異世界に転生…性別も変わりました。   作:磯山ゲル

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2話続けて文字数少なめですが…

1話のトリバサミを短剣に変えました。

どうぞ


これから

少し落ち着いた真也は考えていた。

 

(スカート履いてるって女装趣味はなかったつもりなんだが…、いやもしかしたらワンチャン布をかぶっていただけかもしれないしな。…よおし。)

 

ちらりと、先程狼から抜いた短剣に目を向ける。

 

「あれを見ればわかるよな。」

 

短剣へと手を伸ばす。

そして、刃を横にし、鏡代わりにして自分の姿を映す。

 

 

「…ああ、そうゆうことね。」

自分の姿を見た瞬間、

 

(ああ、こういう展開もあったなぁ。)

 

と納得してしまったのだ。

何がって?

俺が幼女の姿をしていたことに対してだよ。

 

顔は可愛い、髪の色は青に近い水色で長さは肩に少しかかるぐらい。たぶんだが5・6歳ぐらいだろう。

そんな自分の姿を見ながら

 

(TS転生か~、一人称私のほうがいいかな?でも俺っ娘の作品もあるしなぁ…むむむどうしよう?

いや、ここは私で行こう!そうしよう!)

 

「んひゃあ!」

 

そんなことを考えていたら先程の狼が頬を舐めてきた。

 

「おまっ!変な声出ちゃったじゃん!」

 

そう言い狼の方を向く、そういえばあんまりよく見てなかったけど、この狼ゴールデンレトリバーの大人ぐらいの大きさで毛の色が真っ白だった。

狼はこちらに「わふっ」と何か言うとその場にお座りの姿勢で尻尾を振っていた。

 

「お礼のつもりか?なんか仕草が狼っていうよりかは犬っぽいよな~。おっ!思っていたよりも毛が柔らかいなお前。」

 

頭を撫でてやると尻尾をはち切れんばかりに振った。…周りの草が滅茶苦茶揺れて今にも根っこから抜けそうなほどの威力はあった。

そうしてしばらく狼のことを撫でていると後ろで「がさっ」と音がした。

 

音がしたほうを向くと茶色い髪を腰まで伸ばした成人ぐらいの美しい女性が立っていた。恰好はローブでいかにも魔法使いっていう感じがした。

 

(おお!この世界に魔法がある可能性が高くなったぞ。)

 

そして、今まで尻尾を振って撫でられていた狼が私と彼女の前に立ち、低い唸り声をあげて彼女を威嚇する。

 

「何もしないから大丈夫よ。こんにちは可愛い妖精さん。あなたはここに住んでいるの?」

 

彼女は私に向ってそう尋ねてくる。

(妖精?何を勘違いしているのだろうか?)

 

「私は人間ですよ、お姉さん。それとここには住んでなくて迷い込んでしまったみたいなんです。」

 

狼を撫でて、落ち着かせながらそう答える。

 

「あら、そうだったのね。白狼と仲良くしてたからてっきり森の妖精かと思っちゃったわ。…ねえあなた、もしも身内の人とかいないのだったら私のところに娘として来ない?」

 

(おおう、なんだこの人。いきなり怪しすぎるだろう。)

 

「どうして私を娘に?それになんで身寄りがないって思ったんですか?」

 

「そうねえ、あなた知らなそうだから教えるけど、このカルサスの森は人は住んでいないし、魔物は強力なのばかりいるのよ。それに私は大きな魔力を感じてこの場所に来たの。そこにあなたが居た。見たところ戦闘の跡なんてどこにもないから。伝説級の魔法である転移の暴走とかで遠くから来ちゃったんじゃないかなぁと思っただけよ。あと、私も子供ほしいなぁって。」

 

(この人の言ってる事まぁ間違いではないだろうし、てか多分最後のが本音だなこりゃ。)

 

「わかりました。じゃあ、あなたの娘になることにします。後、私記憶がないので名前を考えてもらえると嬉しいんですが…。」

 

「え!いいの!うーん…、家に着くまで考えてもいい?因みに私の名前はシャリア・リーグレットよ。ママでもお母さんでもいいわよ!よろしくね。」

 

そう言ってシャリアは私に手を伸ばしてくる。

 

「これからよろしくお願いします。シャリアお母さん。」

 

そう言って私は彼女の手を取った。

 

「それじゃあ、うちまで行きましょうか。」

 

「はい、あっ!ちょっと待ってください。」

 

私は数歩歩いてから、振り返り白狼に向き直り。

 

「お前はどうする?一緒に来る?」

 

そう尋ねたら「わふ」と元気のいい声で鳴いてからヒョコヒョコと私の隣に来た。

 

「あなた、怪我をしてたのね。見せてみなさい。」

 

シャリアが白狼に近づくと、低く唸り声をあげて警戒の姿勢をとる。「コラ!」と私が怒ると尻尾を下げてしまい渋々彼女に足を見せる。

 

「これぐらいなら治せそうね。『彼の者に癒しの力を、ヒール』」

 

シャリアが白狼の足の布をとってから手をかざし、そう唱えると傷の部分が光ったかと思うと、みるみるとうちに傷が治っていって完全に傷がなくなってしまっていた。

 

(やっぱりこの世界には魔法があるんだ!)

 

内心真也はものすごく興奮していた。それもそのはず、彼女は魔法が使える+自分はその人の娘になる=魔法を教えてもらえる!という計算式が頭の中でできたのだから。

そして、怪我を直してもらった白狼に近づき、

 

「お前も一緒に来るか?」

 

「オン!」

 

「そうか!じゃあ、お前の名前は『テト』だ。」

 

そう名前を付けてあげるとまたも尻尾をぶんぶん振る。

 

「じゃあ、二人とも私の家に帰ろうか!。」

 

彼女と手を繋ぎ、隣にテトを並ばせて、私の異世界生活が始まろうとしていた。

 




どうでしたでしょうか?

これからなんです、これから頑張ります。



一応一週間に1話投稿できるペースで頑張っていきたいと思います。


では、さらば

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