元アイドルであったものはデレマス世界で何を想う   作:しましまパンダ

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 とりあえず、休日使って書き上げましたー
 いつも誤字脱字の報告ありがとうございます。不甲斐ないです。

 今回は前回と違い視点が切り替わったら<<>>の中に視点主の名前を入れさせてもらいました。

 


女性の胃袋は異次元

 唐突にデビューが決まりました。何でこんなに早いのかと、理由を聞いてみたのですが風見さん曰く、ストリートで歌が上手いのは知っていたからダンスはどうなんだろうと思っていたようで、この前ベテラントレーナーさんと話し込んでいたのはその話だったようです。他にも理由があるらしいので風見さんに今から聞いておきましょう。

 その前にこのことを奏、周子、美嘉に教えておきましょう。三人の方が此方側では先輩なので色々と聞けるかもしれないです。

 

「これだけ早くデビューが決まり、しかも曲まであるっていうのは部長から言われたんだけど、どうも上の人がツバサさんを知っているみたいでその影響らしい」

「部長は今西さんですよね。それ以外にここで知っている人はトレーナーさんや奏、周子、美嘉、風見さんくらいだったはずです」

「俺もそうだとばかり思ってたんだけど、もしかしたら相手側が一方的に知っているだけかもしれないね」

「ふーむ……」

 

 誰なんでしょう。普通新人は先輩のライブなどにバックダンサーとか脇役で出ていくレベルだったような気がしますがコレも美城流ということなんでしょうか。

 今西さんじゃないとするとその上ですか。先日トレーナーさんが私のレッスン風景をビデオに収めていましたがそれでも見て、デビューしていいんじゃねっていう感じで言われたんですかね。

 だって、そうでもないと私は偉い人と会ったことが無いわけですから。

 しかし、願ってもない話です。元より私は多くの人を楽しませたいという思いをもって死ぬ前から活動してきたので今は誰が私をゴリ押ししてデビューさせようとしているかは気にせず、前を向いていくしかないです。

 

「少々誰が私を推してくれたのかは気になりますが、今は置いておきましょう。それよりも、本当にデビューするのであれば最高の状態へ持っていく必要があります」

「そうだね。ペーペーの俺がどうこう言ったところでどうにかなるわけでもないし、今はそっちの話の方が重要だな」

「で、日時と場所、そして私の曲を教えてください」

「えーっと──」

 

 その後、日時・場所、そして詩は付いていないが曲のイメージだけを聞いてレッスンに向かいました。

 

 

 

 

 

 レッスンは問題なく終わりました。ただ、今回の曲はダンス重視ではなく基本的に歌がメインになるので

喉のケアは怠れません。ライブまでのど飴などを舐め続けないといけません。怪我をしてでもやったぜっていう武勇伝っぽく語る人が偶にいますが、注意していれば回避できるものであった場合それはただの不注意です。

 見に来ているファンの方にベストの状態で見せられないわけですから武勇伝でもなんでもなく、逆に私はこれだけ適当にやっているんですよと言っているようなものです。

 だから私は怠りません。来てくださる方々を楽しませられるように。

 

「デビューライブ決まったのね。おめでとうツバサ」

「ありがとうございます、奏」

「早いね~。まあ、ツバサならって感じもあるかなー」

「ツバサの場合ダンスとか色々やってたっぽいし、他の新人のアイドルと一緒で考えちゃダメなのかもね」

「美嘉、周子もありがとうございます。多少緊張しますが、残りの期間頑張ります」

 

 三人とも自分たちのレッスンが終わった後私の所へ来てくれました。小さいながら私のデビュー記念でファミレスで夜ご飯を皆で食べる予定です。

 三人とも自分の仕事もあるのに私のために──嬉しいですね。

 

「三人とも本当にありがとうございます」

「「「……」」」

「はっ早くいきましょ」

「そうだね~……その笑顔は反則だよねー」

「奏の言う通り時間もないし早くいこっか」

 

 何か三人とも面と向かってお礼を言われて恥ずかしいのかこっちを向いてくれません。まあ、友達にさっきの私みたいに言われると若干照れるのはわかりますけど。

 私の方を見ないで歩いているのでぼーっとしていると置いて行かれてしまいます。いくら何でも今回の主役の私が置いて行かれそうになるとは、三人とも気づきませんでしたが元はあがり症なんですかね。

 

「三人とも置いていかないでください~」

 

 後、美嘉の私服は若干露出が多い気がします。奏も本当に同じ年なのか不思議に思うほどの色気というかそういうのを纏ってて何か変な感じがしますね。その点周子はいい感じです。ちゃんと同世代って感じがしますからね。ああ、子供っぽいっていうわけではないですよ。

