ラブライブ 〜高坂穂乃果の裏の顔〜   作:sunlight

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感想が来たので書きました。
クオリティーは読んでの通りですのでご了承ください。


高坂穂乃果の日常

朝日が明るく街を照らすある日、人々が目を覚ますなかこの少女も目を覚ます。

 

 

「ん…… 朝か… ってなんだ… まだ6時半じゃん…」

 

 

(おはようございます。みなさん、私こと高坂穂乃果は朝早く起きるのが癖です。

え? 朝寝坊をして幼馴染に起こされないのかって?

それは、みんなのよく知っている『私』の方だよ。

本当の私はどっちかと言うと眠りが浅くて早く起きるのがほとんどなんだ。

とは言ってもみんなには寝坊癖のある『私』として通っているからいつも幼馴染の2人がくるまで二度寝するか、勉強してるんだけどね…

何はともあれ、2人がくるまでまだ1時間以上あるから今日のこの時間は勉強に当てようかな…)

 

穂乃果は心の中でそう思うと音を立てないように勉強机で教科書を広げた。

家族には穂乃果は寝坊癖があるから幼馴染が迎えに来るまで起きない、と思われているから部屋に入って来られることはない。 この時間は穂乃果が朝の時間で唯一『私』から私に戻れる時間だ。

 

「えーと… 今日は数列をやるか… 数学は今は数列をやっているから… 等差数列の和の部分を中心にやろうっと…」

 

穂乃果はそう独り言を呟くととノートと教科書を広げて問題を解き始めた。

まだ、朝は涼しい空間なのでこの時間で勉強するのは頭に入りやすく心地いい。

 

「………」

 

穂乃果は無言で教科書とノートと睨めっこし始めた。

サラサラ、ペラペラとノートに文字を書く音と教科書のページめくる音だけが静かに部屋に響いた。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「ふう… そろそろ時間か…」

 

穂乃果は時計を見ながら小さく呟いた。

あれから1時間近く穂乃果は勉強していたのだ。 時計の針を見ると短針が7をすぎていた。

そろそろ、家族が起こしにくる時間だ。

穂乃果は私から『私』になるため仮面をつけ、ベッドに横になり目を閉じる。

 

 

ガチャ

 

 

(起こしにきたようだ。 この足音は雪穂かな? さあ、今日も『私』にならないと…)

 

穂乃果はそう思うと目を閉じて寝ている振りをした。

すぐに雪穂がため息をつきながら穂乃果の体を揺すって起こそうとする。

そして、穂乃果は【今、起きた】と言うように大きな欠伸をして、雪穂に時間を確認して「遅刻だ〜!」と言いながら慌ただしく準備する。

制服に着替え、朝食を食べている時に幼馴染の2人の呼ぶ声がきこえた。

その声に慌てて残りの朝食を食べ、カバンを持って外に出る。

 

「穂乃果、遅いです!」

 

「あはは! ごめんってば〜」

 

「まあまあ、2人とも落ち着いて…」

 

いつものように遅れてきた『私』になった穂乃果を海未が叱り、穂乃果が笑いながら謝り、ことりが2人を宥める。

これも、もはや見慣れた光景だ。

それから、私たち3人は学校に向かって歩く。

 

 

 

 

 

ー教室ー

「えー ここの問題は…」

μ’sの朝練が終わり、授業が始まった。

今の授業は数学、先生が朝に自分が解いた問題を解説している。

穂乃果は自分はもう理解しているので聞かなくてもわかる。 いつも授業中は寝ているので眠たくなくても机に突っ伏して寝た振りをする。

授業が終わり寝たことをまた、幼馴染に怒られるのも最早お約束だ。

 

ー昼休みー

キーン コーン カーン コーン

 

午前中の授業が終わり昼休みになり、いつもの中庭で3人で昼食を食べる。

購買で買ったパンをいつもの通り「パンはうまいー!」と笑顔で言いながら食べて両脇にいる幼馴染2人と笑い合う。

これも見慣れた光景だ。

 

