真・恋姫†無双 転生伝   作:ノブやん

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四十六話

「己は最後まで漢の臣である。・・・・それが、馬騰のこちらに対する回答でした。」

 

昨日、春蘭から聞いた以上のことを風が報告していた。まぁ、予想はしていたからしょうがないな。

 

「・・・・で、馬騰はどういう人物だった?」

 

「公平にして勇敢、五胡の間にも勇名を轟かす豪傑・・・・旅の間も噂には聞いていましたけど、噂にたがわない、高潔な人物という印象を受けましたー。」

 

「だてに涼州の諸侯を束ねる人物ではない、と言う事か。やはり・・・・おしいわね。」

 

「西涼の騎馬の民を相手にしているだけあり、戦慣れした騎兵が主体です。反董卓連合の時もそうでしたが機動力に関してはあちらに一日の長があるかと。」

 

「ウチみたいな戦い方が基本になるわけか・・・・」

 

「皆も良いわね。桂花たちは騎馬に有効な戦術を準備しておきなさい。霞の戦い方が参考になるでしょうから、霞もそれに加わって。」

 

「おう。まかしとき!」

 

如月「華琳。真桜もその軍議に入れてやってくれ。」

 

「えっ!ウチも!」

 

如月「どうせ、色々と作る羽目になると思うから、その場で色々考えな。時間の短縮だ。すぐ出る羽目になるんだろ?」

 

「そうね。真桜。あなたも軍議に加わりなさい。」

 

「了解です!」

 

軍議から数日後。慌ただしい準備の後、涼州へと続く街道を進んでいた。

 

如月「いやいや・・・・遠いですなー。」

 

「そりゃそうやで。大陸の端っこやからね。」

 

んなことを霞と話しながら行軍していると

 

「敵襲ー!!」

 

如月「おおう・・・・いきなりですか・・・・」

 

「んなこと言っとらんと、迎撃するで!」

 

如月「了解!」

 

 

 

 

 

如月「とりあえず、迎撃はしたな。」

 

「ウチが先頭やなかったら、もっとグダグダになってたで。」

 

如月「確かに。霞。帰ったら一つ、言うことを聞いてやるよ。」

 

「ホンマッ!」

 

如月「ああ。でも無理なものはなしな。」

 

「くーっ!楽しみやな!なにしてもらおう。」

 

如月「あのー、霞さん。俺に出来ることにしてよー。」

 

聞こえてないなー。まぁ、しゃーないか。

そんなこんなで敵襲を迎撃したが、そのあとも昼夜問わず敵襲が続いた。

そんなある日

 

一刀「おはよー。」

 

「何や、眠そうやねぇ。隊長。」

 

如月「大丈夫か?」

 

「ああ。大丈夫。でも最近、眠りが浅くてなぁ・・・・地面に布を敷いただけで寝苦しいのに、ようやく寝られたと思ったら、襲撃があるし。」

 

「せやねぇ。昨日はめずらしゅう夜襲がなかったけど・・・・ここの所、ほとんど毎日やったもんね。」

 

一刀「真桜は元気だな。」

 

「元気なもんかい。単に、夜明け前から起きとったから眠う見えんだけや。」

 

一刀「ああ、夜の見張りだったのか。お疲れ様。如月は?」

 

如月「俺は今から。」

 

一刀「そっか。お互い頑張ろうな。」

 

「うー。眠たいのー。」

 

如月「よっ!沙和。おはよう。」

 

一刀「沙和も夜の番だったのか?」

 

「ウチもやで。」

 

如月「霞もか。おはよう。」

 

「おう。おはよう。今から寝るでー!」

 

「夜起きてるのはお肌に悪いの・・・・」

 

一刀「よく寝てちょうだい。沙和も。」

 

「うん。真桜ちゃーん。そばかす、ひどくなってないー?」

 

「大丈夫やと思うけどなぁ・・・・隊長、どない?」

 

「隊長ー。この辺とかひどくなってないのー?」

 

一刀「お、おい。ちょっと、そんなに顔を近付けるなって・・・・!」

 

「近寄らないと分からないのー。」

 

一刀「だ、大丈夫。大丈夫だから・・・・っ!」

 

「んもぅ!二人とも、適当に言ってるの!」

 

「おはようございます。」

 

「おはよ、凪。」

 

如月「おはよう。凪。」

 

一刀「凪も早いなぁ。」

 

「この時間は普通、皆起きているのでは?」

 

如月「さすがにそれはないと思うが・・・・」

 

コクコクと頷くみんな。そんな中、沙和が

 

「凪ちゃーん。私のそばかす、ひどくなってないー?見て見てー。」

 

「じー・・・・」

 

「ねえねえ、どうなのー?」

 

「・・・・すまん、沙和。こういうのは良く分からなくてな・・・・皆に聞いてくれ。」

 

「もぅ、みんな知らないのーーーー!」

 

てか、俺と霞は聞かれてないけど

 

「あーあ、行ってもうた。隊長のせいやで?」

 

如月「そうだな。あそこで沙和の腰くらいこう、ぐっと抱いて見せてだな・・・・」

 

「えっ?ちょ!如月さん!」

 

如月「沙和。お前の美しさは、そばかすくらいで損なわれるものじゃないよ。」

 

そう言って目を閉じて凪の顔に近づけていき

 

「ちょっと如月さん!あ、あの・・・・その・・・・」

 

如月「・・・・とまあ、このくらいしてもバチは当たらないと思うぞ。」

 

「・・・・へっ?」

 

一刀「いや、俺がやったら犯罪だろ。」

 

「副長。副長。」

 

「如月。如月。」

 

如月「ん?」

 

真桜と霞が小声で俺を呼び、指を指している。指された方を見ると

 

「うー・・・・」

 

恨めしそうに俺を見る凪の姿が

 

如月「ゴメン。ゴメン。凪。これで機嫌直して。」

 

もう一回、凪を抱きよせてキスをする。

 

「き、如月さんっ!」

 

如月「機嫌、直った?」

 

「うー・・・・はい。」

 

如月「それは良かった。」

 

そんな凪とのやりとりを

 

一刀「あ、あんな如月・・・・見たことない。」

 

「副長・・・・大胆やなー。」

 

「ええもん。ええもん。この戦が終わったら・・・・」

 

周りが若干引いているようだが

 

如月「とはいえ、兵達の疲れもかなり溜まってるし、こっちももたないかもな。華琳に相談してみるか。」

 

「あ。話そらした。」

 

一刀「話そらしたな。」

 

「恥ずかしくなったんちゃう?」

 

如月「うるせいっ!」

 

 

 


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