如月「ん・・・・もう、朝か・・・・」
窓から入る朝日を浴びて目を覚ます。
如月「俺の部屋じゃない?」
自分の部屋じゃないことに?を浮かべるが脳が働きだし始めたのか、昨日のことを思い出し横を見るとスースーと寝ている凪。可愛い寝顔を見つつ頭を撫でる。髪サラサラだなぁと思っていると
「・・・・ん、朝?・・・・」
如月「おはよう、凪。」
目を覚ました凪に挨拶
「お、おはよう・・・・ございます。如月さん。」
布団で顔半分を隠しながら、挨拶と名前を呼んでくれる凪。その姿が可愛らしくて
如月「ああ、もう!凪は可愛いな!」
と凪を抱きよせキスをする。驚いていた凪だが、逆に凪の方からして来てくれた。そんなことを何回かした後、二人とも着替え、部屋を出ようとした時
如月「凪。何か動きが変だぞ。大丈夫か?」
「えっと・・・・その・・・・まだ中に入っている感じがして・・・・」
如月「そうだったのか・・・・よし、凪。今日は休め。」
「えっ・・・・ですが・・・・」
如月「その調子じゃ、いつも通り動けないだろ?だから今日は休め。副長命令。」
「うっ・・・・分かりました。今日は休ませていただきます。」
如月「よしよし。いい娘だ。じゃあ、俺は行くから。」
扉を開けたところで
「あっ、ちょっと待ってください。」
如月「ん?何かあった?な・・・・ちゅ」
振り向きざまに凪にキスされ
「あの・・・・その・・・・いってらっしゃい・・・・如月さん////」
そんなことを言われ、少しポカーンとしたあと
如月「行ってきます!」
そう言って、仕事へ向かう。やっべニヤニヤが止まらない。
「へっへっへ、昨日はお楽しみでしたね。」
「お楽しみでしたねー。」
詰め所へ行くと俺の姿を見つけ、駆け寄ってきた真桜と沙和がそんなことを言ってくる。
如月「まぁ、楽しかったのは間違いないなぁ。」
「そういえば凪の姿が見えへんのだけど。」
「そういえば、まだ来てないのー。」
如月「凪は今日休ませた。」
「そうなんや。珍しいなぁ、凪が休むなんて。」
如月「まぁ、体調が悪いときくらいあるよ。んじゃ、仕事始めるぞー。」
そう言って、仕事を開始する。いつも通りお店の人とだべり情報収集し、ケンカを止め、ひったくりを捕まえ、道案内等をしていたらいつの間にか昼になっていた。
「あー、お腹減ったわー。」
「今日はどこで食べよっかー。」
如月「二人とも何が食べたい?今日くらいはおごってやるよ。」
「えっ?おごってくれるん?」
「何でもいいのー?」
如月「ああ、なんでもいいぞ。この間のお礼だ。」
「ほんなら、あそこがいい!」
真桜が指差した建物は陳留で一番の高級な店だった。
如月「あそこか・・・・しゃあない、何でもおごると言ったからな。あそこにすっか。」
「「やったー。」」
お店に入り、昼食をとった。そんなに食べてなかったのに会計がすごかった。
次の日、百人集まった兵達の前にいる。
如月「皆に集まってもらったのは他でもない。君たちは気が使えたな。そこで、この技を習得してもらいたく集まってもらった。」
兵達にメラ系とヒャド系を覚えてもらおうと思い集めたのだ。メラ系とヒャド系が使えれば遠征先で火と水(特に水)に困らなくなるため、各部隊に最低でも一人は入れたいと華琳に進言した所、OKが出たため、すぐさま行うことにした。現在は俺と凪しか出来ないからな。
如月「では、さっそくやっていこうか。まずは・・・・」
兵達に説明し、実戦へ。みんな必死に感覚を掴もうと頑張ってくれている。そうこうしている内に日が沈み始めたため本日は解散となった。
二日目、三日目ともなるとみんな感覚を掴んできたのかメラを出せる者がちらほらと出てきた。
十日目には全員がメラを習得し、ヒャドを出すために頑張っている。
二十日目には全員ヒャドとメラミを習得。なかなかペースがいいな。
三十五日目には全員ヒャダルコまで習得してしまった。もう少し時間がかかると思っていたが、なかなか優秀な生徒たちだったらしい。今回成功したので、次も実施できるよう華琳に言っとくか。
あくる日の昼、自室で仕事をしていると
「失礼します。如月様、張梁様からの遣いで参りました。」
如月「人和から?緊急事態?」
「いえ。本日新しい事務所が完成いたしましたので如月様にお越しいただきたいとの言伝です。」
