あれ?ハガレン……なのか?   作:味噌抜き味噌汁

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お待たせしました

何故か日間ランキングの三位に食い込んでましたね
正直この小説がランキングに上がる事なんて一生ないと思っていたから二度見しちゃいました


逃げるんだよォ!

ハガレンの世界で一番救いのない場面は何処だと聞かれればショウ・タッカーのキメラ事件と同列にイシュヴァール殲滅戦が挙げられるだろう。そして物語の序盤から後半までに影響を及ぼす重大な事件だ

 

そんな超重要イベントの発端端である軍将校による射殺事件

実際にはこの事件自体が偽装で、本当は後でグリードの仲間になるドルチェットやマーテルが所属している特殊部隊がイシュヴァール人を襲撃したのが事実だけども、そんな事は今はどうでもいい

 

問題はイシュヴァール殲滅戦がもうすぐ始まるという事だ

 

 

 

正直に言おう

何も考えてなかった、てへぺろ

 

 

やめてぇええ‼石を投げないで‼

 

 

だって仕方ないだろ。訓練とか研究とかで忙しかったんだから

国家錬金術師になったのもオリヴィエと結婚するためだけに頑張ったから先の事なんて全然見てなかったし

それに原作読んだのがもう二十年も前だから原作の出来事も忘れがちなんだよ

 

 

 

言い訳はここまでにして、本当にどうしよう

 

書類上俺は研究者扱いされているから戦争に呼ばれないとは思う。だがマルコーのような医学方面に特化した錬金術師も呼び出されているから絶対に呼ばれないなんて言う確証はない

 

それにお偉いさん方が俺の流体錬成に目を付けないはずがない。試験の時に見せた龍を相手に向かって飛ばすだけでもそれなりの威力があると想定できるだろう。まぁ、実際には俺の手を離れた瞬間に崩れ落ちるけどね

 

という訳で考えれば考えるほど俺の徴兵の確率が上がっていく

 

やばいなぁ。まじでどうしよ…

もうこのまま国外にでも逃げようかな……

 

ん?国外?

この世界ってアメストリス以外の国も存在してるよな?アニメでは外国の描写がなかったから分からなかったけど

調べてみると確かに四方に一つずつ国を確認することが出来た

 

北はドラクマ。不可侵条約が結ばれてるがメッチャ仲が悪いらしい

南はアエルゴ。国境線で小競り合いが絶えない

西はクレタ。アエルゴと同様に小競り合いが絶えない

東はシン。砂漠を超えた先にある国で錬丹術という独自の技術を持っているらしい

 

…シン以外の全ての国と争ってるじゃん。大丈夫なの、うちの国?

いくら軍事国家だからって全ての国に戦争吹っ掛けなくても良いだろうに

他の国が協力して攻めてきたら流石に錬金術あってもキツイと思うけど

 

これで分かったことはもし国外に逃げたとしても受け入れてくれるのはシンしかないって事だ

 

いや、よく考えてみれば戦争が終わるまでシンに逃げるのも悪くない

シンの錬丹術を研究するという理由ならば軍も認めてくれるだろう

それにアメストリスは戦争に集中してるから海外との交流も少ないから、もし俺が錬丹術を覚えればこの国での錬丹術の第一人者になれる

さらに軍将校がイシュヴァール人の少女を誤って殺害したのも軍内部で秘かに囁かれているだけでまだ戦争の予兆はない。今ならまだ間に合う

 

思い立ったが吉日という訳ですぐに上司のグラマン少将に聞いてみると

 

 

「いいよぉ。行ってきな」

 

 

あっさりと許可をくれた。この爺さん、部下にも優しいから本当に相手しやすい

 

 

「あ、それとオリヴィエも連れて行っても?」

「いいよぉ。夫婦で楽しんできな。それとお土産忘れないでね」

「向こうの酒でも持ってきますよ」

 

 

 

 

 

 

 