 

 

 

 

◇◇◇

 

 ファミレスに到着した私達はツバサに適当な言い訳を言って離席した。理由は簡単よ。この話はツバサにはなるべく聞かれたくないもの。

 

「──で、美嘉と周子は行けそう?」

「うーん……あたしは行きたいけど時間次第かな~。その日午前中は仕事だし」

「アタシは行けるかな。丁度オフの日だし。奏はど「行くわ」……う?」

 

 その日仕事はないはずだから行けるはず。それにツバサの初ライブを見に行かないという選択肢は……あるはずがないでしょう。

 ライブは基本午後が多いから三人で行けそうね。ツバサの歌う曲はどんな曲なのかしら。激しめな曲は似合わなそうだけど。

 

「流石だね……」

「奏ならそう言うと思ったけど」

「二人とも何若干引いているのよ。大切な友達の初ライブよ。行かない理由がないじゃない」

「いや、でもねー」

「アタシが聞き終わる前に即レスだったし」

 

 何かおかしいのかしら。二人とも私の事ばかり言ってるけど、前のカラオケでの一件以降は仕事で一緒になったときとかでツバサのこと聞いてくるくせによく言うわね。

 

「まあ、気になるところはあるけれどとりあえず戻りましょう。三人とも午後ならいけるということだし」

 

 ツバサも待っているし、早く戻りましょう。三人が揃う日はそう多くないのだから今だけでも楽しみましょう。

 

 

 

 

◇◇◇

 

 席を外していた三人が戻ってきました。その間に島村さんに連絡を取っていたので、暇ではなかったのですが三人別の要件で席を離れていたのに同時に帰ってくるとはタイミング良いですね。

 

「あら、ドリンクバー頼んでおいてくれたのね。ありがと」

「さっすがツバサ。気が利くね~★」

「ありがとねー」

「いえいえ、皆どうせ頼むだろうと思ったので頼んでおいただけですよ」

 

 皆思い思いのものを注文していきましたが、久しぶりに四人で集まれたこともあって私を含めてあれよあれよと注文し続けて勢いよく食べていきました。

 途中から皆頼みすぎたことに気が付いたのか、食事するペースが遅くなりました。かくいう私も少々男の時と同じような感じで頼んでしまったのでかなりきつかったです。

 ただ、女とは不思議なものできつくてもデザート一品くらいなら食べられるんですよ。まあ、いくつか頼むつもりでしたからこの状況は想定外なんですよね。

 

「ふう……デザートはいくつか食べるつもりでしたがお腹いっぱいです」

「私もよ。カロリーとかも重いし」

「ちょっと調子に乗って食べすぎたかな~」

「アタシもこれで最後かな」

 

 三人の言う通り一品が限界です。いくつか食べるつもりだったので悩ましいですね。流石に一つ以上食べるとアイドルがしてはいけない絵面になりそうなの自重します。

 悩ましい……今だけは男の体じゃないことが恨めしい。ん、男じゃない──?

 

「いい事思いつきました!皆で少しずつ分けましょう。そうすれば4つ食べられます。私のはすでに来ていますからすぐ始めましょう。三人とも早く口開けてくださいな」

「それって……」

「いや~、ツバサそれは」

 

 これは名案ですね。皆で四つのデザートを堪能できます。我事ながら自分を褒めたい気分ですね。ただ、奏と周子が遠慮してきます。美嘉は黙って一点を見つめて動かないでいるうちに三人の注文したデザートが来てしまいました。このままでは温くなってしまうなと思ったその時でした。

 

「……二人ともアタシから行かせてもらうよ」

「美嘉っ!?」

 

 沈黙を続けてきた美嘉が話を進めてくれました。その後は周子も吹っ切れたのか次あたし~っという風に乗ってくれたので、とんとん拍子で進みました。奏だけ返事がないのでじーっと見ていると、

 

「ちょっと、二人とも。……最後は私ね」

 

 奏からも了承が得られたのでこれで、四つの味を楽しめます。これで、みんな幸せですね。とりあえず、私のから早く食べないとまずいです。えーっと、四つに分けないといけませんね。

 

「それじゃ、美嘉から行きますよ」

 

 

 

 皆で食べさせ合いをしましたが、どのデザートも美味しかったです。友達がほとんどこの世界へ来てからはいなかったのでこういうのもいいですね。

 まあ、前世でもなかったんですけど……

 

