真・恋姫†無双 転生伝   作:ノブやん

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六十四話

皖城から出た本隊に合流した俺達は合肥へ戻り、途中途中で物資を補給しながら

新野→樊城→襄陽→江陵の順に軍を進めた。江陵で水軍と合流し、赤壁へ向かうための準備をしている最中に

 

如月「侵入者ぁ?騒がしいと思ったらそれか。」

 

「はい。場所は中庭です。私は華琳様のも報告してきます。」

 

如月「頼む……はぁ、行くか。」

 

中庭に行くと

 

「放せ!放せ、北郷!」

 

一刀「放すわけないだろ秋蘭!すまん!俺は北郷一刀、曹操の所の……なんだっけ?」

 

如月「街の警備隊長でいいじゃね?」

 

「街の警備隊長がどうしてこんな所で夏侯淵を抑えておるのだ?」

 

一刀「確かにそうだけど……って如月!」

 

如月「よう。てか秋蘭も何やってんだよ……申し遅れました黄蓋殿。自分は龍谷如月と申します。」

 

「知っておる。一度、官渡で会っておるしの。」

 

如月「それでどうしました?呉の宿将である貴方様が蜀の軍師である鳳統殿をつれてこんな所まで来るなんて。」

 

「あわわ…」

 

「それなんじゃが……」

 

「如月。このような所で聞く話ではないわ。」

 

如月「ようやく来たか、華琳。」

 

凪、沙和、流流を引き連れてやってきた華琳

 

「ええ。お疲れ様。凪、沙和、流流、着いてきてもらって悪いのだけれど、広間で黄蓋殿の話を聞くための準備をしてきてちょうだい。」

 

「はっ。」

 

「はい。」

 

「はーい。」

 

「黄蓋殿もそれで構わないかしら?」

 

「無論だ。ありがたい。」

 

と言うわけで仮設の王座の間で黄蓋と鳳統の面会を行うこととなった。てか、全員集まってるとかもう、軍議じゃね?

 

 

 

如月「えっ!?ウチの軍に降るの?なんで?」

 

「我が盟友である孫堅の夢見た呉はもはや無い。ならば、儂の手で引導を渡すのが、ヤツへの弔いであろう。」

 

「周瑜との間に諍いがあったと聞いたが、原因はそれか?」

 

「そうじゃ。それに……」

 

みんなの前で胸元を広げる黄蓋さん

 

一刀「わっ!」

 

如月「ほほう……」

 

『あっ?(#゚Д゚)』

 

如月「すみません……」

 

「はっはっは。女の乳房なんぞ別に初めてでもなかろうに。それにそっちのおなご共はそいつに惚れておるのか?」

 

『///』

 

「はいはい。それくらいになさい。それで先ほどの傷が、周瑜に打たれた痕?」

 

「ああそうじゃ。はぁ……赤子のころは襁褓も替えてやったいうのに……好き勝手にかき回した挙句、この仕打ちだ。」

 

「なんだただの私怨ではないか。」

 

「まぁな。だが、もし志半ばで曹操が倒れた時、後を継いだものが……そこの優男!」

 

一刀「えっ!俺ぇ!?」

 

「そこの優男が今までの方策をかえ、曹操の志を踏みにじるマネをしでかしたとしたら一体どう感じる?」

 

「「殺す!」」

 

と春蘭と桂花

 

「そういう思いをしておるのじゃよ。今の儂は……」

 

「ふむ……黄蓋の言い分は分かった。では、鳳統。貴女は?」

 

「はい。桃香様……いえ、劉備殿の掲げていたみんなが笑って過ごせる世界に感銘を受け朱里ちゃん……いえ、諸葛亮と共に劉備軍に加えていただきましたが、最近では諸葛亮の献策ばかり用いることが多くなりました。しかし、その献策も失敗することが多くなり……いえ、失敗は誰にでもありますが、それでも責任を取らせることも取ることもせずに優遇し続けていたため、愛想が尽きてしまい、成都を出てきました。地元である襄陽に戻り、余生を過ごそうと思っておりましたが、道中に黄蓋殿と出会い、魏に降るとの事でしたので、私も私怨と分かりつつも蜀の連中を見返したいと思い、士官に来ました。」

 

「黄蓋、我が軍に降る条件は?」

 

「呉を討ち、全てが終わった後、儂を討ち果たすこと。孫呉が滅びたなら、儂に生きる意味などない。」

 

「江東をあなたが治める気は?」

 

「ない。」

 

「自ら死兵になると?」

 

「それが堅殿への忠義の示しだ。」

 

「ふむ……鳳統は?」

 

「我が策で蜀を打ち破ること。そのあとで、このまま魏に降るか、襄陽で余生を過ごすかを決めたいと思います。」

 

「……分かったわ。黄蓋、鳳統。私の真名を呼ぶことを許しましょう。」

 

「「それはことわらせて(もらおう)(いただきたい)。」」

 

「それはなぜ?」

 

「先ほども言った通り、死兵となる身。余計な馴れ合いは不要!」

 

「鳳統は?」

 

「まだどちらになるか分かりませんので、受け取るわけにはいきません。」

 

「そう……なら、貴方達二人を呉討伐に加えることを許しましょう。」

 

「華琳様!」

 

「何か不満でも?桂花?」

 

「無論です!黄蓋は呉の宿将。鳳統は表にはあまり出てきませんが蜀の軍師。これが演技だと言う可能性も!」

 

「ええ、そうでしょうね。」

 

「でしたら!」

 

「落ち着きなさい。私とて二人を信用しているわけではないわよ。けれど、黄蓋ほどの将が、鳳統ほどの軍師がここまでしているのだもの。もし計略と言うのならば、それを見届けた上で、使いこなして見せるのも、覇王の器というものでしょう。」

 

「裏切ると分かっていてなお、受け入れるか。」

 

「当然よ……でも我が魏に仇なしたと見れば、二人とも容赦なく打たせてもらうわよ。」

 

「ならば、こちらも王者に対して非礼を働いてはなるまい。華琳殿。」

 

「分かりました。華琳様。」

 

「真名は?」

 

「祭。」

 

「雛里といいます。」

 

「その名、しばし預かる。では、このまま軍議を開く。あなた達も参加し、意見を述べなさい。」

 

「御意。」

 

「御意です。」

 

 

 


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