文字数少なくてもそこは我慢。
ではどうぞ。
(少しばかり内容が)変わりました。2017/8/6 00:30)
「だからさぁ…、転生って最高だと思うのよ俺は!異世界でハーレム作って毎日良い思いしたいわ~。」
隣の机でキーボードに指を走らせながら転生の良さを1時間ほど話しているのは友人の山崎優斗だ。
ちなみに俺は如月真也だ。オタクであり優斗とともに毎日忙しく過ごしているごくごく普通のサラリーマンである。
「まあ、異世界転生いいよな。俺は魔法とか使ってみたいわ。」
…訂正しよう。毎日だらだら仕事をしているごくごく普通のサラリーマンだった。当然この後上司にこっぴどく叱られましたハイ。
「今日も疲れたなー、帰りにどっかよってくか?」
「いや、今日はまっすぐ帰りたいわ。腰痛いし。」
ええー。と優斗は文句を言いつつも一緒に帰路についてくれる。
しばらく歩いてあと少しで住んでいるアパートに着くといったところだっただろうか。
塾帰りの小学生が交差点を渡っている。
そこへトラックが猛スピードで迫っていた。俺は迷わず駆け出していた。小学生もトラックに気付いたが腰が抜けてしまったのかその場に座り込んでしまった。
「真也あああ。」
俺は小学生を持ち上げ優斗に向って小学生を投げた。
当然反動で俺はその場で尻もちをついてしまうわけで…、
トラックがもう目と鼻の先にあった。
こう死ぬ間際の瞬間って時間が止まったように感じるとかアニメとかでやってたけど、まさにその通りで最後に俺はいつも一緒に居た親友の顔を見ることができた。
そして、最後の言葉を口にする。
————「頼んだぜ、親ゆ———。」
そして俺の人生は終わった。
(う…ん…)
(あれ…、俺は生きているのか?)
周りの状況を確かめようとするが体のどこも動かない。目も開かないし、声も出ない、耳も聞こえなくなっている。
(ああ…、死後の世界ってこんな風になってたんだな、意識だけあって他には何もないとか地獄すぎるだろ…。)
そんなことを考えていると、サァと柔らかい風が頬を撫でるのが分かった。
(あれ?なんだか体の感覚が戻ってきたぞ?)
次に嗅覚、つんと鼻の奥をさすような鉄の匂いはきっと俺自身の血の匂いだろう。
そして聴覚、なんだか鉄がはじかれるような音と獣の低い唸り声が聞こえる。
(…唸り声?)
最後に視覚、
(たぶん、目を開けたら知らない天井だろうな、きっとそうだろうな…。)
仰向けになっていた状態からわざわざ上半身だけ起こして、自分はベットの上で寝ていただけだと信じて、そっと目を開ける…。
だが、
そもそも彼が事故にあった場所にはビルしかなく、頬を撫でるような優しい風など存在するはずもない。
血の匂いはするだろうが、嗅覚の前に味覚は戻っており、鉄の味はしていない。そして、もし大けがで病院に運ばれていたとしても獣の唸り声など聞こえるわけがないわけであって…。
目の前には狼がいたそうな。
「ぎゃあああああああ!!!」
びっくりした俺は後ずさりするが木に逃げ道を阻まれてしまう。
(木…?)
木にぶつかり、少し視野が広くなる。
眼前に狼はいるが動く気配はなく俺のことをじっと見ている。
その後ろには森が広がっている、木の密度が濃いのか、まるで夜のように暗いが…。その森の手前、俺がいる場所は森の中の一部のひらけている場所で太陽の光が当たって暖かい。
…さて、周りの様子を見るのもいいがこの目の前の狼はなぜ動かないのだろう。
(俺が動くのを待ってる? …でもなんか襲われないような気がするんだよなあ)
そう思いつつ、狼をじっくりと観察する。
「あ…。」
狼の後ろ足に短剣が刺さっていた。。
「お前怪我してたんだな…。」
なんだか、怖いという気持ちがどこかへ行ってしまった。
(ん?俺は最初から怖いなんて思ってたっけ?)
まあいいや、とその考えをやめ後ろの木を杖代わりにそな場に立つ。
そして、狼に歩み寄り。
「ちょっと、その足の短剣抜いてやるからおとなしくしてろよ~。」
後ろ足に刺さっている短剣を慎重に外した。その時も狼は動かず、只々真也の動きを見ていた。
「よし、抜けた!うおっ、血が!どうしたもんか…そだ!。」
そう言い真也は自分の服…スカートをちぎり足に傷のある所に巻き付けてあげた。
(…ン?
スカート?このひらひらってスカートだよな…)
「アイエエエ!スカート!?スカートナンデエエエエ!?」
その日一番の絶叫とともに真也は心の中で「女装の称号を手に入れた!テッテテ~」となんだかわからないことを言っていた。
最後まで読んでくれてありがとうございます磯山ゲルです。
色々設定考えたり、主人公のイラストを描くとかで投稿速度落ちてしまったらごめんなさい。
感想とかもらえるとちょっと投稿速度が上がるかも(/ω・\)チラッ
まあ、今後とも本作品をよろしくお願いします。
ではさらば。