「美味しかったですね」

「少し食べすぎた気がしないでもないけどね」

「ま、今日くらいね~」

「まだ時間あるし、お話でもしよっか★」

 

 お腹いっぱいで動くのも億劫で時間もあったので美嘉の提案に乗ることにしました。四人で最近はいますが、奏以外の事はよくわかっていませんし、仲良くなるいい機会です。これを機に距離を詰めましょう。

 

 

 

 時間も更けてそろそろ帰ろうかと言う時間になった時に奏の何気ない一言からよくわかならないことになりました。

 

「えーと、好きなタイプですか?」

「そうよ。だってツバサ結構告白とかされてるけど全部断ってるじゃない。前から興味あったのよね」

「まあ、いいですけど。私なりにちゃんと答えますけど、納得いかない場合でも何にも言わないでくださいよ」

「そこらへんは大丈夫よ。ツバサが適当言うはずないもの」

「あたしも気になるなー。どんなタイプが好きなんだろ」

「アタシも少し気になるなぁ」

 

 ……好きなタイプですか。まあ、告白は時折されていますが、全部断っていますね。こう、ビビっとこないので。

 前世でもそういう人はいませんでしたけど、何というか友達に聞くと一目惚れとか、良いなって思う人とかって言われましたが、良く分からなかったんですよね。

 今でもそうですが、好感を持つ人は多少いますがそういう関係になろうとも思いません。何というか男女問わず本質の方に目が向くので、もしかすると女性を好きになる可能性もあるかもしれないですね。

 

「そうですね、はっきり言って好きなタイプは今のところいませんね。ただ、好感を持てる人はいますよ」

「だっ、誰なの!?」

「高垣楓さんですね。事務所ですれ違っただけですが、一目見て芯が通った良い人だと思いましたよ」

 

 高垣楓さんとは事務所ですれ違った感じですが、良い人ですね。パッと見たときゾクッと来ました。まだ話せていませんし、仕事の時の彼女を見たわけではないですが、ああいう人は興味以上の対象ですね。

 

「え……ちょっとまって、楓さんは女性だよ?」

「ああ、美嘉は勘違いしてますね。あくまで、コレはLikeですよ」

「だ、だよね~」

「まったく、紛らわしい言い方ね」

「ただ、人を好きになったことはないので良く分からないですけど、私が良いなと思ったらそうなんでしょう」

 

 女性とかそういう事は今は気にしていませんね。好きになったことないですし。実際どうなんですかね。もしかすれば風見さんを好きになるかもしれませんし、よくわからない一般人を好きになるかもしれません。

 ま、現状のままだと男の時と同じで一人な気がしますけど。

 

 

 

「そろそろ時間ね。帰りましょ」

「そうしないと、また授業中に奏は寝ちゃいますからね」

 

 そう言うと奏は顔を紅潮させました。実際このまま遅くまでいると前回の様になりそうなので早めに帰ることにしましょう。

 

「あっ、あれは偶々よ」

「え~、奏授業中寝てるんだ。だらしないなあ」

「周子には言われたくないわ」

「まあまあ、二人とも仲良くいこうよ★」

 

 奏を茶化す周子に宥める美嘉と言った感じで三人ともいい感じなバランスですね。いつか四人でステージに立てるといいな。

 きっと素晴らしいものになると思います。

 

「美嘉の言う通り仲良くいきましょう。三人とも今日は本当にありがとう。ライブまで頑張るよ」

「……ツバサが敬語じゃないわ」

「違和感あるけど、距離詰められたってことでいいんじゃない?」

「そうそう、奏は細かい事気にしすぎ~」

 

 ──そう、この四人なら行ける。トップアイドルという頂点目指して一緒に歩んで行けると私は思います。

 まずは、私の最初のライブ。必ず成功させましょう。

 

 

 

 

 




 今回は4人の絡みを書いてみました。
 主人公は楓さんとすれ違うレベルなので楓さん側は特別なことは思っていません。
 
 とりあえず主人公の恋愛観みたいのを書かせてもらいました。別に主人公が女の子が好きで今後重度の百合展開とかにするつもりはないですよ。
 どうせ書けませんし。
 
 後、この小説の終わりはデレアニ終了と同じくらいを予定しています。ちゃんと完結できるようできるだけ努力します~
 
 
 最後に、<<>>の中に視点主などを入れてみましたが、前回や今回、そしてそれ以前でどれが良いのか活動報告の方へ意見をもらえるとうれしいです。


 
 それでは、また次回。


 追記、意見をもらったのでとりあえず◇で場面切り替えしていきます

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