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「おぁぁああああっ」
盛大に砂煙を上げて地面にダイブする。さながら某ハンターさんが行う回避術である。
何とか回避をすると、その背中の上に鈍いどよめきが通り過ぎ、遥か後方の木を薙ぎ倒した。
「おいおいニーチャン。 ワイバーンの甲羅に歯がたたねーんじゃただ邪魔なだけなんだが? それでもあの所在地不明な賊を倒した英雄か?」
そう言い、盾を使いながらワイバーンの鉤爪を防いだのは、宿屋で転がした奴である。
銃の貫徹力が圧倒的に足りないのである、精々、運が良くて弾が効く程度である。
面目丸潰れである、異世界の異質な硬さに、早くも心が折れそうである。
「~ーーっ!」
「おお、やっぱワイバーン狩りは遠距離攻撃できる奴に任せるのが吉だねぇ」
言葉にならない声でシャノンが雷撃を放つと、ワイバーンが痺れたのか、痙攣しながら落っこちてきた。
「達哉は避けるのが上手い。敵のヘイトを稼ぐのも上手い」
「う、うるさいわい!」
「ん? だから、前衛職で、ヘイトを稼いで攻撃をかわしてくれれば、後衛が安全に敵を葬れる」
「俺とは一体...」
しかし、魔法は便利だなぁとつくづく思う、自分には使えないのだが。
どうも、ギルドから渡されたプレートは、魔力が魔法に向いていない事を指しており、メニューである魔法会得にも身体強化と、物質強化しか表示されないのである。
「まあ、ニーチャン。 その武器見てても面白れーし、またゴブリンでも狩りに行こうや」
「ああ、また頼む」
こうして、山賊を倒した功績で、フォトルヌス一帯に広く知られるようになると、度々ギルドの依頼に冒険者から同行をお願いされる事が多くなった。
といっても、ここ二・三日の話なので、いつ忘れられても可笑しくは無いだろう。
平地にワイバーンが出たという討伐依頼を終え、ワイバーンから牙と、甲殻をいくつか頂戴し(異世界の素材に、折り畳みナイフや、サバイバルナイフでは刃が入らないので、依頼で金を貯め、ミスリルのナイフを買っている)ギルドに報告すると、報償金を貰い、盾使いと別れ、シャノンと食材を買い出し、自宅へと帰るのであった。
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「銃ってどうすれば魔獣相手に使えるようになるのだろう...」
シルヴィの作った夕食を三人で囲み、団欒とした雰囲気を楽しむ。
「達哉、達哉は確か物の性能を向上させる魔術が使えるはず、それを使って見たら?」
「んぁ、その手が有ったか」
シルヴィと街に行ったときに買い揃えた食器に口をつけ、スープを飲み干してからそう答える。正直、すっかり忘れていた。
「ご馳走さん、旨かった」
「ならよかったです~」
シルヴィにお礼を言うと、ふふふと朗らかに笑うが、彼女は御歳十八歳である。歳より老けて見えるのは、家事万能な事と、その落ち着いて朗らかな雰囲気故か。
「失礼な事考えませんでした?」
「いや、そんなことない」
「達哉はシルヴィに淫欲をぶつけたいと考えている」
「おいシャノン、ちょいと表出ようか」
「そうなんですか? 私は......構いませんけど?」
「やめろそこは否定しろよ」
両手で顔を挟みいやんいやんと身体をくねらせるシルヴィを横目に、風呂に入ろうと食器を調理場に持っていくのだった。
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この家には、魔力を使い、お湯を沸かすという便利な道具がある、それを使い、熱めの湯を出し、水を混ぜ冷まし、丁度良い湯加減にしてから入る。
それを一人で行い、身体に湯をかけると、浴槽に浸かる。
「気持ち良いですね~」
「もう俺は突っ込むのを辞めた」
その行程は、風呂場から離れてやらなければ行けないので、魔法を使い、いつの間にか紛れて大切な一人の入浴時間と言うものを奪うのである。理不尽だ。主に理性の面で。
横からシルヴィが現れる。その膝には、小柄なシャノンが乗っかっていた、二人ともタオルをしっかり巻いている。
家が建ってすぐに入った風呂には全裸で入って居たのである。もう諦め、せめてタオルは巻いてくれと懇願し、今に至る。
「あっ、そういえば達哉さん」
「ん? なんだ?」
「明日、フォトルヌスに勇者御一行がいらっしゃる見たいですよ?」
「...目的は?」
「達哉さんが倒した山賊を、探して倒す事だったみたいです」
天井を仰ぎ見る。
「仕事、奪っちまったな。」
そう言うと、深く溜め息を着くのだった。
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さすがに就寝は別々で、同じ部屋のベットを使い寝る。
「シルヴィ、明日もう一度、フォトルヌスに行くんだが、来るか?」
「はい、シャノンちゃんも一緒ですよね?」
「ああ、勇者を拝んどこうと思ってだな」
「仕事を奪った張本人だって、ギルドから吊るされると思うのですが...」
「知らね...」
ふて寝するように意識を落とした。 寝れる時に寝る。何処でも寝る。 これが傭兵の基本スキルだ。
だから、寝静まったと勘違いした二人が、ベットに潜り込んで来ても、何も考えないのである。 そのうち夜這いでもされるのではと考えると身震いがする。
ん? 夜這いはもうされているのか...?
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次の日、生憎素晴らしい快晴のもと、勇者の歓迎パレードが催されていた。
勇者を筆頭に、戦闘職で固めた少数精鋭な勇者御一行は、フォトルヌスの住人たちに諸手を挙げられ、喜ばれていた。
そんなパレードを横目に、俺はせっせシルヴィの乗る車椅子を押し、シャノンを連れ、どの路地に紛れ込もうかを考えていた。
「鬱陶しいなぁ」
「その通り。こんだけ連れ回しているのに、バレていないと考えるのは追跡者としては失格」
追われて居たのである。詳しく言うと、回りとは明らかに違う意図でこちらを見ていたので、視線の雰囲気で分かったのである。
「シャノン、次で曲がるから、シルヴィに透明化の魔法かけて逃げろ、中央区の噴水で落ち合おう」
「あれは光の屈折k―――」
「良いから。やれ」
「むぅ」
曲がり門を曲がると、シャノンは建物の闇に消えた。
「さて、ちとお話しますかね?」
何も考えず曲がり角を曲がってきた追跡者に、物陰から飛び出し、背中から絡み付き抑えながら、首にナイフを突きつけた。
お疲れ様です。ふりずむです。
最近思うようになったのは、感想って欲しいなぁ。です。
割りと批評が欲しいです。批評の批の方は、アドバイスもくれると尚更嬉しいです。
と言っても、批だけでは頭が沸騰してベレッタを抜いて自分の頭を撃ち抜きたくなってしまうので、()まあ、そこそこ褒めて、んで落とす見たいに、アメとムチ見たいにお願いします。
結論:感想下さい。
では、またちまちま書いて、出来上がり次第投下しますね~