少し、会話が変かもしれないです。
噛み合ってなかったりとか。
何度も確認したんですがしっくりこなかったので取り敢えずという形で。
ここが違うとか思ったことがあれば感想で教えて下さい。
では
第七話
まさに一閃。
401から放たれた超重力砲は甲板やそこに待機する艦載機をもろとも薙ぎ払っていった。
残されたのは、空間がねじれ、バチバチと電子が弾けるような状態が線のように続いていく谷だ。
このままではこちらが沈む!
艦体の底に貯蔵してある大量のナノマテリアルを巻き上げ、甲板やカタパルト、格納庫やその他薙ぎ払われ、損傷した部位を次々と修復していく。
今のタイホウにクラインフィールドを張る余裕は、無い。
その時
『装甲空母タイホウ、我々は貴艦を沈めるすべを持っている。大人しく投降しろ。さもなくば、我々は貴艦を沈めなくてはならなくなる!』
船として、機能するという所まで修復を終えた所で、401から拡声器を通した男の声が大きく聴こえた。
それを聴いたタイホウは
これはチャンスなのでは?
と考えた。
もともと、タイホウは401のメンタルモデルとそのクルー達と話がしたかっただけなのだ。戦う気もクソもなく近づいて言った結果、先の戦いが勃発したのだ。
メンタルモデルのコアたるユニオンから、海上からこちらを油断なく狙い続けるイ401に意識を向ける。
『こちら海域強襲制圧艦隊旗艦、装甲空母タイホウ。あなた達の指示通り、投降するわ。疑うのならキーを渡しても構わないわ』
さぁ、記念すべき人類とのファーストコンタクトだ。401に繋がっているといいのだが。
さて、鬼が出るか蛇が出るか……………
『こちらはイ401艦長の千早群像です。ご協力、感謝します』
『いえ、敗者が勝者の支持に従う。古来より伝わる当然の義務であると記憶しておりますが……………そうですね、代わりと言ってはなんですが、一つ話を聞いてほしいのです』
どうやら無事に通信できるようだ。
『これは手厳しい。それで流石海域強襲制圧艦隊旗艦殿はこの度はどういった要件ですか?』
『霧でありながら人間と行動を共にするイ401とそのクルーに話を聞きたいのです』
『それだけなのか?』
急に口調が戻った。こちらの方が素なのだろう。
『えぇ。あなた達がいいのであれば、是非』
『……………少しだけ時間をくれ』
やはり、見ず知らずのメンタルモデルに言われたらそうなるだろうなぁ────
『このまま通信で話し続けるのもあれだ。少しあって話がしたいのだが、いいだろうか?』
『えぇ、こちらとしてもそれが望ましいわ。なら私の船まで来てちょうだい。会場を用意するわ。あぁ、もちろんあなた達に危害を加えるつもりは無いから、安心してほしいわ』
『了解した。貴艦の隣に当艦をつける。では、後ほど』
『お待ちしているわ』
プツリ、回線が切れることを感じる。
401の方を見れば、微速だがこちらへと着実に向かってくる姿が見て取れた。
401が私の船のすぐ隣に停泊した。
401の甲板にナノマテリアルで作ったタラップを掛ける。
キィキィ、と対水圧の扉のネジが開き、中から2人の人間、いや人間とメンタルモデルが出てきた。
カツカツカツ、とタラップを登って私の船の甲板へとやってきた。
あまりにも広大であるが故だろうか、少し固まってしまった男に声をかける。
いや、私の船が大きすぎるからだろうか。それとも、やっぱりカタパルトの上にゴザを敷いて、ちゃぶ台にお茶菓子を用意したのが間違いだったのだろうか。
そんな思考を他所に
「初めてまして。海域強襲制圧艦隊旗艦装甲空母タイホウです」
「こちらこそ。イ401、艦長を務めています。千早群像といいます、よろしく」
挨拶を交わし、相手を観察する。
ファーストコンタクトとなる人類の男性。黒髪のショートボブに黒の配色が目立つスーツを着ていた。
対して、こちらもファーストコンタクトとなるメンタルモデル。『KAMONEGI』とプリントされたTシャツを来ており全体的にラフな格好をしていた。
これを受けたタイホウは
か、可愛い!!
そう、何を隠そう。このメンタルモデル、生前の趣味なのか、はたまたタイホウの奥底に眠る意思なのかわからないが、可愛いの基準が若干、いやかなりズレているのだ。
(何あのTシャツ!計算されたロゴの配置!そしてあのデフォルメされたカモネギ!可愛い、可愛い!)