「という訳でシンに旅行に行くから支度して」

「帰ってきたらいきなり何を言い出すんだ、お前は。それに私には仕事が――」

「上官命令だ!付いて来い!」

「この前国家錬金術師になったばかりの貴様が上官命令とは。国家錬金術師様様だな」

「権力ってこう使うもんでしょ。それにグラマンの爺さんにも許可は取ってある」

 

 

俺がそう言うとオリヴィエは声をあげて笑い始めた

いや、分かるよ?俺に偉そうな態度が似合わないってことぐらい。でも笑う事はないでしょう

 

 

「グラマン少将に許可を得ているならば何も問題はない」

「ならいいんだ。そうと決まりゃ早く支度すんぞ。出来るだけ早く行きたいからな」

「落ち着けローガン。まったく、貴様は子供か」

 

 

と言いながらもオリヴィエも結構期待してる顔なんだよね

 

それじゃあ、ちょっとだけ遅れた新婚旅行としゃれこもうか

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

数日後、俺たちは無事にシン国に到着した

車で砂漠越えしたけど意外と楽しかったね。砂丘の上とか走るとアトラクションみたいで退屈しなかったよ

 

シン国に到着するとフーと呼ばれる老人と他数名が迎えに来ていた

 

 

「出迎えご苦労様です」

「はるばる遠い国から良くぞお越しになりました」

 

 

互いに挨拶を済ませるとすぐに案内された

 

ちょっと思ったことがあるんだけど、この国の服装とか建物とかメッチャ中国じゃね?いや、確かに似たような文化を持つ国があっても不思議じゃないけど世界観が完全に違うというか違和感が半端じゃない。もしかしてこの世界って他の作品とのクロスオーバーだったりする?でも俺の知っている作品の中でシン国なんていう場所なんて聞いたことがないんだけどなぁ

 

 

そんなことを考えていると目的地に着いたらしい

この周辺は彼らヤオ家が治めている領地らしくこの中でだったらある程度自由に暮らしても大丈夫だとのこと

 

その日の夜は歓迎会とのことでキャンプファイヤーを囲んで宴っぽい事をしてもらった。なんか理由をつけて騒ぎたかっただけかもしれないが。この国の踊りやら料理やら披露されてかなり盛り上がった。

そんな中、フーの爺さんが一人の赤ちゃんと二歳ぐらいの少女を紹介してくれた

 

なんと赤ちゃんはこの国の皇子らしい。名前はリン・ヤオ。平伏したほうが良いのかなぁなんて考えてるとこの子はシン国の第十二皇子だからそこまで偉いわけではないとのこと。子供が数十人いるとか皇帝頑張りすぎでしょ。そんなに沢山いたら後継ぎ問題とか大変だろうに

 

そして隣の少女はフーの孫娘で名前をランファンというらしい。外国人を初めてみるのか俺たちの事をじーっと見つめている。正直メッチャ可愛い。少し喋ってみると子供らしく好奇心旺盛でアメストリスについて色々聞いてくる。一方的に聞かれるのもなんだから此方からも「大きくなったら何がしたい?」とテンプレな質問をするとこう答えた

 

 

「大きくなったらわかを守ってあげりゅの~」

 

 

グハッ!

まさかシン国がここまで危険な生物兵器を隠していたとは。思わず抱きしめちゃうとこだった。危ない危ない。どうにか頭をナデナデすることでその欲望を抑え込んだ

 

おい、フーの爺さん。そんなドヤ顔で俺を見るな。ランファンが可愛いのは分かるけど

そしてオリヴィエ。そんな物欲しそうな顔で俺を見るな!そんな顔されたら色々と奮発しちゃいたくなるだろうが

 

 

 

結局その日は酔いつぶれるまでフーの孫自慢を聞いていた

 




今話からイシュヴァール殲滅戦だと言ったな

あれは嘘だ


本当にすみません!でも今後の物語に関わってくるのでどうしても抜けなかったんです!
このシン国編はあと一話だけ続いてその次からイシュヴァール殲滅戦です


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