おっとこんなに直近で投稿するのは最初の頃以来ですね!
今日も今日とて気まぐれに筆を取ります。ってか投稿時間もだいぶ気まぐれっていうね…笑
今日はひふみ回です!
とある日の昼。俺はいつも通り自分のデスクで昼飯を食べていた。…いや、別に一緒に食べる人がいないわけじゃないよ?ほら、俺のチームって俺以外女しかいないから…ね?べ、別に他の人と一緒に食べたいわけじゃないんだからね!!
まぁ八神に誘われたりとかもするんだが、なんかこう気を遣わなければいけない気がするんだよなぁ…いや誰にとは言わないが…
ジャン♪ジャンジャン♪
そうしてひとり昼飯を食べていたら隣から大音量で音楽が聞こえた。なんだなんだ?
「おい、すごい音聞こえたけどどうした?」
「は、八くん…」
「あ、いえ…ひふみ先輩はお昼ご飯食べないのかなぁって思って見てたら驚かしてしまったようで…」
「なるほど」
「わ、私は…もう家で食べちゃったから…」
そう、俺が1人でデスクで食べている理由の一つでもある。ひふみはよく昼飯を家で食ってから来るのだ。たまに会社で食べる日は時折俺を誘ってくることもあるんだが…出社が昼に近いからって早めに食べてくる余裕はすごいよな、俺はギリギリまで寝ていたい
「へぇすごい、私そんな余裕ないです」
おっと涼風もこっち側か…?(黒笑)
「宗次郎といっしょに…たべたくて…」
「宗次郎!?そそそそ宗次郎さんって…まさか、かかかれ」
あぁ、宗次郎ってあのハリネズミか。ひふみも相変わらず好きだなぁ…それにしても涼風はなにを慌ててるんだ?
「みる?」
「はい!」
ひふみの提案を受ける涼風。ひふみはすごい速さでスマホを操作して写真を探している。こういう時の動きは素早いんだけどなぁ…
「これ」スッ
そこには宗次郎が床で丸まっている写真があった。
「…たわし?」
「ハリネズミ…」
「なんだ、宗次郎っていうからてっきり彼氏さんかなにかかと…」
「かれ…し…?…わ、私は…多分一緒にいて落ち着けるような男の人は、そんないない…から…」チラッ
「あ、わかります。ちょっと緊張しますよね!」
ひふみは涼風にそう答えるとこちらに意味ありげな視線を向ける。まぁひふみはコミュ障っぽいとこあるもんなぁ、そういう意味では俺はひふみに親近感が湧いているといってもいい
「………………………」ジ-ッ
「?(な、なんだなんだ?)」
「…はぁ、ごめん…テキトーに言った…」
「ごめんなさい、私も想像でした…アハハ」
ひふみがこっちに視線を向けてきたと思ったらため息をつかれた。……解せぬ。
「他にもあるよ」シャッ
「わ、可愛い!」
「でしょ」
「ハリネズミって懐くんですか?」
「ううん、いつも巣穴に…隠れてる…。すごく…臆病…。」
「(なんかひふみ先輩ににてるな…)」
…臆病な割には俺にはすぐ懐いてくれたな。実家のかまくらもそれくらい懐いてくれればいいのに…あいつ絶対俺の事自分より格下だと思っているよ…いや案外間違ってもないのかもしれないが…。
ちなみに比企谷家のヒエラルキーは母>小町>かまくら>俺>親父、だったりする。いや、猫に負ける息子と父親って…。
「でも、素手で触れるくらいには…慣らしたよ…?」
ひふみはそう言ってスマホを操作して他の写真も涼風に見せていた。
パッ
「あ、ひふみ先輩が笑顔…」
「ん?」 「!?」
そこには宗次郎を片手に乗せ、楽しそうに笑っているひふみの写真があった。
「忘れて…」
「お金!?」
恥ずかしかったのかひふみは顔を真っ赤にして財布から英世を取り出し涼風に渡してなかったことにしようとしていた。
可愛いなぁ、なに?戸塚や小町が天使ならひふみは女神なの?天界から舞い降りた女神なの…?控えめに言ってお持ち帰りしたい。
「いや、だって…こんな顔…」
「そんな!笑顔も素敵じゃないですか…!だってすごく優しそうで、これなら話しかけやすいのに…ですよね、比企谷さん!」
「ん?お、おう…そうだな。俺もひふみは笑ってた方がいいと思う、ぞ…?」
「なんで最後が疑問形なんですか…」
「うっせ」
ひよっただなんて言えない…
「おかしく…ない…?」
「おかしいわけないだろ。ひふみはもっと感情を表に出していいと思うぞ?」
「…じゃぁ………………………」ピクッピクッ
「「………………………」」
俺らの言葉に背中を押されたのかひふみは笑顔を作る。が、その笑顔は硬く頬が引き攣っていてなんと反応したらいいかわからない表情になっていた。
「う〜〜〜〜〜〜〜!///」
「いや、出来つつありましたよ!?」
俺らの反応を見て察したのかひふみは顔を真っ赤にして手で覆ってしまった。
「…無理」
「え!?え、え〜とじゃあ!比企谷さん!お手本を見せてあげてください!」
え、なにその無茶ぶり…やだよ。今までの人生でどれだけ俺が笑ってるのキモって言われて傷ついてきたか知ってる?
