次じゃオラァ!
なんで戦闘シーンは苦手と言っておきながら書くのかなぁ。
そして雑で本当に済まない。
ちなみに、シュビィをロールした方が多彩な技を持っているしやりやすかったんじゃね?と思いはしたのですが、逆にあの子のロールが出来ないので没になったりしてます。
後はまあ、Diesのベイ中尉だったり、水銀とかにする案も思い浮かんではいました。
では、どうぞ。
「いえ、正直難しいので助かりました。ついでに言いますと、この流れそのものがお約束なので個人的には大満足でございます」
ふぅ……
大 ★ 満 ★ 足 である!
いやあ、テンプレ級のチンピラ相手に颯爽と割って入り、相手の策に敢えて嵌ったうえでそれを打ち破る!
なんという爽快感、なんという満足感。もう気持ち良すぎて頭が沸騰しそうだぜぇ!
おっと、落ち着け落ち着け、今の私はジブリール。そんな男言葉は使わない、いいね?
もっと、お淑やかに。かつ、その身に狂気を秘めるのだ。周りからはそんな風には見られないけど、少し内面に踏み込めば直ぐにわかる程度の歪みを持て。
「そ、そうですか……」
……で、問題はこの人だ。
フラストレーションの解消が目的で介入したのだが、この人とは一切の面識を持っていない。
異形種が不遇であるこのゲームで異形種を貫いているだけあって、余程の変態とお見受けするのだが如何に。
まあ、取り敢えずは自己紹介といきますか。
先ずはお互いを知らないとね。それに、未知を既知に変えるのもジブリールとしての本能だ。
「そうでした、自己紹介がまだ済んでいませんでしたね。私、名をジブリールと申します……どうぞ、お見知り置きを」
「ああ、ええと。私はモモンガと言います。異形種をやってます。どうぞよろしく」
ふむふむ……全然分からねぇでごぜーます。
とは言え、向こうもこちらを警戒しているようですしね。そうほいほいと自分の情報は明かさないだろう。
「それで、何故こんなところに?此処に居るということは少なくとも80レベルには達しているとは思いますが、些かダメージを負い過ぎでは?」
実際、少し気になっていたところではある。
見た目と装備からして、恐らくはスケルトンメイジ系統、レベルも考慮すると『
どちらにせよかなり強い種族なので、普通に強力なスキルを取っていれば相性を考えたとしても、もう少し善戦出来ていたと思う。
今回は相手もガチガチに耐性を固めていたようですけれど。なにせあの装備の外見からして、アンデッド対策の塊だったようだし。
「いえ、私はロールプレイ重視でして。ちょっとスキルとかを考えるとそこまで強い方ではないですし、それに流石に四人に囲まれるとどうしてもキツイですからね。此処に居るのは友人に頼まれたあるアイテムを入手にです。それはもう手に入っているのですが、そのせいであいつらに目を付けられてしまいまして」
「はあ、つまり……
ロールプレイ重視、うん。素晴らしいな!
分かる、分かりますよ貴方の気持ちが!
確かにこのスキルを取ってしまえば簡単に強くなるし、普通はそうするのが一番。
それでも自分のロールプレイの為に、大して使い道のないようなスキルに回してしまう。
弱い?いや、これは弱さではない!拘りだ!自分の選んだ道を貫き通すという、確固たる信念の結晶なのだ!
