Fate/Grand Order【The arms dealer】   作:放仮ごdz

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低スペノーパソはすぐ電源切れるから嫌いだ!10連は掠りもしないからもっと嫌いだ!…いきなり失礼しました。
ウェルカム!ストレンジャー…どうも、色々あって書き直す事になって思いのほか更新に時間がかかってしまった放仮ごです。…半分嘘です、時間がかかったのは暇潰し用に購入したwiiのゲーム、ゼノブレイドにドハマリしていたためです。これからはもっと自重します、はい。

それはさておき、いつの間にかUA100000突破、ありがとうございます。これからもどうぞよろしくお願いします。

今回は激闘、VSお子様コンビ。黒い少女の名前が明らかに(ほとんどの人が知っているだろうけど)。そして後輩のピンチに出る立香の本気。楽しんでいただけると幸いです。


接近戦はナイフが強いなストレンジャー

――――ママ

 

――――おかあさん

 

――――父上

 

 

母親とは。父親とは。子供にとって親という存在は必要不可欠であり、認められたい、愛されたいと願い慕う存在である。愛し求める故に、いなければ癇癪を起こすし、自分を捨てたともなれば狂気的に捜す。認められたいがために国を滅ぼすことだって、愛されないと逆上し殺そうとすることだってある。

 

即ち、愛と殺意は同居するものだ。

 

それは英雄だって反英雄だって、生まれながらの怪物だって変わらない世界の真理であり、それを望むのは子供故の純粋な願いである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「くっ・・・!一人でアルマデューラから逃げ延びた私を舐めないでよね!」

 

 

立香に向けて放たれた伸縮する黒い腕を受け止め、弾き返して反撃とばかりに拳を振るうアシュリー。

しかし大振りで隙だらけな一撃は黒い少女が足下に文字通り消失した事で避けられ、モールデッドが殺到しそれを何とか押し飛ばすと、背後に現れた少女の振るった刃と化した右腕を難なく防ぎ、反撃とばかりに拳を振るった。

 

 

「つ、通じない…!?」

 

 

その傍らで、アシュリーを信頼してモールデッドを撃破すべくハンドガン・マチルダを撃ちまくる立香であったが、全身に当たっても怯まず手を伸ばし、噛み付こうとして来るモールデッドに戦慄しつつ後退、と同時に地面にディーラーが先程やられる際に落とした中折れ式マグナムを見付け、必死にそれを手に取るとすかさず発砲。

 

 

「ディーラーの置き土産だ、喰らえ・・・!」

 

 

飛び掛かってきた四足歩行のモールデッドの頭部を間一髪で破壊し、一先ず難を逃れた立香はそのままマグナムを手に的確に頭部を狙い、セイバーオルタと共にモールデッドの群れを次々に倒していくが減る気配が一方にあらず、すぐに弾切れになってしまい慌ててハンドガンマチルダを構えた。

 

 

「マスター、この異形共、他のゾンビと違って手足の結合が異常に脆い!そこを突くぞ!」

 

「わ、分かった!」

 

 

エクスカリバーだけでなく、レッド9を握った拳も振るって的確に手足をそぎ落とし、防御もできず無防備となり噛み付いて来たモールデッドの口に銃身を突っ込んで一体一体を的確に倒していくセイバーオルタに続き、手足を狙って崩れ落ちたモールデッドの頭部を踏み砕いて応戦する立香。しかしそんな必死な彼女の背後から何者かが襲い掛かり・・・

 

 

「虐殺、始めるよ」

 

「!?」

 

「させない!」

 

「…むぅ」

 

 

強烈な一撃で吹っ飛ばされていた物のギリギリで戻ってきたマシュがその間に割り込み、間一髪で防御。防がれたジャックはつまんなさそうに頬を膨らませたあと飛び退き、小型のナイフを仕舞って代わりに大型のナイフを抜き、途轍もない速度で突進を仕掛けてきた。

 

 

「しゃあっ!」

 

「なんの・・・!」

 

お前も家族だ(ファミリーパンチ)

 

「ッ、ぐっ!?」

 

 

盾を地面に突き立てて何とか受け止め弾き返した物の、アシュリーと殴り合っていたはずの黒い少女に唐突に肩を掴まれ、マシュは振り返った瞬間を殴られ無防備に倒れてしまう。