まじで中学生の時に笑ってる俺の顔を見てキモ谷キモ谷言ってた田中は絶対に許さない。
「いや、やだよ…?」
「そんなこと言わずに!ひふみ先輩を助けると思って!」
「わたしも、八くんの笑顔…みたい、な…?」
……ぐっ、やめろぉ!そんな目で俺を見るなぁ!
俺は立っていてひふみは椅子に座っている状態なのでそんなひふみに見つめられると必然的に上目遣いになって大変可愛らし…ゲフンゲフン!断りづらい状況になってしまっている。仕方ない1回だけだ、覚悟を決めるか…
「……………………………フヒッ」ピクッピクッ
「「…………………………………」」
「ひ、ひふみ先輩!今度は私を見ずに宗次郎を見て練習しましょう!」
「う、うん…」
……いいよ、知ってたさこうなる事ぐらい!でも焚き付けたのは涼風なんだからフォローぐらいはしてくれない??
涼風は完全に俺を見ないようにしてひふみのスマホで宗次郎の写真を選別していた。すると…
「え………」
そこには俺が宗次郎と鼻を突合せて微笑んでいる写真があった。そ、それはあの時の…!
「忘れてくれ…」
「またお金!?しかも額が増えてる!」
俺は迅速且つ最速に財布から諭吉を取り出すと涼風に渡してなかったことにしようとする…もう何この仕打ち…八幡おうち帰るぅ…
「もう!いいですからお金はしまってください!…でもこれってどういう事ですか…?…は!まさかおふたりは実は付き」
「そ、それは…!この前の飲み会の帰りに、八くんが家まで送ってくれて…その時の写真で、別になんとも…ない」
ひふみが俺に変わって弁明してくれる。が、なんでか言葉が終わるの連れて声が小さくなっていっていた。
「そ、そうなんですか…でもこの写真の比企谷さん、笑ってますね」
「う、うん…なんか宗次郎とも私なんかよりすぐに仲良くなっちゃって、2人で遊んでる時はすごいいい笑顔だったんだぁ」
「(ひふみ先輩がすごい饒舌に喋って、しかも笑ってる…)」
うぅ…何この空気、すごい恥ずかしいんですけど…八幡虐められてるのん?実は職場いじめが始まってるのん?
「ひふみ先輩!今の笑顔ですよ!」
「え、今わたし…笑ってた…?」
「はい!それもういい笑顔でした!今のを思い出してもう1回笑ってみましょう!」
「う、うん…」
涼風にそう言われてひふみはもう一度笑顔を作ろうとする
「………………………」ピクッピクッ
「「…………………………」」
結果、変わらなかった。
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「なにやってんだ…?」
笑顔が硬いひふみに涼風が頬のマッサージをしていると八神が帰ってきていた。
「ひふみを笑顔にするトレーニング」
「なんだそれ…?青葉、昼飯は?」
「あ!そうでした。終わってなくて休憩無しなんでした」
え、そうだったの?ひふみに構ってる暇なかったんじゃん。てかそうなると涼風は昼飯抜きか…仕方ない。
「昼飯抜きかよ…じゃあおにぎり一個やる」ホイッ
「俺もサンドイッチ少しやるよ」
八神はおにぎりを、俺は昼飯のサンドイッチを少し涼風にわけてやる。まぁコンビニのだがな
「わっ、なんかすみません…ゆんさんにもスナックもらったりで…おふたりにも倍返ししますね!」
「「仇で返す気か…!」」
「え?」
涼風は意味がわかってないようだった。
「忙しい時は出社前になにか買っておくんだね。ほら八幡も戻ろうぜ?マッ缶買ってきてあるから」
「まじでか!サンキュー八神!愛してるぜ!」
「ばっ!そ、そういうこと言うな!!」
何故か怒ってる八神と自分のデスクに戻る、マッ缶マッ缶〜♪
「(ひ、ひふみ先輩の顔が凄いことになってる…!はっ、早く食べてやることやらなきゃ…!)」モクモク
「(…八くん……………………………………………、あ、青葉ちゃんご飯食べt…!!……宗次郎!の仲間!!)」
チョンチョン、ナデナデ…
「???」チラッ
「……………………」ニコニコ
「…あ!ごめん…」
「い、いえ…(ドキッとしたぁ…、でもなんか今のひふみ先輩の笑顔、どことなくさっきの写真の比企谷さんの笑顔に似てたな…)」
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「八くん、お昼…一緒しない…?」
次の日の昼、ひふみから昼飯の誘いがかかる。
「ん?あー、別に構わないが。今日は弁当なんだな?」
「うん…宗次郎と喧嘩したから…」
「喧嘩…?」
「うん、宗次郎は…私の笑顔…嫌いみたい……」
「いやどゆこと…?」