Fate/Grand Order【The arms dealer】   作:放仮ごdz

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ウェルカム!ストレンジャー…どうも、割と速く更新できて拍子抜けしている放仮ごです。流れに乗れば速いのなんの。

VSリーチネメシス決着戦。カルデア&ロンドン組の総力戦です。一気に展開が進みます。楽しんでいただけると幸いです。


ついて来れるかストレンジャー

 ・・・・・・あれから、どれほどの時が経っただろうか。がらにもなく善を成すために、叛逆し返り討ちにあったあの時から。無謀であるとは分かっていた。弱点であったはずの炎もあの時戦ったアーサー王の姿を取られて対魔力で無効化され、さらには奴の言いなりになったあの追跡者までいたのだ。それでも、以前の現界でマスターを裏切った私には、奴のしでかした事は許せなかったのだ。

 

 魔神柱というものに取り込まれて倒された後も私の体が保たれていると言う事は、マスターであった男を殺して擬態していたあの怪物はまだ健在なのだろう。忌々しい事だ。

 

 ああ、誰か奴を止めてくれ。あの怪物を野放しになどできぬものか。

 

 

「手伝ってもらうわよ。嫌とは言わせないから」

 

 

その聞き覚えのある声と共に視界を覆う闇が取り払われる。そこにいたのは、善を敷く者達だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もうオレ達に用は無いって事かよ・・・気に入らねえ!」

 

 

毒で融解した鎧を消してディーラーから受け取ったブルーハーブで治癒したモードレッドは地団太を踏む。登って行くリーチネメシスを見上げ、弱った体で何もできないならせめてもの、と手を伸ばすも虚しく空を切った。

 

騎士王に代わり、ブリテンの地を守ろうと足掻いた揚句にこれだ。何が円卓の騎士だ、騎士王の息子だ、と唇を噛み締める。ネメシス、レッドピラミッドシング、パラケルスス、ナーサリーライム、バベッジ、マーカス、魔神柱、ニコラ・テスラ、女王ヒル。連戦に次ぐ連戦で休息の時など少ししかなく、限界だ。もう、モードレッドに余力など残ってはいなかった。

 

 

「モードレッドはもう休んでいて!・・・でも、どうしましょう所長・・・」

 

「ウェスカーに吠えたと思えば置き捨てて、私たちですら無視して地上に向かうだなんて・・・目的が支離滅裂していてもう訳が分からないわ」

 

「B.O.W.は元々自我なんてない奴が多い。奴もそれだと考えると妥当が行く。あの「自我」は単なる模倣だ。奴に自我なんて、本能がちょっと賢くなったそれしかないんだろうよ。何故かは知らんが本能的にウェスカーを恐れてあの怪物化したところや、くどいぐらいに「地獄の炎を」と連呼してたことから考えるに、奴は、女王ヒルは殺されたという父親への愛情と復讐心だけが原動力だったんだ」

 

 

そのディーラーの言葉に、オルガマリーとアルトリアは女王ヒルとの会話を思い出す。確かに、中身の無い支離滅裂な言葉ばかりだった。

 

 

「いわば復讐心、に見せかけただけの空っぽの自我だ。擬態する事で得た仮初のそれしかないから、マーカスが最期に抱いた世界への復讐に盲目的に追いすがるしかなかった空虚な怪物。哀れな物だ。だが分かるか?奴にとってはそれしかない、と道理だ。生きている限り諦めないだろうし、目的を成し遂げたところで満足はしないだろう。世界さえ焼き尽くすまで奴は止まらないって訳だ。・・・エヴリンも、その気持ちは分かるんじゃないか?」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・」

 

 

ディーラーの問いかけに、黙って睨みつけるエヴリン。答えは言わずもがなの様だ。少なくとも、親に対する執着心はエヴリン程理解できるB.O.Wもいないだろう。すると埒が明かなくなったためか、通信のダ・ヴィンチちゃんが声を上げた。

 

 

《実際、ニコラ・テスラの雷さえ地上に出てしまえば奴は君達なんて興味も無いんだろう。どうやら結局の目的が「復讐の成就」に落ち着いたらしい。さてどうしたものか。まずこの穴はどう考えても登れない。今から逆走したところで間違いなく間に合わないだろうし、追い付いたところでアレをどう倒す?》

 

《ディーラーにも言うべきだったけど、悠長に分析している場合かレオナルド!ああでも本当にどうすれば・・・そうだ、エヴリン!君のクリーチャーなら壁を伝って地上に・・・》

 

「無理。壁に引っ付けて一番速いクイック・モールデッドでもあんなのには追いつけないし、普通に勝てない。私は毒が苦手だから。ゆっくりならパパを使えば登れるけど」

 

《じゃあ本当に打つ手なしだ!くそっ、ここまで来たのに・・・人理修復はもう絶望的だ!》

 

 

頼みの綱のエヴリンにも不機嫌だったためか吐き捨てられ、通信の向こう側で絶望の悲鳴を上げるロマンに一同の雰囲気も暗くなる。マイクさえいれば、と自分のミスを悶々と思い詰めていた立香は、ハッとそれを思い出した。

 

 

「・・・そうだ、地上のゴールデンさんに念話を・・・」

 

