ある日、自室で設計図や、レシピを書いていると、
「如月、ちょっといい?」
と華琳が訪ねてきた。
如月「ん?何か用?」
「ええ、時間が出来たから天の料理を教えてもらおうかと思って、大丈夫かしら。」
如月「ああ、大丈夫だよ。」
「ならよかった。ていうか、あなたの部屋に初めて入ったけど、何もないわね……。あら?この箱は何?」
と、部屋の片隅に置いてある冷蔵庫に興味を持ったみたいだ。
如月「ああ、それは冷蔵庫と言ってな。下の扉を開けてみな。」
「下の扉を?あ、涼しい。どういう構造なの?」
如月「上の扉に氷を入れて、下を冷やしてるんだ。」
「氷を!そんなものどこで手に入れるのよ!」
如月「どこでって、ここで。ヒャド。」
ヒャドを唱え、氷の塊を出す。
「そういえばそうだったわね。てか、こんな便利なもの、何で早く言わなかったの?」
如月「色々とバタバタしてて、時間が取れなかったんだよ。あと、この前の報酬の件があったから、みんなに作ろうと思っていた。」
「まぁ、それはしょうがないわね。これの使い方は?」
如月「上の扉に氷を入れておくだけで、下の空間が冷やされる仕組みだ。あと、溶け出た水を一日一回捨てなきゃならないのと、新しく氷を入れての使用できる日数が十日くらいかな。」
「なるほど。如月これ作ってくれないかしら。」
如月「いいよ。てか、作るって言ったじゃん。数は厨房を入れて八個か。あ、一刀は持ってるから数には入れてないぞ。ちょっと日数かかるけどいいか?あと、真桜にも手伝ってもらいたいんだが。」
「ええ、いいわよ。真桜にも手伝ってもらってちょうだい。あ、先に厨房用を作ってちょうだい。みんなのは後で良いわ。」
如月「了解。あと、厨房の近くに氷室を作ろうと思うのだが、いいか?」
「いいわ、許可しましょう。」
如月「なら、さっそく真桜を捕まえて作ってみるよ。でもその前に、華琳、一緒に料理作るか?」
「ああ、そういえばその用事でこの部屋に来たのだったわ。じゃあ、お願いしようかしら。材料もある程度そろえてあるわ。」
如月「じゃあ、厨房にいくか。」
そんなわけで、厨房に到着し、材料を見て何を作るか考える。
如月「じゃあ、ハンバーグを作ろうと思う。」
「はんばあぐ?どういう料理なのそれ。」
如月「肉料理なんだけどな。俺の国でも人気の料理だ。とりあえず、材料は牛肉、豚肉、玉ねぎ、卵、パン粉、塩、こしょうだ。」
「作り方は?」
如月「まず、牛肉と豚肉を叩いて細かくします。今回は牛を五、豚を五の割合でやろう。この割合は自分の好みで変えるといい。次に玉ねぎをみじん切りにする。パン粉はおろし金でおろすと出来る。んで、細かく叩いた牛肉と豚肉とみじん切りにした玉ねぎとパン粉と卵と塩、胡椒をして、粘りが出るまで混ぜ合わせます。」
「このくらいでいい?」
如月「うん。いいよ。で、手のひらにこのくらい乗せて、形をこんな風に整えて、両手でこうやってパンパンとやって、空気を抜きます。これをやらないと破裂したり、焼きくずれが起こるのでちゃんとやること。」
「なるほど。」
如月「今回はこのフライパンという鍋を使ってやろうと思う。」
「へえー、浅くて幅広の鍋ね。」
如月「あと、フライ返しという調理器具を作ってもらった。これは、調理中の食材を裏返しにするためのものだ。」
「別に、こっちの鍋やお玉でもいいのでは無くて。」
如月「俺の国では、こっちの方が主流なんだよ。そっちの鍋やお玉じゃ、裏返しにくいんだ。」
「ふむ。まぁ、使いやすい物の方がいいものね。」
如月「そのとおり。焼く前に、食後の甘味の準備をしよう。」
「へぇ、甘味も教えてくれるのね。」
如月「簡単なものだけど。まず、材料は卵、砂糖、牛乳これだけ。」
「これだけで出来るの?」
如月「ああ、作り方は、卵と砂糖を混ぜておいて、牛乳を温めて、」
数分後
如月「このくらいの温度になったら、さっきかき混ぜておいたものにゆっくりと混ぜながら流し込んで、ざるでいったんこして、器に流し込んで、蒸すだけだ。」
「蒸すだけでいいの?」
如月「ああ、先にこっちを蒸籠に入れて、蒸しておこう。蒸している間に、ハンバーグを焼こう。」
「ええそうね。」
数分後
如月「はい、ハンバーグの出来上がり。プリンの方はっと。うん、ちょうど蒸しあがったな。取り出して、粗熱をとっておこう。じゃあ、ハンバーグを先に食べるか。」
「ええ、いただきます。」
如月「お口に合えばいいが。」
「うん、おいしいわ。」
如月「お口に合って良かった。」
ハンバーグを食べ終わり、プリンを食べる。
「へぇ、おいしいじゃない。これはいいわね。」
如月「うん、おいしいな。作り方は簡単だろ?牛乳の入手が難しいが。」
「そうね。牛乳が簡単に手に入るといいわね。」
如月「それついては、ちょっと考えている。で、どうだった?料理は?」
「ええ、簡単なものだったけど、すごくおいしかったわ。また、教えて頂戴。あと、片付けはやっておくわ。」
如月「いいのか?」
「ええ、今日のお礼よ。さっさと真桜を捕まえてらっしゃい。」
如月「ああ、予定入れられる前に、さっさと捕まえるか。すまんけど華琳、あとよろしくな。」
「ええ、気にしないで良いわ。」
如月「ありがとう。」
華琳に片付けを任せて、真桜を探しに行く。
今回は料理回です。色々と作りたいので、こんな感じで書きたいと思います。