ありがとうございます...
あと、今回、平均より文字数が少しだけ多いです。
次の日、取りあえず古庄を交え、シャノンと三人で何かギルドの依頼を受けることにした。
「そういや、古庄はフォトルヌスから出ても大丈夫だよな」
「多分...大丈夫だと思います」
「シルヴィとか、シャノンは遠出しても大丈夫か?」
「ん。大丈夫」
「行けますよ~」
ふむ、と考え、手にした依頼は、王都までの商団の護衛というやつだ。
依頼を受けるときは、ボードに貼りだされた紙を受付に渡すか、本のように閉じられたものから指して受ける。護衛の紙を取り、受付に渡した。
「承りましたー。えと、明日の朝に中央区画の門前で集合を掛けるので、その時に遅れないようにお願いします」
「ん? すぐいく訳じゃ無いのか...」
「そうですよー」
とのことで、必然的にもう一日休む事になってしまった。まだ貯蓄は十分あるため、今日はゆっくりすることにした。
取り敢えずシャノンに家へ転送してもらい、グダグダすることにした。
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「そう言えば、なんで銃が使えるんですか?」
家の庭で、茶モドキを啜りながら、ちっこいシャノンを膝の上に乗せ、古庄と話す。シャノンはリスを撫でていて、触り心地の良い毛並みに夢中のようである。
シルヴィは同じ机に突っ伏してすやすやと寝ている。柔らかい陽射しが照る場所でもあるため、昼寝に最適な場所でもある。実際、組んだ腕を枕に眠る彼女は気持ち良さそうな寝顔をこちらに覗かせている。
「んー。スキルみたいなんだよな、銃を買う事が出来るスキル」
「そうなのですか... すごいですねー」
間延びした声で返される。 実際には古庄は、こちらへ視線を向けている。主にリスへだが。
シャノンに撫でられているリスの表情をみてほんわかしていて、興味の薄そうな反応を返して来るのだ
やることが特になく、インベントリからAKと布をだし、ホルスターに刺さっていたベレッタを抜き、両方机の上に置くと、ベレッタから弾倉を抜き、分解する。
ごとごと音が少しなったため、古庄が驚いて置いた銃を見た。 シルヴィもむにゃむにゃと言うが、対して音は睡眠の邪魔にならなかったらしい。彼女の昼寝はまだ続いていた。
「何で分解し始めたのです?」
「あと一つある、いまもう一つ買うか悩んでいるから、少し分解してみた」
「は、はぁ」
その確認というのは、分解をしなくても良いのだが、気分の問題でベレッタを分解してみた。
ベレッタの弾倉から銃弾を一つ抜くと、それを机の上に置き、手を放す。
「ん、消えないな、なら、この弾を使う銃を一丁買うか...」
ベレッタを組み立て、古庄のコップに、茶モドキをお代わりで注ぎ直す。 そののち、銃購入からUMP40を買う。
インベントリから出し、机に置いてみる。 あまり使う機会は無かったが、アメリカ軍等で採用されていた銃なはずだ。
「いろんなのありますよね... 銃って...」
「まあ、人殺しのために日々進化したわけだしな、戦争あっての、人類の技術進化ってところだよな」
「...?」
「戦争は人類の技術進歩に一役買ってるって事だ。 シャノン、退いてくれ、少し身体を動かしてくる。暇で仕方がない」
ぐっと伸びをするとAKを手に取り軽く柔軟体操のようなものをする。
「達哉。何するの?」
「森を走ってくる、一緒に来るか? シャノン」
「止めとく」
「そうか、そのあと、フォトルヌスに行きたいから、準備を頼む」
「わかった」
そうして、川とは反対方向に、手にAKを抱え、走ろうとすると、古庄が声をかける。
「あの、私も行ってみて良いですか?」
「んあ? 大丈夫か? お前」
「以前の私より走れると思うんです。主に
「まあ、無理そうなら戻れよ」
マップを手でスワイプさせ、あらかたのルートを頭に叩き込むと、悠然と駆け出した。
その後ろを慣れない走り方で走る古庄を見て、シャノンはこう呟いた。
「達哉にはついてけない、そもそも私が無理だったのに、行ける筈がない...」
