真・恋姫†無双 転生伝   作:ノブやん

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四十一話

戦が始まって数刻

 

如月「ベホマズン!スピオキルト!ベホマズン!スピオキルト!」

 

「副長!副長!」

 

如月「何じゃい!今、回復と補助の呪文交互に唱えてて忙しいんじゃ!邪魔するな!」

 

「しゃーないやろ!こっち、かなり押されてるし、隊長も大将を連れ戻しに出ていってしもーたんやから。」

 

如月「はぁ!?マジか。しょうがない・・・・真桜は周りの兵を纏めて、下がる道の確保と籠城の準備。俺は桂花と風に撤退するようにひとっ飛びして言ってくるわ。頼んだ。」

 

「了解や!」

 

如月「桂花の方がちと遠いか。なら、先にそっちから行くか。」

 

 

 

「ちっ!結構キツイわね。兵力差がもろに出ているわ。」

 

如月「桂花!」

 

「如月!?どうしてここに!?」

 

如月「撤退の伝令役だ。桂花、先に撤退して籠城の準備を。軍師殿頼んだぞ。」

 

「誰に物を言ってんのよ。まかせなさい。なら先に撤退させてもらうわね。」

 

如月「ああ。おい!呪文使える奴は近くにいるか!」

 

『はっ!ここに!』

 

如月「なんだ桂花の護衛だったのか。なら、お前たちには殿の援護を務めてもらう。ヒャダルコで壁を作って敵を止めろ!」

 

『はっ!了解です!』

 

味方と敵の間に氷の壁を出現させ、敵を足止めさせる。

 

如月「よし、お前らも撤退しろ!撤退中も壁を作りながらだ!あと、ピオリム!これで各自、馬並みの速さで走れるから。じゃあ、俺は反対側に行ってくるから。」

 

「はっ!副長もお気をつけて。」

 

 

 

 

「おやおや、これは少しきついですねー。」

 

如月「風!」

 

「おや?これは如月さん。どうされたのですかー。」

 

如月「分かってるくせに。撤退だよ。籠城するぞ。」

 

「そうですね。これ以上は危険かと。」

 

如月「だろ?おい!呪文唱えれる奴はいるか?」

 

『はっ!ここに!』

 

如月「風の方も護衛に使ってたのか。」

 

「それはそうですよー。遠距離攻撃が出来るんですからー。」

 

如月「そりゃそうか。お前ら、ヒャダルコで壁を作りながら撤退しろ。」

 

『はっ!了解です!』

 

如月「風もさっさと撤退しろよ。おっと、ピオリム!これで馬並みの速さで撤退できるからな。俺は中央に行ってくる。」

 

「お気をつけてー。」

 

 

 

 

「くっ・・・・!」

 

「曹孟徳。その首、貰い受ける!でえええええぃ!」

 

(ダメ。保てない・・・・っ!)

 

如月「空から美少年、参上!」

 

「「えっ・・・・?」」

 

あっぶねー。もう少し遅かったら、華琳斬られてたぞ。

 

如月「華琳、撤退だ。もう、送れる兵がいねぇからな。あと桂花と風にも撤退指示出して、二人とも撤退中だから。」

 

「何を言って・・・・」

 

一刀「華琳!それに如月!?」

 

如月「一刀!さっさと華琳を連れてけ!囲まれるぞ!殿は俺が務める。ピオリム!」

 

一刀「サンキュー!如月!華琳、行くぞ!」

 

「あっ・・・・ちょっと!」

 

「行かせるわけないでしょう!追え!曹操を逃がすな!」

 

『はっ!』

 

如月「悪いけど、逃がさせてもらう。イオラ×2!」

 

横を抜けて追いかけようとした敵兵を両手から出したイオラでぶっ飛ばす。

 

『ぐわぁー!!』

 

『ぎゃあー!!』

 

「くっ・・・・やはり、如月殿。一筋縄ではいかないか。しかも、曹操たちはあんなに遠くまで行ってしまったし。ですが如月殿。ここには貴方一人しかいませんが?」

 

如月「大丈夫、大丈夫。だって俺・・・・飛べるし。」

 

そう言って空中に浮かぶ

 

『なっ・・・・!!』

 

如月「それじゃあ、生きていたら、またあとで。あっ、お土産忘れてた。」

 

「お・・・・お土産?」

 

如月「そうそう、お土産。受け取って欲しいな・・・・イオナズン!」

 

ドッゴーーン!!

