真・恋姫†無双 転生伝   作:ノブやん

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四十二話

あの後、春蘭、秋蘭、季衣、流流、霞の五人が劉備軍に追撃を行ったが、長坂橋って所で張飛に足止めをくらったため、追撃をあきらめて陳留に戻ってきた。

春蘭と季衣と霞は不完全燃焼みたいな顔をしていたが。

劉備軍五万を追い返した効果なのか地方の争い事が少なくなってきたため、少し前の忙しさが嘘のようになくなったある日、

 

如月「医者?」

 

「そうなのですよー。華琳様の頭痛を治すために呼んだのですよー。」

 

如月「あー、頭痛かぁ。最近特にひどくなったって言ってたな。」

 

「ですから五斗米道の華佗って人を呼んだのですよー。」

 

如月「ふーん。ところで、いつまでこの体勢なの?」

 

「おおっ!」

 

庭の木に背を預け、あぐらの上に座っている風に尋ねる。ちなみに後ろから抱きすくめる格好をしている。

 

如月「ほらほら、降りた降りた。ヤジ馬しに行くぞ。いつもの広間?」

 

「むー。そうですよー。」

 

如月「むくれない、むくれない。ほら行くぞ。」

 

むくれている風と一緒に広間へ向かう。

 

如月「かりーん。五斗米道の医者が来てるって聞いたからヤジ馬しにきたぜ。」

 

「違う!五斗米道ではない!ゴットヴェイドォーだ!」

 

如月「あ、すみません。ゴッドヴェイドォーね。あと、俺はここで街の警邏隊の副長をやってる龍谷如月だ。よろしく。」

 

「俺の名は華佗だ。よろしく。」

 

華佗と握手をしながら、自己紹介

 

「挨拶はすんだかしら?すんだのなら早く診て欲しいのだけれど。」

 

如月「ああ、すまん。なら、華佗。頼む。」

 

「ああ、まかせろ。では早速診察を始めよう。」

 

「!ちょっとまて!診察ということは・・・・まさか、貴様!」

 

これから診察って時に春蘭が待ったをかけた。

 

「貴様、華琳様の裸体を見たあげく・・・・あろうことか、その汚い手で華琳様のお身体をさわろうとでも考えておるのではあるまいな!」

 

「なんですって!」

 

「・・・・それがどうしたんだ?」

 

「それはそうだろう、姉者。相手は医者だぞ。」

 

「華琳様の玉体にふれさせるなど、天と地、そして天に住まう神仙がゆるしてもこの夏候元譲がゆるすわけにはいかん!」

 

「私も許さないわ!」

 

「秋蘭、脱ぐのを手伝って。」

 

「承知いたしました。」

 

「如月。二人を連れて行きなさい。華佗。さっさと診てちょうだい。」

 

「まかせておけ。」

 

如月「了解。ほら、いくぞ。二人とも。」

 

「「華琳様ぁぁぁぁぁぁっ!」」

 

そう叫ぶ二人を引きずりながら広間の外へ出ていく。さすがに華琳の裸を見るわけにはいかないからな。廊下に出た後、二人が中へ入らないように見張っていると、華佗が何かと戦っているような声をあげていた。その声も少したつと、

 

「我が身、我が鍼と一つとなり!一鍼同体!全力全快っ!必察必治癒・・・・病魔覆滅!元気になれぇぇぇぇっ!」

 

という声が聞こえてきて、静寂の後扉があき、

 

「もう中に入っていいぞ。」

 

秋蘭に言われ中へ入った。

 

如月「それで華佗。華琳の頭痛は治ったのか?」

 

「ああ。病魔は倒したから、これで治ると思うが、どうだ?」

 

「ええ。すごく体が軽いわ。頭痛も治ったみたい。」

 

「おお!それはようございます。華琳様。」

 

如月「なあ、華佗。一つお願いがあるんだが・・・・」

 

「なんだ?如月?」

 

如月「華佗さえよければ、医療技術をみなに教えて欲しいのだが・・・・どうだろ?」

 

「それはありがたい話だが、断らせてもらおう。俺はもっと大陸を見て回りたいのだ。」

 

如月「そうか。分かった。あと、すまんがもう一つだけお願いがあるんだが・・・・」

 

「なんだ?」

 

如月「呉の美周朗の命を助けて欲しい。頼む。」

 

「うむ。分かった。だったら、急いだ方がいいな。すぐに向かうとしよう。」

 

如月「ああ、頼む。あと、少ないけど、治療代。」

 

華佗に治療代を渡すと、ではまた。と言って行ってしまった。

 

「如月、あなた・・・・」

 

如月「すまんな、華琳。勝手なことをして。」

 

「いえ。理由が理由なら咎めはしないわ。というか万全の状態で戦えるのでしょう?それならいいわ。」

 

如月「ありがと。」

 

 

 

 

side周瑜

 

「何?医者が訪ねてきた?」

 

「はい。龍谷如月という方に頼まれて周瑜様を診察に来たと。」

 

「その医者の名は?」

 

「華佗と申しておりました。」

 

「ふむ。あの華佗なのだろうか?とりあえず部屋に呼んでくれ。」

 

「はっ!」

 

 

 

「お前が五斗米道の華佗か?」

 

「違う!ゴッドヴェイドォーだ!」

 

「ゴ・・・・ゴットベイ・・・・」

 

「ゴッドヴェイドォーだ!」

 

「ゴ・・・・いやいや!というか診に来たのではないのか?」

 

「ああ、そうだった。さっそくだが診察を始めよう。」

 

「ああ、頼む。」

 

「む!これは!」

 

「どうした?」

 

「早く見つけられてよかった。このまま放置していたら、取り返しのつかないことになっていた。」

 

「そんなにか!」

 

「ああ。だが、早く見つけられて良かった。今の状態なら、すぐに治るだろう。治療を始める。」

 

「ああ、やってくれ。」

 

「我が身、我が鍼と一つなり!善利益・注利率・威禍消離厄!げ・ん・き・に・なれぇぇぇぇっ!」

 

「くっ!」

 

「ふぅ。治療、完了!」

 

「これで治ったのか?」

 

「しばらくは様子を見る必要があるが、病魔は打ち砕いた。一週間くらい鍼を打って体力・気力を回復させたいのだが、いいか?」

 

「ああ、頼む。」

 

一週間後

 

「ここまで回復すれば大丈夫だ。」

 

「感謝する。華佗。」

 

「なに、医者として当然のことをしたまでだ。では、俺はこれで失礼する。」

 

「ああ。華佗。ありがとう。」

 

華佗が去っていき

 

「やつに一つ貸しが出来てしまったな。さて、どう返すか考えねばな。」

 

sideout周瑜

 

 

華佗に頼みごとをしてから二週間後、華佗が俺を訪ねてきて、周瑜の病気が完治したことを伝えてくれた。報告しに戻って来るなんて律儀な奴だな。

まぁ、ともかくこれで周瑜が死ぬという未来がなくなったので良しとしよう。

 

 


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