「と、言いますと……貴女もですか!」
「ええ、そうでございます!この身は昔のとある小説の天使を模したものでして、周りからは何度も何度ももったいないだのなんだのと口うるさく言われて……楽しみ方は人それぞれなので勝手にさせて欲しいと思うこともあります」
「本当にそれです。こっちは勝手にやってるのに横から口を挟んでほしくはないですよね!」
それから少しの間、お互いに愚痴を思う存分語りあった。
話が途切れることはなく、骸骨と天使が死霊蔓延る森の中で和気藹々と話し合う奇妙な光景がそこにはあった。
互いの愚痴が終わりスッキリすると、どちらからともなく右手を差し出し固く握りしめ合った。
「ギルド『アインズ・ウール・ゴウン』がギルドマスター、死すら支配せし魔術師、モモンガ」
「【
「此処に我ら友誼の誓いを交わす」
「歩む道こそ違えど、この契りを違う事無し」
「……では」
すっ(フレンドの申請が送られる音)
「……ええ」
すっ(それを承諾する音)
「急に始めたのに乗っていただけてありがとうございます」
「いえ、こちらも楽しませていただいたので」
まあ、同じ趣味の同輩であったということも分かり、その勢いでフレンドにまでなりました。
モモンガさんも死を司る大魔法使い?でしたっけ。中々に業が深いというか、私も創作物のキャラになりきってはいますけれども。個人的にはもう一歩欲しいところではあります。例えば、意思持つ死そのもの、とか即興で考えましたけど、そういえば『
ついさっきの茶番は、なんというか。こう、お互いに昂った結果、と言いますか、偶にはこうやって厨二だか高二ムーブするのも浪漫回路に必要ですしお寿司。私は合成鮪とか好きです。ああ、最近はこのゲームにすっかち入れ込んでいて寿司なんて食べていなかったなぁ、久し振りに合成モノだけど食べに行こうかな。流石に天然モノなんてアーコロジーのお偉さん方ぐらいしか食べられないし、なんだかんだ言ってあの薄っぺらい合成肉の味が癖になってたりはする。
さて、そろそろ目的に移らないとな。此処に来たのはお願いされた素材を狩る為であるし、別に手に入らなくてもあのピンクロリ声肉棒姉貴は笑って許してくれるだろうけど、数の少ないフレンドさんだし出来る限り頼み事は解決したいところだ。
「では、私も欲しい素材がありますのでこれで」
「ええ、今日はいろいろとありがとうございました」
そんな感じで別れた、いや別れようとしたその時……空を翔ける一条の光が私たちに向かって落ちてきた。
即座に私たちは戦闘態勢をとる。モモンガさんは黒い骨で組み上げられた杖を取り出し構え、私もスキルによる防御を試みる。
「私がアレを防ぎます。モモンガさんは反撃の用意を!<
「分かりました。ですが全力はもう出せないので牽制程度にしかなりません!<
エメラルドグリーンの粒子が半透明の球体の形をした防壁を造り出し、その中に白骨の魔導士と白翼の天使が収まった。
これが私ですら一日に2回しか使うことのできない、最強最大の封印術式―――という名目のスキル、<
そして、周囲の大地からは先端が鋭利に尖った骨の槍が数え切れないほど生み出され、次々と天空へと撃ち出されていった。
空は一面が骨の槍で埋め尽くされる。最早回避は不可能、槍を砕くなり止めるなりして我が身を防がなければならないが、そうすれば異変が起きて居場所はまるっとお見通しになる。受けても同上。
さて、どう出てくる?少なくとも光矢が頭上に振ってくるような地形ではない事は決定的に明らかだし、此処に居るモンスターはそもそもこんな攻撃は行わない筈。と、すると相手はプレイヤーだな。
もしやさっき逃げていたあの弓兵か?いや、あれは精々補助程度でこんな破壊力のある一撃を放てるのは……まあ、おかしくはないけど違和感がある。
光の矢が<
一方空では、一部の槍が砕け散り、そこに翼の生えた人影があった。間違いない、アレがこちらを狙撃してきた奴だ。
ふふふ、喧嘩を売られたのなら買ってやらねばなるまいて。それに、この私に飛行戦を挑むとは愚かな。翼持つ天使の恐ろしさをとくとその身に刻んで地に落ちるがいい。
「ふふふ、なるほどなるほど。そんなにも私に首を献上したいと言うのですね?」
精霊回廊の撃鉄を起こす。指先の末端にまで熱を回し、されど脳内は氷河の如く冷ややかに。
戦の空気が鼻腔を擽る。吹きもしない風が全身を撫で、瞳は未だ碌に分かりもしていない敵の影を見据えている。
意識が混ざり合う。
翼を広げ、天空へと舞い踊る。
ヘルヘイムに相応しき毒々しい紫色の空、空の中ほどというのも変な表現だがその中ほどにソレはいた。
