グロ表現あり。
終始オリキャラ視点となります。
あの後、
ただただ、泣き止むのを黙って見ていたのだった。
やがて泣き止んだシャルティアは、元々赤かった目が
─…一応は、スッキリしたのかねぇ…。
「─大変、見苦しいところをお見せ致しんした。この罪は、我が命をペロロンチーノ様に…」
「─って、ちょい待てぇ!」
『え?』
─あ、やべ。思わず叫んじゃった。
寡黙な美少女で通してたのに感情移入し過ぎて、『我が子』が自殺宣言するもんだから勢い余ってやってしまった。沈静化、仕事しろよぉ…。
ぽかん、と骸骨と吸血鬼がこちらを呆けて見ている。誤魔化すなら今しかない。
「こほん。─…[しゃるてぃあ]、お止めなさい…
《こ、この
「ほら…
《ファー!?》
なんだ今の声。面白すぎるぞ。
とまぁ、冗談は置いといて。これは最低でも守護者全員に言うつもりだ。いずれはギルメンに創られた他のNPCにも伝えたい。
「…っ」
シャルティアがまた感極まって爆発しそうだ。今にも溢れそうなほど目に涙をためてプルプル震えている。
…不味い。
「[しゃるてぃあ]…母の胸に…おいでな─ごふぉうぇ!!?」
「─え?」
想像以上の破壊力だった。シャルティアが泣きべそかきながら突っ込んで来たときはすんごい嫌な予感はした。
純粋な想いで突っ込んできたみたいだからか
我が子が胸に飛び込んでくる夢にまで見たこのシチュエーション!受け止めるしかないだろ!ってテンション上がって受け止めたら、この
凄まじい勢いで壁に頭を打ち付け、腹は上と下にお別れする寸前だ。皮3枚で辛うじて繋がってる感じか?
頭も割れてるくさいな、これ。ああ、目がくらくらする。頭が鈍器でガンガン殴られているみたいだ。すんげぇ甘ったるい匂いが鼻一杯に香る。今は正直きつい。腹が灼けるように痛い。これが…ダメージか…。
「これが…[だめぇじ]か…ごふっ」
「ちょっ!?何やってんですか!?ああ、不味い。回復しなきゃ…!」
隣で
「あぁっっっづううぅぅいいいぃぃでありんすううぅぅぅ!!?」
俺は回復したが、今度は頭からポーションを引っ被ったシャルティアが地獄を見る羽目になった。まさに地獄絵図。
ああ、綺麗な頭が
「あああぁぁ!?シ、シャルティアアアァァァ!!?」
「ぺ、『[ぺす]』を!?─いや、[しゃるてぃあ]!
「っ!─
回復してすぐに沈静化がおき、冷静になった俺はシャルティアに指示を出した。この魔法は大量の負のエネルギーを対象に当てる魔法だ。生者にはダメージが与えられ、アンデッドには回復をもたらす。
シャルティアは灼ける痛みに悶えながらも
─って俺かよおぉ!?
