絶望に反抗した結果、生まれ変わりました。 作:ラビリンス・ペンギン
最近…今回も短いです。
よろしくお願いします。
今さらだが、俺は保険委員長をやっている。
別に、将来の夢が医者だからなんだとか全く関係なしに偶然が偶然を呼んで気がつけばこうなっていたのだが…
「花さん!富○製糸場を…!」
「日光東○宮をお願い!」
「富○急!!」
どうしてこうなった!?
遡ること10分前!…修学旅行でまわる場所が保護者と教師と児童とで食い違い、このままでは修学旅行に行けないということで、何故か指名された俺がダーツをすることになってしまった。
ちなみに、声をかけてきた上から教師・保護者・児童だ。
教師は学べるところを希望。保護者は歴史的な日本を希望。児童は遊べる場所を希望。
それを、担任の先生…あの運動会で危険視されてる、【あの】とつけるだけで伝わる先生がペタペタと板に3ヶ所名の書かれた紙を張り付けたところで渡されたおもちゃの矢。
今思えば、断ればよかったが、今さら断るわけにもいかない。鍛えた動体視力によって動くルーレットもいけるが、今回は動いていない、ただ3ヶ所のうちどれかに当てればいいだけなのだが…
俺は普段からコントロール類は意識をしている。そのため、狙い通りに当てることが可能だ。しかし、その分どこに当てるか、という問題がある。
運任せならまだしも、狙い通りできるということは…
「……。」
「……。」
「……。」
嫌なプレッシャーと、終わったあとの罪悪感がひしひしするよなぁ…。
なんで本当こんなことになってんだろ…。
無言で見つめるのやめろ。というか、そんなに言うなら交代してくださいよ!!無言で児童から目を反らしていると、不意に足元に違和感が走った。
誰かがはいているズボンの裾を引っ張ったような、そんな感じが。何事かと思い視線を向けると、そこにはいつもの通りにこやかに笑った京子ちゃんがそこにいた。
「京子ちゃんは3つのうちどれがいいですか?」
「私は最後のやつかな…。」
「なら、それを狙ってみるね。」
俺一人で決めたような感じになるより、意見を聞いてみた方が良いと感じ聞いてみると、やはり児童は遊べる施設が良いらしい。
「あ、でも…花ちゃんの好きなところに当てていいからね?」
「ええ、それでは3つ目に当てますね。」
スッと不自然にならないよう気を付けてダーツを行ったところ、見事3つ目を選ぶことができた!
児童たちの完成が響くなかで、京子ちゃんが喜びながら俺に抱きついてきた。
そもそも俺が選ばれたのは、偶然が重なったと言ったが、廊下から引っ張って連れてこられただけだったためだ?。
まぁ、終わったからいいが…これで班違ったら辛いなぁ…。
次回投稿は8/24(木)となります。