「ゴールデン?彼等に会ったの!?」

 

「はい、所長の話を聞いてここに急ぐ際にフランを預けて送ってもらったんだけど・・・その時、もしもの時に助けになる様にって仮契約を申し出されて。二人と契約を交わしました」

 

「そうか、それなら・・・時間稼ぎぐらいはできるかも。藤丸、早急に二人に念話!倒さなくてもいいから、魔霧の集束する場所・・・そう、ビッグ・ベンやバッキンガム宮殿の上空に行かせない様にして!」

 

「わ、分かりました!」

 

「あとは追い付く手段だけど・・・」

 

 

慌てて念話を始める立香から目を離し、希望を見出したと言わんばかりに辺りを見渡して打開案を考えるオルガマリー。レールガンにされた後にそのまま転倒している機関車を使うか?とも考えたがかなりの回り道になる。かといって他に早く戻れる方法など早々ない。どうしたものか・・・と考えていると、それは来た。

 

 

『なんだ?その場の、魔霧の中に高密度の魔力反応があるぞ・・・?膨大な・・・何だ・・・!?』

 

『この状況だと言うのにこの場の魔霧の殆んどが集束して、新たなサーヴァントを召喚しようとしている!?集束した魔力を全て吸収して現界する、何か途轍もないものが来る。警戒してくれ皆!』

 

 

ロマンとダ・ヴィンチちゃんの警告に構える立香達。こんな時だと言うのにまた新手かと若干怒りを顔ににじませる。敵だと決まった訳ではないが、新しい問題など糞喰らえだ。

 

 

「くっ、こんな時に・・・さっさと聖杯を回収しておくべきだったかしら。でも、よく分からない機械から聖杯を取り外すのも何か心配だし・・・」

 

「・・・魔術師って機械苦手だったりします?」

 

「そんなこと訪ねている場合かストレンジャー。来るぞ、俺でも分かるヤバい魔力量だ」

 

『もう既に現界して霧の中にいる!姿は見えないかい!?』

 

『だが待て、これは・・・知らない霊基じゃないぞ・・・?』

 

「何が来ようと関係あるかよ!オレが、まとめて叩き斬ってやる!」

 

 

そう言ってモードレッドが体に鞭打って立ち上がり、クラレントを構えた時だった。膨大な魔力の圧が竜巻の様に魔霧を吹き飛ばし、その英霊が姿を現す。竜を模した漆黒の騎士甲冑を身に纏い、白い鬣と赤い目を持つ黒馬「ラムレイ」に騎乗し、馬上槍を手にしたその姿。クラスはライダーかランサーか。

 

 

「―――――ブリテンを脅かす者は何処だ」

 

 

しかして体格が大人に近くなっていても、黒い角があり白に近い髪色になっていても、その顔と声には覚えがあった。というかすぐ傍にいた。

 

 

「アレは・・・年齢、容姿、クラスも違うけどオルタ・・・じゃない、アーサー王!?」

 

「・・・ロンゴミニアド。それをよりにもよってオルタ化した状態で握る私ですか」

 

 

そうアルトリアの口から出た言葉にゾッと顔を青ざめさせるオルガマリー。アーサー王伝説に置いて、アーサー王とモードレッドのカムランの丘での戦いを終結させた武具、ロンゴミニアド。その名を知らない訳が無かった。

 

 

「ロンゴミニアドですって!?アーサー王伝説に置けるエクスカリバーと並ぶ、世界の表裏を繋ぎとめるとまで言われる聖槍・・・!?」

 

「敵としてなら厄介極まりないな。我らがこうして地に伏している所に出るとは当て付けか何かか」

 

 

ランサーオルタの一部分を睨みながらそう吐き捨てるセイバーオルタ。聖剣を手放した事で肉体的に成長した己自身ではあるが、アルトリアも睨んでいるところを見るに気に入らないところがあるようだ。そんな二人の自分の視線と、どこか怯えながらもキッと睨みつけるオルガマリーと、様子を見ながら焦る様にちらちらと上に視線を向けるそれぞれの視線が気に入らなかったのか、馬上から槍を突きつけるランサーオルタ。

 

 

「黙れ。私は、ブリテンの敵は何処だと聞いている」

 

「・・・アンタは、敵対者を・・・カムランの丘のオレを屠らんとするアーサー王だ。ロンディニウムを救いに来たのか・・・?」

 

「貴様はモードレッド卿。それに、聖剣を手にした私が二人もいるのか。お前たちがブリテンを危機に陥れんとする者か?」

 

「いいや、違うよ。アルトリア」

 

 

その言葉を発した者に槍の切っ先を突きつけるランサーオルタ。目の前に切っ先があると言うのに酷く落ち着いた様子の立香は、臨戦態勢を取ろうとしていたディーラーとセイバーオルタを手で制して、ランサーオルタに向き直る。

 

 

「貴女が何のために此処に召喚されたのかは知らない。でも、私たちはブリテン島を滅ぼそうとしている奴の敵だ。槍を納めてくれませんか。モードレッドも、私たちも奴を止めたいんだ」

 

「ならば言え、敵は何処だ」

 

「ここの遥か上。地上の更に上、空に奴は向かっている。止めないと、もうすぐブリテンは滅んでしまう」

 