見れば、アシュリーを異形の右手で押さえながら、左手をこちらに伸ばした黒い少女が笑みを浮かべていた。

 

 

「…死んではいないけどまた駄目、なの・・・?家族にならないなら、死んじゃえ・・・!」

 

「くう…っ?!」

 

「マシュ!?」

 

 

首を傾げて唐突に憎悪の表情を浮かべた少女に両腕で首を絞められ、苦しむマシュに立香が悲鳴を上げる。

少女の手から解放されたと思われたアシュリーは、突如傍らに出現した黒い巨漢に地面にのされて拘束され、口から放射された泥の様な物を受けてダウンしていた。セイバーオルタもジャックの奇襲戦法に直感で対応していていっぱいいっぱいであり、こちらには来れそうにない。

 

 

「マシュを、・・・放せ!」

 

 

意を決した立香は、弾切れしたマチルダを投げ捨ててあらかじめディーラーから購入していたナイフを左胸に付けたホルダーから抜き、自らに魔術を行使し飛び出した。

 

 

「マスタースキル、魔力放出!」

 

 

アニバーサリー・ブロンド。それが今回、立香の着て来た魔術礼装。何でも、偶然であろうがアルトリアが以前の召喚で着ていた私服と瓜二つのそれの持つマスタースキルの一つである、対象に一定時間、魔力放出を付与するスキルを自らに発動。

ナイフを持った右手から魔力放出し、人間では決して得る事の出来ないスピードとパワーを得て斬撃。黒い少女の伸縮する両腕を叩き斬る事に成功した。

 

 

「ッッ…痛い、痛い!」

 

「ッ…ハアァアアアアッ!」

 

「ヒッ・・・こっちに来ないで!」

 

 

右腕に黒いカビの様な物を纏い、巨大な鞭の様にして癇癪の如く振るってくる少女の攻撃を、持続している魔力放出で無理矢理軌道を変えて掻い潜り、魔力放出による急加速で一気に少女の懐に潜り込みナイフを振るう立香。

 

 

「かはっ・・・駄目です、先輩!」

 

 

その表情は冷酷で、解放され息を整えていたマシュは見た事も無い先輩の表情に危機感を感じ、静止の声をかけるも立香は止まらず、瞬く間に伸ばした右腕を分断され、抵抗とばかりに少女が再び黒いカビの様な物を纏って伸ばしてきた両腕を生み出した傍からナイフで潰し、立香はそのまま掲げたナイフを振り下ろそうとする。

 

 

「どうして…?ミアも、イーサンも!どうしてみんな、みんな・・・!」

 

「がはっ!?」

 

 

すると蹲った少女から放たれた衝撃波を真面に受けて、立香は宙を舞って住宅の壁に叩き付けられて地面に転がり、マシュが駆け寄っだ。

 

 

「えいっ!」

 

「ハアアッ!」

 

 

一方、セイバーオルタの剣を防いで一度後退したジャックは、ふと過呼吸で蹲っている相方の少女を見て一旦思考し、次の瞬間モールデッドの壁がその頭を撃ち抜かれて一瞬で瓦解しディーラーが姿を晒したことにより、自分達の不利を悟ったのか宝具によりさらに濃い霧を放出して目暗まし、セイバーオルタを一瞬だけ足止めしながら少女に問いかけた。

 

 

「ひどいなぁ、もう……エヴリン、大丈夫?一旦退こう?」

 

「うん、でも駄目だ駄目だ駄目だ……私を嫌いになる奴はみんな殺さなきゃ………」

 

 

黒い少女、エヴリンがふら付きながらも立ち上がり、キッと立香を睨みつける。

こちらも意識は朦朧としながらも立ち上がっていて、エヴリンはその姿に自分を殺した男を映し、足元から黒いカビの様な物を湧かせて嗤うとブツブツと呟き始めた。

 

 

「――――私は暗い穴の中で育てられた。仮釈放もない囚人のように。やつらは私を閉じ込めて魂を奪った。やつらが作り上げたものを恥じるがいい。

 私は彼を呼んだ、そして彼はくるだろう。彼は手を伸ばすだろう。愛する彼女を取り戻すために。そして彼女は私を愛してくれない彼を殺すのだ」

 

