絶望に反抗した結果、生まれ変わりました。   作:ラビリンス・ペンギン

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運動会間近!?

春休みが明け、小学6年生…つまり最後の年となった。

そして、3週間後には運動会が迫っている。この小学校では桜舞散る最中に運動会をすることにしているらしい。

……前まではお花見化しないか非常に心配だったが、過半数は競技に集中してくれるので杞憂だった。

ちなみに、俺は団子より花派だ。京子ちゃんに先日、

 

 

────花ちゃんは花が好きなんだね!

 

 

 

と言われたが、あれは狙ったのか?それとも偶然?…取り敢えず気付かなかったことにして話続けたが、はっきり言おう、寒かった。前に…ほんとすごく昔にお父さんが言ってた、界王様に修行つけてもらう際にダジャレを言わなきゃいけなかったということを思い出してしまった俺は悪くないと思う。なんだっけ、布団が吹っ飛んだ…?いや、違う気がするな…猫が寝転んだ?……なんか考える度に俺の中の何かがガラガラ音をたてて崩壊してる気がするからこの話は終わりしよう。

 

 

「花ちゃん、6年生は借り物競争だって!」

 

「去年はパン食い競争で食中毒事件が起きましたし、無難なところですね。」

 

 

それは、去年のこの時期に遡る。

当時小学5年生だった俺達のチャンスレースはパン食い競争だった。の だ が、当時の先生はかなり張り切っており、張り切りすぎてパンを手作りしたのだ。…実はその先生は料理は得意な方ではなく、どちらかというと不得意な方であったために…いろいろと要らないことをやっちまったらしい。予定では袋にいれて吊るされることになっていたパンはただ吊るされ…結果、パン食い競争に出場した児童の約8割が搬送されるという前代未聞の事件が起こったんだよ。…その後、パン食い競争は市販のパン手作りのパン問わず禁止となった。

ちなみに、俺と京子ちゃんも搬送された児童だ。あんな思いはもう二度とごめんだ。

 

 

「一昨年は障害物競争でネズミ取りだらけだったよね。」

 

「…粘着タイプだらけで怪我がない分、靴がベトベトしてて保護者クレームが殺到してましたね。」

 

 

ネズミ取りだらけの障害物競争は目を瞑れば鮮明に浮かび上がってくるほど覚えている。あれはヒドカッタ…。

後に幻の障害物競争と呼ばれるようになったそれは、ある1つの事柄が引き起こした悲劇…といえるかもしれない。偶然夜に雨が降り、前日に外へと運び出していた障害物がびしょ濡れで使い物にならなくなったために急遽、並盛第2小学校へと貸し出しを頼むもそこも運動会をやっておりどうにもならず、先生がやむを得ず障害物集めに行ったのだが、何を隠そうこの先生はその翌年の運動会でパンを作った先生だ。

商店街で事情を説明し段ボールを貰ったあと、何故かネズミ取りを買い占める勢いで買ってきたのだ。結果、練習していた障害物競争とはまったく掠りもしない内容となり、困惑した自動はネズミ取りに引っ掛かりまくりになったというわけだ。

 

 

 

「今年は最後ですし、どのような惨事(こと)になるか楽しみですね。」

 

「うん!私もどんな内容(どんなこと)するのか楽しみ!」

 

 

ちなみに、その問題の先生は並盛中学校風紀委員会によって何かあったらしいとの噂が流れている。…教育委員会じゃなくて一学校の委員会が!?ということも思ったが、なんとその風紀委員会の委員長が雲雀恭弥らしい。

…そりゃあ、何かされても文句言えないね。せめてもの救いは、先生が行事でしかこんな事件(?)を起こしてないことだな。普段は普通なんだ。それが、突然行事で空まわる“だけ”という先生…ん?“だけ”でいいのか?まぁいいか。だからこそ、現役で教員できてるのかもしれない。

今年の運動会でチャンスレースの計画を練るのはまたしてもその先生らしい。

 

………無事に終わるといいな。


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