「・・・嘘は言っていない様だな。敵の敵は味方、か。いいだろう」

 

 

切っ先を突きつけられながらもつらつらと述べられた言葉に納得したのか、槍を風の鞘で消し去り地上に続く縦穴を見上げるランサーオルタ。その間に近付いたオルガマリーとディーラーが立香にまくしたてる。

 

 

「藤丸!どういうつもりなの貴女は!?」

 

「何でむざむざ殺されに行った!?マキリの狂化の呪文の影響が出ていても可笑しくなかったんだぞストレンジャー!」

 

「・・・殺気はあったけど、あの時のオルタと同じだった」

 

「あの時?・・・特異点Fか」

 

 

立香の言い分は、あの時のセイバーオルタと同じで本気で殺しにかかりながらも見定めるようだった、だからだと言う。

 

 

「何より、オルタならちゃんと話せばわかってくれる。そう思ったから」

 

「・・・そうか。アンタがそうしたいなら俺はとやかく言えないな。注文に応えるだけだ。で、どうする?」

 

「そうよ。彼女を味方にしてもどう考えても追いつかない・・・」

 

「何をしている」

 

 

オルガマリーが頭を抱えていると、立香に向けて再び槍が突きつけられた。咄嗟に構える一同に冷やかな視線を送ったランサーオルタは眉を寄せた。

 

 

「さっさと仮契約を済ませろ。追うぞ」

 

「え?」

 

「言って置くがそこの銀髪とは仮契約する気はない。契約しないのなら一人で行かせてもらうぞ」

 

「あ、よろしく?」

 

 

ちょっとした混乱の中で契約が済まされ、切っ先で襟元を引っ掛けた立香を自身の背後に座らせたランサーオルタは、縦穴を見上げて一言。

 

 

「飛ぶぞ。掴まっていろ」

 

「はい?・・・ッ!?」

 

 

その言葉と共に、反射的にランサーオルタの腰に掴まった立香を乗せて、跳んだ(・・・)

 

 

「ストレンジャー!?」

 

「連れてかれた!?せめてマシュを・・・って今は気絶してるんだった。アルトリア、セイバーオルタ、モードレッド!魔力放出で追える?」

 

「・・・何とか回復した。行けるぜ」

 

「問題ない。追うぞ」

 

「立香の事は我々にお任せを!」

 

 

そのまま岩壁を駆け昇って行くラムレイを駆るランサーオルタを追いかけて、魔力放出を用いてロケットの様に飛び出し、アルトリアはそのまま壁を駆け昇り、モードレッドとセイバーオルタは痛む体に鞭打ち壁を蹴って追いかけて行く。凄まじい速さで駆け昇って行ったセイバートリオを見送ったオルガマリーは一息吐くと、気絶したマシュを揺り起こしながら再び思案を始めた。

 

 

「どうした、所長?ランサーオルタに何か問題があったか?メイドオルタのバイクにも耐えたストレンジャーなら心配はいらないと思うぞ」

 

「そうじゃないわ。藤丸ならもし落ちてもセイバーオルタ達が助けてくれるでしょう。それよりも、奴の能力をどうにかする方法を考えないと。追い付いて止める事が出来ても、あの再生能力を封じないと倒す事は出来ない。仮にロンゴミニアドでどうにかなるにしても、また霊基を捕食されて回復されないとも限らないし、確実に仕留める方法を考えないと」

 

「・・・そうだったな。アンリマユは見事に役立たずだ。回復させてもストレンジャーのマスタースキルが無いと即死コースで何もできずに退場だろう」

 

「ハハッ、ひでえ言い草だが言い返せないのが笑えるねえ」

 

「何か手は・・・・・・女王ヒルとネメシス、それにテスラも合わさっている怪物に弱点なんてあるのかしら・・・」

 

 

ぶっ倒れたままジャックとエヴリンにツンツンと弄られるアンリマユは完全に無視して、オルガマリーは思考を巡らせる。言うなれば制度の高い擬態能力+超再生能力+再生能力+追跡対象に対する執念+放電能力+天才的な頭脳+無限に等しい魔力である。弱点の一つだった電気も効かなくなっただろうし、炎だけで弱るかどうかも怪しい所だ。てんこ盛りにも程がある。すると、リーチネメシスが生まれてからずっと黙って観察していたアンデルセンがようやく口を開いた。

 

 

「・・・いや待て。合わさっているなら可能性は増えたぞ」

 

「どういうこと?」

 

「・・・そうか、そう言えばここにはネメシスを倒した英雄様がいたんだったな」

 

 

そう笑うディーラーの視線の先には、未だに痺れて地に伏しているウェスカーの後頭部に銃を突きつけながら後ろに回した両の手首を縛り上げ拘束しているジルの姿があった。

 

 

「ふむ!なるほどなるほど、クライマックスの脚本は仕上がりましたな。言うなれば『もう一度、あの突破口から(Once more unto the breach,)突き進め、もう一度!(dear friends, once more;)』あの怪物に引導を渡してやりましょうぞ!」

 

「貴様が仕切るな。俺達はせいぜい邪魔にならない様に下がっておくぞ。死にたいなら勝手にしろ」

 