「っ─【[まじっくぱりぃ]】!…お馬鹿!自分に掛けなさい!」
間一髪…どころか、これも超余裕を持ってスキルを発動し、魔法を受け流した。先程はテンション上がってて気に留めなかったがすげぇな、この体。攻撃を受けそうになると
「あががっ…
ポーションの侵食が進み喉まで焼け爛れてしまってまともに発声出来なくなっていたが、なんとか魔法を発動させることが出来たようだ。すると膨大な負のエネルギーが具現化した黒い霧のようなものにシャルティアが包まれ、瞬く間に回復したのだった。
余談だが先程受け流した魔法は『ペス』を呼ぼうとしていた魔王に当たり、しゅわしゅわと回復していた。何ともはや。
綺麗な土下座だった。それはもう見事に。美しささえ漂っていた。
「…この度は本当に…誠に申し訳御座いませんでした…」
落ち着きを取り戻した一同は衣服を整えて改めて席に戻ったのだが、シャルティアがそれはもう悲壮な顔で土下座を敢行したのだった。間違った
「顔をお上げなさい、[しゃるてぃあ]…母は怒っていませんよ」
「っ!」
ビックゥ!と肩を震わせてシャルティアが恐る恐る顔を上げる。今の俺の顔は無表情だが、それはもう聖母の雰囲気を存分に漂わせて、内心ニッコリと微笑む。
「…さぁ、改めて
《なにビビってんだこの
《いや、しょうがないでしょう…。─また繰り返したいんですか?》
ぷい、と骸骨の魔王があさっての方向に顔をそらした。俺が悪かったのは明白だが、流石に先程の騒動は繰り返したくないようだ。
…俺も御免こうむる。
「夜想サキ様ぁ…」
ふわり、とすんごい甘ったるい香りが鼻孔をくすぐる。頭がクリアなこともあり先程のような気持ち悪さはない。
あの騒動の中では感じることの出来なかった冷たくも温かくて柔らかな感触が腕の中にあって、なんとも言えない気持ちだ。
いやらしい、とかそういうものじゃない純粋な気持ち良さだ。なんだろう、心が温かくなるというのはこういうことを言うんだろうか。
…涙をためたシャルティアが
鳥がものすっごい良い笑顔でサムズアップしたのは気のせいだな、うん。
《嗚呼…[ももんが]さん。
《─…良いなぁ》
《[せくはら]禿げ魔王》
《ハゲじゃねぇ!?いや、違いますよ!これは純粋に─》
シャルティアの頭を撫でながら、隣の
ひとしきり堪能してまたゆっくり話そうとシャルティアに言い渡し、待機という名の任務に戻らせる。勿論、ここであったこと、話したことは絶対に他言しないようにモモンガさんに厳命してもらった。見てるこっちまで清々しくなるような笑顔を見せていたが…大丈夫だよな?
ブーブーとサムズダウンしている鳥を幻視した。気のせいだな。
因みにユリには呼ぶまで決して入るな。耳をそばだてるな。と言いつけてあったのだが、シャルティアの悲鳴が聞こえてきて命令を守るか中に入るか葛藤してずっとオロオロとしていたらしい。
可哀想だったのでお詫びにお茶菓子をあげたら顔を真っ赤にしてまたオロオロとしていた。可愛かったので頭をポンポンと撫でたら頭が取れた。魔王に怒られた。解せぬ。
そして、暫し休憩という名の話し合いが始まった。
「…おい
「はい?」
「いや、はいじゃなしに。どうしてですか」
目の前の魔王は【漆黒の後光】を滾らせて詰め寄る。眼窩の赤い炎がギラギラと輝いていた。視線で殺せるんじゃないかっていうくらい怒りに燃えていた。あ、うまい。
「うまくねーし。─じゃなくて、どうして
「なんで地の文読めるんですかね…。─[ももんが]さん、先程言いましたよ?彼らは[ぎるめん]の
もしかして、モモンガさんは子供として見れなかったのだろうか。やっぱりギルメンの影にしか見えなかったのだろうか…。
モモンガさんがあの子らに対してどう思うかはモモンガさんの自由だ。それ以上はこちらの都合であり、勝手ではあるが認められないとなるとやはり淋しい気持ちになる。
「…そこじゃないですよ。少なくともシャルティアにはペロロンチーノさんへの『愛』が感じられました。そういうところは製作者のペロロンチーノさんによく似ていると思います…。─短い時間しか彼らと接していませんし、子供と思えるかどうかはまだ分かりませんよ」
ああ、そりゃそうか、と一人で納得した。
一方通行とはいえ、俺はじっくりとNPCと向き合ってきた。だから、子供と思えるし、家族にも思える。でも、モモンガさんはその間は、きっと仲間の…ギルメンの帰還を願っていた。俺が教えるまで
いくら
「…やっぱり少しズレてますよね、サキさんは。─なんで俺も巻き込んだんですかって言ってるんですよこの
「あー…母親が一人なのはきっと辛いですよ?的な─」
ピタリ、とモモンガさんの動きが止まった。眼窩の赤い光が見開くように爛々と輝いている。突き付けた指先がほんの微かだが震えていた…なんか変なこと言ったか?