ー放課後ー

今日の授業が全て終わり、放課後になり幼馴染2人と部室に向かう。

部室のドアを開けるとみんながすでに着替えて準備をしていた。

全員が着替え終わると屋上に向かい練習を始める。

練習中にわざとふざけたり、馬鹿なことをしてみんなをピエロのように笑わせたりして、その度にしっかり者役の海未や絵里に怒られる。 それの繰り返しをしている内に辺りは次第に暗くなり完全下校時刻になり帰る準備をして下校する。

 

 

 

 

 

 

 

ー自室ー

「はあ… 今日も終わったな〜…」

家に帰り食事と風呂を済ませ、自室に入ると穂乃果はベッドにゴロンと横になって呟いた。

この時間は1日がようやく終わり穂乃果が仮面を外せて『私』から私に戻れる時間だ。

誰にも気づかれないように四六時中仮面をつけているのは辛いものだ、穂乃果は小さく伸びをして今日を振り返っていた。

 

(今日もボロは出していないな… よし! 明日もこの調子で頑張ろう)

 

穂乃果は本性がバレていないことを振り返ると自分を元気付けるように自分自身に言い聞かせた。

そして、明日も演じるために布団をかぶり眠りにつこうとすると…

 

 

 

ピロロロロロ…! ピロロロロロ…!

 

「‼︎」

 

 

突然音がどこからか聞こえてきた。

突然なった音に穂乃果が驚きながら音源を探すと

 

「なんだ… 携帯電話か…」

 

なっていたのは自分の携帯電話の着メロだったのだ。

穂乃果は安心したように息をつくと携帯電話の液晶画面を見た。

 

 

「誰だろう? μ’sのメンバーからかな…? ん?」

 

 

穂乃果がμ’sのメンバーからの連絡だろうと思い液晶画面を見るとそこに表示されていたのはμ’sのメンバーの名前でもなく、はたまた知っている大人でもなく、電話の相手はこの人だった。

 

 

 

 

「こんな時間に何の用なのかな…? 加藤くん…」

 

 

穂乃果はみんなの聞きなれない名前を呟いた。

君付けで呼んでいるあたり男の子なのだろう。

穂乃果はため息をつきながら通話ボタンを押し電話に出る。

 

 

「はい、もしもし…」

『高坂! でるのが遅いじゃねぇか‼︎ 待ちくたびれたぞ!」

穂乃果がうんざりしながら電話にでると電話の相手の加藤が電話にでるのが遅いと文句を言った。

「ごめんって… 何の用?」

穂乃果が適当に謝りながら加藤に用件を確認する。

『ああ、そうそう、忘れるところだった。 高坂、また今夜あの場所で会わねぇか? 川野と竹迫も満永も呼んだからさ』

加藤がそう言うと穂乃果は「えー」と不平の声をあげた。

『そう嫌がるなよ。 お前のいいストレスの発散にもなるぞ? それに、お前に会いたいって言っている奴も来るからさ。 お前も来なよ』

加藤が言うと穂乃果は首をひねった。

加藤達たちと過ごすのはとても楽しいがやっぱり深夜に歩きまわるのは気がすすまない。

しかし、加藤が何度も『来てくれよ』と誘うのでついに穂乃果の方が折れ『分かった』と返事を返した。

穂乃果が返事を返すと『じゃあ待ってるぞ』と嬉しそうに言い加藤は通話を切った。

 

 

 

穂乃果は加藤との電話が終わるとベッドから起き上がり、ハンガーにかけてある上着を一枚羽織って部屋を出た。

今は夜も遅い時間だ。家族を起こさないようにそろりそろりと家を出て加藤との待ち合わせ場所に向かった。

 

 

 

 

 

 




お読みいただきありがとうございました。
ご要望があれば続きを書きます。

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