「な、何を・・・?」

 

「先輩、下がって!ヘラクレスと同質量の拳です…!?」

 

 

ナイフを手にしているにも関わらずに怯える姿に、複雑な感情を抱いたエヴリンはそのまま足元のカビを膨張、集束させて先程よりも太く強靭と化した両腕を振るい、立香とマシュを薙ぎ払う。

マシュは盾ごと吹き飛ばされてモールデッドの群れに突っ込み、咄嗟に応戦するも浅くしか刺さらなかったナイフを弾き飛ばされた立香は力なく転がった。

 

 

「私を愛してくれない人なんか、死んじゃえ!死んじゃえ!死んじゃえッ・・・!?」

 

「そこまでだストレンジャー」

 

 

さらに湧き出して来たカビが、エヴリンを覆い尽くそうという瞬間、目の前に放り投げられたパルスグレネードを真面に受けて平衡感覚を失いふら付くエヴリン。

続けてシカゴタイプライターの銃撃が次々とその全身を撃ち抜いて行き、巨大な両腕と背後に出現したモールデッドの群れを破壊することに成功するも、エヴリンの受けた傷は直ぐに回復して行く。

それを確認し、エヴリンが混乱している隙に近付き手を差し伸べる男が一人。モールデッドの壁を突破したディーラーだった。

 

 

「おい、生きてるかストレンジャー」

 

「な、なんとか。全身痛いけど生きてるよ…遅かったね、ディーラー・・・」

 

「すまん。コンティニューした瞬間を襲ってきやがったデブに手古摺ってた」

 

 

差し伸べられた手に掴まり立ち上がった立香がよく見てみれば、ディーラーは泥(?)に塗れて傷だらけであり、アーマーを着込んで何度もハーブやらで回復して戦っていたのが目に見えた。

 

 

「銃弾が切れた時のためにナイフを売ったのはいいが、特攻用の武器じゃないんだぜストレンジャー」

 

「ごめん。でもマシュを助けるにはあれしか・・・そうだ、マシュは?」

 

「ここに来る途中で焼夷手榴弾を投げといてやったからあのカビ人間・・・さしずめモールデッドも弱っているだろうからあの嬢ちゃんなら無事だろう。それよりも、だ」

 

 

立香に通常のハンドガンを渡しながらハンドキャノンを構えるディーラーの前には、何時の間にかやって来てエヴリンを気遣い肩を貸したジャックが、ジッとこちらを睨んで構えていた。ディーラーはモールデッドを斬り伏せながら後ろからやって来たセイバーオルタに嘆息する。

 

 

「おいオルタ、ダウンしたお嬢様やマシュはともかくアンタはほぼ無傷なんだから仕事しろ」

 

「これでも貴様よりは仕事をしていたぞ。だが奴の、変なスキルで視界もろとも認識できなくなった。何時の間にやら速く動くあの黒い怪物と入れ替わられた訳だ」

 

「情報末梢能力でもあるのか。そりゃ厄介だ。…どうする?アンタ等が手を出さないならこっちも怪我人がいるから深追いしないが?」

 

「ディーラー!?」

 

 

いきなりジャックに提案したディーラーに驚愕の表情を浮かべる立香。しかしディーラーは至って真面目だ。ジャックも静かに考えている。

 

 

「よく考えろストレンジャー。俺達の攻撃じゃ一時的に傷つけられてもあのエヴリンとかいうサーヴァントは直ぐに回復してしまう。ストレンジャーでも圧倒できる体格差とはいえ、あの無限に黒いのを生み出す力といい、このままじゃジリ貧だ。

ヘラクレスと違い倒す方法が分からない相手だ、撤退するなら逃がした方がいい。あのアサシンが本気を出したら守り切れるか自信は無い」

 

「…口惜しいが確かにそうだ。マスターを守る盾が二人とも不在な今、守りながら勝つのは厳しい」

 

「……そう、なんだ」

 

 

マシュに次ぐ付き合いである二人に諭されて、すっかり落ち着いて戦意を失った立香がぼんやりと眺めるのは、両耳を押さえながら「痛い痛い!」と泣き喚くエヴリンの姿。

落ち着いて、ようやく自分が何をしたのか思い出し、理解した。痛いと泣き叫びながら抵抗する少女を、マシュを傷つけられた怒りからとはいえ一方的に切り刻んだのだ。恨まれて当然だと、とてつもない罪悪感が彼女を襲い、しかめ面になり下唇を噛んで血がにじんだ。

 

 

「………分かった、わたしたちはもう戦わない。でもおかあさん?つぎに会ったらその人たちと一緒に解体するから、待っててね?」

 

「ダメだダメだダメだダメだ…………ジャックッッ!あいつ等は殺さないと!ジャックのお母さんでも無い、あんな奴!死んじゃえばいい!

