真・恋姫†無双 転生伝   作:ノブやん

58 / 80
五十八話

「兄上、これでお城に戻るのですか?」

 

如月「いや、あとお茶屋さんに寄るよ。」

 

「なら、早く行きましょう!」

 

如月「ああ、そうだな。」

 

お茶屋さんにより、あるものをもらってくる

 

「いやー、副長さん。よくこんなものを知ってたな。」

 

如月「まぁね。それでどうだった?」

 

「すごくおいしかったぜ!これ、このまま売ってもいいのか?」

 

如月「いいよ。そのかわり他のお茶屋さんにも作り方を広めておいてね。」

 

「ああ、まかせな!」

 

「兄上、何をもらってきたのですか?」

 

如月「新しい製法で作った茶葉さ。」

 

「おいしいのですか?」

 

如月「ああ、おいしいぞ。城に帰ったら一緒に飲もっか。」

 

「はいっ!」

 

肩車したねねとおしゃべりしながら城へと帰る

 

「さぁ!城に着きましたぞ!早く飲みましょう!」

 

如月「まぁ、待て。ねね。今からあるものも作りたいんだ。」

 

「えー……一体何なのですかー?」

 

如月「それは“いちご大福”だ」

 

「いちご大福?」

 

ねねと一緒に厨房へ行き、材料を用意する。こしあんと白あん、餡を包む餅、そしていちご

 

如月「餅をこんな風に広げて、餡をおいて、いちごを餡の上において、こうして包んで、これで完成。ほい、食べてみな。」

 

「あーん。もぐもぐ……お、おいしいのです!」

 

如月「そうか、良かった。と言うことで、作るの手伝ってくれ。」

 

「はいなのです!」

 

その後、二人で黙々と作り続けた結果、いちご大福が二十個、普通の大福が三十個出来た。

 

如月「ちょっと作りすぎちゃったなぁ……」

 

「兄上……どうしましょう……」

 

うーんと二人で悩んでいると

 

「あれ?如月さんとねねちゃん?」

 

「二人でこんな所で何してるのよ?」

 

如月「おお!月に詠!ちょうど良かった!」

 

「ちょうど良かった?」

 

如月「ああ。二人とも、これ食べてかない?」

 

「これは?」

 

如月「こっちが大福でこっちがいちご大福ってやつだ。」

 

「すごくおいしいのですぞ!」

 

「へぇ……月、ちょっと休憩してこ。」

 

「そうだね詠ちゃん。じゃあ、お茶入れますね。」

 

如月「あ、お茶は俺が入れるよ。二人にも飲んでもらいたいものがあるんだ。」

 

「なら、たまにはアンタに入れてもらうのも悪くないわね。」

 

「そうだね。たまにはね。如月さんお願いします。」

 

如月「おう!まかせとけ!」

 

そう言って、お茶を入れる準備をしていると

 

「あら?珍しいわね。如月がお茶を入れるなんて。」

 

如月「ん?ああ、華琳……っと一刀と流流も一緒か。グッドタイミングだな。」

 

「こんにちは。きー兄様。」

 

「ぐっどたいみんぐ?どういう意味よ」

 

一刀「グッドが良いとか優秀って意味でタイミングは時期、瞬間、間って意味だ。この場合だと、良い間だなってこと。」

 

「ふーん。」

 

一刀「で、お茶請けは何なんだ?……大福?」

 

「こっちのやつはいちご大福って言うらしいわ。」

 

一刀「いちご大福だと!」

 

「何よ、いちご大福って?」

 

如月「大福ってのは餡子を餅で包んだお菓子で、いちご大福はいちごという野菜を餡子の中に果実を丸ごと入れた大福なんだ。」

 

「いちごというのはなんですか?きー兄様。」

 

如月「草むらとかに赤い実をつけてる植物があるだろ?あれを俺らの国ではいちごって言うんだ。えっと、数個ほど余ってたよな。どこに置いたっけ……あった、あった。これな。」