「そんなご無体な!」

 

 

ギャーギャー騒ぐ作家陣を尻目に、ディーラーと共にとある事をジルに聞きに行こうとしたオルガマリーを引き留める手があった。

 

 

「・・・旦那様(ますたぁ)

 

「清姫?どうしたの?」

 

「マイクさんが倒され、アンリマユさんが代わりに召喚されました。先程アシュリーさんが倒されたと言う事は、また一人呼べるのですよね?」

 

「え、ええ。そうだけど・・・?」

 

「・・・一つ、提案が。ネロさんを召喚していただきませんか。あんなことした上でこのようなこと虫がいいとは分かっていますが・・・どうしても、力を借りたい。旦那様(ますたぁ)の役に立ちたいのです」

 

「・・・清姫」

 

 

そうして、準備は整った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「っ、右に避けて!」

 

 

一方、こちらは空を駆るラムレイに乗るランサーオルタにしがみ付く立香。オケアノスでのメイドオルタで慣れていた為か、すぐに対応して即座に指示。落ちてくる毒液や雷撃、ヒルの塊を避けながらリーチネメシスを追いかける。しかし、テスラの頭脳を得たリーチネメシスも黙ってはいなかった。

 

 

「そんなのあり・・・!?」

 

 

恐らくは大量のヒルで形成された大型の猿型B.O.W.「エリミネーター(排除する者)」と、巨大なコウモリ型B.O.W.「インフェクティッドバット」がそれぞれ複数で降って来て、エリミネーターが組みついて来たのをランサーオルタが蹴散らした隙を突いて一体のインフェクティッドバットが飛来。

 

 

「しまっ・・・!?」

 

「クソッ、マスター!」

 

 

立香を足で掴んで連れ去り、高速で落下しながら他数匹のインフェクティッドバットが超音波攻撃で襲い、立香は咄嗟に取り出したマシンピストルを落としてしまい両耳を押さえて耐える。ランサーオルタはその場に留まってエリミネーターを薙ぎ払っていた所を、壁の土の中に隠れていた複数の虫を混ぜ合わせた様な2m大の姿が特徴の、二本の鋭利な鎌状の捕食肢と巨大な下顎を持つB.O.W.「プレイグクローラー」に奇襲され、身動きが取れない。

 

 

「不味い、令呪を・・・」

 

 

このまま高速を保ったまま解放され、地面に叩き付けられて即死を免れないのは明白で。令呪を使うにしてもどうするか迷っていた立香を拘束しているインフェクティッドバットの頭部に突き刺さる邪剣があった。

 

 

「立香を放しやがれ!」

 

「「風王鉄槌(ストライク・エア)!」」

 

 

クラレントを突き刺し、失速したところを魔力放出の勢いのまま立香を抱き抱えてそのまま上を目指すモードレッドを、援護するかの様に騎士王二人による破壊力を伴った暴風が周囲のインフェクティッドバットと、ランサーオルタに群がるエリミネーターとプレイグクローラーを薙ぎ払った。モードレッドは立香にマシンピストルを渡してから落ちて来たクラレントを手に取り、そのまま壁に足を付けると駆け上る。

 

 

「モードレッド、それにオルタにアルトリア・・・!」

 

「こいつ、お前んだろ?オレの兜に落ちて来たからよかったが、父上たちに当たっていたらどうすんだ」

 

「ご、ごめん・・・」

 

「有象無象の邪魔者は私たちに任せろ。お前はモードレッドと槍の私と共に奴を追え」

 

「我々では岩壁を崩す恐れがあるので援護します。必ず奴を止めてください」

 

 

モードレッドに抱えられ壁を駆け上がる中、再び落ちて来たエリミネーターを薙ぎ払うオルタとアルトリアに頷く立香。乱暴にモードレッドに投げられ、再び上昇を始めたラムレイの後部に飛び乗ると左手でランサーオルタの鎧の凹凸部分を掴んで右手にマシンピストルを手にする。

 

 

「そう言う訳だ、このまま行くぞ!槍の騎士王!」

 

「・・・いいだろう。マスター、今度は決して放してくれるな?」

 

「ごめん、私も援護してあいつ等を寄せ付けないから、全速力でお願い!」

 

 

ぷるぷる震えながらそう言ってのける立香に若干呆れながら溜め息を吐いた騎士王は、ついて来る気で満々のモードレッドを見て、底意地悪げに笑みを浮かべた。

 

 

「・・・マスターが耐えられるならそれでいいが、・・・モードレッド卿。貴様は私について来れるのか?」

 

「愚問だな騎士王。オレはアンタにだけは置いて行かれる訳にはいかない。――――ついて来れるか、じゃねえ。てめえの方こそ、ついてきやがれ!」

 

「・・・面白い!」

 

 

落ちて来た巨大サソリ・・・スティンガーを真っ二つに切り捨て、魔力放出でロケットの如く飛び上がるモードレッド。ランサーオルタは不敵に笑い、それを追い抜く勢いでスピードを上げた。吹き飛ばされそうになりながらも意地で片腕でランサーオルタに掴まる立香。歯を食い縛り、落ちてくるエリミネーターを撃ち落としながら上を見る。そして、捉えた。

 