「…ど、どうしました?何か変なこと言いましたか…?」
「…サキさんは、俺の過去を…俺は
何だろう。ツッコミすらしない。こんなモモンガさんは今までに見たことがなかった。こんなに静かに怒っている…。─いや、怒っているんだろうか?…感情が静か過ぎて全然
うなじが
「…気に触ることを言ったのでしたら謝ります…。─[ももんが]さんの過去、ですか…幼い頃に親が他界したことと小卒ということしか聞いてませんが…」
「…親というのは…片親か両親かまでは話しましたか…?」
あ、ヤバい。母親が地雷だったっぽい。で、でも片親だなんて聞いてねぇもん。泣くぞちくしょう。…むぅ、正直に話すしかねーな。
「親、としか聞いてませんよ。私は単純に幼い頃にご両親が亡くなったのだと思ってましたが…?」
腰を曲げた目の前の魔王が、先に静寂を破った。
「…失礼しました。多分バレてると思うので正直に話しますが、私が幼い頃に死別したのは片親だった母なんです。─…まるで母の苦労をバカにされたように感じてしまって…それで…」
「あー、はいはい。[すとっぷ]、そこまで」
開いた片手を
遮られて困惑している骸骨をよそに続ける。
「知らなかったとはいえ、触れちゃいけないとこに触れたのは俺だ。だから、謝らなきゃいけないのは俺だ…ごめんなさい」
社会人として、人としてきちんと
…俺が言えたことじゃないんだけどな。同族嫌悪ってやつかな。
「…謝罪を受け取ります。ですから、顔を上げて下さい」
「…本当にごめん。馬鹿にしたつもりはなかったんだけど─」
今度は魔王が開いた片手を突き付けてきた。ストップのジェスチャーだ…。
「ストップ、そこまでです。知らなかった上にサキさんは悪気があって言ったわけじゃないんでしょう?…なら、お互いに水に流しましょう」
ああ、そうか。
─…そういうとこに惹かれてたんだって言ったら悶死しそうだな。お互い。
「…分かりました。でも、一人だと厳しいっていうのは本心なので、そこんとこは分かって頂ければ、と」
「…ハアアァァ。─分かりましたよ。父親役なんて務まるか分かりませんが、やるだけやってみましょう」
特大のため息を吐かれた。なにゆえ。
話もまとまったところで次は5階層のコキュートスの番だ。4階層のガルガンチュアはゴーレムの上に下手に絡むと暴走する恐れもあるので、用事があるときだけ命令をすることで意見が一致した。若干の不満はあるが、致し方ない。
先程の、咄嗟に出てきたとはいえシャルティアに話したことは上手い具合に元人間であることを
さて、コキュートスはどんな思いを秘めているのだろうか…。
因みにユリにコキュートスを呼ぶように伝えたら、心なしか頬を染めてまた爆
─コンコンコンコン。
シャルティアの時と同じようにノックの音が4回。なんで布で出来ているのに叩くとあんな音がするんだろう…。
「─[こきゅうとす]ですね?…お入りなさい」
部下たる俺がやはり声を掛けてやる。さっきの影響か、段々とこの喋り方が億劫になってきた。
…もう普通の速さで話すかなぁ。
「オ待タセ致シマシタ、コキュートスニ御座イマス。失礼致シマス」
うーん、格好良い。タケさん、いい仕事してますわ。
「よくぞ参られました。まずは席にお座りなさい」
「─ハッ…シカシ、シモベ如キガ至高ノ御方々ノ前デ席ニ座ルナド…」
