異世界に転生…性別も変わりました。   作:磯山ゲル

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遅くなりました。
また、文字数が少ないですがご了承下さい。

最近なろうの「ありふれた職業で…」にはまりました。
すごく面白いですし、ヒロインたちも可愛いで滅茶苦茶好きな作品になりました。
投稿遅れて文字数少ない原因だが後悔も反省もしていない。

UAがいつの間にか600超えていました。
読んでくださっている方々、いつもありがとうございます。

まあとりあえずどうぞ。


魔術

「まずは、簡単な魔術を見せようか。——集い集いて、流れと変われ、『ウォーターボール』。」

 

シャリアが一つの木に向かって呪文を唱えると、木に向けた手のひらから30センチほど離れた空中に直径10センチくらいの水の塊が出現して木へと向かって勢いよく飛ぶ。

『ウォーターボール』が当たった木は中腹らへんに丸いへこみができた。大の大人が本気で数十回殴らないとここまではへこませられなそうだ。

 

「すごいね!こんなに威力があるんだ。」

 

「まぁ、さすがに折るわけにもいかないから威力は抑えたけどね。魔術は基本呪文を唱えて発動するものなの、才能のある人とかは呪文を省略したり無しで発動できたりするけどね。それに今の『ウォーターボール』は水系の魔術の基礎の術だけど、それでも人を傷つけることが簡単にできちゃうの。だから、これから教えるけど絶対に悪いことに使わないって約束して?」

 

「うん、わかった。絶対に悪いことに使ったりしないよ。」

「本当に?」

「本当に。」

 

…数秒間沈黙が流れた。

 

「うーん、まぁいっか私の娘だし。じゃあ、ティナに魔術を教えます!」

 

(そんなに軽くていいんだ。まぁダメって言われても独学で勉強するつもりだったけど。)

 

「教えるって言ったけど、そんなに教えることがないんだよね。魔力の込め方とか、無詠唱でするコツとか?」

「お母さんに教えてほしい。戦い方とかも…ダメかな?」

 

 

後々気付いたが、この時の私は上目遣いでお願いしていたとのことだ。

シャリアがクラッとよろめく。

 

「!?大丈夫お母さん?」

 

私はよろめいたシャリアに近づく、

 

「え、ええ大丈夫よ。…こんなお願いの仕方されたらなんでもしちゃいそうね…。」

 

最後の方は聞き取れなかったが、貧血とかではないらしいので安心した。

 

「じゃあ、とりあえず魔術を撃ってみましょうか。とりあえずはさっきのウォーターボールでいいでしょうね。同じように詠唱してみて。掌で空気中の水を吸うようなイメージを持つといいわよ。」

 

「わかった。やってみるね。」

 

すぅっと深呼吸をし掌を一本の木へとむける。

 

「集い集いて、流れと変われ。『ウォーターボール』。」

 

そう私が唱え意識を集中すると体から少し力が抜けるのが分かった。そして、先程シャリアが撃ったウォーターボールよりも少し大きめの、人の頭ぐらいの大きさの水球が出来上がり勢いよく飛んでいって、————木に穴が開いた。

 

「…わお。」

 

つい声が漏れる。意識したのは先程のシャリアが作ったぐらいの大きさだったはずなのだが。こんなに威力があるとシャリアがなんていうかと思いそろ~っと振り向く。

 

「いやあ、初めてでこの威力はすごいねぇ!これなら成長すれば一流の魔術使いになれるわよ。」

 

シャリアは両手を組み、うんうんと頷いていた。

彼女の反応からして、この世界では5歳でこのぐらいのは多少すごいのレベルで収まるのかもしれないと思い、これから頑張らないといけないなと気を引き締めることにした。

 

ティエナがそんなことを考えているときシャリアはというと、

 

(この歳でこの威力って…、今でも使う魔術数が多ければ上位ランクの冒険者パーティーに入っても引けはとらないんじゃないかしら?ティエナがこっちを向くときすごく怯えていたように見えたから平然と返したけど、これは基礎からしっかり教えてちゃんと全部コントロールできるようにしなくちゃ危ないかも…。)

 

なんてことを考えていた。

 

「撃った感じはどうだった?疲労感とかあるかな?」

 

ティエナに歩み寄りながら彼女は聞いた。普通であれば巨大な魔術を使った後は疲労するものだが、ティエナは魔術を撃つ前と変わった様子はない。

 

「大丈夫。撃つときに魔力が減ったっていう感覚はわかったけどごく少量だったみたいだし、疲労感もないよ。」

 

「そっか、じゃあティエナは保有してる魔力がかなり多いことになるね。それに墓の魔術も試してみないとわからないけど、多分水系の術と相性がいいと思うわ。普通の魔術師だったら同じ大きさの水球でも穴をあけるに至らないからね。」

 

そう言って、腰に手を当ててニカッっと笑う。

 

「それじゃあ、今日はティエナが魔術師として優秀だってわかったから他の系統を試すのはまた今度にして帰ろうか。私おなか減っちゃったから、ティエナは?」

 

「もうぺこぺこだよ。」

 

そう言い微笑む。シャリアが手を差し出し、私がそれをつかんで手を繋ぐ。

まだ、この世界に来てから二日しかたっていないが、家族の暖かさを懐かしみながら私とシャリは帰路に着くのだった。

 




いかがでしょうか?
感想や評価お待ちしております。

あと、もしかしたら途中でタイトルを変えるかもしれないです。

それではまた次話で会いましょう。

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