 

「ッッッッッ・・・!見えた!」

 

「ちっ!奴はもうすぐ地上に出るぞ!間に合わねえ!」

 

「どうする、マスター。奴を倒す手段は考えてあるのか?」

 

「ない!とにかく落としてから考える!それに、私はどうなってもいいから・・・間に合わせる!・・・ゴールデン!お願い!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おうよ。派手に行くぜえ」

 

 

ぽっかりと空いた大穴に歩きながら、黄金の刃を持つ斧を担いだ大男が不敵に笑う。

 

 

「雷電を、受けて輝く黄金(ゴールデン)――」

 

 

雷電を迸り、不敵な笑みを浮かべる彼の背後には、野獣の勘から着いて来た傾国の美女の姿。

 

 

「誰かオレを呼びやがる。魔性を屠り、鬼を討てと言いやがる。うるせぇなァ・・・うるせぇうるせぇ、耳元であれこれ言うんじゃねぇ!いつだってオレァ、オレの斧を振るうまで!」

 

 

その言葉と共に穴の中へと飛び込むゴールデンと名乗ったその男。

 

 

「悪鬼を制し羅刹を殴り!―――輝くマサカリ、ゴールデン!」

 

 

幼名ではあるが、その名を知らない日本人はほとんどいないと明言できる程の知名度を誇る、ゴールデンと名乗ったその英雄の名を。

 

 

「名乗りたくはねえが名乗らせてもらうぜ。英霊・坂田金時―――只今ここに見参だ」

 

 

名乗りを上げると共に投擲。雷電纏った斧がクルクル回転してリーチネメシスのテスラコイルとかち合って弾き落とし、急降下と共に斧を手に取って宝具解放。それと同時刻に、地上では鳥居が何本も立ち並ぶ異様な結界が形成されていた。

 

 

 

「ちょお~~~っと待った金時さん!暫く、暫くぅ!私の攻撃じゃあの気持ちわるーい怪物を落とせないと知るや否や金時さんに任せた此度のマスター、少々気に入りませんがその慟哭、その頑張り。他の神さまが聞き逃しても、私の耳にピンときました!自分の命まで削って金時さんの馬鹿みたいに魔力を喰う宝具に全力を費やさなくてもいいのですよ。その為に私がいます」

 

 

フォックスと金時から呼ばれた狐耳の少女・・・否、以前オルガマリーが助けられたタマモキャットのオリジナルでもある玉藻の前の周りを宝具である鏡、黒天洞がグルングルンと旋回。玉藻の前はさらに複数枚取り出した御札を宙に並べ、落ちて行く金時と、こちらに向かってくる馬鹿なマスターの事を考えながら詠唱を始めた。

 

 

軒轅陵墓(けんえんりょうぼ)――冥府より尽きることなく。出雲に神在り。審美確かに、(たま)に息吹を、山河水天(さんがすいてん)天照(あまてらす)。これ自在にして禊ぎの証、名を玉藻鎮石(たまものしずいし)神宝宇迦之鏡(しんぽううかのかがみ)なり―――水天日光天照八野鎮石(すいてんにっこうあまてらすやのしずいし)……なんちゃって♪」

 

 

あらゆる宝具による攻撃や魔術をも軽減する障壁を、常世の理を遮断する結界を展開し、無限の魔力供給を齎すその宝具の力を受けた坂田金時は、マスターからの魔力供給を自ら断って、玉藻の援護だけで宝具を発動した。

 

 

「おう!礼を言うぜフォックス!大将、アンタの魔力はとどめに取って置きな!吹き飛べ、必殺!

黄金衝撃(ゴォォオルデン・スパァァァァクッ)!!」

 

 

手に取った斧を、急降下の勢いと共に振るい、雷を纏った規格外の一撃がリーチネメシスの放った電撃を打ち払いながら叩き込まれる。せめてもの抵抗として毒液が放射されていたがテスラのそれと張り合える規格外の雷電ですぐさま蒸発してしまい、リーチネメシスは一矢報いる事も出来ずに落ちて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

落下しながらこちらを見るなり毒液と電撃を放射してくるリーチネメシスの巨体に、立香は地上の二人に礼を伝えてから気を引き締める。こちらにはかつてこのロンドンの地を守っていた騎士王が三人もいて、さらにはアーサー王伝説に終止符を打った叛逆の騎士までいるのだ。負ける気がしない。

 

 

「ありがとう、二人共!いくよモードレッド、ランサーオルタ、お願い!」

 

「聖槍、抜錨。先行は任せたぞ、モードレッド卿」

 

「おう、槍の騎士王!」

 

 

下からのアルトリアとセイバーオルタの援護で毒液が掃われ、電撃をクラレントで受け止めながら突撃するモードレッド。同時にランサーオルタの持つロンゴミニアドに風王結界が集束して行く。

 

 

「Take That, You Fiend!テメエの顔はもう見飽きたんだよ!」

 

 

ネメシスの頭部にクラレントが突き立てられ、そのままモードレッドは魔力放出でリーチネメシスの落下速度を緩めると赤雷を纏って大きく上に斬り裂いた。血が噴き出し、再生し始めるネメシスの頭部を蹴りつけてそのまま女王ヒル、テスラと連続で斬撃を叩き込み、テスラの顔面を一発殴って怯ませると跳躍してわざと落ちて急速に離れた。巻き込まれるのはごめんだからだ。

