真・恋姫†無双 転生伝   作:ノブやん

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二十八話

とある非番の日の昼、中庭で俺と一刀は体を動かしていた。

 

一刀「はあっ!」

 

木刀で素振りを行っている一刀。元々やっていたのか、中々筋がいい。

 

如月「中々やるなぁ、一刀。」

 

一刀「まぁ、元々家でも部活でもやってたしな。」

 

そう言いつつ素振りを続ける一刀

 

「あれ?隊長と副長、どないしたん?そんなもの振り回して。」

 

と、真桜と凪と沙和の三人娘がやってきた。

 

一刀「ああなに、体を動かそうと思って、如月と一緒にやってたんだ。」

 

如月「そっ。一緒に鍛錬中。」

 

「隊長は剣術の心得がおありだったのですか?」

 

一刀「ま、軽くね。みんなほどじゃないよ。」

 

「へぇ・・・・いっがーい。」

 

「隊長。良かったら、一手お願いできませんか?」

 

一刀「へ?凪とやるの?無理無理!」

 

如月「いや、そんなに否定しなくてもいいじゃん。まぁ、凪も本気でやるわけじゃないんだから。手合せだと思ってやってみ。」

 

一刀「分かった。それじゃあ凪、お願いできる?」

 

「はい。お願いします。」

 

「どっちもガンバレー。」

 

「たいちょー。凪ちゃーん。がんばってー。」

 

如月「なら、審判は俺がしよう。双方、構え・・・・始め!」

 

「でええええぃっ!」

 

一刀「くっ!なめんなー!」

 

一刀中々やるな。凪が本気じゃないとはいえ、結構動けてるじゃん。

 

「なにをしているの?」

 

「あ、華琳様。」

 

如月「よぉ!華琳。」

 

「如月。あなた見てなくていいの?」

 

如月「ちらっと、目を離すくらいなら大丈夫だろ。」

 

「そう。けど、一刀に武術の心得があったなんて、知らなかったわ。」

 

「なるほど。だから、警備隊に入ってすぐに、それなりにでも動くことが出来たのですね。」

 

「でも、腕はたいしたことないわね。」

 

如月「双方、やめっ!」

 

一刀「いやぁ、やっぱり凪には勝てないなぁ・・・・」

 

「いえ、こちらも結構必死でしたよ。これを機に修行を積んでみては?」

 

一刀「・・・・暇があればね。」

 

如月「凪、そう言ってやるな。一刀は隊長だからな。色々とヤルことがたくさんあるんだよ。」

 

一刀「如月・・・・なんか“やる”の意味が違って聞こえるけど・・・・」

 

如月「気のせいだ。」

 

「隊長ー。かっこよかったでー。」

 

「おつかれさまー。」

 

一刀「はいはい、ありがとう。あれ?華琳達も来てたんだ。」

 

「ええ、中々面白かったわよ。」

 

「北郷。あれは、お前の国の剣術なのか?」

 

一刀「ああ、あれは・・・・」

 

と、一刀が春蘭たちに説明をし始める。説明をしている流れで、一刀と春蘭が試合をすることになった。みんな面白がってんなーと思っていたら、なんということでしょう。

中庭にいつの間にか大容量の観客席が・・・・

 

「副長、頑張ったんやで!ほめて!」

 

如月「さすが、真桜だな!」と真桜をほめる。

 

用意された席に座ると

 

如月「あれ?月に詠、恋にねね、霞まで。どうしたの?」

 

「いえ、霞さんから面白いことをやると聞いて。」

 

「それで見に来たのよ。」

 

如月「一刀の殺戮ショーを?」

 

「いやー如月。アンタがそれを言ってどうすんの?親友の心配くらいしてやりや。」

 

「兄上、さすがにそれはないですぞー。」

 

「さすがにそれは可哀そうよ。」

 

「そうだよー。一刀に応援してあげなきゃ。」

 