 

とみんなに見せる

 

「あー草莓ですね。見たことあります。」

 

如月「へー、こっちでの呼び方はツァオメイって呼ぶんだ。で、お前らも食べてく?作りすぎちゃってさ。」

 

「ええ。いただくわ。」

 

一刀「モチのロン!」

 

「はい!いただきます!」

 

如月「じゃあ、三人分追加で入れるかね。」

 

湯飲みを三人分追加してお茶を入れる。お、良い香りだ

 

如月「ほい。おまち。」

 

「良い香りね。」

 

「初めて嗅ぐ香りかも。」

 

一刀「こ…これは!」

 

「兄様は分かるんですか?」

 

一刀「紅茶だと……」

 

そう、お茶屋さんと一緒に作ったのは紅茶だったんだよね

 

「紅茶……ですか……どうやって作ったんですか?」

 

如月「簡単に言うと、収穫した茶葉をしおれるまで放置して、しおらせた後に揉み潰して茶葉が褐色になるまで放置して、褐色に変化(発酵)した所で乾燥させるって工程だな。欲しかったら街のお茶屋さんに置いてあるから今度買ってこれば?」

 

「はいっ!」

 

説明を終えた所でみんなで食べ始める

 

一刀「いちご大福も大福もウメーなー。あ、如月。牛乳ってあったっけ?」

 

如月「ほい。牛乳と砂糖。あと、リンゴの果汁が絞ってあるから、入れてアップルティーにしてもおいしいぞ。」

 

「えっ!?お茶に牛乳と砂糖なんて入れて、おいしいの!?」

 

一刀「ああ、うまいぞ。ミルクティーっていってな。俺らの国では当たり前の飲み物なんだ。」

 

如月「飲んでみるか?ほれ。少し口に含む程度で試してみな。」

 

「う…うん…(ゴクッ)」

 

如月「口に合うか?」

 

「うん!甘くておいしいわ!」

 

「へぅ…試してみようかな…」

 

「わ…わたしも…」

 

「ねねも…」

 

「私も試してみようかしら。」

 

みんな自分の飲みやすい様に調節しながら、楽しんでいた。それに、大福といちご大福も大好評だったので、全てみんなで食べてしまった。

 

場所が変わって、街にある商人組合に来ていた

 

如月「みなさんに頼みがあるんだが……」

 

「どうしたんだい?副長さん?」

 

如月「今度、羅馬……大秦方面へ商いに行った時にトマトってやつとアスパラガスってやつの苗か種を買ってきてほしいんだ。」

 

「副長さんの頼みなら断れねぁな。分かりました。仲間にも伝えておきますんで、手に入ったらすぐに知らせます。」

 

如月「ありがとう!よろしく頼む!」

 

 

 

 

 

 




紅茶はこの時代にはありませんが(作られ始めたのが1870年代の中期だとされています)製法を知っていればこの時代でも作れると思います。

いちごは現代で流通しているのはオランダイチゴ系がほぼ全てらしいです。これは北半球の温帯に広く分布してみたいなので、探せばあるだろうと思い出しました。
まぁ、いちご大福が食べたかったから出したんですが…

いちごは現代の中国語では草莓(ツァオメイ)と呼ぶそうです。この時代の呼び方が分からなかったので、現代の呼び方を出しました。(間違ってたらごめんなさい)

リンゴは中国の新疆(新疆ウイグル自治区)と黄河の西の地域は中国最古のリンゴ生産地で、中国東北部は小玉リンゴの生産地となっていたとあったので、今回出したのは小玉リンゴの果汁にしました

トマトはこの時代のローマにもありませんでしたが登場させようと思い出しました。

アスパラガスはこの時代のローマでは栽培されていたみたいです。

トマトとアスパラは涼州をとったことにより、シルクロードでローマとつながったこのタイミングで出しました。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。