私のヒロインアカデミア + 短編的なアレ   作:魔剣姫の従僕

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立ち直るというか
変な方に転がる
そんなお話


2話 受け継ぐ夢

オールマイトから逃げて数分

とある公園にたどり着いた

かすかに想い出に残るそこは

 

(おねぇちゃん)

 

失ったモノは、カエラナイ

あの日知ったことで私は理解した

私が願ったこと(あの子の夢)

私が見ていたかったもの(あの子の笑顔)

私が伝えたかったこと(あの子への想い)

体が、鉛のように重く

されど、心は風に流されていく

 

(ねぇ、次はおねぇちゃんの番だよ)

 

記憶にある、あなたはあの日の様に幼いまま

しかし、最期に見たように儚く、消えそうで

 

(いつかわたしはーーーーー)

もう、思い出せない

 

再び歩き出した

幻聴が私を縛り付けようとする

だけど

そこには、もう私の居場所はないのだから

斬り捨てる様に逃げた

 

 

 

商店街まで歩いてくると

何故か騒がしい

近くにいた男性に声をかける

「何かあったんですか?」

「どうやらヴィランが暴れてるらしいぞ」

 

人混みの先を見る

あの時、私や出久を襲ったヴィラン

アイツが別の人間を乗っ取ろうとしていた

 

(……ここがダメならスーパーにでも……)

そう思い踵を返す

 

「馬鹿ヤロー!止まれ!!」

声を聞いて、振り返る

出久だ

彼がアイツに向かっていき

取り込まれた人を救おうとして

 

「君が救けを求める顔してた」

 

 

【私は誰もを救える(ヒーロー)になりたい】

 

少し前からどこかあの子()に似ていると思っていた

外見でなく、考え方でもなく

多分、きっと

想い()が似ていた

そう感じられた

 

「もう少しなんだから、邪魔するな!!!」

 

邪魔?

ああ、そっか

徹底的にヤッテヤル

人垣を超える

人に止められるのを無視し

更に加速する

 

体に残った霊力を確認する

足りない

なら、

 

(霊子転換(サクリファイス))

 

血液を霊力に転換し

アイツに近寄る

 

「!寧ちゃん……?」

「伏せて!」

 

炸衝撃砲(ブラスター)!」

左手で中に取り込まれていた少年の腕を取りつつ

右手の平を相手に向ける

 

咆哮

 

拡散する衝撃が少年を引き剥がしつつ

アイツを建物に叩きつける

液体状の体が振動によって固定化される

 

それを見届けて

二人の手を離し

 

空間跳躍(ジャンプ)

上に跳びつつ逃げる

着地をした

そこは、私の神社(居場所)

 

「寧!お前……」

梨夢さんが駆け寄ってくる

サクリファイスを使ったせいで

立っているのもやっとな状態だった私

それでも

 

「梨夢さん、私は……」

 

あの子の夢を継ぎたい

 

伝えたかったことを伝え

倒れた

 

「……そうかい」

 

ならせいぜい頑張りな

 

そう聞こえた気がする

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

「なぁ深夜」

「ーーー」

「もし、寧のそばにいるのなら」

「ーーー」

「頼みを聞いててくれ」

「ーーー」

「お姉ちゃんを助けるのはお前の役目だろ?」

 

一陣の風が私の頬を切り裂くようにふいた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




寧ちゃんが雄英(ヒーロー科)
でやっていくためにに必要なモノ
1 霊力最大値上昇
2 入るための理由
これで2番は満たせたね!
学力は、十分あるから……

用語解説2
空間跳躍《ジャンプ》
跳躍したときの着地地点を動かし
転移に近い高速移動を行う

着地地点が霊脈でなければ使えない
大量の霊力を消費する
(この時点での寧の全霊力の3分の2を使う)
等といった条件を満たす必要性が有るため
戦術として導入するのはまず不可能

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