真・恋姫†無双 転生伝   作:ノブやん

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三十八話

青洲のとある鉱石場に来た俺。ここでは青玉(サファイヤ)が採れるらしく加工前のものを買いに来たのだ。

 

如月「すみませーん。青玉の原石ってありますかー?」

 

「青玉の原石かい?ここら辺に置いてあるのが青玉の原石だな。好きなのを選びな。」

 

如月「どれにするかな?あれくらいの大きさにするから・・・・おっ!ちょうどいい大きさのものがあるじゃん。念のため三つ買っていこう。あとは金と銀が欲しいんだがあるかな。」

 

店のオヤジに代金を払い、他の店を回る。

 

如月「おっ!金と銀売ってた。買うか。おやっさん。この金と銀、ちょうだいな。」

 

「あいよ。兄ちゃん、こんなもの買っていくなんてワケありかい?」

 

如月「ははっ、ちょっとね。腕輪でも作ろうかと思ってね。」

 

そう言いながら、小指をあげる。

 

「なるほど。頑張れよ、兄ちゃん!なら少しまけとくよ。」

 

如月「マジで!ありがとう!」

 

買い物後、すぐさま陳留へトベルーラで戻り、真桜の工房へ

 

「副長。いきなり押しかけてきてなんやねん。」

 

如月「すまんな、真桜。すぐに作業に入らねぇと、間に合わないんでね。」

 

「間に合わへんって何に?ん?青玉の原石に金と銀?こんな高いもん何に使うん?」

 

如月「贈り物。みんなには黙っとけよ。」

 

「ふーん。贈り物ねぇ(ニヤニヤ)」

 

如月「そういうこと。真桜、金と銀の割合について教えてもらいたいんだが・・・・」

 

「ええよ。何作るん?」

 

如月「腕輪」

 

「なら、この割合が一般的やね。でも、あいつに渡すんなら、丈夫な方がええもんね。」

 

如月「そうだな。あと、青玉もこんな形でこのくらいの大きさなんだが・・・・」

 

真桜と一緒にあーだこーだ言いながら作業を進めていった。

 

 

side凪

 

最近なんだか、副長と真桜の様子が何かおかしい。普段は普通に接してくれるのだが、なんかよそよそしさを感じる。はぁ、真桜も副長のこと好きになったのかな?私もあんなに積極的になればこんなにもやもやしなくてすんだのかな?

季衣と流流はきー兄ちゃん、きー兄様って呼んでるけど兄ではなくて男の人として気があるみたいだし。

人和も何回も打ち合わせを重ねている内に副長の優しさにあてられてしまったみたいだし。

月や詠も反董卓連合の際に助けられて優しい言葉でもかけられたのかな?二人とも侍女になって副長の身の回りのお世話を笑顔でおこなっているし、あんなに優しくされたら好きになっちゃうよね。

恋殿は初めて副長と会った時から懐いてたもんね。副長は優しい人だって雰囲気で分かったみたいだし、それに頭ナデナデされてたし。

霞様は最初はお酒で釣られてたみたいだけど、何回も一緒に行動している内に副長の内面を知って好きになったみたいだし。

最近は風様も副長に懐いてるみたいだ。不思議ちゃん扱いされるのを自然体で見てくれた副長に惹かれていったみたいだし。

みんな素直で可愛い娘ばかりで・・・・その点、私は無愛想だし、体中キズだらけだから好かれる所なんて・・・・

 

如月「おーい、凪っ!ちょうど良かった。」

 

えっ?副長!?

 

「え・・・・あの・・・・副長。どうされたんですか?」

 

如月「凪って三日後、休みだったよな?」

 

「えっ・・・・はい。休みです。」

 

如月「なら、俺と一緒に出掛けないか?」

 

えっ?副長と一緒にお出かけ?

 

如月「どうなんだ?凪?」

 

「え・・・・あの・・・・私で良ければ・・・・ぜひ。」

 

如月「そっか。良かった。よし、沙和、真桜頼む。」

 

「はいなのー。」

 

「おっしゃ。ほら凪。行くでー。」

 

「え・・・・ちょ・・・・どこに?」

 

「服屋さんなのー。ちゃんとカワイイの選んであげるのー。」

 

「ウチは凪が逃げんように見張りや。」

 

如月「よし、二人とも。頼んだぞ。」

 

「おまかせなのー!」

 

「まかせとき!副長!このお礼はたっぷりいただくでぇ。」

 

如月「任せとけ!」

 

えっ?服屋?えっ・・・・ちょっ・・・・なんでー!?

 

sideout凪

 

 

三日後の凪との約束の日。待ち合わせ場所のカフェ(あの後、凪に言いに行った)でお茶を飲みながらボーっとしていると

 

「副長。お待たせしてしまい、すみません。」

 

如月「いや、全然待ってな・・・・」

 

凪の方を向くと、ツーピース風の白いワンピースで、シースルーのレースからチラリと見えるお腹がオシャレの服と髪をストレートにおろし白のつば広の帽子をかぶった凪の姿があった。

 

如月「・・・・」

 

「あの・・・・副長?どうしました?」

 

如月「・・・・カワイイ」

 

「えっ?」

 

如月「凪、可愛い。すごく似合ってるよ。」

 

「えっ・・・・その・・・・ありがとうございます////」

 

沙和、いい仕事だ!褒美期待しとけよ!