如月「お、天和に人和。何でいるんだ?」

 

「あれ」

 

如月「あれ?」

 

指を差した方を見ると、

 

「さぁ、始まりました世紀の一戦、我が軍最強の名高い魏武の大剣の異名をとる夏候惇将軍対、我が軍最性魏の種馬兄弟の兄、北郷一刀の時間無制限一本勝負!実況はわたくし李典と・・・・」

 

「曹魏三千万のみんなー。歌姫、数え役萬☆しすたぁずのちーほーちゃんでーーーーすっ!よろしくぅ!」

 

なるほど、地和が出るからいるのね。てか一刀、魏の種馬兄弟の兄って呼ばれてるのか。可哀そうに。あと、弟って誰だろう?などと思っていると

 

「でやああああああっ!」

 

ヒュン!

 

「どわああっ!」

 

と試合が始まっていた。いやぁ、一方的な試合だな。一刀可哀そうに。

 

「へぅ・・・・北郷さん、大丈夫かな?」

 

「まぁ・・・・避けまくってるから大丈夫なんじゃない?」

 

うーん、このままじゃ一刀に勝ち目がないし、ちょっと可哀そうすぎるな。よし、

 

如月「かりーん!このままじゃ一刀、勝ち目がないぞ。面白くないし、何か条件を付けてやってくれ。」

 

「そうね・・・・春蘭!」

 

「はっ、何でしょう華琳様。」

 

「一刀に勝てる条件を付けてあげようと思うのだけれど、いいかしら?」

 

「はぁ、どうせ負けませんし、構いませんが・・・・」

 

「なら、春蘭に一太刀でも浴びせられれば、一刀の勝ちでいいわね?」

 

「はっ。むろん、負けるつもりなどありませんが!」

 

一刀「な、ならその条件でお願いします。」

 

まぁ、そのくらいのハンデがなきゃ、面白くないよな。けど、本気になった春蘭に追い掛け回される一刀。さっきよりきつくなっちまったか?

でも、春蘭の攻撃を受け流している。一刀結構やるな。と思っていたら、

 

一刀「あ、あれは!華琳様が扇情的な格好でっ!」

 

「何っ!?」

 

一刀「えいっ!」

 

ポカリ

 

「・・・・は?」

 

「一本!勝者、北郷一刀!」

 

あーあ、春蘭やっちゃった。

 

「隊長、すごーーい!」

 

「おめでとうございます!隊長!」

 

如月「おめでと、一刀。よくやったな。」

 

一刀「ああ、ありがとう。如月。如月も頑張れよ。」

 

如月「は?頑張れよって、どういうこと?」

 

周りを見ると恋の姿が見えない。

 

「続きまして第二回戦!天下一の武をほこる飛将軍、呂奉先対、呂奉先と打ち合った男、魏の種馬弟、龍谷如月による時間無制限一本勝負・・・・」

 

如月「ちょっと待て!俺もやるのか!?しかも恋と!?だから、恋の姿が見えなかったのか!てか、種馬弟って俺のことか!」

 

「副長、あきらめやー」

 

「がんばってー、副長」

 

「副長、頑張ってください。」

 

「へぅ、あの・・・・頑張ってください如月さん。」

 

「まぁ、何かあったら骨くらいは拾うわ。」

 

「まぁ、とにかく頑張って。」

 

「・・・・如月、早く」

 

「兄上!恋殿!頑張って下されー!」

 

「きー兄ちゃん、頑張れ!」

 

「きー兄様、ご武運を」

 

いつの間にか季衣と流流も来てるし。てか、みんなの期待がすごい。恋もなんかウキウキしてるし。

 

如月「よっしゃああああっ!覚悟決まった!真桜合図を頼む。」

 

まあいいや、どうにでもなれ。

 

「それじゃあ、副長の覚悟も決まったところで・・・・始め!」

 

如月「くらえ!カイザーフェニックス!」

 