 

 

「突き立て!喰らえ!―――――十三の牙!」

 

 

槍を覆った風が渦を巻き、それは竜巻となって巨大な馬上槍としてリーチネメシスに切っ先が向けられラムレイが突撃。接触する寸前かと言う所で、一気に解き放たれた。

 

 

最果てにて輝ける槍(ロンゴミニアド)!!!」

 

 

リーチネメシスの肉体を、毒液も、電撃も、ヒルで形成された偽B.O.W.達も、悲鳴をも魔力の竜巻が喰らい尽くす。再生力が追い付かない勢いでバラバラに引き千切られ、リーチネメシスの肉体は散り散りとなって落ちて行った。

 

 

「やったか!?」

 

「モードレッド卿。貴様の目は節穴か」

 

「まだ、消滅していない。あの様になっても生きているとは恐るべし」

 

「つまりまだ、死んではいないと言う事だ。さあどうするマスター」

 

「とりあえず、戻るよみんな!所長を信じる!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 まだだ、まだ終わってはいない。バラバラに散って地面に叩き付けられたリーチネメシスは大ダメージに体を震わせつつも欠片を集結させて再び肉体を形成して行く。事実上の不死身なのだ。厄介な敵といえど、奴等とてサーヴァント。じきに限界が来る。それまで何度でも復活すればいい話だと、テスラの頭脳で結論を得たリーチネメシスは負けるはずがないとばかりに肉体を再形成し終えようとして、

 

 

「いい加減、生き汚いぞ怪物よ。美しくないであろう!」

 

「!?」

 

 

周囲の光景が大洞穴から、薔薇の花飛び交う黄金の劇場へと様変わりしたと同時に己の再生能力が弱まったのを感じて混乱する。見渡せばオルガマリーを始めとした面々、そして見慣れぬ新たな英霊の姿があった。

 

 

「ふっふっふ!怪物よ、美しさが分かると言うのならば我が才を見よ! 万雷の喝采を聞け!―――しかして讃えよ!黄金の劇場を!不意打ちで大火傷を負ってダウンしてうっかり忘れていたが、スキル・三度、落陽を迎えても(インウィクトゥス・スピリートゥス)で余、完全復活!既に二回倒れたが!余は待機に飽きた!戦いに出るぞオルガマリー!」

 

 

そこにいたのは、全身に包帯を巻いたどう見ても満身創痍姿のネロ・クラウディウス。フラフラではあったが、宝具の展開を維持はできそうだった。

 

 

「・・・清姫に言われて気付いたけど、敵の能力を制限するネロの宝具も女王ヒルにとっては天敵よね。ここで決める!みんな、時間稼ぎをお願い!」

 

 

オルガマリーは皆の背後に隠れた何者かの下にしゃがみ、ネロの背後に構えたサーヴァント達が一気に宝具を展開して行く。

 

 

「ジル殿に聞いた話から女王ヒル、ネメシス共に書き殴った短編ですぞ!開演の刻は来たれり、此処に万雷の喝采を(ファースト・フォリオ)!」

 

「出てこいファット・モールデッド!ようこそ、私の家族(ウェルカム・トゥ・ザ・ファミリー)

 

「一気に制圧するわ!無限の弾丸(アンリミテッド・ガン・バレル)!」

 

「殺戮を此処に……解体聖母(マリア・ザ・リッパー)!!」

 

 

シェイクスピアの精神攻撃を受けて自我が一瞬飛んだ所に、エヴリンの呼び出した巨漢のファット・モールデッドの胃液放射とジルの構えたガトリング銃の一斉掃射と、「女」王ヒルに効果抜群だと思われるジャックの斬撃が炸裂。再びバラバラにされた体を、それでも懸命に再生しようとするリーチネメシス。放電する余裕もない。命の危機が、判断力を鈍らせていた。

 

 

「逃がしません!さあさあ……煩悩を焼き尽くす時間でございますよ?」

 

「!?」

 

 

そこに、リーチネメシスを閉じ込める様に巨大な釣鐘が落ちて来た。すっぽりと覆ったそれの上に座るのは、リーチネメシスには見えないが何時の間にか水着と着物を合わせた様な服を着て髪型を変えて薙刀を手にした、ランサーにクラスチェンジした清姫であった。ネロのスキル「皇帝特権」だ。

 

 

「ああ、ますたぁ、見ててくださいましね?」

 

 

清姫が恍惚とした表情を浮かべると同時に釣鐘は蒼い炎に包まれ、さらに周囲に刃に蒼炎を纏った複数の薙刀が出現。取り囲んだ。

 

 

「そーれ!道成寺鐘(どうじょうじかね)百八式火竜薙(ひゃくはちしきかりゅうなぎ)! 一発!!」

 

「ァアアアアアアアアアアアアアッ!?」

 

 

そのまま、某髭危機一髪な勢いで四方八方から串刺し。的確にリーチネメシスの肉体に突き刺さり、さらに焼くことで完全に動きを封じた。

そして。

 

 