 

如月「おっ、関羽は無事だったか。さすがだな。さて、城に戻って、籠城しますか。」

 

 

 

 

side関羽

 

「くっ・・・・生き残ってる者は・・・・いないか。」

 

「愛紗!大きな爆発があったが・・・・これはヒドイな・・・・」

 

「ああ・・・・如月殿にやられた。」

 

「まったく。何という人だ。こちらもあの氷の壁に足止めさせられてな。」

 

「氷の壁?・・・・何なんだあれは!?」

 

「兵の報告によると、一部の兵が出したものらしい。」

 

「はぁ!?兵にもあんなものが出せる者がいるのか!?なんという・・・・」

 

「どうする?愛紗?」

 

「どうするもこうするも、籠城したのだから、攻城戦しかあるまい。軍師達も同じ意見だろ?」

 

「ああ、そうだ。」

 

「ならば早く落とさねば。行くぞ星。」

 

「ああ、そうだな。」

 

 

sideout関羽

 

 

 

 

「華琳様!ご無事で!」

 

「ええ。一刀と如月のおかげでね。現状は?」

 

「すでに兵の収容は完了しています!城門閉鎖も終わりました!」

 

一刀「あれ?・・・・如月と真桜は?」

 

如月「俺なら、ここだぞ。」

 

一刀「えっ?・・・・うわっ!」

 

如月「かーずとくーん。驚きすぎー。ぷぷぷ!」

 

一刀「うっせ!まぁ、無事で良かったよ。」

 

如月「おう。サンキュー。」

 

一刀「で、真桜は?」

 

「真桜なら別の作戦があるから、そちらを任せているだけ。」

 

一刀「そっか。なら良かった。」

 

「よし!総員、城壁の上に待機!籠城戦で敵を迎え撃つわ!何としても、春蘭たちが帰って来るまで耐えきって見せるわよ!」

 

各城壁に真桜特製無限丸太落とし装置がつけられ、城壁を上ってくる敵兵を落としまくっているし、地下にある用水路も桂花の罠で封鎖済み。火矢も撃ち込まれ、常用の用水路も外から止められたが、ヒャダルコで出した氷を溶かし、消火用と飲料水に使用したため兵の士気は下がらなかった。

 

一刀「なあ。」

 

「何よ。」

 

一刀「なんか、敵の数が少なくないか?今までの半分くらいしかいない気がするんだが。」

 

「・・・・しまった。やられたわね。風、こちらも隊を三つに分けて、そのうち一つは休息を取らせておきましょう。常に交代で誰かを休ませて、体力を温存できるようにして。」

 

「「・・・・ぐー。」」

 

一刀「こら、寝るなって。って、如月もか。」

 

「・・・・寝かせておきなさい。風と如月にはあとで働いてもらうわ。代わりに桂花、隊の割り振りをお願い。」

 

「・・・・はっ。しかし孔明め・・・・華琳様の作戦を。」

 

一刀「華琳の作戦って・・・・」

 

「反董卓連合と時に都攻めで使ったという、あの作戦ですか?」

 

如月「コンビニだよ。コンビニ。」

 

一刀「なんだ。起きてるんじゃないか。」

 

「「誰も起こしてくれなかったから、自分で起きた(ました。)」」

 

一刀「えっ・・・・ツッコミ待ちだったの?」

 

と一刀を二人していじっていると

 

「華琳様!地平の向こうに大量の兵が!」

 

「まさか、敵の増援!?」

 

如月「いや・・・・あれは・・・・夏候、許、典、楽、于、李、郭、張、呂・・・・」

 

「みんなお味方の旗ですねー」

 

一刀「え、だって、春蘭たちは明日の朝までかかるって・・・・」

 

如月「李ってことは真桜だよな。探しに行ってたのか。」

 

「そうよ・・・・まぁ、必要なかったみたいだけどね。」

 

如月「なら、あいつらと挟撃するために行ってきますか。」

 

「待ちなさい。指揮は桂花と風に任せるから、貴方は休んでなさい。如月。」

 

如月「いいの?なら、下で炊き出しの指示くらいしてくるわ。」

 

「ええ、お願い。おいしいものを頼むわよ。」

 

如月「ムチャぶりだな。まぁ、何とかしてみるよ。」

 

そう言って下に行き、兵達と一緒に飯の準備をしていたら

 

「あーーーっ!貴様っ!北郷!華琳様のお膝で・・・・」

 

「何しているのよーーーーーーっ!」

 

という声が聞こえてきた。春蘭と桂花、空気読めよな。

 


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