絶望に反抗した結果、生まれ変わりました。 作:ラビリンス・ペンギン
京子ちゃんとの遊びは楽しかった。
子供らしさなんて捨ててる俺だが、精神は肉体に引っ張られるらしく、少し前までなら抵抗感のあった女らしい服を違和感感じることなく着ることが出来るようになっていた。
あの和服姿撮影という突然の出来事は記憶に新しいが、
ちなみに、義父さんの仕事は
今さらだが、俺は施設にいたころ義母さんから手編みのマフラーを貰ったが、あれは材質から何まで義母さんが指示したものを義父さんが買いに行き、それで作ったものだったらしい…。義母さんが義父さんを尻に敷くタイプには思えなかったので正直意外だ。
「夏休みになったら何処か行きたいところある?」
「……いえ、ありません。」
「そっか…あ!せっかくだから京子ちゃんとプールなんてどう?」
「あ、うん。」
ちなみにこの会話、午後11時にやっております。…俺、眠いんだけど?え、今する会話ですか?
あ、いや、話し掛けてくれるのはありがたいけど…俺、もう寝たい……。そこ、花ちゃん素っ気ないとか言って不満げな顔しない!俺だって不満げな顔にしたいからね?
そもそも、寝てるところいきなり揺すって起こしたの義父さん!!
俺の不満が…いや、機嫌が悪いことが伝わったのか部屋から出ていった義父さんだが、プール…京子ちゃんをあとで誘ってみるか。
正直、最初は京子ちゃんといるとき犯罪者の気分だった。そこに恋愛感情がなくとも、成人過ぎた男(元)が女子小学生と…なんて、恐ろしい!精神が肉体に引き摺られ。良かったと思う。引き摺られてなかったら、今頃俺の常備薬は胃薬になっていただろう。
きっと、遊びたい気持ちと犯罪者になりたくないという気持ちとの板挟みになってただろうからな。
「え?プール?」
「お父さんが、夏休み行ってきたらどうだって言ってくれて…。」
終業式の日俺は京子ちゃんをプールに誘ったが、正直これで海の方が良いなどと言われたらどうしようか…。この辺りは海に近い訳じゃないから電車にかなり揺られるだろう。…人も多いだろうから迷子になったらお互いを探すだけで一苦労だ。
そう考えて一人、面相していたが、その思考は杞憂に終わった。
「うん!行こっ!」
「本当に?ありがとう!」
早速明日行こうと言われたが、夏休み初日は残念ながら予報では雨だ。結局、登校しながらした話では天気予報を見てから決めるということで話はまとまった。