どうせ私達を嫌うんだ、傷つけるんだ!愛してなんかくれないんだ!だったら死ね!死んじゃえ!」

 

「落ち着こうエヴリン。わたしたちもお腹が空いちゃった。ねえ、いったん休もう?」

 

「…………私はもう、待ちたくない。でも、分かった」

 

 

ディーラーの提案に頷いたジャックの説得に応じ、頷いてジャックが差し出した手を掴み、足元に黒いカビの様な物を出現させて潜って行くエヴリン。警戒しながらそれを見送るディーラーとセイバーオルタの間から、何を思ったのか立香が手を伸ばして飛び出した。

 

 

「ねえ、待って・・・エヴリン!」

 

「……こっちに来ないで!お前はママじゃない!」

 

「!?」

 

 

しかし頭まで沈む瞬間だったエヴリンに拒絶され、軽い衝撃波を真面に受けて転がった立香は、そのまま後悔に沈んで項垂れた。

 

 

 

 

 

 

「どうしたんだストレンジャー。ウイルスでももらったか?」

 

「・・・多分、大丈夫だよ。でも、私を殺そうとしていたけど、ただ母親が欲しかったんだと思ったら…」

 

 

自らの問に弱々しく答えたマスターに、ディーラーはオケアノスの時の動揺がまだ残っているのかと思い至った。ああ、そう言えばただ名前を呼んでほしかったサーヴァントがいたな、と。どうやらその姿が彼女達に重なってしまってどうすればいいのか迷っていると結論したディーラーは溜め息を吐き、言葉を続けた。

 

 

「…血塗れではあったがアレはゾンビのものだと仮定すれば、奴等はまだ誰も「人間」を殺してないことになる。ちょうど現地のサーヴァントだ、仲間にできるかもしれん。今度は話し合いするのもありだろうな」

 

「…できるかな?」

 

「保証はしない。だが、それはオルガマリーじゃできないだろう。アンタにしかできない事だストレンジャー。…オルタ、マシュとお嬢様は無事か?」

 

「マシュは無事だ、今は休ませている。アシュリーは気を失っているぞ、どうする?」

 

「そうか。気付け代わりに青ハーブでも喰わせるか…うん?」

 

 

立香から受け取ったハンドガンを懐に戻し、拾ったマチルダに弾込めして手渡しながらセイバーオルタから二人の安否を聞き、外敵の警戒はセイバーオルタに任せてリュックを下ろして漁り始めたディーラーであったが、聞こえてきた声に眉を潜ませ奥の曲がり角を見ると、二つの人影が共に何かを引き摺りながら現れた。

 

 

「あーもう!いい加減放しなさいモードレッド!?」

 

「嫌だ!絶対離さないからな父上ぇええっ!」

 

「どうしたんですか本当に!?助けてくださいオルガマリー!」

 

「むしろ私を助けて欲しいわよ。清姫、私は大丈夫だから離れて、歩きにくい」

 

「本当ですか?本当ですね?ああますたぁ、私は心配です…」

 

「だから大丈夫だってば。シカゴタイプライターらしき銃声が聞こえたから来たけど、藤丸達は何処に・・・」

 

 

それは、フルアーマーの鎧を纏った騎士(?)にしがみ付かれて引き摺っているアルトリアと、泣きじゃくっている清姫が背中にしがみ付いているオルガマリーであった。

 

 

「所長!」

 

「・・・おい青。何故モードレッドなんかをくっ付けてる?」

 

「こっちだって嫌なんですよ!?」

 

「よお、無事だったか」

 

「ああ、ディーラー!藤丸!やっと合流できた・・・そうだ、青ハーブ頂戴!二人の様子が可笑しいの!」

 

「あ?…了解だ、注文には応えるぜストレンジャー」

 