やはり、高すぎる忠誠心が邪魔をして席に座ろうとしないな。しかし、隣にいるのは泣く子はもっと泣き喚く魔王だ。この場で
《
《[ももんが]さん、不機嫌そうに言ったほうが言うこと聞くと思うんでお願いします》
《はいはい》
「…コキュートス、まずは席に座るのだ。話が進まん」
「ハ、ハッ!ソ、ソレデハ失礼致シマス!」
わざと不機嫌そうに言って貰ったらコキュートスがおっかなびっくり席に座った。怖がらせてごめんね。
「ごめんなさいね。それでは、これからとても大事な話をします」
「ッ。─…カシコマリマシタ」
不敬だの何だのと、そういうやり取りは正直に言えば飽きた。話を進めるときは多少強引でも話を進めるのが吉、とシャルティアとの対応で俺達は学んだのだ。
しかし、綺麗な正座だが座りづらくないのだろうか。特にその脛の角ばったところとか…。
「コキュートスよ。─…ギルドメンバー達が来なくなって久しいが、お前は何を感じ、どう考えているのだ?忌憚なく述べよ」
「…辛いかもしれませんが、ありのままに答えなさい。最後に出会った頃も覚えているのなら、そちらも」
踏ん切りはそう簡単にはつかないよなぁ…モモンガさんには辛いことばかりさせている気がする。
やはり、俺の胸を貸してや─
《結構です。今は
《だから何で地の文が分かるし…》
「…カシコマリマシタ。─…我ガ創造主デ在ラセラレル、
─そうか…たっちさんが辞めてその後燃え尽きちゃって、そのままユグドラシルを辞めたんだよな…あの時からそんなに経ったのか…。
斬神刀皇を託した時の心境は計り知れない。たっちさんが辞めたことを知った時は、暫くは
「…キット何処カデ研鑽ナサレテイルノデショウ。オ側ニオ仕エ出来ナイノガ不甲斐ナク、ソノ中デコノ様ニ愚考致スノハ不敬ナノヤモシレマセンガ…願ワクバ、マタ、アノ凛々シイオ姿ヲ拝見シタク御座イマス…」
なるほどな。武人であるコキュートス
『力』が根幹にあるコキュートスの場合は、バイセクシャルの『情愛』を是とするシャルティアのような不安ではなく、より高みを目指していると信じているわけか。
《…生死は勿論ですが、
《─ですね。確認はされているんですか?》
《はい。とは言っても半年くらい前なんですけどね》
《了解です》
モモンガさんは仰ぎ見、昔を思い出すように…いや、実際に思い出しているのだろう。力を求める武人として振る舞い、雄々しく意外と頑固な彼のことを。
「…そうだな。まず、彼は…武人建御雷さんは生きているはずだ。きっと今も精進していることだろう…かつてのように武を高めんとして、な」
「オオ…左様デ御座イマスカ…!」
ブシュウ、と顎の辺りから冷たい息が吐き出される。やっぱり生きていると分かると嬉しいよな。…冷気無効なかったら凄い冷たそうだが。座卓の一部が凍り付いてる…。
「しかし、だ。ここからが肝心なのだが…今現在、彼が生きているかは分からない。その理由を今から話そう」
「…ハッ」
動揺もあるだろうが、表に出さずに一言も聞き逃すまいと姿勢を正す。この辺りは流石だな…シャルティアが迂闊すぎるだけかもしれないけど。
鳥がサムズアップしてる。なんで今出てきた。
「…前提として、まずユグドラシルという世界は我々プレイヤーにとって箱庭のようなものなのだ。この姿は仮のものであり、本来の姿の世界は
「…何ト…流石ハ至高ノ御方々…故ニ絶対強者デ在ラセラレタノデスネ…!」
─あれ、なんか反応が思ったのと違くねぇ?
