Harry Potter Ultimatemode 救済と復活の章   作:純白の翼

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オリジナルエピソードです。


第10話 適性試験

 土曜日になった。休日だ。今日は、早めに朝食を済ませる。必要の部屋で、料理をする。弁当を作る為に。材料は、ホッグズ・ヘッドとリンクして、そこのバーデンからいただいた。バーデンと少し会話もした。あの人、ジジイに似ているけど、誰なんだろうか?ホグズミード村へ行ったときに聞いてみよう。

 

 集合は正午。去年度の最後に、コリンとエックスから頼まれた俺を先生にした修行。今日は、それの適性試験を行う。あの2人、進級も出来てたし、実力は申し分ないだろう。そう、実力だけなら。

 

 料理の内容は、ウインナー、卵焼き、枝豆、プチトマト、キャンディチーズ、サンドイッチ、リンゴだ。それを重箱の中に詰める。デザート用に1段、サンドイッチ用に1段、おかず用に1段、合計3段作った。この重箱を縮小呪文で小さくして持ち運べるようにした。

 

 片付けをして、必要の部屋を出て行く。玄関の手前まで来た。そこで、イドゥンと遭遇した。ルインとグラスもいたのだ。

 

「おはようございます、ハリー。」

 

「3人共、お早う。」

 

「あれ、ロンとハーマイオニーは一緒じゃないの?」

 

「ルイン。今日は、ある人と約束をしてるから外に向かうんだよ。だから俺1人だけなんだ。時間押してるから、俺はもう行くわ。じゃあね。」

 

 外に出た。集合場所へは、ニンバス2000で向かった。まずは、ハグリッドの小屋へ。ノックして、ハグリッドを呼んだ。

 

「じゃあ、前に言ったように放牧場周辺は今日貸し切りで良いんだね?」

 

「おう。使ってくれや。」

 

「ありがとう。後、もし俺に出来る事があるなら、言ってくれよ。1人で抱え込まないようにな。」

 

「おお、スマンな。だが、もうでぇじょうぶだ。心配すんな。」

 

 魔法生物飼育学で使った放牧場が集合場所だ。簡易式の地図は、もう渡してある。あれ、ナビゲートも出来るんだ。

 

 到着したのは、10時30分。誰も来てない。当たり前か。まだ90分はあるしね。試験の舞台の下見をしておこう。そして、ここ(放牧場)を荒らさない程度のトラップでも色々張っておくか。

 

 準備を10分掛けて行った。後は、密かに持ち込んだジョジョの漫画を読んで暇つぶしをした。今、戦闘潮流を読んでる。

 

 コリンとエックスは、ようやく到着した。11時半に。しかし、予想外な人物もいた。なんと、ジニーもいたのだ。あの2人が誘ったのだろうか?まあ3人なら大丈夫かな。拡大呪文で、重箱を元の大きさに戻した。ニンバス2000も、邪魔にならない所に置いといた。

 

「来たか。これから早速、適性試験をやるよ。」

 

「先輩。宜しくお願いします。」

 

「ハリー。何をやればいいんですか?」

 

「コリン。良い質問だな。今回は試験って言ったけど、そこまで身構えなくて良いレベルさ。ハッキリ言っちゃうと、オリエンテーリングやって貰うから。」

 

「「「オリエンテーリング?」」」3人が同時に発言した。

 

「それって何なの?」ジニーが口を開いた。

 

「指定された幾つかのポイントをぐるっと回ってゴールを目指すものです。」

 

 コリンが答えた。

 

「ああ。その認識で正解だ。だが今回は、ポイントは指定しない。この場所の何処かに鈴を幾つか設置した。それを3人で持ってきて。そうすれば合格だ。」

 

 赤い紐で通してある銀色の鈴を見せた。鈴は、チリンチリンとこちらの心に安らぎを与える様な美しい音を出している。

 

「一見簡単そうに見えるけど、逆に不安になって来たわ。」

 

 ジニーは、自分を含めた3人の心の内を代弁した。

 

「制限時間は5時まで。何でも持ち込みはオーケーだし、知っている呪文は使って良し。飯持って来てない人は、ここに用意してるから持っていって。ただ、鈴だけど呼び寄せは出来ない様になってるから、そこは気を付けて。それじゃ、始めてみよう。」

 

 3人は一斉に駆け出した。俺の用意した重箱を持たせて。俺専用の弁当箱は用意してある。

 

「さあてと。ゆっくり食べる、と言いたい所だけど、俺を付け回すなんて良い度胸をしているじゃないですか。出て来て下さいよ。」

 

 俺の感知範囲は最大5000km。更に一度感知した者ならば、その動きや考えはより正確に分かるのだ。

 

 出て来たのは、マクゴナガル先生だった。

 

「良くお気づきになられましたね、ポッター。」

 

「感知能力だけには無駄に自信がありましてね。それと言っておきますが、開心術なんて使っていませんよ。所属する寮の寮監でもあり、副校長でもある先生にそんな無礼を働くつもりは一切ありませんので。」

 

 これは本当だ。ダンブルドアのジジイよりは、マクゴナガル先生の方が信用出来るからね。

 

「そうですか。ブラックとクリービー、ウィーズリーに何をさせているのですか?」

 

「一言で言えば、利害の枠を超えてチームワークを発揮出来るかを見ているのです。」

 

「一見魔法の修行には見えませんが?」

 

