如月「♪♪♪~!」
厨房で鼻歌を歌いながら食材の下ごしらえをしていると
「きー兄ちゃん。なんだか、ご機嫌だね。」
「きー兄様。何の下ごしらえをしてるんですか?」
如月「ん?季衣と流流か。エビの殻むきをしてるんだよー。」
季衣と流流に返事をし、鼻歌を歌いながら作業を続ける
「きー兄様。何か手伝えることはありますか?」
如月「じゃあ、このイカの下処理をお願いしようかな。」
「はいっ!分かりました。」
「きー兄ちゃん。ボクはー?」
如月「今、ご飯炊いてるから見ておいてくれ。」
「分かったー!」
季衣と流流に指示を出し、三人で下処理を行う
如月「流流。取って来るものがあるから、ちょっとここをお願いしていいか?すぐに戻ってくるから。」
「はい。おまかせください。」
流流にここをまかせ、中庭へ行きあるものを持ってくる
如月「流流。ただいま。ありがとな。」
「いえいえ。それより、それは何ですか?見たことないですけど。」
如月「これか?後で説明するよ。おっ!エビの殻むきとイカの下処理終わってるじゃん。ご飯もいい具合に炊けたな。ありがと、二人とも。」
「へっへっへー。」
「いえいえ。で、こんな量のエビとイカどうするんですか?」
如月「ああ、それはな『如月。来たわよ。』こういう事だ。」
華琳と一刀が厨房にやってきた。天の国の料理を作るからって華琳に声をかけたんだよね。
如月「んじゃ、今から作り始めるから、椅子に座って待っててくれ。」
「あら。今から作るの?なら、近くで見ていてもいいかしら?」
如月「いいよ。」
「あっ、じゃあ私も。」
如月「あんまり見るもんなんて無いけどな。工程がすごく簡単だから。とりあえず、鍋に入れてた油を温めておいて、小麦粉、溶き卵、パン粉の順にエビにつけて衣を纏わせて、こっちの皿に並べてっと。」
一刀「エビフライかっ!」
如月「そうだぞ。みんな大好きエビフライだ。おっ、油が温まったから揚げていくか。」
エビフライを一本一本揚げていく
如月「ほら、揚げたてだからうまいぞ。食べな。」
「確かにおいしそうね。」
「良いにおいー。」
「おいしそうです。」
一刀「うまそうだな。」
『いただきまーす。』
如月「どうだ?うまいか?」
『おいしいっ!』
如月「そりゃ良かった。うん、おいしい。あっ、華琳、流流。また違うもの作るからこっち来る?」
華琳と流流がこっちに来たのを確認して
如月「これはな、小麦粉を水で溶いたものだ。エビをこれにつけて、油へ入れる・・・・揚がり具合はこんなものでいいか。ほら、塩つけて食べてみな。」
「あら、さっきのエビフライとはまた違う食感。」
「おいしいです。きー兄様。」
如月「これは天ぷらって言うんだ。」
「あー!ボクも食べたい!」
一刀「俺も!」
如月「分かった、分かった。ちょっと待ってな。すぐに揚がるから。」
二人に催促されてのでどんどん揚げていく。
「きー兄様。あのイカはどうするんですか?」
如月「ああ。あれもフライと天ぷらにしようと思って。あ、そうだ。ご飯があったな。二種類しかないけどあれを作るか。」
エビとイカを天ぷらにして、よそったご飯の上に並べて天つゆをかけて
如月「はい。天丼の出来上がり。」
一刀「おお、天丼だ。エビとイカしかないけどおいしい!」
「うん。これもなかなかね。」
「おいしー!おかわり!」
「おいしいです。」
如月「そうか、そうか。それは良かった。うん、うまい!」
一刀「てか、これだけのエビどうしたんだ?買ってきたのか?」
如月「いや。エビの養殖をやり始めてさ。うまく出来たから、送ってもらった。」
一刀「は?養殖?そんなこともやってたのか?」
如月「だって、エビ食いたいけど高いじゃん。だから、養殖した。」
「きー兄様。すごすぎます・・・・」
「如月。あなたね・・・・」
「へぇー。すごいね。きー兄ちゃん。」
なんか三人が若干引いているような声をしていたが、とりあえず
如月「あ、そうだ。これもあったんだ。食べる?」
「これ何?」
「肉のかたまり?」
「そういえば、これってなんなんですか?」
一刀「も、もしかしてそれはっ!」
如月「そう。ベーコンだ。まず、肉のかたまりに塩をもみ込んで、冷蔵庫の中に一週間くらい置く。で取り出したら水につけて塩抜きをして、水気を取って、風通しのいい所で乾燥させて、燻製にするんだ。」
『燻製?』
如月「煙を当てて風味づけをすると同時に、煙に含まれる殺菌・防腐成分を食材に浸透させるんだ。この時、水分も飛ぶから保存性が高まるんだ。中庭に箱が置いてあっただろ?」
「ええ。撤去させようとしたのだけれど、あなたの字で“捨てるなっ!さわるなっ!”って書いてあったから、捨てなかったけど。」
如月「あれが燻製器。あれで作った。このまま切っても食べれるんだが、お腹を壊す可能性があるから今日は焼こうと思うんだが・・・・食べる?」
『食べるっ!』
如月「じゃあ、一切れずつな。すぐに焼くよ。」
ベーコンに軽く火を通して、あーいい匂いだ
如月「ほら、出来た。食べてみな。」
『おいしい!』
「きー兄様。他にどのような食べ方があるのですか?」
如月「そうだな。前に作ったシチューとか煮込み系のものでもおいしいよ。ベーコンからうまみが出るからな。また今度、一緒に作ってみるか?」
「はい!おねがいします!」
「その時は私も呼びなさい。如月。」
一刀「俺も!」
「ボクも!」
如月「ははっ。了解。んじゃ、片付けますかね。」
「手伝います。」
みんなで後片付けをし、その場で解散となった。