絶望に反抗した結果、生まれ変わりました。   作:ラビリンス・ペンギン

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初めて書きます。
よろしくお願い致します。


はじまり
絶望へ反抗した結果、脱落しました。


昔から、俺たちの生活は波瀾万丈(はらんばんじょう)で───

 

いや、まだ小さな…本当に小さな子供だった頃は平和だった。お父さんが笑って、お母さんが笑って、双子の兄が笑って…それだけで幸せだった。たまに来てくれるお祖父ちゃんに遊んでもらって、綺麗な蝶を追い掛けたり、恐竜と戯れたり…

 

 

 

 

 

平和だった。

 

 

 

 

 

それが、今ではとても懐かしい────

 

 

 

 

 

 

始まりは何だったかな…そうだ、亀仙人っていうお爺さんのところで、俺と兄さんみたいに尻尾のあるおじさんがお父さんを殺したんだ。

そして、戦力になるからって俺と兄さんは別々の場所に連れていかれて死ぬんじゃないかっていう経験を何度もした。

それでも、死ぬわけにはいかなくて…なんとか生き延びたと思ったらピッコロさんに修行つけられて、気が付いたらお父さんを殺したやつよりもっと強いやつが現れる日が目前にまでになっていて、ナッパって人と戦わされて…お父さんはドラゴンボールで生き返ったけど、いろんな人が死んじゃって…ピッコロさんは兄さんを庇って殺されて、ピッコロさんと神様がリンクしてるとかで神様まで死んじゃったから、神様とリンクしてるドラゴンボールがなくなっちゃって、不甲斐ない俺達のせいで皆が生き返れなくなっちゃったからって宇宙船で神様と同じナメック星人のいるナメック星にドラゴンボール探しに行ったら宇宙の帝王だったかな…よく覚えてないけどそんな感じの肩書きを持ってるフリーザって奴やその部下と対立することになって────

 

 

 

 

 

アハハ…もう、何言ってるかわかんないや。

 

でも、1つだけ言えることがある。

 

 

それは

 

 

 

 

 

 

 

いつだってお父さんが助けてくれたってこと

 

 

 

 

 

 

 

お父さんがいれば何とかしてくれる。

いつだって、いつだってお父さんが助けてくれた。

 

どんなにピンチでも、どんなに辛くても、最後にはやっぱりお父さんがどうにかしてくれた。

 

 

 

 

 

 

お父さん、俺は貴方の所へ向かいます。

家族を残していくこと、人造人間を倒せなかったこと…後悔は数えきれないほどあります。

 

でも、どうか、俺のことを怒らないでください。頑張ったなって…よくやったなって、言ってください。

 

 

「何で俺を庇ったんだ!!」

 

 

兄さんが、珍しいくらいに声を荒げる。

当たり前だよな、勝手に終わろうとしてんだから…逃げようとしてんだから。でも…

 

 

「…俺、よりも…兄さん、の方が、トランクスを…」

 

「これ以上喋るな!」

 

 

兄さんは、先日の戦いで片腕をなくした。…でも、両腕ある俺より兄さんの方がセンスがある。双子でも全然違って、リーダー性がある。…トランクスのためにも、兄さんがいるべき、なんだ…。

 

 

 

「俺…の、思い…お前たちに託した、ぞ。」

 

「何言って…。」

 

「わか、てんだ、ろ?…俺、の思、い。」

 

 

俺と兄さんは、2人で1つと言っても過言ではないくらいだった。お互いの思考はリンクすることが当たり前で、戦いでの連係は自他ともに認めるほどレベルが上がった。途中からトランクスも交えた修行が始まったが、3人になっても俺達の連係プレーは変わりなかった。

 

俺だって、戦いたい。…生きたいんだ。

でも…、仙豆は一粒も残ってない、病院なんて今から行っても間に合わない。例え間に合ったとしても、俺よりも重症な奴なんて山ほどいる。いくら急患だろうとダメだ。急患が多すぎるだろう。

 

 

 

ぼく、おおきくなったらおいしゃさんになるんだ!

そして、みんなのことをたすけてあげるんだ!

 

 

小さな頃はその夢が叶わないなんて夢にも思ってなくて…、パオズ山で幸せに暮らせるものだと思っていた…でも、俺は信じてる。きっと、兄さんとトランクスならこの世界の未来を変えてくれる。志半ばで辞めるのは俺らしくないけど、俺は辞めるんじゃなくて託す。…俺の意思は、必ず2人が継いでくれると信じてるから…。

 

昔は、双子なのに悟飯を兄さんって呼ばなきゃいけないことに反抗してたけど、今じゃ俺に兄は務まらないし悟飯が兄だから何とかなった場面もあった。…反発をやめたときは、こういうのがカリスマ性っていうんだなって思ったんだったな。

 

こんな、最期の最後で笑いたいのに…浮かんでくるのは、悟飯と一緒に家を飛び出したときのお母さん達の顔、抱き締めてくれた腕、お父さんが撫でてくれた手の温もり…ハイヤードラゴンに舐められた時の人とは違う感覚…どれも幸せな頃で、苦しくても皆がいた。

 

 

 

 

「な、悟飯…。」

 

「!?」

 

「背負わせ…て、わる…い。」

 

 

 

 

何言ってるんだ!すべてが終わったら母さんたちのところに行くんだろ!?

 

 

 

その言葉に何も言えず、俺の視界は黒に染まった。

 

 

 




 補足

未来の悟空が心臓病で亡くなった世界で、主人公は孫悟飯の双子の弟です。
時間軸的には、悟飯が片腕をなくしてすぐのところです。
作者はZは見ておりましたが、改や超は申しわけございませんが見ておりません。ですので、改以降は不明です。



主人公設定


悟鈴(ごれい) 享年22
 ・孫悟飯と一卵性双生児の弟
 ・戦いは嫌いで、将来の夢はお医者さん
 ・幼い頃は五星球(ウーシンチュウ)のついた帽子を被っていた
 ・スーパーサイヤ人に目覚めたのはヤジロベーが殺されたときだった
 ・得意技は魔双切


魔双切とは
 ピッコロさんとの修行で身に付けた最初の技
 両手に気を細長く放出し続け、それを敵にぶつけたりレーザー状に射出する他に、防御にも使える




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