 

如月「凪も何か飲む?」

 

「い、いえ・・・・周りの目が気になって・・・・」

 

如月「そっか。なら、行こうか。」

 

と言って凪の手を握る。

 

「えっ・・・・あっ・・・・ちょっ・・・・副長。」

 

凪のそんな声を無視して店を出る。代金は先払いです。

店を出た後も手を握りながら色々なお店を二人で回る。入る店、入る店で

 

「副長。楽進様と逢い引きですか?うらやましいですね。」

 

と言われ、その度に凪が顔を赤くする凪。可愛い。

そのあと露店のアクセサリーを見たり、服屋で服を見たり、ご飯を食べたり、デートを楽しんだ。

 

如月「そうだ凪。ちょっと行きたい所があるんだが、いいか?」

 

「あっ、はい。私は構いません。」

 

如月「そうか。なら少し失礼して・・・・」

 

「えっ・・・・きゃ!副長!?」

 

凪をお姫さま抱っこして

 

如月「お前ら、尾行するならもう少し気配を隠せよ。じゃあな、トベルーラ。」

 

少し上空に飛んでから地上を見ると、華琳をはじめ、春蘭、秋蘭、季衣、流流、真桜、沙和、桂花、風、稟、霞、恋、ねね、月、詠、天和、地和、人和、一刀の全員が姿を現していた。何か下でギャーギャー言ってるようだが何言ってるか聞こえない。それにしてもお前ら結構暇なんだな。

 

「あの・・・・副長。街を出て、一体どこに?」

 

腕の中の凪が聞いてくる。

 

如月「ちょっとした秘密の場所。」

 

お姫さま抱っこで凪を抱きながらトベルーラで飛ぶこと約十分。とある場所へ降りた。

 

「ここは・・・・」

 

如月「きれいな場所だろ。桜が群生している所を偶然何か所か見つけてな。開花してる所を選んだんだ。」

 

少し強めの風が吹いて、花吹雪がきれいだ。

 

「すごくきれいです。副長、ありがとうございます!」

 

如月「気に入ってもらって良かったよ。凪に見せたかったからな。」

 

凪のすごくうれしそうな笑顔に心を奪われる。

 

如月「そ、そうだ。凪にプレゼントがあるんだ。」

 

「プレゼントとは?」

 

如月「贈り物って意味だよ。凪、誕生日おめでとう。」

 

そう言って凪に自作した腕輪を渡す。

 

「ありがとうございます。さっそくはめてみてもいいですか?」

 

俺が頷くと右手首にはめてくれた。

 

如月「うん。似合ってるよ凪。それと、凪。君のことが好きだ。」

 

「はい。ありがとうござ・・・・へっ?好き?」

 

なんかピンときていない顔をしている凪にもう一度

 

如月「俺は凪のことを一人の女性として好きだと言ったんだ。」

 

「好き・・・・副長が・・・・私のことを・・・・はわわわ・・・・本当ですか?」

 

如月「ああ、本当と言ってマジと言う。」

 

「あの・・・・私・・・・体中キズだらけだし、不器用だし、みんなほど可愛くはないと思うのですが・・・・」

 

如月「あのね凪。体中の傷はみんなを守るために負った傷だから見苦しくないし、むしろ尊敬さえする。それに真面目で不器用な所も凪の魅力だし、みんなにも優しいし、他のみんなより可愛くないって言ってるけど、全然そんなことないよ。凪はすごく可愛い女の子だよ。俺はそんな凪のことが好きだ。」

 

「うっうっ・・・・副長・・・・」

 

突然泣き出す凪

 

如月「凪!どうした!?俺、なんかヒドイこと言った?」

 

「い、いえ・・・・嬉しくて・・・・副長、私もあなたをお慕いしております。」

 

如月「まったく、驚かすなよ凪。それとありがとう。でも、人を驚かすようなことをする娘はこうだ!」

 

「え・・・・っ、んぅ・・・・ちゅっ・・・・」

 

凪を引き寄せ、唇を奪う

 

「ふ・・・・副長!?」

 

如月「あっ。いきなりしちゃってゴメンな・・・・」

 

「あ・・・・いえ・・・・嫌とかではなく・・・・急にされて、驚いただけで・・・・そのむしろ・・・・」

 

如月「そっか。良かった。凪。もう一回していい?」

 

「は、はい。私もしたいです。」

 

本日二度目のキスをする俺達。その後、日も落ちたので、行きと同じくお姫さま抱っこで凪を抱えトベルーラで城へ戻り、凪を部屋まで送ったところで服の袖をつかまれ、

 

「あの・・・・今日は部屋に泊って行ってください。」

 

と言われ

 

如月「あの・・・・凪さん・・・・分かって言ってるよね?それ。」

 

顔を真っ赤にして、コクンと頷く凪。

そんなことをされたら断ることも出来ないし、自分も望んでいたことなので、凪の部屋に泊めさせてもらった。

 




腕輪のイメージはドラクエ11のいやしの腕輪です。

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