先手必勝のカイザーフェニックス。恋相手にこれもどうかと思うが、そんなこと言ってられない。

 

「な!すごいわね如月。あんなものまで出せるなんて。」

 

「うそ・・・・」

 

「むぅ、さすが如月。しかも、まだ隠してるものがあるな。」

 

「副長・・・・すごいです。自分ももっと頑張らなければ!」

 

「こんなのやられたら、死んじゃうの・・・・」

 

「ひゃー、如月こんなことも出来るんかい。」

 

「へぅ。如月さん、すごいね詠ちゃん。」

 

「てか、こんなのとやりやってたの恋のやつ。」

 

「兄上、すごすぎなのですぞー!」

 

「・・・・すごい。でも!」

 

方天戟で真っ二つにする恋。

 

うそー!とみなさん驚いてらっしゃる。俺の方がもっと驚いてるよ!

 

如月「勘弁してください。アバンストラッシュB!」

 

恋の懐に飛び込み叩き込む。直撃し、吹き飛ぶ恋。大丈夫か?いくら威力を落としてるからって結構な威力だぞ。姿を見せた恋はパンパンとほこりを払っている。大丈夫そうだ。

 

如月「これも受け止めるか。やるな。」

 

「けど、結構きた。」

 

分かりにくいが、ダメージはあるようだ。恋が反撃をしてくる。恋からの攻撃をなんとかかわす。一撃一撃が早くて重いんだよな恋の攻撃。

 

如月「恋!これで最後にするぞ!ギガデイン!」

 

ギガデインを剣に落とす。

 

如月「これで決める!ギガブレイク!」

 

「・・・・っ!」

 

恋はギガブレイクを受け止めるが、

 

如月「甘い!」

 

そのまま恋を吹き飛ばす。

 

「勝者、副長!」

 

「恋殿ー!」

 

如月「恋、大丈夫か?ベホマ。」

 

「・・・・あたたかい。」

 

「へぅ・・・・如月さんすごかったです。」

 

「あんたのそれ、すごいわね。傷が治っていく。」

 

「へぇ、初めて見た。」

 

「これは、私たちの妖術と同じもの?」

 

如月「月たちはともかく、桂花も見るのは初めてだったか。これは回復呪文と言ってな、体力回復と小さな傷くらいならすぐに治せるんだ。あと、妖術とは同じようで違うんだよ。」

 

みんなに説明していると

 

「きー兄ちゃん、すごいねー!今度、ボクともやってよ!」

 

「きー兄様、お疲れ様でした。」

 

如月「おう。季衣、流流ありがとう。季衣、今度稽古してやるよ。」

 

「如月ってこんなに強かったんやね。今度ウチともやってや。」

 

如月「了解。霞。」

 

「お疲れ様。如月。」

 

如月「華琳。俺もやるならそう言っておいてくれよ。」

 

「黙っておいた方が面白いでしょ。それに、如月が戦ってる姿を見て、惚れ直した娘もいっぱいいるようだし。」

 

『////』

 

凪、月、詠、恋、季衣、流流、霞、人和の顔が赤くなる。

 

如月「いやぁ、それはありがたいなぁ。それより華琳。」

 

「ん?なにかしら?」

 

華琳の傍へ行き、小声で、

 

如月「一刀にかっこよかったって言っとけよ。春蘭に挑む一刀、かっこよかっただろ?」

 

「っ////」

 

真っ赤になる華琳

 

「あ・・・・あなた、何を////」

 

如月「あいつ、鈍感だから。ちゃんと言わなきゃダメだぞ。よし、真桜!片付けるぞ!」

 

「りょーかい、副長。隊長、凪、沙和も手伝ってえな。」

 

一刀「はいはい、分かったよ。」

 

「しょうがないな。」

 

「むー、分かったの。」

 

片付けを始める俺達。疲れたから今日はさっさと寝ますかね。

 


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