。」

 

 

 

 

 

 少しして、食事の広間に着いた。さて、

 

 「凛音、凛花もそろそろやめたらどうだ?」

 

 実はあの後も議論が続いていて廊下に響いていた。こうなったら…切り札を使うしかないな。

 

 「いえ、これだけは譲れませんので。」

 「そういうこと。」

 「はぁ…。いつまでもそうしてるなら今日のご褒美はなしだよ?いいの?」

 「「え!?そんな!」」

 「そう思うんだったら早くやめたら?」

 「「は、はい…。すみませんでした…。」」

 「それでよろしい。それじゃあディルと凛音、食事を持ってきてくれ。」

 「「かしこまりました。」」

 

 これでよし。さっき言ったご褒美というのは凛音と凛花の頭を撫でたり添い寝したりなど、まぁいうなればイチャイチャだ。内容はその時の俺の気分により変わる。これが無いと次の日の彼女たちのテンションがめちゃくちゃ低い。これを条件にすればほとんど頼みを聞いてくれる。まぁ、そんな風にしたことは無いけど可哀想だからね。

 

 

 

 お、ディルたちが料理を持ってきた。この家では使用人も主人たちと一緒に食べる様にしている。そうしないと凛音が可哀想だからね。

 

 「さて、頂こうか。」

 「「「はい。」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 30分後

 

 俺たちは談笑しながら料理を食べ終わった。今頃明久君たちは驚いているだろうな。明日が楽しみだ。

 さて、料理も食べ終わったし、ご褒美をしようかな。

 

 「今日は凛音から来てね。じゃあ、後で。」

 

 俺は自分の部屋に行った。俺の部屋は黒茶色を基調とした落ち着いた雰囲気の部屋だ。部屋の中には二振りの黒い剣が飾られている。。俺はそれに触り、

 

 「……まだ力は戻らないか。後2ヵ月か……君と話せるのを待ってるよ。ラグ。」

 

 そんなことをしている内にドアが2、3度トントンとノックされた。凛音が来たかな?

 

 「は~い。どうぞ~。」

 「お、お邪魔いたします。レビウス様。」

 「今は二人きりだから様は要らないよ、凛音。」

 「分かった。で、何で今日は凛花様より先だったの?」

 

 凛音は俺に腕を絡ませながら聞いてきた。わかっているだろうに。

 

 「そんなの簡単だよ。今日は1日凛花と一緒だったからね。凛音が寂しかっただろうなと思って。」

 「そ、そう。ありがとう♪ えへへ♪レビウス~」

 

 凛音が頬釣りをしてきたので、髮を撫でてあげた。そうすると凛音は目を細めて気持ち良さそうにしていた。

 

 

 そして30分後

 

 「それじゃあ、おやすみなさい。レビウス。」

 「あぁ、おやすみ。凛音。」

 

 凛音が帰り、今度は凛花が来た。

 

 「お邪魔しま~す。」

 「凛花へのご褒美はどうしようかな。」

 「何で!?」

 「だって今日ずっと一緒にいたからなぁ~。」

 「そ、そんな~!」

 「なんて嘘だよ。」

 

 凛花へのいたずらも済んだ事だし、凛花の頭を撫でてやろう。頭を撫でると凛花はとても赤くなっていた。可愛い。

 

 

 10分後

 

 「今日はここまで。それじゃあ、おやすみ、凛花。」

 「分かったよ…。おやすみなさい。」

 

 

 さて、これからどうしようかな。寝るか。そうしよう。

 

    明日が本当に楽しみだ。




 レビウスの方が明久よりイチャイチャしてる…こんなはずじゃなかったのに!作者はただ明久と優子のイチャイチャを書きたかっただけなのに…というわけでレビウス君イチャイチャしすぎだろうという作者の考えにより近い内に明久と優子のデート回やります。

 後、作者は今ISABにはまっています。そのせいで更新が遅れてるというのもあるですが…クーが可愛いすぎるのが悪い!もしやっている方がいましたらレビウスというのが作者のプレイヤーネームです。よければフレンドになってください!


 この作品へのご意見、ご感想等があれば気軽におくってください。特に感想を送って頂けると作者の更新スピードが上がります。

 次回「第4話 転校生 そして、放課後」
 お楽しみに!

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