「コホン、まず初めに、今回は貴艦に甚大な被害を与えてしまいました。お怪我はありませんか?」
「こちらこそ。話をしたいだけと考えていたにも関わらず、いきなり貴艦を攻撃してしまい申し訳ない。それで、怪我の話ですが。けが人はいないです。強いていうなら」
スッ、と群像は海を見やる。
そこには煤だらけ傷だらけ損傷箇所だらけの401があった。間近で見てみると確かにひどい。
やはり、やりすぎだっただろうか。
「やはり海域強襲制圧艦隊旗艦の名は伊達ではありせんね。何度か戦いを乗り越えてきましたが、こんなになったのは初めてです」
「本当に申し訳ありません。お詫びと言ってはあれですが」
そう言ってタイホウのカタパルトの真ん中ほどに広がる床の門を開く。そこからナノマテリアルが銀色に輝きながらおおきく弧を描がき、そのまま401の船体へと降り注いだ。
「こ、これは?」
「無色、純粋なナノマテリアルです。これだけあれば工作艦がなくとも、あなたの力である程度修復できると思いますが。魚雷等の消耗品の補充も含めてね」
そういって401のメンタルモデル、に目を向けると。
「これだけあれば、艦の8割以上を修復することが出来る」
「だ、そうだ。しかし、何でこんなことまで?」
「言ったでしょう。私はあなた達と話がしたいだけだと」
「そうか」
「さぁ、座って。つまらないものだけれども、お菓子とお茶も用意したから」
「では」
タイホウにそう促され、ゴザに置かれた座布団に座る。
「で、話とは?」
「まず私から」
まとめるとだ。
もう、ずっと音沙汰のないアドミラリティコードとやらに従い続けるのが窮屈に感じて霧の艦隊から独断で離れていること。
人間と交わってみて、霧のメンタルモデルはどんなことを思考するようになったのかを知りたい。
イ401は、この先何を目指して海を進むのか教えて欲しい。
ということをタイホウは伝えた。
それを聞いた群像は。
「俺は、この停滞した世界を変えたい」
要約すれば、霧の艦隊という新たな勢力。そのメンタルモデルによってコミュニケーションが可能であるのではないかと考えており、その事実こそが世界を変える鍵だと考えている。
というものだった。
「それで、私との会話は世界を変えるカギになりうるのかしら?」
「さぁ?それはまだ分からない。それに、ハッキリさせておきたいことがある」
「なにかしら?」
「貴女は、どちらなのですか?」
そう、群像が抱いていた疑問。それは、タイホウがメンタルモデルでありなから、人間のような面が強いと感じたからだ。イオナは、自分で言うのもあれだが、群像が乗艦したことで、変わったと確信がある。しかし、目の前のメンタルモデルはどうだ。いや、そんなことよりも彼女はもう霧の艦隊では無いのか?何が目的なのか?
そんな疑問をさが溢れ続けていた。
「私はただ知りたいだけ。見届けたいだけ。この世界がどんなふうに変わっていくのか。私に何を教えてくれるのかを」
生まれ変わり、メンタルモデルとしての面に自我や記憶をすり潰され、一度虚無になった心といえど、やはり、空であることにどうしても違和感を感じるのだ。
そして、その空を埋めるものこそが、彼らが起こすであろう革命の歴史。
世界を変えてみてほしい。それは、タイホウの願望となり、彼女の心を満たすだろう。
「安心して。あなた達の航行の邪魔はしないわ。きっとあなた達の目の届かない特等席で観察させてもらうわ」
「そうですか……………では、我々はここで失礼します。お茶、ご馳走になりました」
「お粗末様、であってたかしら…………………………そうそう、あなた達の名前は?」
「名前、とは?」
「世界へ轟かす、あなた達の名前よ」
一瞬、何を言っているのか分からないと言ったふうだったが
「“蒼き鋼”です」
「あおき、はがね。蒼き鋼ね。……………そう、ちゃんと覚えたわ。あなた達の旅に意味がありますように」
「ありがとうございます、では」
その言葉を最後に彼らは甲板を降りた。
皆様ァアアアア!ランキング12位でしたァァァァ!
と変なテンションで今日一日を過ごしてました。というのもこれを投稿してるのは次の日なんですが。
これからも頑張っていけたらなと思っています!本作を今後ともよろしくお願いします!
と感謝等はこれ位にして、謝罪の方を。
活動報告にも上げましたが、こちら側の不手際で一時的に閲覧制限になっていました。すみませんでした。
次はタイホウ視点で物語を進めていきたいと思います。適度に原作介入、適度にオリジナル展開。
何かあれば感想で教えて下さい。
追記
(2017/10/16 02:04:12)
タイホウのセリフと群像のセリフを修正しました。