「女王ヒル。確かに貴方は、日光が無い限り無敵なのかもしれない。太陽の化身のサーヴァントを呼び出さない限り絶対勝てない相手。でも、ネメシスになら勝てる。ここに、死因が二つとも揃っているのだから」

 

 

そう言ってオルガマリーが構えるのは、ディーラーから受け取ったリボルバー式のマグナム。その隣には、アンデルセンに支えられ、止血帯による応急処置だけでその場に立っているパラケルススが一振りの剣を構えて立っていた。

 

 

「ジル・バレンタインのマグナム。それが貴方の死因。だけどそれだけじゃ殺せない。直接の敗因は、ラクーンシティの廃棄場にあったとされるレールガン」

 

「その名も『パラケルススの魔剣』という。こんなフラグ回収、三文小説ですら無いぞ?二次創作並のご都合主義だ。貴様の運も尽きたな、不死身の怪物。」

 

「・・・ホムンクルスの如き悪魔の所業で生まれた怪物よ。お見せしましょう。我が、光を。私はこれを撃てば消えるでしょう。だが、これで……良いのです。これでこそ」

 

 

全てを悟った顔で自らの宝具、刀身の全てを超々高密度の賢者の石で構成された魔術礼装を掲げるパラケルスス。剣先に「土」「水」「火」「風」「空」の五大元素のエレメントが現れ回転していく。

 

 

「真なるエーテルを導かん。我が妄念、我が想いのかたち。元素使いの魔剣(ソード・オブ・パラケルスス)

 

 

五大元素を触媒に、瞬時に儀式魔術を行使して神代の真エーテルが擬似構成されて、星の聖剣の斬撃すら取り込む極光が放たれた。

 

 

「終わりよ、女王ヒル」

 

 

オルガマリーのその言葉と共に、釣鐘を消失させた清姫がその場を離れ、黄金劇場も消失。立ち上がりかけたリーチネメシスを飲み込み、直撃。さらに両手でマグナムを構えたオルガマリーによるとどめの一撃が、原型をギリギリ保っていたテスラの頭部、脳幹を吹き飛ばした。

 

 

 

 

 

 

 

「お、お、オォオオオォオオォォ・・・・・・私、ハ・・・何者、ダッタノカ・・・・・・―――――――Father(父よ)・・・」

 

 

「貴方は、悪です。・・・私と同じ。悪逆は……滅び去るべき……これで、いい・・・」

 

 

 

文字通り、崩れ落ちたリーチネメシスが黄金の粒子となって消滅するのと同時に、限界を迎えたパラケルススもまた消滅した。そこに戻ってきた立香達。ラムレイから降りた立香は状況を理解して安堵の溜め息を吐く。ああ、終わったのだと。

 

 

「なんだ、もう終わったのか?まあいい、とどめは譲るぜ。うだうだ言ってもしょうがねえからな」

 

「戻って来るときに少しだけ見えましたが、見事な連携でした。これがカルデアか・・・縁があれば、喚ばれてみたいものです」

 

「むっ、赤いのも居ますね。それに清姫まで水着を・・・?」

 

「アシュリーが抜けた分か。ふん、しかしあんな満身創痍を連れてきてよく勝てたものだ」

 

「・・・なにはともあれ、よかったよ。さすが所長。私じゃあんなこと、できないなあ・・・」

 

 

自嘲気味の笑みを浮かべた立香の下に、エヴリンとジャックを引き連れたディーラーがやってきて三色ハーブの入ったケースを手渡した。心なしか浮かれている様だ。

 

 

「お疲れだストレンジャー。今回の功労者はアンタと所長だ。もう少し誇れ、それぐらいの権利はある」

 

「・・・・・・・・・」

 

「おかあさん、おつかれさま!ゆっくり休んでね?」

 

「うん、私も疲れたし、聖杯を回収したらゆっくり休もうk・・・・・・・・・!?」

 

「どうした、ストレンジャー?」

 

 

何気なくアングルボダに視線をやったその時、立香は信じられない物を見た。そして、同時に身体が動いていた。それだけは許さない、と言わんばかりに。

 

 

「駄目ーーー!」

 

「えっ?・・・!?」

 

 

渾身の力でエヴリンを突き飛ばした立香。同時に、ズブリ、と何かを突き抜けた音と共に立香は崩れ落ちた。腹部から血を垂れ流し、激痛のあまり呻き声を上げる。

 

 

「ストレンジャー!?」

「おかあさん!?」

「藤丸!?」

 

「先輩!」

 

 

慌てて気付いた面々が駆け寄るも、立香を突き刺した何かがアングルボダの方へ戻って行った瞬間で。立香の悲鳴に目を覚ましたマシュが、怒りの声を上げて振り向いた先。

 

 

「ふん、無駄な事をしたものだ」

 

 

酷く滑稽だと言わんばかりに悪意に満ちた笑みを浮かべた1人の男が、そこにいた。




(急展開に)ついて来れるかストレンジャー(読者)。

そんな訳で急展開で一気にクライマックスに入ったロンドン編です。残り一話です。本当に、長かった。最初に描いたプロットの流れは簡単なのに、いざ文にすると本当に長くなりました。


