「……なぜ祭と雛里があなたの部屋にいるのよ?」
「あわわ……」
如月「いや、祭さんが乗り込んできた時のその日の夜からずっといついちゃってな。」
烏林にある城の一室にいる俺、華琳、流流、祭さん、雛里
「きー兄様、野生動物じゃないんですから……」
如月「人間も広い意味で言えば野生動物だよ流流。」
「そんなことより早よう酒に合う肴を持ってこんか。」
如月「はいはい、もうちょっと待ってよ祭さん。うーん、この前作ったジャムやアイスは食後のおやつだから今日は麻婆春雨でも作るか。」
「きー兄様、春雨ってなんですか?」
如月「春雨っていうのは、緑豆っていう豆を水に浸して、ふやかしたものをすり鉢で滑らかになるまですりおろしたものから作られた麺だな。ほら、これがそうだよ。」
三人に春雨の現物を見せる
「へぇ、透明な麺なのね。」
如月「これは乾燥させてあるから水に浸して戻しておいて、先に餡になる麻婆でも作るか。」
先に麻婆を作り、戻しておいた春雨を麻婆と絡めて
如月「はい、出来上がり。つでに麻婆豆腐も作ったから食べてくれ。」
「ふむ、麻婆春雨おいしいわね。」
「へー、面白い食感ですね。」
「おいしいです♪」
「ふむ、酒にも合う……って如月お主、何じゃその食べ方は。」
如月「ん?麻婆丼のこと?ああ、そっか。祭さん達は初めて見たんだったね。おいしいよ。食べてみる?」
「ふむ、如月がそう言うのであれば食べさせてくれい。」
如月「じゃあ、はい、あーん。」
「あーん……おお!飯と麻婆豆腐がこんなにも合うものだったとはな。」
『じー……』
如月「ん?どうしたの二人とも?」
「い、いえ!」
「あわわわわ!」
「二人ともソレが食べたいのよ。」
「ああ、なんじゃそう言うことか。」
如月「???まぁ、食べたいならはい雛里、あーん。」
「あうぅぅぅぅぅぅ……あ、あーん……あ、本当においしい……」
如月「ほら、流流も。あーん。」
「あ、あーん。えへへ。」
「まったく、雛里までこの短時間で落とすとか、さすが種馬弟ね(ボソ)」
如月「ん?なんか言った、華琳?」
「別に。」
如月「???まぁ、いっか。じゃあ食後のおやつでも作るかね。」
「それで、どっちを先に作るの?」
如月「ジャムを先に。今日はリンゴジャムを作ろうかと。ああ、ジャムってのは、切った果実を砂糖で煮詰めたものなんだ。先に作って粗熱を取っておこうかと思ってね。」
「で、あいすと言うものは?」
如月「それはこっちの道具を使うんだが、ちょっと時間がかかるんだ。えっと、こっちの口に材料を入れて、反対の口に氷と塩入れて、この取っ手をくるくる回し続けるんだ。」
簡単に説明してくるくると回し続ける
「なるほど、こうすることによって中の材料が冷えて固まるのね。」
如月「そういうこと。」
くるくると回し続けること一刻~二刻
如月「んー、出来たっぽいな。じゃあ、パンケーキを焼こうか。」
「へぇー、生地は小麦粉と卵と牛乳なんですね。」
如月「ああ、基本的な生地だからな……っと、はい焼けた。これにこうして盛り付けて……はい、出来上がり。」
「では、いただきます。……へぇ、冷たくて甘くておいしいわ。」
「はい。このぱんけーきにも合っておいしいです!」
「……冷たくておいしい♪」
「ふむ、このりんごじゃむもおいしいのぉ。」
如月「で、ご機嫌は直りましたか覇王様?」
「別に機嫌は悪くなってないわよ。」
如月「あれ?そうでしたっけ?」
「如月。そんなことはどうでもよいから、もっと酒を出せ!」
如月「えー、あんまり余分があるわけじゃないから、飲みすぎないでくださいよ。祭さん。」
「知らん知らん。」
如月「まったくもう……」
はぁ、明日も二日酔いか……
如月「うぅ……気持ち悪い……」
一刀「お前は自業自得だな。」
如月「うぅ……一体誰のせいだと……」
一刀「俺知ーらない。」
次の日俺は、二日酔いと戦いながら、偵察と訓練を兼ねた船の上にいた。
「うぅ……副長。そんなんじゃ偵察にならんで……うぇぇ。」
「うー……どうにかならないのふくちょー……」
如月「どうにかと言われてもな……うぅ、頭痛い……凪は大丈夫か?さっきから黙ってるけど……」
「…………」
「……目の焦点が合っとらんな。」
「うー……あの漁師さん達すごいの……よくこんな揺れる船の上で漁ができるの……」
一刀「うーん……縄で船同士を繋いで、揺れないようにしてるみたいだなぁ。」
「たいちょー、私達もあれやろーなの……」
一刀「華琳と桂花に相談してみるよ。」
如月「頼む……」
一刀「お前も一緒に来るの。」
如月「えー……」