白き英雄への復讐   作:煌酒ロード

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やっちまったぜ☆
いやほら、色々無茶苦茶な今回。ご都合主義と深く考えずにご覧下さい
束さんはボールドだし亡国は出さない予定だしで無人機の扱いどうしよっか・・・w


コアの意識 極夜登場

side 一夏

 

入学から一ヶ月が過ぎ、流石にもう慣れてきたのか視線に悩まされることは無くなったが、それでも俺は注目の的らしく、未だに噂話はある。それにセシリアも山田先生と訓練をしているらしく、ここ最近は放課後アリーナにこもりっきりのようだ。俺はアリーナが使用できる時には風華と訓練をしながら篠ノ之をあしらっていた。

そしてクラス代表戦の前日となり、一限目が終了した後、唐突に織斑教論から声をかけられた。

 

「夜空。お前には専用機が渡される事になった」

 

開口一番そう言ってきた織斑教論に、怪訝な表情で、

 

「・・・専用機?既に所持しているのだが」

 

「反論も拒否権も貴様には無い。これは政府と学園の決定だ。放課後には届く。それまでに準備はしておけ」

 

言うだけ言って去って行った。仕方が無いので秘匿回線で束さんにメッセージを送り、次の授業の準備に入る。

 

 

――――――

 

結果論から言うと、俺はその専用機を受け取る事にした。あの後束さんから連絡があり、受け取るも受け取らないもいっくんの好きでいいよ〜と言われてしまった。どうやら束さんは更識妹の簪という子のIS作成を手伝っているらしく、俺の方の機体は色々あって複雑らしい。

俺が貰う機体、どうやら〝白式(びゃくしき)〟は元々倉持技研と言う所に政府が開発を依頼したらしい。だが倉持はこれを拒否。別の専用機を作っているからと、しかしそんな抗議が通るわけもなく、その専用機の開発は凍結。白式を優先する事となったらしい。しかしこれに待ったをかけたのが篠ノ之束。いくつかの条件を飲めば両方の開発を手伝ってあげるよ。と言ったらしい。その中にISで宇宙を目指すというのがあったらしいが、その時の所長がそれに大賛成。束さんは倉持所属になった。これにより俺と風華は一応は倉持所属のテストパイロット。という扱いになり、色々文句を言われるであろうと思っていた。専用機についても、おおっぴらに使えるようになった。

 

「あ、来ましたね夜空君」

 

山田先生が出迎えてくれ、その奥のコンテナの横には倉持の技術者であろう男性と、織斑教論がいた。

 

「初めまして夜空君。倉持技研開発主任の新出(あらいで)です。よろしく」

 

「夜空一夏です。本日はよろしくお願いします」

 

「アハハ、そう硬くならなくていいよ。開発主任って言っても僕は今一番暇だったからね」

 

そう言って屈託なく笑う新出さん。その後新出さんが操作し、コンテナを開く。

その中には、白があった。

 

「これが〝白式〟今はまだ最適化処理(フィッティング)前だからアレだけど。それさえ終わればアレは君専用になる」

 

じゃあパパっとやっちゃおうか。と言う新出さんに従い、白式に乗り込む、意識を同調した瞬間、俺の意識は、空白に飲み込まれた。

 

 

―――――――

 

「・・・何処だ、ここは」

 

俺がいたのはIS学園アリーナの搬入口だったと思う。しかし今はIS学園の制服を着た状態で、砂浜に立っていた。周囲を見渡しても、何もなく、場所を特定する手段も無い。

 

『貴方は、力を欲しますか?』

 

素早く後ろを振り向く。

白いバイザーをつけ顔を隠し、騎士のような姿の女性が立っていた。

 

『何の為に?』

 

そう、問いかけてくる。

 

「力を欲する理由か・・・、夢を見たいから」

 

『夢。ですか』

 

「そう、夢」

 

そこで切って俺はその騎士の方に向き直る。

 

「束さんが宇宙を見たいためにISを作ったように、夢を叶えるには力が要る。純粋な強さ以外にも、心強さとか、頭の良さとか、そういう面でも強くなくちゃいけない。俺の場合は自分の好きになった人達を、自分を愛してくれる彼女を守りたいって夢の為に、色んな()()を欲した」

 

『強さと力は、違うのですか』

 

「違うさ、全然違う。力が無くても強くある事は出来ると俺は思う。だから俺は、力が無くても強くありたいとは思った。彼女の横を歩くために。彼女を支えれるように」

 

『貴方は、だから強いのですね』

 

「まあ、そうかもしれない。けど俺なんてまだまだ未熟さ、だから」

 

俺はその騎士の前まで歩き、手を差し出す。

 

「俺が彼女を支えられるように、力を貸してくれ、白騎士」

 

『気づいていたのですね』

 

苦笑するような声色で言う白騎士にまあな、と返す。

 

『私はかつて、守りたいものがあると言った人間を強者だと思い力を貸しました』

 

静かに語り出す。

 