何か「オオォォ…!」とか言って崇めてるんだけど。
鳥。いちいち出てくんな、こっち見んな。
《…なんか予想とだいぶ違うんですけど…これ、もしかして他の─》
《[ももんが]さん。取り敢えず続けましょう。今は考えちゃ駄目です》
《…ハァ》
俺もため息つきたい。なんでこの子達、こんなに忠誠心高いの。高すぎでしょ。
「…続けるぞ。本来の姿の世界は本当に地獄でな…我々が箱庭に来れるのは余裕があるときだけ…つまり、武人建御雷さんが来れなくなったのは…っ。」
「─その余裕が無くなったから…。そちらの世界で死ぬと二度と箱庭に入ることが出来なくなるのです。そして、今現在はそちらの世界と交流が出来ないのです」
モモンガさんが辛そうだったから引き継ぐ。
万が一、コキュートスが覚悟を決めて聞きに来たときにきちんと話そう。今言ったら、多分この子は
─…そうなったら、内部崩壊間違いな…あれ、もしかして俺達ってかなり綱渡りのことやってる?
「ソノヨウナコトガ…イエ、シカシナガラ私ハ武人建御雷様ハゴ存命デイラッシャルコトヲ、信ジテオリマス…キット今モ、ソノオ力ヲ高メテオラレルト…」
「そう…強いのですね、[こきゅうとす]は。ですが─」
─ここしかない。今!ここで決める!
「私達は…『家族』です。いつでも『母』や『父』に頼ってよいのですよ…?」
《あああぁぁぁもおおぉぉぉ!!このタイミングかよおおぉぉ!!》
《ふふー。余り
《こ、この
「そっ…そうだぞ、コキュートス。ち、父にいつでも…頼りなさい…」
コキュートスは元が虫ゆえに涙が出ない。その代わりに顎が
しかし、モモンガさんもちゃんと合わせてくれて良かった。危うく滑るところだった。凍ってるだけに。あ、うまい。
《だからうまくねーよ。なんかコキュートスの様子が…大丈夫なんですかね、あれ》
《俺が言うのもなんですけど…もう突っ込まないからな》
体がぷるぷる…いや、
「オ、オオォォ…勿体無キ…オ言葉…!─…デスガ…タカガシモベ如キニ─」
「[こきゅうとす]!!」
コキュートスの体が
魔王の眼窩の光がこちらを見つめている。
頭が冷える。沸騰する。
「
何であろうと、これだけはマジで許せない。我慢ならない。自分自身であろうと誰であろうと、
…でも、この子達は忠誠心から
だが、今のコキュートスの発言はそうじゃない。それこそ『たかが』
─…でも、この子は俺が
「…その辺にいるような、
怖がらせてしまったから、お詫びではないが近付いて頭部の甲殻を撫でてやる。冷気無効があるはずなのに、その表面は
「…有リ難キ…幸セ…」
《サキさん…あなたは…》
《ほら、[ももんが]さんも撫でるんだ。早よ》
《ぐっ、この
《…何でも答えましょう》
傍から見れば紛れもなく、『家族』の姿がそこに在った。
─蟲王は若干の畏怖と感動と恐縮など様々な感情をかき混ぜて
また休憩という名の話し合いだ。
「サキさんは…シモベ如きとか矮小って発言には怒らないのに、さっきは何故…?」
「あー…どこから話すべきかな…」
うーん。参った。こういう自分の考えを整理して説明するの苦手なり。まぁ…まず根本から、かね…。
「…根っこから話しますね。私はこの[なざりっく]を…つまり、[ぎるめん]と創ったこの最高傑作を愛しているんです。そこは分かりますよね?」
その言葉にしっかりと頷くモモンガさん。この辺は共通認識だろう。
「勿論です。このナザリックは最高のところです」
「でも、私は[ぽっぷ]する雑魚は含んでいません。あくまで、彼らと共に創った部分
「うーん…分かるような…」
頭をひねる骸骨。いまいち伝わらなかったようだ。あー、これ言ったほうが良いのかなぁ…怒るかなぁ…言ってみるかぁ。
─
「はっきり言っちゃいますね。今現在の[ももんが]さんは
「…」
まだ何もないな。重圧も感じない。何を感じて何を考えた…?
