真・恋姫†無双 転生伝   作:ノブやん

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二十四話

汜水関攻略後に行われた軍議で虎牢関の指揮権を引き受けてきた華琳。

 

「ここで呂布と張遼をやぶれば、華琳様の名は一気に高まるでしょう。それは華雄ごときの比ではありません。」

 

「……欲しいわね、その強さ」

 

また華琳の悪い癖が……

 

「今回ばかりはお控えください。張遼はともかく、呂布の強さは人知を超えています。」

 

一刀「人知って……そんなに強いのか?」

 

「用兵はともかく、個人の武では桁が外れていると聞いている。中央に現れた黄巾党の半分、約三万を一人で倒したそうだ。」

 

一人で三万?ゲームかなにかですか。あの、頭なでられて喜んでたあの子が?

 

「情報元は人和よ。中央で有力な武将の名で一番に出てきたのが呂布で、二番目に張遼だったわね。」

 

わお!実話でした。

 

「もしどうしてもとご所望でしたら……姉者と私、季衣、流琉あたりがいなくなると思っていただきたい。」

 

「……随分と弱気ね。」

 

「秋蘭共々、それほどの相手と認識しております。先ほど関羽でさえ、一人では数合ともたないでしょうね。」

 

「ならば、春蘭。如月ならどうにかなりそうかしら?」

 

如月「俺ぇ!?」

 

「我が軍や連合軍の中でも呂布と同じくらいの強さを持つのは如月ただ一人だけだと思いますが……それでも五分くらいかと。」

 

「なら、如月。お願いできるかしら。」

 

如月「しゃーねーなー。分かった。でもダメだと思ったら、すぐに逃げさせてもらう。それでいいなら。」

 

「それでいいわ。あなたを失うことは、大きな損失なのだから。なら、張遼の方はどうなのかしら?」

 

「張遼の強みは用兵にあります。兵を奪ったあとに捕えるとの命ならば、兵は桂花が、張遼は姉者が何とかしてくれるでしょう。」

 

「お任せ下さい!」

 

「わ、私か!?また無茶を……」

 

「あら、してくれないの?春蘭。桂花はしてくれるようだけど。」

 

「……ふふん」

 

「くぅぅ……!張遼ごとき、物の数ではありません!十人でも二十人でも、お望みの数だけ捕えて参りましょう!」

 

「なら、張遼は春蘭と桂花に任せるわ。見事捕えて見せなさい。呂布は如月、あなたに任せるわ。でも、これ以上危険と判断したらすぐに引くこと。」

 

「はっ!」

 

「お任せを。」

 

「了解。」

 

軍議終了後みんなが近寄ってきた。

 

「きー兄ちゃん。ちゃんと帰ってきてね。」

 

「きー兄様。ご武運を。」

 

「副長……お気をつけて。」

 

「せやで副長。ちゃんと帰ってきてな。」

 

「そうなのー。副長は無事生きて帰ってくることだけ考えてればいいのー。」

 

一刀「……気を付けろよ、如月。如月が生きて帰ってきたら俺、プチ宴会を開くんだ。」

 

如月「それ、フラグになるからやめて!」

 

一刀よ、アホみたいなフラグを立てるなよ。あと、みんなありがとう。

心配してくれて。

さて、ちょっくら、行ってきますかね。

 

 

と意気込んでいたけど、扉が開かないと戦えないわけで、「まあ、さすがに今回は籠城でしょ」と一刀としゃべっていたら、虎牢関の門が開き、華雄が飛び出してきた。マジですか!春蘭でもこんなことしないぞ……たぶん。

華雄が出てきて、その後を追うように呂布と張遼も出てきたため、乱戦になったが、徐々にこっち側が押し返していった。

 

如月「だいぶ落ち着いてきたみたいだから、ちょっくら呂布探しに行ってきまーす。」

 

呂布はどこにいるかなー?と探していたら門の前で戦っていた。ラッキー!ちょうどいいから突っ込むか。

 

 

「よし!ならば、三方より一斉にかかるぞ」

 

「分かったのだ!」

 

「ええ!」

 

「……遅い」

 

「くぅっ!」

 

「うひゃあっ!」

 

「ぐっ!」

 

