遅れて奴隷馬車を送り届け、冒険者らに王都のギルドへ連れだって行き、シルヴィらと合流し、報酬を受け取った後、ギルド直営の宿へ泊まった次の日。
日中はシルヴィ達と王都を少しだけ巡り、時間をかけて見物したい居場所の目星を立ててきた。
場所はギルド前。誰を待っているかと言うと、野宿の際、見張りをしていた二人組の冒険者らだ。
この世界には時間という考え方が無いらしく、日が暮れた頃に、ギルド前に待ち合わせをしようと言われただけである。それでもひょいひょいと待ってしまったことを考えると、頭の何処かで気が合いそうだと言う思いがあるのかもしれない。
実はシルヴィが来たいと言い、着いてきてしまっているのだが、許してくれるのだろうか?
「悪い、待たせたな」
後ろから声がかかり、振り向くと一人増えた状態の三人でこちらを見ていた冒険者らがいた。
「ん? その女、は?」
「ああ、その... ギルドに報告した後な、お礼にって奴隷市みたいのにつれてかれたんだ」
ん? と顔をしかめるが、良く喋る方が、誤解だと手を振り言葉を続けた。
「んで、体に傷とかで安くなった奴隷の中に、護衛で運んでた子がいてだな... こいつを気に入ったらしくて...」
と、寡黙な方を目の前に引き摺る。
「こいつが、その子を買ってくれって言い出して。一人うちに増えたって感じだ」
「なるほど。わからん」
だよなぁ、と喋る方が溜め息を吐く。 侵害だと言わんばかりに抗議の視線を寡黙な方と、奴隷の子が送っているのを見ると、似た者同士、何か引かれるものがあったのだろうかと考えついた。
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シルヴィがついてくるのを了承して貰い、いつの間にかシルヴィの膝の上にいたリスを頭に乗せ、軽食を取りつつ酒を飲める場所に来ていた。
三人組と向かい合うように座り、リスは机に鎮座している、シルヴィの前だ。 三人組が適当に頼んだ食べ物が机に並べられると、それらをつまみながら、ちびちびと酒を口にすしてみた。 何処と無く、この世界に来てから味わった甘味に近いような風味がある、落ち着いた味だった。
「ん? なんだこれ」
「果実酒だ。果実の実物の見た目は悪いんだが、なかなか中身が旨くてだな。 その果実の名前がスリヤラっていうんだが」
「ん? 明らかに食うなよ、俺毒持ってるぞってやつか?」
「そうだ。 だが、皮の表面自体には手が痺れる程度の毒があるんだがな」
「ほう... 初めて知った」
感心しつつ、コップの中の甘い匂いを漂わせる酒を覗く。 白く濁った酒は、確かに世界に来てすぐの時に食べた、果実の面影があると感じる。
「元々、スリヤラを収穫して成り立ってた村が合ったんだが、その村が無くなって、流通量が少なくなったっていう話だがな。」
少々、見に覚えがある。 横を見ると、興味深そうに果実酒を覗き込んだシルヴィが、意を決して一口飲み込んだ頃だった。 案外、村でのことは割り切れてるのか? とシルヴィの反応に少し驚いた。 やがて見ていたのに気づいたのか、シルヴィがこちらを向き、お酒、美味しいですね、と微笑む。
「...それは、フォルトヌスに近い村か?」
「確かそうだ」
リスに、別に頼んであった、木の実の盛り合わせのようなものから、ナッツのようなものを取り、渡すと、両手で抱えながらカリカリとかじり始める。 それを微笑ましく眺めながら、話す。
「そういえば、お前らの名前は?」
「ん...? ああ! 何かずっと一緒だった気がして紹介して無かったな! 俺がルーカス。貴族じゃないから、名字は無い んで、こっちの静かな方がモーロ。 同じく名字無し。
んで、奴隷だったグレースだな」
「そうか...」
半分まで少しずつ飲み干したあと、煽り、一気に飲み込む。
弱い刺激が喉を焼き、果実の甘く淡い香りが漂った。
「これからも、よろしく頼む」
「ああ、こちらこそ!」
そんな良くわからない会話をしている場面を、シルヴィは微笑ましそうに眺めていた。
えと、すみません... 御詫び申し上げます。
遅れました。
えと、ここからはお知らせですね...
この小説を真面目に書こうと思い、プロットを組むと、まあ、ボロが出るっていうか...
追加したい要素を立てにくいのですよね...
そこで、一から小説を立て直そうと思います。
世界観はそのまま(といっても情景描写は少なかったですが)、主人公は表に立ちにくく、今まで書いた構想を崩さず、世界観を盛って見やすくしようかと。
それに伴いまして、全ての原稿を、小説家になろうへ移そうと考えて居ます。
ハーメルンで読んでくださったかた、二ヶ月ほどでしたが、この駄作を見て頂き、心から感謝します。
改稿自体は、直ぐに作業を始めます。 なので、今までと同じように二・三日で、小説家になろうに上げれると思います。
もう一度ですが、心から感謝します。今までありがとうございました。
出来れば、少しだけ新しくなったこの作品を、なろうさんへ覗きに来てくれると嬉しいです。
今までありがとうございました!