やはり俺が涼風青葉の先輩なのは間違っている。   作:ニケ

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どうも、気まぐれ執筆に定評のあるニケです。

…………………………………………………………反省はしてます。


やはり八神コウは叱れない。

チュンチュン

 

 

 

 

 

「……………………んあっ!…やべ、今何時だ?」

 

 

 

 

 

……おはよう世界。

 

 

 

 

###

 

 

 

おはようございます。昨晩小説を読みながら横になっていたら見事に寝落ちを決めて寝坊してしまった比企谷八幡です。

いやぁなんなんだろうね、あの本の魔力っていうの?キリのいいところまで、キリのいいところまでって思って読んでると止まらなくね?あの現象に名前をつけて欲しいわ…。

 

高校の頃から結構遅刻していたし、今の職場もあまり厳しくは無いので時々こうやって寝坊して遅刻してしまいそうな時がある。

が、今回はなぜか1本早い電車に乗れたので少しだけ余裕ができ駅から悠々自適に歩いている。まぁそれでも遅刻しそうなことには変わりないんだが……え?ならもっと焦って走れって?

ばか、これから仕事で疲れるのにその前から疲れてどうするんだ。

 

むしろ社会人になってそれなりに年月も経っているのにも関わらずこういうことが起きたのは、少なからず俺が日々にストレスを感じそれを発散させるために行った行為が原因であるため、そんなストレスを感じさせている社会が悪い、よって俺は悪くない。いや、まぁストレス云々がなくても本は読むしゲームもするしアニメも見るんですけどね?普通に好きだし…フヒッ

 

そんなことを考えながら歩いていたらもう少しで会社という所まで来た。ほら、ギリギリセーフだったろ?

 

 

 

「「はぁはぁ…はぁはぁ…!」」

 

 

 

「ゆんさん、はぁはぁ…ごめん…なさい…もう…走れません〜」

 

 

「私より遅いやん!」

 

 

 

会社までもう少しのところで後ろから飯島と涼風が走って来ていた。あいつらも遅刻か、ご愁傷さまだな(他人事)

 

 

「あ、八幡さん!おはようございます!」

 

 

「おは、おは…よう…ござい…ます〜」

 

 

 

「うす、お前らも遅刻か?」

 

 

「はい…。ていうか八幡さんは急がなくていいんですか!?」

 

 

「ばっかお前、走ったら疲れるだろ?ただでさえこれから仕事で疲れるのにその前から疲れるようなことしてどうすんだ。」

 

 

俺はさっきまで考えてたことを飯島に伝える。っていうか涼風大丈夫か?さっきからずっと息切れすごいけど…

 

 

 

「うわ〜、クズや……」

 

 

「…そこ、クズとか言わない」

 

 

「そうや、こんなこと言っとる場合ちゃう!青葉ちゃん!ちょっと時間食ってもうたけどまだ間に合う!頑張って最後まで一緒に走ろ!!」

 

 

「は、はい……っあ!!」

 

 

息は整ったが疲れた足が絡まったのか涼風が転びそうになる。

なので転ばないように咄嗟に涼風の腹に手を回す。

 

 

 

「っと、大丈夫か?」ギュッ

 

 

「えっあ、あぅ…ありがとうございまs」…バラバラ

 

 

俺が手を回したことで涼風は無事だったが、転びそうななったことで涼風が鞄を手放してしまい辺りに中身が散乱してしまう。

 

 

 

「あーっ!!」

 

 

飯島が叫ぶ。

これは、遅刻確定だな…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なに、してるの…?」

 

 

 

ふと、後ろからひふみの声が聞こえる。

 

 

 

「あぁ、ひふみか。おはよ「なに、してるの…?」う…」

 

 

 

珍しく俺から挨拶をしようとするとこれまた珍しくひふみが俺の言葉を遮って聞いてくる。え、こわい…なにか怒ってる?

ひふみの視線をたどると見ていたのは俺の手だった。

そういえばまだ涼風を抱えたままだった。

あぁ、そういうことか、大丈夫!せっかく仲良くなった後輩だもんな…別に取ったりなんかしないぞ!

 

 

 

「涼風が転びそうになってな、ほら、大丈夫か?手、回して悪かったな」

 

 

「い、いえ!ありがとうございます…!///」

 

 

 

「……ふーん、そう…なんだ…」

 

 

「ああ、そういえばひふみも遅刻か?珍しいな」

 

 

「う、うん…朝…ごはんが…おいしくて…時間が、かかっちゃったの…///」

 

 

 

えぇ…なにこの天使、お持ち帰りしてもいいですか??

 

 

「結婚しよう(そうなのか)」

 

「えぇ!!?」

 

 

あ、つい本音と建前が…

 

 

 

「すまん、間違えた。涼風の持ち物拾うの手伝ってもらってもいいか?」

 

 

 

「う、うん…(なにと、間違えたんだろう)」

 

 

アオバチャンダイジョウブ?