如月「さすが天下の飛将軍。殿してるところ悪いが、俺の相手もしてくれないか?恋?」

 

「あ……如月」

 

如月「よう、久しぶり。」

 

「……(コクッ)」

 

「あなたは……?」

 

「お兄ちゃん誰なのだー?」

 

「あなた……呂布と知り合いなの?」

 

如月「俺?曹操の所で街の警備隊の副長やってるものですよ。恋とは黄巾党討伐の際にちょっとね。」

 

「真名まで呼んでるし。で、その街の警備隊の副長が何でこんな所に?死にに来たの?」

 

如月「いやぁ、曹操にちょっと頼まれごとされちゃって。恋……悪いけど、ちょっと俺に付き合ってくれないか?」

 

と竜闘気を全開にすると、恋の顔色が変わる。

 

「なっ!」

 

「すごい気なのだ」

 

「あなた……やるわね」

 

「……本気?」

 

如月「んー、ちょっと本気。こっちの都合で悪いけど、付き合ってくれよ!恋!」

 

「……恋も、本気だす。」

 

ジャンプして切りつける。

 

「……くっ!」

 

恋は方天戟で防ぎ、逆に薙ぎ払ってくる。

 

如月「うおっ!これが恋の攻撃か。さすがだな……だが、これならどうだ“剣の舞”」

 

舞うような動きで、不規則に剣戟をあびせ、

 

如月「ブラッディースクライド!」

 

剣をドリルのように高速回転させて貫くが、軌道を変えられ不発に終わり、少しの隙をついて恋は方天戟で二連撃してくる。それを全力でバックステップでかわし、

 

如月「アバンストラッシュA×4」

 

アバンストラッシュAを四発放つが、全て避けられる。マジっすか。

 

「恋!ようやった!アンタもはよ戻りっ!」

 

張遼が華雄を引きずってきた。

 

「……でも……」

 

竜闘気を通常状態まで下げ

 

如月「いや。恋もいきな。時間切れだ。」

 

「……わかった、行く。」

 

恋と張遼と華雄が虎牢関へ下がっていく。

 

如月「ふぅ……」

 

「お兄ちゃん、すごいのだー!あんな戦い初めてみたのだー!」

 

「あなた、本当に街の警邏隊の副長?すごく強いじゃない。」

 

如月「いえいえ、ただのしがない街の警邏隊の副長ですよ。おっと、自己紹介がまだでしたね。性は龍谷、名は如月です。」

 

「我が名は関羽。助太刀ありがとうございます。」

 

「鈴々は張飛なのだー」

 

「私は孫策よ。」

 

如月「では、自己紹介もすんだことですし、ここから逃げましょうか。ではまた!」

 

三人の前から逃げるように去っていく。

 

 

 

side関羽

 

「愛紗ちゃん、鈴々ちゃん。無事で良かったー」

 

「桃香様、ただいま戻りました。」

 

「お姉ちゃーん。ただいまなのだー!」

 

「おや、それで呂布は?」

 

「残念だが取り逃がしてしまった。ああ、それとな星、朱里、雛里、一人気になる御仁がいた。」

 

「ほう、愛紗の目に留まる御仁とは?」

 

「曹操軍の龍谷如月という人物だ。」

 

「龍谷如月……もしかして天の遣いと噂されている人物では?」

 

「あー、あのお兄ちゃんかー。強かったのだー」

 

「鈴々まで。どれほどなのだ?」

 

「呂布と互角に打ち合っていた。しかもまだ、全力では無い様だった。」

 

「なんと!呂布と互角!しかもまだ余力を残してとはなんて御仁だ。」

 

「はわわ!呂布さんと!」

 

「あわわ!」

 

「だから、朱里と雛里は情報を集めて欲しいのだが……」

 

「はい、分かりました。情報を集めておきます。」

 

sideout関羽

 

side孫策

 

「たっだいまー。」

 

「このバカ者が~!!」

 

「きゃー!冥林どうしたの?」

 

「どうしたもこうしたもあるか!!王が勝手に突っ込んでいくなど!しかも呂布相手に!」

 

「だって……戦ってみたかったんだもん。」

 

