真・恋姫†無双 転生伝   作:ノブやん

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五十二話

「如月ー♪」

 

「如月さん♪」

 

「ちょっとー、人前でそんなにイチャイチャしないでよねっ!」

 

「そうだ!そうだー!」

 

如月「ああ、すまん。天和。地和。」

 

「姉さん達、好きな人とイチャイチャ出来ないからって如月さんにあたらないでよ。」

 

「そうやでー。戻ったら一刀とイチャイチャすればええやん。」

 

「あー、もうっ!帰ったら絶対に一刀とイチャイチャするんだからー!」

 

なぜこんな状況かと言うと、俺と霞で孫呉との国境付近を偵察に行った帰り道にシスターズと偶然出会ったため、護衛として一緒にいるわけだ。

 

 

 

如月「やっと陳留に着いたなぁ。」

 

「では、私は華琳様に報告しに行ってきますね。」

 

「じゃあ、私達は街をぶらぶらしてるからー。」

 

「あっ、待ってよちーちゃーん!」

 

如月「あいつらは……」

 

「如月さんはどうします?一緒に華琳様に報告しに行きますか?」

 

如月「うーん、そうだなぁ…街の様子を見てから向うから華琳にそう言っておいてほしいな。霞は?」

 

「ウチも街の様子を見てから行くわ。」

 

「分かりました。そう伝えておきます。では。」

 

「ふふーん。如月と逢い引きや。ほな、はよ行こ!」

 

如月「はいはい。」

 

天和と地和を見失わないようにしながら、霞と一緒に街中を見て回っていると

 

一刀「おーい、天和、地和ー!」

 

「ばか!なに大きな声出してるのよ!周りに気付かれちゃうでしょ!」

 

一刀「ごめんごめん。けど、こっちに帰ってきてたんだ?」

 

「うん。さっき帰ってきたばっかりなんだよ。」

 

一刀「そうなんだ。人和はいないけど、報告?」

 

如月「ああ、人和は華琳に報告に行ったぞ。」

 

一刀「おっ!おかえり。如月。霞。」

 

如月「ああ。ただいま。一刀。季衣。」

 

「きー兄ちゃん。霞ちゃん。おかえりー。兄ちゃん、お腹減ったよー。みんなで何か食べに行こうよー。」

 

如月「その肉はダメなのか?」

 

「ダメだよー。流流と秋蘭様が帰ってきたら、これで料理大会するんだ!」

 

「はぁ?今すぐ焼いたらアカンの?」

 

一刀「時間置いたらおいしくなるんだってさ。で、二人が帰ってきた頃にはちょうど良くなってるとか何とか……」

 

如月「なあ、それ、俺らも呼んでほしいんだが。」

 

「いいよ!流流の料理はおいしいから、みんなで食べよ!」

 

如月「確かに流流の料理はおいしいよなぁ……二人はいつ帰って来るの?」

 

一刀「劉備さんとの国境の偵察に行ってるから…季衣、二人とも、どこに行ったんだっけ?」

 

「ええっと、確か定軍山……かな。」

 

一刀「らしいよ。」

 

「定軍山って、益州やないか……。あの辺ぐるっと回ってくるとなると……うぅ、結構遠いなぁ……」

 

如月「定軍山ねぇ……なんか、引っかかるなぁ……」

 

一刀「如月も?そうなんだよ、なんか引っかかるんだよな。ああそれと、黄忠や厳顔、魏延の主要な将が劉備さんに降ったらしいよ。」

 

如月「へぇ……そうなんだ。ん?黄忠?」

 

定軍山……黄忠……あれ?もしかして……

 

如月「なぁ、一刀……定軍山に行ったのは流流と秋蘭だよな?」

 

一刀「あ、あぁ。それがどうかしたか?」

 

如月「ヤバい!まずいぞ一刀!」

 

一刀「だから、どうしたんだよ。」

 

如月「秋蘭の名前は?」

 

一刀「え?秋蘭は秋蘭だろ?」

 

如月「違う!性と名と字!」

 

一刀「えっと、性は夏候、名は淵、字は妙才……まさか!」

 

如月「たぶんそのまさかだ。一刀、定軍山は確かもっと後だったろ?」

 

一刀「ああ!赤壁の後だ!それに流流もか?」

 

如月「たぶんな……二人はいつ出て行った?」

 

一刀「二日前だ。」

 

如月「くそっ!一刻も早く華琳に知らせるぞ!」

 

「どうしたの?兄ちゃん達。さっきからそんなに大声を上げて。」

 

如月「季衣、霞。事態は一刻を争う。二人とも急いで城に戻ってきてくれ!一刀を連れて先に戻ってるから!一刀掴まれ!」

 

一刀「お、おう!」

 

返事をした一刀の手を握り

 

如月「二人とも、急いで城に戻ってこいよ!トベルーラ!」

 

下で二人が大声を上げているがそれに答えてる暇はない!

 

 

 

 

如月「華琳!」

 

城を文字通り飛び回って、いつもの広間の扉を蹴破って中へ。ちょうど、華琳、春蘭、桂花、風、稟がいた。集める手間が省けた

 

「どうしたの?いきなり。そんなに急いで報告にでも来たの?」

 

如月「すぐに定軍山へ兵を出してくれ!」

 

「……何をいきなり。」

 

「そうよ!何言ってるのよ!」

 

「ハァ……ハァ……きー兄ちゃん、早すぎだよ……ハァ……ハァ……」

 

「い……いきなり……どうしたっちゅーねん……」

 

一刀「定軍山は罠だ。このままじゃ秋蘭と流流が死んじまう!」

 

「どういうこと?」

 

「どういう事だ、北郷。」

 

「どういうこと……兄ちゃん!」

 

一刀「俺達の歴史じゃ、もっと後の事件だから思いもよらなかったけど、俺達の歴史の定軍山は……」

 

如月「劉備の部下になった黄忠が、夏侯淵を討つ話だ。」

 

「なら流流は?」

 

如月「典韋は官渡の戦いの何年か前に、ある者の裏切りにあった曹操を守ろうとして討死した。という話だ。」

 

どうやら、俺と一刀がこの世界に来たことで、俺らの知っている歴史とは流れが変わったらしい

 

「秋蘭と流流が……まさか。ありえないわ。」

 

如月「俺らだって笑い話ですんでほしいさ。だが、二人が死んだら……」

 

「皆、話は聞いたわね。事態は一刻を争うわ。準備が出来た者から出撃しなさい。如月、あなたは先行して出来る限り早く秋蘭と流流を見つけだし、合流しなさい。」

 

『了解!』

 

 

 

 

 


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