・リーチネメシス
しぶとさなら最強のB.O.W.をイメージして誕生した悪魔の怪物。電撃、毒液の他ヒルを使った雑魚召喚だけしかできない、と実は攻撃手段が滅法少ない。モデルは「サイコブレイク」のアマルガムαではあるが、ゲーム的なモデルはバイオハザード6レオン編のラスボスであるヒュージフライ・シモンズ。弱い(確信)

・生存していたパラケルスス
地味に消滅を描写していなかった理由がこれ。パラケルススの存在自体がネメシス攻略の鍵だったのです。ネメシスを倒したレールガンの名前が「パラケルススの魔剣」だった時点で、四章の流れは確定してました。当初はこれで弱らせてアンリマユで止め、という流れだった。魔剣でリーチネメシスを仕留め、今度こそ消滅。

・女王ヒルの正体
これは個人的解釈ですが、ずばり「空っぽの怪物」。身勝手な科学者の父の狂った愛情を受けて育ったのですが、最期の描写を見る限り生存本能だけで「心」は無くて擬態していたマーカスの歪んだ復讐心が女王ヒルの行動原理だったと考えています。パラケルススとか一部はその正体に感づいてました。ちょっとエヴリンに似てる?

・ゴルフォと仮契約していた立香
念のため、と舞台裏で契約。坂田金時、玉藻の前という強力な一級の英霊達ばかりなので立香はもしもの時は自分の命を削る事も念頭に入れてましたが玉藻によりそうならずにすみました。何気に立香、オルガマリー共にタマモに命を救われています。

・ランサーオルタ
前回の最後で登場。ブリテンの脅威を倒すために即共闘を選ぶ合理的な王。原作では狂化を受けたテスラを倒した後のボスラッシュの一人。冷酷に振る舞おうとしているけど性根のよさがところどころに出てるのはオガワハイムの彼女のせいです。アルトリアの中で一番優しいと思うのは僕だけだろうか。

・騎士王三人+モードレッド
絶対に共闘させようと心に決めていた。カルデア側の中で自力で飛べる面子。剣アルトリア二人が脇役で終わったのが力不足を感じます。モードレッドがかなり張り切ってました。

・エリミネーター&インフェクティッドバット&プレイグクローラー
個人的バイオハザード0三大トラウマ敵。全部ヒルで形成されているため脆いが鬱陶しい事この上ない。

・英霊ロデオに慣れてきた立香
何気に片腕で高速で移動する英霊にしがみ付くと言う超人ぷりを披露。ちゃんと理由はあり、次回判明。

・エミヤなブリテン親子
モードレッドに言わせたかった台詞。似合う。騎士王に挑戦する叛逆の騎士は強い。

・大活躍ゴルフォ
坂田金時と玉藻の前。一応原作の二人VSテスラをイメージしている対決。壁を踏破する事にかけては随一のリーチネメシスを文字通り叩き落とした。この後飛び降りで合流を図る模様。

・ロンゴミニアド
落ちて来た所に叩き込まれる容赦ない追撃。「散らす」攻撃はリーチネメシスに有効。真名解放ではなく、単なる風王結界を用いた一撃。

・大復活のネロ
四章初めに、オルガマリーについていきたかった清姫に燃やされた可哀相な人。第三スキルによって復活、即召喚に応じた赤王様。宝具でリーチネメシスの再生能力を阻害し次に繋げた。三章に続き皇帝特権で水着英霊を爆誕させた。清姫の事は「愛故だな!」と許しているが、地味に火傷で二回ダウンしているためもう復活できない(フラグ)

・宝具ラッシュ
精神攻撃、一斉射撃、女性特効宝具(女王ヒルが女性かは不明)、嘘吐き絶対焼き殺す宝具、魔剣。ここまでの宝具を受けた英霊はリーチネメシスぐらいだろう。

・爆誕、ランサー清姫
ロンドンではヒルの駆除でしか役立ってないばかりか、自分のせいでオルガマリーを傷つけてしまったため溜めこんでいた物が爆発。自分で燃やしたネロに心から謝罪して頼りクラスチェンジ。何故オケアノスに出なかったのかというと、オケアノスを書いていた当時我がカルデアには居なかったため。つまりアルトリアは絶望的。

・今回のマシュ
連戦も続き、デミ・サーヴァントであることが祟って完全にダウンして出番なし。先輩の悲鳴に目を覚ましたものの手遅れだった。当初の予定としては立香と共にラムレイに乗り込むのを考えていた物を、三人も乗れないと思い直してこうなった。

・狙われたエヴリン、致命傷を負った立香、最後の男
ウェスカーが召喚された理由とその目的から察する事が出来た最悪の事態。男にとってエヴリンは好ましくない存在の模様。腹部をごっそり抉られた人類最後のマスター、立香の安否や如何に。


最近主人公であるはずの武器商人の活躍所が減ってますが、四章がピークです。この後どんどん、エクストラクラス:ディーラーとして活躍して行きます故。

次回、ロンドン編最終回。VS人理焼却の首謀者。立香は一体どうなるのか。このラストを書くためだけにぐだぐだと四章を続けて来ました。最後までお付き合いしてくれたらと。次回もお楽しみに!よければ評価や感想、誤字報告などをいただけたら嬉しいです。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。

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