「だってじゃない!しかも、散々に相手にされなかったあげくに、助太刀に入られて、その助太刀に入った人物が、呂布と互角に渡り合ったとか。どこぞの王様は情けない姿をさらしたというわけか。」

 

「ぶー、そんなに言わなくてもいいじゃない。」

 

「冥林もその辺にしておけ。で、策殿その呂布と互角に渡り合ったという奴はどうじゃった?」

 

「かなりやるわね。この先、私たちの大きな壁になるかもね。」

 

「そうだな、雪蓮の勘はよく当たるからな。この戦中にも情報は集めておこう。天の御使いの龍谷如月の。」

 

sideout孫策

 

 

陣に戻るとみんなが駆け寄ってくれた。あの桂花でさえ、ホッとした顔をしてたんだぜ。すぐにそっぽ向いたけど。

 

如月「いやぁ、やっぱり恋は強かったよ華琳。それと、俺の戦っている姿を関羽、張飛、孫策に見られっちまった。」

 

「いえ、あなたが無事に帰ってきたのだからそれで良しとするわ。」

 

如月「まぁ、いつかはバレることだからな。それが早いか遅いかの問題か。」

 

「ええ、その通り。まぁ、ご苦労様。あんまり騒げないけど騒いできなさい。」

 

如月「応、そうするよ。」

 

その夜はプチ宴会をした。

 

しかし、その翌日

 

「……虎牢関が、無人?」

 

そう、袁紹が偵察を放ったところ、虎牢関には人っ子一人、ネコの子一匹いなかったらしい。

 

「何の罠かしら?」

 

「分かりません。呂布も張遼も健在な現状、虎牢関を捨てる価値はどこにもありませんし」

 

一刀「都に立てこもって、本土決戦したいとか?」

 

「虎牢関が落とされたならまだしも、今の段階でする意味が分からないわ。まだ攻略は始まったばかりなのよ?」

 

「やっぱ罠かなぁ?」

 

「そうとしか思えない……のだけれどね。」

 

如月「どっかのバカが突っ込んでくれないかなぁ……」

 

「さすがにそんなバカはいないでしょう。春蘭でもそこまでしないわよ。」

 

「だから華琳様、どうしてそこで私を引き合いに出すのですか……」

 

「華琳様ー!いま連絡があって、袁紹さんの軍が虎牢関を抜けに行ったみたいなのー」

 

「……」みんなの口が開いてふさがらない。

 

如月「うわー……バカがいたよ。」

 

一刀「まぁ、袁紹が無事に抜けられたら、罠はないってことでいいんじゃない?」

 

如月「確かに。今回はバカに感謝しよう。」

 

 

結局、虎牢関には罠が無くてそのまま素通りして都を目指した。

 

 

都に到着後、すぐに攻城戦が始まったが各諸侯が攻めても大した効果はなく一進一退が続いていた。

 

如月「はてさて、こうも膠着状態だとキツイな。どうすんだ、華琳?」

 

「そうね、一刀、如月。あなた達の世界に、こんびにと言うものがあったわよね。」

 

軍議の結果、連合を六つの隊にわけ、一つの隊が四時間ずつ攻撃し続け、二十四時間、間断なく攻め続けた。

 

一刀「なるほど。こりゃやられる方はキツイな。」

 

数日後、敵の抵抗がおとなしくなったため、決戦になるとのことで、袁紹と袁術が自分たちにあたるのは嫌だと文句を言い、袁紹の代わりを劉備が、袁術の代わりを孫策が行うことになり、華琳が劉備に兵を貸すことになった。

 

一刀「……ずいぶんと気前がいいんだな。」

 

「諸葛亮や関羽の指揮を間近で見られるいい機会だもの。その代価とみれば、高いものではないわ。桂花、兵に中に間諜を数名選んで入れておくように。人選は任せるわ。」

 

「はっ!」

 

劉備達に兵を貸し、連合全体で準備が出来た時

 

「報告!城の正門が開きました!」

 

「みな、この戦いばかりの日々を終わらせるわよ!総員、戦闘準備!」

 

「門より敵部隊出撃!突撃してきます!」

 

「さあ、誰が私たちの相手をしてくれるのかしらね……春蘭!」

 

「はっ!総員、突撃ぃっ!」

 

 

 


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