ハ、ハイ…!!

 

 

 

 

###

 

 

 

涼風の荷物を拾い終える頃にはすっかり遅刻確定の時間になっていた。

 

 

 

「うぅ…みなさんすみません。巻き込んでしまって…」

 

 

「ええってええって!あんなん仕方あらへんよ…!」

 

 

 

会社に入りブースへ向かう途中で飯島が涼風を慰める。

 

 

 

「でも、遅刻なんて…やっぱり怒られるんでしょうか…」

 

 

「うーん、そんなやと思うけどなぁ。八幡さんとかも時々するけどそんな怒られてるとこ見たことないもん。ねぇ、八幡さん」

 

 

「ま、まぁそうだな…」

 

 

やめて飯島さん!!一応俺この子の教育係みたいなもんなのに!先輩の威厳というものがなくなってしまうじゃない!

え?元々そんな無い?だまらっしゃい!そのなけなしの威厳を大事にしたいんだよ!

 

そんな会話をしているうちに俺らの仕事場に着く。

 

 

デキルヨ!シッケイナ!!

 

 

 

「「おはようございます」」

 

「…うっす」

 

 

その場にいたメンバーに飯島と涼風、俺は挨拶をする。ひふみは通常運転で黙っているが…

 

 

「おいおい、遅刻だってのに随分のんびりしてるね。自覚はあるの?」

 

 

「ご、ごめんなさい…「特に青葉!」」

 

 

「まだ入社して1ヶ月も経ってないのに学生気分じゃ困るよ!」

 

 

「は、はい…!」

 

 

 

…珍しく八神が怒ってるな。だがまぁ今回は理由もあるし、俺から伝えておくべきか…。

 

 

 

「あー、なんだ。八神「八幡は黙ってて!」…はい」

 

 

 

えー、発言すら許されないんだけど…

 

 

 

「…コウちゃ…会社の…前…までは…」

 

 

「ん?」

 

 

俺らのやり取りを見てひふみがなんとか八神に事情を伝えようとする。それに飯島も続くように弁解する。

 

 

 

「青葉ちゃんがさっき転びかけてしもて、鞄の中身が散らばってしもて拾うてたら遅くなってしもたんです…」

 

 

「…え?ちょっと、転びかけたって大丈夫なの?怪我は?」

 

 

 

「あ、それは寸前で比企谷さんが助けてくれたので大丈夫です!」

 

 

 

「そ、そうなんだ…それならそうと早く言ってよ!八幡!勘違いしちゃったじゃん!」

 

 

 

「いや、俺言おうとしましたよね…?」

 

 

なにそれ理不尽…

 

 

 

「…青葉はいつも頑張ってるし学生気分だとは思ってないよ。でも一応上司だし…とはいえ、酷いこと言って…ごめん」

 

 

「今日ところは遅刻じゃないことにしてあげるけど、4人とも遅刻届は出すように!行くよ!八幡!」

 

 

 

「へいへい」

 

 

「へいは1回!」

 

 

いや、へいなのはいいんかい…

八神と奥に行くと遠山さんは既に居て八神は自分の机に蹲る。

 

 

 

「はぁ、慣れないことしたら失敗した…」

 

 

 

「なんだ、やっぱりわざとだったのか?」

 

 

「うん…4人も同時に遅刻なんて気が緩んでるのかなって…ちょっと厳格な態度で接するべきかなって思ったんだよ…」

 

 

「まぁ何はともあれ、コウちゃんはまず先に事情を聞きなさい?」

 

 

「うん、気をつける…」

 

 

###

 

 

数分後…

 

 

 

「…で、これはなんなのかな……?」

 

 

 

「え、遅刻届ですけど…」

 

涼風がそう答えると八神は俺らの出した遅刻届をみて微妙な顔をする。

 

 

 

「そうじゃないよ!なんで遅刻理由が青葉もゆんも『寝坊』なの!?これじゃ帳消しにできないじゃん!」

 

 

「「…あ」」

 

 

 

「書き直し!」

 

 

 

「そしてひふみちゃん……これはなに…?」

 

 

八神が持つひふみの遅刻届には『朝食に時間がかかりました(;´д`A』と書いてあった。いや、3人とも正直すぎるだろ…。

 

 

「…朝…ごはんが…おいしくて…つい…///」

 

 

「んなこと聞いてないよ!まず書類に顔文字書かないでよ!!」

 

 

 

慌てるひふみ、怒る八神

 

 

 

「最後に八幡!お前は会社舐めてんのかーー!」

 

 

ピラッ

『俺は悪くない、社会が悪い。』

 

 

 

だってそう思ったんだもん

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ああもう!反省して損したーーー!!」

 

 


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