『しかし彼女は何も守れず。私は間違っていたのだと悟りました』

 

そして彼女は俺の顔を見る。

 

『今一度、貴方を信じましょう。貴方の夢を、私にも見せてください』

 

「喜んで」

 

そう言って俺と白騎士は握手をする。その時、

 

『えーい!』

 

「ゴフッ!?」

 

背中からタックルをかまされ、少しバランスを崩す。そこには白いワンピースの幼女が俺の腰に抱き着いていた。そして、

 

『おにーさん。暖かいね』

 

そう言って満面の笑みを浮かべていて、頭を撫でてやると嬉しそうにしていた。

 

『だから言ったろうが白騎士。心配なんざいらねーって』

 

今度は男の声がして、そちらを振り向く。そこには全身真っ黒の服の男性が立っていた。

 

『俺の操縦者(マスター)は強ぇぞ?ってな』

 

『確かに、そうですね』

 

「白騎士、白式、黒夜・・・だよな」

 

『自信なさげに言ってんじゃねーよ、合ってるから。これからは俺達が力を貸すぜ』

 

そう言った黒夜は白騎士の肩に手を起き、白式の頭を撫でて答える。

 

「ああ、お前達の力、俺に貸してくれ」

 

『『『Yes、mymaster』』』

 

その言葉と同時に俺の意識は、再び白に覆われる。

 

 

―――――――

 

 

「・・・君。・・・一夏君!」

 

名前を呼ばれ、目を開けると、心配そうに眺める山田先生の顔があった。

 

「すいません、大丈夫です」

 

「本当ですか?」

 

「はい」

 

どうやら最適化処理が終わり、俺に声を掛けた所、反応しなかったので何かあったのでは?という事になっていたらしい。

俺の目の前にはウィンドウが一つ。

 

『最適化処理終了。一次移行(ファーストシフト)完了』

 

白く輝く装甲。どこか中世の鎧を思い浮かばせるデザイン。背中には大型のウィングスラスター。そして再び、ウィンドウが現れる。

 

『一次移行完了。続いて二次移行(セカンドシフト)を開始します』

 

そのウィンドウを確認し閉じると光に包まれる。そして白式はさらに進化する。

増設されたスラスター、左手に追加された武器、〝雪羅〟。追加された装甲。強化された白が生まれる。それでも、進化は止まらない

 

『二次移行完了。続いて三次移行(サードシフト)を開始します』

 

再び白式が光に包まれる。

 

そして現れるのは、黒

 

装甲全てが黒く染まり、その黒の上を走る白いライン。装甲が更に追加され、今まで必要最低限だった装甲が更に厚く、しかし軽い。

黒と混ざる白。これが俺の専用機。

 

『三次移行完了。〝極夜〟起動』

 

俺の専用機〝極夜〟が誕生した。

 

 

―――――――

 

side 風華

 

一夏さんの新機体、白式を受け取るという事で、私にも武装の追加等があるという事で呼ばれ、少し遅れます。と連絡だけして、セシリアさんの雑務を手伝ってから向かい。扉を開けます。

最初に目に飛び込んできたのは、黒。

黒い機体に一夏さんが乗っている姿でした。

 

「・・・・・・一夏さん。どうしたんですか?それ?」

 

「政府がくれたISを貰ったら三次移行した」

 

一夏さんの答えに少しクラっとします。現状二次移行にすら到達するのが難しいと言われているにも関わらず、この人は三次移行までやってのけるとは・・・。

一夏さんの異常性は今に始まったことではありませんが、本当に頭を抱えたくなりました。

その後一先ず私は追加武装を受け取り、一夏さんのIS〝極夜〟については現状維持、という事になるそうです。

アリーナで性能を確認したところ、元々のコンセプトは〝白式〟も〝黒夜〟も同じ速度特化機体だとのことなので、問題は無く、武装の方も黒夜の時とあまり変わりませんでしたが、唯一違ったのは、

 

単一仕様能力(ワンオフアビリティー)空覆ウ闇(そらおおうやみ)》・・・か」

 

どうやら白式には単一仕様能力である《零落白夜(れいらくびゃくや)》が搭載されていたらしく、恐らくそれが変化したのだろうという事。しかもその能力は。

 

「触れた対象のエネルギーを吸い取って自身の任意の方法で使用可能とかまるっきりチートですね。エネルギー兵器は消せます相手のISに触れれば勝ち確ですとか」

 

そう言って一夏さんをジト目で見る。一夏さんは気まずそうに視線をそらすが、私はそれを許さない。

 

「あら、お二人共ご用事は終わりましたの?」

 

別ピットの入口から出てきたセシリアさんに遭遇。そのまま三人で食堂まで喋りながら話す。セシリアさんは明日に迫ったクラス代表戦の為に訓練をしていたのだとか、どうやら高速切替を完全にモノにしたらしく、これで万全ですわ。と優雅に微笑んでいた。

その後部屋に戻り、束博士への報告などを終えて寝た。明日のクラス代表戦。何事も無ければいいなと思いながら。




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