レミリアたちが食べた朝食分の食器を洗ってから、私は30分間の休憩時間を与えられている。しかし、私は休まずに霊力や永く生きすぎたせいで持つことになった妖力、技が鈍らないように武術などの鍛練に費やす。
午前9時半には大食堂にへ向かい、10時の間食を製作する。今回はバタークッキーを300枚焼く予定だ。
午前10時、レミリアやフランにクッキーを届けてから大食堂へと戻り、パンのタネを捏ね始める。本日は米食ではなく、パン食の日である。米食とパン食を交互に繰り返し、飽きが来ないようにメニューを工夫する。それが執事長の必須事項である。
午前11時半から昼食の準備を始める。本日の昼食は、玉子やサラダ等のサンドイッチと能力の応用で改造してある庭園から採った玉蜀黍で作ったコーンスープに米霰を入れたものを用意する。昼食後のデザートには10時に作ったクッキーを出す。
正午0時にまずはレミリアたちに昼食を届ける。その次に美鈴にサンドイッチと冷えた紅茶の入った竹筒を届けてから、最後に大図書館の実験室から出てきたパチュリーや小悪魔たちにサンドイッチと紅茶、食後用のクッキーを届ける。私自身は大食堂に戻り、サンドイッチやコーンスープを戴く。
午後2時半からは、3時の間食を製作する。今回製作するのは、7号のホールケーキ。その内、3時の間食の内訳はレミリア、フラン、パチュリー、小悪魔となっている。美鈴と私は間食を摂らず、夕食後に回す。大抵私はフランにあげているが。
ホールケーキの材料、というよりは料理の材料の殆ど全ては私が自給している。農園に鶏舎、牛舎や豚舎、果実園等々全ては私が能力の応用で管理している。
午後3時。間食を、レミリア、フラン、パチュリー、小悪魔の順番で配給し、午後4時までの休憩時間を過ごす。
午後4時からは、紅魔館の掃除や洗濯、大浴場の掃除に大食堂の厨房に設置してある竃の手入れを行う。
午後6時半から夕食の準備を行う。今晩のメニューは、固くなりすぎないようにタネから工夫したフランスパンと能力の応用で改造した倉庫の一つ、冷蔵室から取り出した豚の股肉に牛舎の牛から絞って煮沸させた牛乳、農園から採った人参や馬鈴薯などを使ったシチュー、能力を使って熟成の早さを縮めて熟成させたワイン、3時の間食で作って冷蔵室に入れといたケーキとなっている。
夜7時。紅魔館の皆が大食堂へと集まる。各々に座る定位置というのがあり、其処へ料理を配膳する。夜は私と美鈴も一緒に食事し、正しく皆で夕食と共にする。
「流石東さん。朝食でも昼食でも夕食でも、いつでもご飯が美味しそうです!」
「そんなの当たり前だよ! だってお父さんだもん!!」
「アズマさんのご飯は最高ですからねぇ。本来なら私やパチュリー様は食事は要りませんが、アズマさんのご飯は魔力回復の効果があるという特殊な料理な上に美味しいのでついつい食べ過ぎてしまいますよ」
「最近では
「はいはい。レミリアを見習って席に着いたら先ずは静かにしようか」
「「はーい」」「わかったわ」「わかりました」
「それじゃあ」
『いただきます』
始めの掛け合いを皆で終えたら、フランや小悪魔、美鈴を中心に食卓に会話の渦が生まれた。しかし、不快ではなく、温かくて優しい雰囲気である。そんな風に食べながらも食卓を眺めていると、いつの間にか皆が食べ終わっていく。
『ごちそうさまでした』
「お粗末様でした」
「東さん、食器洗い手伝いますよ」
「私も手伝いますよ、アズマさん」
「ありがとう。でも、大丈夫だから入浴を済ませてきなさい」
「「はーい」」
小悪魔と美鈴は、食器洗いの手伝いを毎回申し出てくれる。それはすごく嬉しいのだけど、流石に我が子のように育ててきた女の子にひび割れが出来るのは憚られる。なので、毎回私は申し出を断っているのだが、私はそろそろ家事を二人に教えるべきだと思っているので、今度家事を教えようかと考えている。
夜9時。食後のデザートであるケーキを各々の部屋へと運ぶ。今回は私の分を切り出していないので、皆の分が少しだけ大きい。
午前0時。入浴を済ませ、魔道の研究を始める。
私の一日は午前2時に終わりを迎える。