背中には雄々しき二対の翼を持ち、鳥の顔を模した黄金の仮面を被り、発光する絢爛な装飾の施された鎧で全身を包んでいる。
巨大な弓を携え、その双眸は揺らぐことなく真っ直ぐにこちらを視認していた。
「語ることは無い、この場から失せろ」
「お断りします、と言ったら?」
返答に対し鎧の鳥人は弓を構え、矢を番えることもなく弦を引き絞りだした。それと同時に光が矢を形どるように集い光の矢が形成された。先程の矢も同じように作り出されたのだろう、特に疲弊する程の消費も見えないという事は、あれで通常攻撃という事か。
「貴様が地に墜ちるだけだ!」
限界まで引き絞られた弦がその手より放たれ、光の矢が私目掛けて射出された。瞬く間にその矢は私の眼前にまで迫ってきた。想像以上に速い、それに下手に避けたところで追尾性能が付いていないとも限らないし撃ち落とすのが良いだろう。
「<
掌を迫りくる矢に突き出し、
繰り出される光球は九つ、内三つで迎撃にかかり、残りの六つは鳥人へと向かう。
光球と光矢が接触、ぶつかり合い小規模の爆発を巻き起こす。互いに消滅したようだ。
六つの光弾は真っ直ぐに鳥人に向かうも、あっさりと回避され空の彼方へと消えていった。
再び鳥人は弦を引き絞る。しかし集うその光は以前のモノより圧倒的に多く、破壊力を持っていることは容易に想像できた。
仮面の内よりスキルが宣告され、その一撃が放たれる。大空を裂く一条の光。否、それは一条等ではなく、幾つもの光矢が束ねられたモノ。それが空中で別たれ、その真の姿たる光の豪雨へと姿を変える。
「<レインアロー「天河の一射」>」
天の河、今は最早観測などできず文献やネットの情報にしか残っていない星の大海。その名を冠する光矢の雨が私に容赦無く襲い掛かる。
回避は不可能、出来ないとは言わないが全ては無理で何発かはどうやっても受けるだろう。ならば最初から迎撃と防御に回す方がよっぽど被害を少なくできる。
威力があり、かつ広範囲に分散する魔法を瞬時に脳内で選択する。該当する魔法はあったが、威力に少々不安があるので魔法最強化を併用してその穴を埋めることにする。
「<
煌めく小さな光の群を雨の如く前方に撃ち出される。最強化によってその威力も数も最大値になっており、それは容易く光の雨に衝突し物量を以って対抗した。
如何に小さな光の粒であってもその量は光の雨を上回り、消し去ることは出来なくとも、その矢を弾き飛ばすことや撃ち落とすことは可能であった。
しかし量はあってもそれでカバー仕切れないのも事実であり、幾つかは私の身体を穿ち抜けていった。
痛覚は仮想現実のこの世界では存在しないが、それでも質量あるモノが身体に衝突する衝撃はあるわけでバランスを崩し飛行が若干乱れてしまった。
「くっ、油断していたようですね……反省しましょう。貴方は本気で打ち砕くべき敵です」
「そのまま撃墜すれば良いものを、これ以上俺の手を煩わせるな!」
飛行を持ち直し、自身に<
職業のおかげで攻撃力は高い分防御がいまいちである私には、接近戦で相手に攻撃をさせる暇もなくスキルや魔法で圧倒するのが一番合っている。今迄何故それをしなかったか?
距離が離れていた、近づく前に撃ち落とされる、自分の手を汚すのは嫌、なんだその理由は、総じて馬鹿馬鹿しい。
舐めていた、甘く見ていた、油断していた、慢心していた。
捨てよう、棄てよう。あれは敵だ、全身全霊をもってこの手で刈り取るべき首だ。
急接近したことでこちらの得意なレンジに相手を収めた。即ち、超近距離だ。
鳥人の反応は鈍い、反応が追い付いていないのだろう。この距離ならもう逃がさない。
「<破城一掌>」
それはジェノサイダーのスキル、城すら一撃で粉砕する人知を超えた剛拳が打ち上げる様に鳥人の腹部を殴り飛ばした。拳は鳥人の鍛えられた腹筋にめり込み、その肉体をくの字に折り曲げた。
「<飛鳥落し>」
流れるように次のスキルを放つ。空中で身体を一回転し、その勢いを殺すことなく踵落しを鳥人の背に決め空から大地にへと撃ち落とす。スキルの恩恵からか、こんな無理な動きですら負担がかかることなく行うことが出来る。
「<
今ので倒せる訳が無い、追撃の魔法でダメージを更に加速させる。
魔法の詠唱が終了すると同時に、雷が容赦なく大地にへと降り注ぐ。当然目標はあの鳥人だ、あの体制からの回避は恐らく不可能。
今の魔法で大地には砂埃が舞い、こちらからは向こうを見通すことは出来ない。故に、それが晴れれば即座に攻撃を放つ。
「うおおぉぉぉおお!!」