 

言われるままに青ハーブの入ったケースをリュックから取り出し首をかしげるディーラーと、それ以上に何でオルガマリーに清姫がしがみ付いているのか気になって頭を悩ませる立香であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、立香達を見逃し、再び無人の街をさ迷い歩くジャックとエヴリン。もう何匹か数えたくもないホムンクルスとヘルタースケルターを一蹴し、肩を落としていた。

 

 

「やっぱり、おかあさん、いないね」

 

「うん」

 

「おうちの中かなあ?」

 

「ダメ。みんな、家族がいるから愛してくれない」

 

「おなか、空いたね」

 

「…魂喰いしようにも外に人間はいないしね」

 

 

平然とゾンビやウーズ、ホムンクルスにオートマタなどを蹴散らしながらロンドンの街並みを歩く二人。サーヴァントでもない限り、二人の行き先は阻めなかった。ジャックは考え込み、何か思いついたのかポンと手を打った。

 

 

「むぅ、ハンバーグが食べたい。やっぱり、あのひとがおかあさんだったのかな?」

 

「でも、やだ。アイツはママじゃない」

 

「好き嫌いはだめだよ」

 

「痛くするもん。痛いのは愛じゃない。アイツ、私が命令した時のミアみたいな顔してた」

 

「ミアって前のおかあさん?」

 

 

尋ねてくるジャックに微妙な顔を浮かべるエヴリン。ミアは確かにママなのだが、ママではない上に命令で夫を襲わせた時の事を言っているので、言葉に困った。

 

 

「うん、ママになってくれなかったママ。私を騙そうとしていたママ。本当に愛してくれるならそれでよかったのに。ルーカスみたいに、上辺だけでもそうしてくれたらよかったのに」

 

「??……まあいいや。それよりどうする?また、おかあさんたちを捜す?」

 

「…………そうする?もしまた嫌われていても、直接転化しちゃえばいいし。ジャックのおかあさんだったらお腹の中に還ればいいんでしょ。私はもう二度と嫌だけど」

 

「うん!思う存分解体させてね!」

 

 

おかあさんが恋しいなら誰でもいいからママにすればいいのに、と胸中に疑問を浮かべるエヴリン。求める物は同じでも目的に決定的に違う事には気付いていなかった。

 

そして彼女達は、密かに聞こえてくる呻き声ではない、轟音を頼りに歩いて行く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうして歩く二人の、はるか後方、時計塔の頂上で。深手を負った怪物は咆哮する。

 

 

「スタァアアアアアアズッッッ!」

 

 

見据えるのは、霧に紛れて飛行するヘリコプターのパイロットであった。




せっかく合流したのにカオスなことになっているオルガマリー達の全貌は次回にて。ラストの追跡者さんの目的については「彼」の設定を読もう。

黒い少女のサーヴァントことバイオ7のラスボス「エヴリン」、ベイカー家やモールデッド等の特異菌感染者の能力を引き下げて推参。腕を伸ばしたりしたのはスワンプマンこと●●●の能力です。つまりゲロインでもある(あまり使わせたくない)。メイン武器は衝撃波とブレード・モールデッドの刃です。途中喋ってたのはエンディング曲の自己解釈台詞です。エヴリン、実はルーカスの真相に気付いていたんじゃないかと思ってます。

マシュが危機に陥った際に発動したマジモードのリツカサン(アニバーサリー・ブロンド着用)、エヴリンの新たなトラウマ化。マグナムが通じないと知るや否やナイフを手にサーヴァントを圧倒しましたが、これちゃんと理由があります。少女とはいえサーヴァントを圧倒する力なんて早々ありませんが。
精神面にも変化があって、エヴリン達に何か思うところがある模様。ディーラーはそれを見守ります。彼はあくまで注文に応えるのが仕事です。

クールなジャックと、すぐにヒステリックになる支離滅裂なエヴリンと言うバランスのとれたコンビ。母親を求めるのは一緒だけどその真意は全く正反対だという。轟音を頼りに母親を捜すこのコンビの行く末は如何に。

次回はオルガマリー視点と「彼」との合流、説明回。できれば一気に展開を飛ばしたい。次回もお楽しみに!よければ評価や感想、誤字報告などをいただけたら嬉しいです。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。

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