無表情にそう言いながら、茶を啜り、椅子から立つと、机に小首を傾げるリスを置き、空になりかけたポットへお代わりを入れるために、家の中に入って行った。
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「ふむ... 小休憩、三分位か?」
ふう、と息を吐き、木の根に座り込むと、タクティカルブーツと靴下を脱ぎ、別のものに履き替え、それをインベントリに突っ込むと、代わりに水が入った筒を二つ取り出し、一つをあとから遅れてやってきて、息を荒くし、膝に手をつく古庄に渡した。
「はぁ... あのっ...はぁ... ふうっ... 元の世界じゃ何をされてたんです...?」
「まあ、こういう森歩きが得意な職業ではあったな」
水を煽り、古庄にそっけなく返すと、インベントリに水を仕舞う。 返事をした内容も、あながち間違いでは無い。場合によっては、ジャングルのような密林地帯のなかを駆け巡るときもある。必要に応じ、身に付けなければいけない一つの技術である。
実際は、浅間は自己流で会得した訳では無い。軍所属時の訓練でのアドバイスをそのまま生かしているだけである。
「古庄は確かに体力はある。余分な動きが余計に体力を削るのだろう」
「そ、そんな事言いましてもぉ... 何であんなに平地と走るスピード変わらないんですか~」
「慣れだ。 仕方ない」
うへぇと声をあげる古庄に帰投の是非を問うと、首をたてに必死に振る肯定が出たため、帰り道をゆっくりと進む事にした。
またこんど、一人で本格的に走り込めばいいのである。
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無事に帰り、シルヴィを古庄に任せ、シャノンと二人でフォトルヌスに向かう。
「やっぱり古庄は達哉についてけなかった」
「慣れがあるからな、仕方ないだろ」
古庄がついてけなくて当然と胸をはるシャノンを連れ、向かうは鍛冶屋である。何が売っているかの散策程度に考えている。
実際、日が傾き始めているため、夕食に間に合うように、適度な時間で切り上げる必要がある。
無言で歩を進めると、入ったのは中央区の、繁華街のような区画である。
人の波を堂々と突き進むと、面白いものが目に入る。
「ん? この世界にも銃があるのか!?」
屋台に駆け寄り、手に取った品は、中折れ式で単発の銃である。 デザインは無骨だが、グリップの木がなんとも言えない味を出していた。
「兄ちゃん、それは一点物での。だが、なかなか味のあるやつじゃろ」
「ああ...! って、ここは何の店だ?」
出されている商品は、みな、部屋に飾りとして置くような小物を売る店だと分かる。
ということは、これは飾り物として売られていたのか、と思い至ると同時に店員から声が掛かる。
「買うかの...?」
「ああ! これを買う。! いくらだ?」
「銀貨二枚じゃの」
すっと金を出し、中折れ式の銃を受けとると、そそくさと店を出る。
「達哉、それは銃?」
「銃だ」
「なら変。この国には、銃のような技術はない」
「そうなのか... ならこいつは何なんだ...?」
折ると、中は筒になっており、中に大きめの弾が詰め込めそうになっている。戻し、引き金のようなものを引くと、カチッという音が鳴った。
明らかに銃を手に入れた。だが、銃はこの国には無いときた。
...後程より、銃の存在は明らかになるのだが、また後の話である。
お疲れ様です。ふりずむです。
なかなか時間が取れない... まあ、書き終わり次第にあげるスタンスは変わりませんが...
中折れ式の銃ですが、この話が続くのであれば、後半以降の登場となります。
...資料がない...わけないんだよなぁ、下調べ不足でした。
トンプソン・コンデンダーっていう奴を言いたかったのですが、微妙に違うんだよな...
構造はコンデンダーと同じでも、少しだけ外装とグリップの角度が違うと考えて頂ければ幸いです。
あ、下はデリートされました。