如月「了解。行かせてもらうわ。場所は?」
「はい。新しい事務所の場所は・・・・」
教えてもらった新事務所の場所へ行ってみると
如月「おおぅ・・・・でっか。すげーな。」
「いらっしゃい。・・・・どう?新しい事務所は?」
如月「ああ、すごいよ。これ、建てたの?」
「まさか。そこまでのお金は無いわよ。中古の家を買って、少し改築したの。」
如月「なるほどねぇ。うん、おめでとう。よく頑張ったな。」
「・・・・ありがと」
如月「ところで中はどうなってんの?見せてもらっていい?」
「中はまだ片付けが終わってないから、見せられる状態じゃないの。」
如月「そっか。じゃあ、、片付いたら、中を見せて欲しいな。」
「うん。そのときはぜひ。あと、せっかく来てくれたんだし、これから一緒にお茶に行かない?時間があればだけど・・・・」
如月「お茶か・・・・いいね。行こうか。」
人和と一緒に街に出る
如月「そういえば、人和と一緒に出掛けるなんてなかったな。」
「そんなことないと思うけど。仕事の打ち合わせとか・・・・」
如月「仕事以外でってこと」
「あっ・・・・そういわれればそうかも。」
如月「だろ?仕事以外ではまず会わないからな。一刀はちょくちょくそっちに行ってるみたいだけど・・・・てか一刀で思い出したけど、瓦版の記者には見つかってないか?」
「大丈夫よ。多分、姉さん達を追っかけてるんじゃないかな?私は姉さん達と違って地味だから。まぁ、そっちの方が煩わしくなくていいからいいんだけどね。」
如月「まぁ、気持ちは分かるけど、もったいねえな。こんな可愛い娘を追っかけないで。瓦版の記者も目がねーな。」
「そ、そうでもない////」
そう言ってそっぽを向いてしまった人和。顔が赤く染まっている。照れてるのかな?
「それよりも・・・・この前の舞台は最高だった。大成功を収めたのもあなたのおかげ。本当にありがとう。」
如月「いやいや。俺の力だけじゃなくて、みんなの力だって思うから。企画立案しただけだし。」
「謙遜しなくてもいいじゃない。その企画立案がなければ出来なかった。」
如月「謙遜してるつもりはないんだが・・・・」
「そう?でも・・・・初めよりは見直した。こんな風になるとは思ってなかった。」
如月「初めはどう思ってたんだ?」
「怖い人。」
如月「まぁ・・・・出会いが出会いだからなぁ。それは仕方ないな。」
「でも、何回も打ち合わせして、舞台を成功させたら誰よりも喜んでくれて、あなたがいなければここまで来れなかった。だから、ありがとう。・・・・ねぇ、お礼がしたいから、ついてきてほしい場所があるんだけど・・・・いい?」
如月「いいよ。で、どこに行くの?」
「ナイショ」
しばらく歩いて到着したのは、最初に構えた事務所前だった。
如月「懐かしい感じがするな。ついこの間までここが事務所だったのに。」
「そうね。中に入りましょ。」
如月「あれ?中入るの?」
「うん。ダメ?」
如月「いや、いいよ。」
人和に続いて小屋の中に入るといきなり人和が抱きついてきた。
如月「あの・・・・人和・・・・これは一体?」
「如月さん・・・・私はあなたのことが好きです。」
如月「へっ・・・・ちょっ・・・・マジで?」
「はい。私は如月さんのことが好きです。」
如月「でも、俺・・・・凪を抱いたよ?そんな男だけどいいの?」
「誰を抱いたかなんて関係ない!私はあなたが好きだから、好きな人に抱かれたいよ。それに凪からも了承は得てるから。」
如月「えっ!マジっ!そうなの!?」
「凪から言伝『如月さん。人和を泣かせないように』ですって。」
如月「そっか。うん。覚悟を決めた。人和、ありがとう。ちゃんと大事にするから。俺も人和のことが好きです。」
「ありがとう。如月さん。ちゅっ。」
人和と口づけをかわし、身体を重ねるのだった。
ことが終わって
如月「人和。大丈夫か?」
「うん。平気。もうそろそろ帰らないと姉さんたちが心配しちゃう。」
如月「なら、帰るか。送っていくよ。」
「ううん。平気。見つかったら勘ぐられちゃうよ。恥ずかしい。」
如月「そういうことなら、分かった。じゃあ、気をつけて帰れよ。」
「うん。分かった。あっ、如月さん。」
如月「ん?」
「大好き。ちゅっ。」
人和にキスされ
「バイバイ。」
如月「ああ、バイバイ。」