砂塵の中から閃光が走る。二三発の光矢が私目掛けて放たれ、それに追従するように鳥人が飛翔した。
光矢はスキルを併用した拳で弾き飛ばすことで対処する。そうしてできた少ない隙を狙い、鳥人は自身が持つ巨大な弓で殴り掛かってきた。
それをなんとか抑え込む、ガードは出来たが元々守備力の少ない私では軽減したダメージですら馬鹿にならない。がっぷりよつで組み合い、睨み合い、大声で宣告し合う。
「お前は!」
「貴方は!」
『俺(私)が殺す!』
弾かれるようにして上空に舞い上がる。同じように鳥人は大地にへと勢いよく降り立ち、私に弓を向け構える。
共に、この一撃で勝負は決まると確信した。それは最早一種の信頼でさえあった。
右手を空に掲げる、左手を大地の鳥人に向ける。光芒が複雑怪奇な紋様の光輪を描き、膨大な量のエネルギーが圧縮され、濃縮され、凝縮され、黒い閃光となって迸り、掌の先に不定形ながら槍の様な形となって此処に顕現する。
これぞ、我が最強の矛。これが、天翼種最大の一撃。
この瞬間のみ、自身の肉体構造その全てを精霊回廊接続神経に変換し、星の源流より力を汲み上げ撃ち込むそれは―――
「<天撃>」
鳥人は地を深く踏みしめる。
弦がこれまで以上に力強く引き絞られ、今迄より遥かに眩しく輝く黒い光が矢の代わりに弓に装填される。
彼の持つ最大の一撃、天を穿ち貫く一筋の黒き閃光が放たれようとしていた。
レインアロー、その極致に位置する至上の一射。それは―――
「<レインアロー「天穿の一射」>」
双撃が衝突する、天地開闢とも錯覚する程の衝撃がヘルヘイムの全域に拡散した。
それはまるでウロボロス、自らの尾を喰らう蛇の如く互いを互いが滅ぼしあった。
幾星霜かのようにも思える数瞬が過ぎ去り、そこには二人が満身創痍であるが辛うじて立っていた。
肉体が何故か幼女化した
私の方は特に傷を負っていないように見えるが、ステータスは全てが減少し外見に出ていないだけでHPもかなり削れている。
向こうもかなりダメージは負ったはずだが、どうだ……?
この緊迫した状態は、あっさりと破壊された。
肉体がピンクの触手で拘束される。抵抗する暇もなく、抵抗しようとしても現状では敵わなかっただろうが。
「はーい、そこまで。いやあ、随分暴れたねぇジブリちゃん。あと愚弟」
……この声はピンク肉棒さん、いや『ぶくぶく茶釜』さんか。何故此処に居るのだろうか、そして愚弟とは一体。
触手の根本に視線を向けると、そこには本当にピンク色の卑猥な存在がいた。
向こうを見ると鳥人も同じく拘束されているが、心なしか雑というか、きつく縛り上げられているし、上下が逆転している。
「ねねね姉ちゃん!?な、なんでこんなところに居るのさ!」
「お前が急に襲い掛かって来て、連れの天使と戦ってるってモモンガさんから連絡が来たんだよ」
モモンガさん、つまり茶釜さんはモモンガさんとお知り合いという事か。んで、あの鳥人は茶釜さんの弟ってことか。姉弟で同じゲームをやっているとは、結構仲が良いのでは……?
「いや、これには深い事情があってですね!?」
「問答無用、一方的に攻撃されたって証言もあるんだ小僧!」
ギチギチと鳥人が触手に締め付けられる音をBGMに、取り敢えずはひと時の休息につくのだった。
残りでナザリック入りして、異世界転移あたりで終わりの予定です。
正直言うと作者が結構限界、いつも読ませていただいていた小説を自分で書くとこんなにも大変なんだなぁ。
途中で一人称視点と三人称視点がごっちゃに見えるところがありますが、一応ジブリールの主観で書いています。書いているつもりです。こんなんでも書いているつもりなんです。
マテリアルです。現状開示できる範囲ではこんなもんだと思ってください。
多少のネタバレも含みますのでご了承を。
ジブリール《Jibril》
異形種
邪悪なる熾天使
役職:■■の41■
■■■■■■■■■■
住居:ナ■■■ク■■■■墓
アライアメント
属性:極悪 [カルマ値:-500]
種族レベル
天使(エンジェル):15Lv
大天使(アークエンジェル):10Lv
栄光の主天使(ドミニオン・グローリー):10Lv
etc
職業レベル
セイント:10Lv
クレリック:10Lv
ジェノサイダー:5Lv
etc
[種族レベル]+[職業レベル]:計100レベル
種族レベル 取得総計45レベル
職業レベル 取得総計55レベル
能力表
HP:70
MP:90
物理攻撃:100オーバー
物理防御:50
素早さ:70
魔法攻撃:90
魔法防御:50
総合耐性:80
特殊:90