眼窩の光は消えたままだ。ただ、
「─…私はこの[なざりっく]自体を愛しているんです。そこに[ぎるめん]が絡んでいるから彼らのことは好きです。この最高傑作を創り上げてくれた友人達には感謝しかありません。でも、そこまでなんです。それ以上は、私自身は求めていないんです…幻滅しました?」
恐らく瞳を閉じて考え込む
今度は俺が
「─ふふ。思っていたよりバカなんですね、サキさんは」
「…おぅ?」
「さっき言ってたじゃないですか。『今を理解して納得しろ』って。その時点でああ、俺と違ってちゃんと踏ん切りついて納得してるんだなって思いましたよ。…それはそれで、少し淋しい気持ちもありますが…」
「んー…まぁ、そういう意味ではそうなんですけど…まぁいっか。さっきも言いましたけど、俺はこの愛する『我が家』と『家族』を守ってくれた[ももんが]さんには尊敬と信頼を持ってついていきますよ。そこは何があっても変わりませんから」
「ふふ、ありがとうございます…で、話を戻しますが、それがさっき怒ったことと関係が?」
なんか杞憂だったみたいだ。うっわ、恥ずかしい。穴があったら目の前の骸骨入れたい。まさに墓穴。じゃなくて。
「ああ、そうそう。私にとって[ぽっぷ]する雑魚は言わば
「なるほど。…で、その感情が
あー、やっぱりそこ食いついちゃう?俺も気になってはいたんだよね。多分、スキルだと思うんだけど。
【敵感知】とそれの強化スキル。この辺が絡んでいると思う。多分。
それか
「…多分ですけど
「ああ。でも、それって回避補正が付くだけですよね?」
そう。このスキルは回避補正を上げる、というものだ。実際はパリィ出来るタイミングが表示されるだけなのだが、意外と便利なパッシブスキルだ。…たっちさんみたいな超人だけだよ、これなしで毎回パリィするの。意外と難しいんだぞ、パリィ。
しかし、これの設定では『感覚的に物事を捉え、閃きを得る』と説明されていた。それが、影響しているのかも。
「実際は[ぱりぃ]する[たいみんぐ]が分かるだけだったんですけど、設定にある説明文に閃きを得るってあるんですよ」
「なるほど…目に見えない感情を閃きで読むってことですか…うーん、ちょっと弱くないですかね?」
「となると他の[すきる]と影響し合ってる?…うーん、よく分かりませんな。しかもまだ馴染んでいないせいなのか分かりませんが、たまに読める程度なんですよ。いつもじゃないんです」
二人して
もっと深刻な問題は山積みなのだが、
「ところで寡黙ロール止めちゃったんですか?」
「[てんぽ]悪すぎ。めんどい」
「ああ…」
─つづく。
オリジナルスキル
・【マジックパリィ】
魔法攻撃を受け流す。
ミサイルパリィは飛び道具を反射、とあるようなのでこちらは物理系のみとしました。
・【直感】
本文にもありますがパリィ系のタイミングを表示するだけです。タンク初心者御用達。
━━━━
やっとオリキャラが爆弾処理の危うさに勘付きました。
ペロロンさん出過ぎなのでだんだん扱いが雑に…。
オリキャラの防御力は紙どころじゃないです。
プレアデス以下です。森の賢王どころかガゼフ(国宝なし)以下かもしれません。HPは…プレアデスくらい?
皮3枚繋がったのはすぐ後ろに壁があったからです。アホですが運は悪くないみたいですね。