シャアと対峙する。シャアはなぜ此方がMSの装甲を身に纏っているのかがよくわからない状態のようだった。
「....とりあえず、その格好をしているということは、英雄気取りで私たちを追い出しに来たのだろう?」
後退りしながら此方を睨み付けられる。蛇に睨まれた蛙のように体が動かない。
相手は逃げようとしているのが分かるのだが、実力の違いのせいなのか、体が動かせない。
『怖い』という思考が脳を埋め尽くす。一瞬でも動くと殺されそうな気がするほどだった。
『だからどうしたっていうんだ?』
口が勝手に動く。どうにか負けまいと口が勝手に動いていた。
「君が子どもということだ....!」
『しまっ......!!』
シャアの持っていた拳銃で頭部というより目の部分を撃たれる。傷は一つもつかなかったのだが一瞬目をふさいでしまった。
その一瞬のうちにシャアは近くの窓から飛び降り、ある機体に近づく。
「この世界では元々私が乗っていたのは造れないが、ある程度の改良を施せば、あの世界ぐらいの....いや、あの世界以上のものを私たちニュータイプはつくれる」
な、なにを言っているんだ? 白帝も窓から飛び降り、様子を伺う。
「見るがいい、これが私が造ったMA "サンフラワー"だ。君には特別にこいつで相手してあげよう」
白帝の目の前には、巨大な機械じかけのひまわりが咲いていた。いやたたずんでいた。
その頃天界では
「して、今回あの少年....NO.00002にあの...そうシャアだ。あのシャアを仕向けたのだ?」
「それは、"彼が私たちの駒に成りうるかどうかを見極めるため" です」
「あの混合世界たしか混じらせたのは、"ガンダム"とやらの世界を主にした世界で確か他に"艦隊コレクション" "ケモノフレンド" とやらだったか?」
「最後のが違います。"けものフレンズ" でしたよ確か」
「とにかく、我々上層部の者は下層部の者にばれぬように、戦争を起こし、いらぬ人類を消してきたのだが、なにせ効率が悪い」
「だからあの少年を試し、人を殺せるかどうかの実力を確かめるため、あの男を差し向けたと」
「さよう。あの程度も倒せんようなら、魂ごとこの世から消し去ってくれる」
男がカラカラ笑いながら言った。
話は戻り、巨大MA"サンフラワー" と対峙した白帝はガンダムX を巨大化させた。
『大きくなったからといって....!』
花の中心部から、大量の光線が放たれる。
『危なっ! けど避けきれないほどではないな』
次に花びらの部分から、大量のミサイルを発射してきた。
さすがに地面にいたら殺られそうなのでブースターを活用し、空に逃げる。が、追跡型なのか、数個は地面に落ちたが、残りはそのまま上にきた。
『ビームライフルで撃ち抜いてやる....!』
的確とまではいかないが、数撃てば当たるの方式ですべて直撃する前に撃ち落とす。
『えええい!』
今度は、地面から伸びてきた触手を縦横無尽にふってくる。所々にミサイルをぶちまけながらふってくるので逃げ場がなく、とうとう触手に脚をからまれ、横転したところを絡めとられた。
『....くそ!』
『....やはり、呆気ないものだな、同じニュータイプとは思えん。....まぁいい、このままとどめをさしてやる。だがただ締め上げるのはナンセンスだ、君にはとっておきをくらわせてあげよう....!』
サンフラワーの雌しべにあたる部分に雄しべの部分から光の玉が集まっていく。まるで受粉の時を見ているかのような感じだった。
『殺られてたまるか....!』
咄嗟に投げてしまったビームサーベルは、吸い込まれるように雌しべの部分に当たった。
『何っ!? 発射部分がやられただと、このままじゃ爆発する....ええい、世の中上手くいかないものだな!! この未来ある少年だけは...!』
『うわぁぁぁぁぁ!!』
縛られていた触手におもっいきりなげられ、ボロボロだった場所に叩きつけられる。しかし、そのまま崩れて、宇宙空間に放り込まれる。下は地球。
このコロニーは地球に近かったため、すぐに地球の重力につかまり、落ちてゆく。
『見ていろ少年、これがこのつくりたてほやほやの"サンフラワー" の最後だ....!』
綺麗な爆発だった。集まっていた光は光の粒子となり散り、MA は白く輝いていた。
『殺したくなかった.....けど殺してなかったら殺られていた....どうしたらよかったんだよ....』
少年は眠りにつく、深い眠りに。できれば二度と目覚めたくないと願いながら。
そのまま重力に従い、ボロボロの機体は修復されながら地球へと落ちていった。
~キス島沖~
ガンダムX をつつく少女がいた。その少女は海の上に浮いており、駆逐艦など装備しているような砲台の筒でつついていた。
「なんなのです? これは....?」
この少女と出会っていなければ、親しくなっていなかったら地獄はみなかっただろう。しかし、残酷なもので、これから親しくなっていく。これから地獄への道のハジマリだった。
自分はこの作品において主人公にありったけのトラウマを与えたいと思います。
他作品については艦これしている時に思い付いたことでした。