「端から見ればそうでしょうし、これが正解かどうかも分かりませんよ。正直言って。でも私は、2人以上が何かをする時はチームワークこそが最大の力を発揮するって思っております。」

 

「そうですか。そこにあるランチを一口いただいて宜しいですか?」

 

「どうぞ。」弁当箱を差し出した。そのうちのサンドイッチを口に入れた。

 

「これは……ホグワーツの厨房に勝るとも劣らない味です。ポッター。自分で作ったのですか?」

 

「はい。あの3人には、重箱に入ったランチを持たせました。というか、ホグワーツの厨房に勝るとも劣らない味というのは、誇張し過ぎではないでしょうか?そもそも、趣味で料理をやる様になりましたし、私の腕前は私自身、そう高いとは言えないと思っております。」

 

「そんな事はありません。ちゃんと訓練さえ積めば、自分でお店を出せますよ。あなたはいつもそうです。自らを過小評価しています。もう少し自分に、自信をお持ちなさい。」

 

「分かりました。」

 

「さて、この試験のキーワードは分かりましたが、何故チームワークなのか教えていただけませんか?」

 

「……確かに、魔法使いの力において卓越した力は、もちろん必要になってきます。あの3人。実力だけなら申し分はありません。しかし、せっかくチームを組んだのにその実力におぼれて、協調性の欠片も無い個人プレーに走ったらどうなると思いますか?」

 

 俺は、マクゴナガル先生にそう聞いてみた。

 

「仲間を危機に陥れ、死に追いやってしまう。ポッター。あなたはそう言いたいのですね?」

 

「はい。特に、ワンランクもツーランクも上の敵が現れたら、バラバラになって戦うのとチーム一丸で戦うのとではどちらの方が生前率は高くなりますか?」

 

「明らかに、後者の方ですね。」

 

「ええ。そして絶対に、ヴォルデモートはまた動き出しますよ。俺、ガリオン金貨を賭けたっていいです。その為に準備を出来るだけしておくのです。前回と違って、今回は闇の陣営よりも厄介な連中も相手にしなければいけないのですから。」

 

「あなたなりにお考えのようで何よりです。来年の闇の魔術に対する防衛術を担当してみますか?」

 

「ご冗談を。こちらの身が持ちません。それに、名声や名誉の類に興味はありませんからね。欲しい人にあげます、そんなものは。」

 

「あなたらしいですね。やはり、ゲブラーと名乗る者に惨敗してからそれが強くなったのですか?」

 

「はい。だから、あの3人には合格して貰って、彼らと共にチームワークを更に磨いて、俺自身の力も更に上げないと…………」

 

 そうだ。今のままじゃ勝てない。俺は、あまりに弱すぎるんだ。ゲブラーにも、あの虹の瞳の男にも……それに闇の陣営にも。

 

「ならば、彼らが成功する事を祈りましょう。」

 

 今は、彼らに懸けるんだ。必ず成功してくれよ、3人共。

 

エックス視点

 僕は、今日コリンと、前日に誘ったジニーと一緒にハリー先輩の出した試験をこなす事にした。

 

「エックス。見つかったのは、1個だけだよね。」

 

 ジニーが僕に囁く様に言った。

 

「あと2人分見つけようよ。」僕は、2人を励ます様に言った。

 

「そうです。まだ4時間半はありますからね。それにしてもハリーって料理が上手だったんですね。僕の両親にも見習って欲しいくらいです。」

 

 コリンは、ハリー先輩の作った料理に感激していた。元々、先輩を英雄視しているけど、今年はそれがさらに進化した感じだからなあ。

 

「お昼食べ終わったら、また探すわよ。コリン、エックス。」

 

 美味い昼食を食べ終えて、また鈴探しを始める。でも、罠って言うのはこちらの気が緩んでいる時に引っ掛かりやすいものなのだ。先に歩いていたコリンが、落とし穴に落ちてしまった。

 

「落とし穴にハマっちゃったー!」

 

「ジニー。僕達2人で浮遊呪文を使おう。そしたら、コリンを引き上げられる筈だからね。」

 

「分かったわ。やりましょう。」

 

「「浮遊せよ(ウィンガーディアム・レヴィオーサ)。」」

 

 何とかコリンを引き上げた。ありがとうと言ってたけど、一緒に合格するからお礼は言わなくて良いよと返した。

 

「手が込んでるわね……ねえ。線が光ってるわ。そこに鈴がある。」

 

 歩いていたその先に、両側の木と木で括り付けた線がある。その先に鈴が。

 

「成る程。これは、ワイヤートラップですね。映画とかでよくある。」

 

「映画って何?」と、ジニー。

 

「それはまた後で。2人とも。」

 

 僕は、ワイヤートラップを触ってみる。ワイヤーでもピアノ線でもなかった。糸だった。

 

「流石に本格的な物じゃなかった。良かった。これなら、魔法で対処出来そうだ。」

 

 魔法でトラップを破壊する。魔法族は、マグルの技術を軽視する傾向にあるのを逆手に取って、思いもよらない罠を張るのか。どちらの技術を極めた先輩らしい試練というわけだ。

 

「何とかなったな。あとどれ位だろう?」

 

「あと2時間ですね。」コリンが時計を見る。魔法界でも使えるタイプだ。

 

 その1時間半後、僕達3人は木の上の鈴を見つけた。ヤバい、あと30分しかない。

 

「あと1つなのに。」

 

 残り15分になっても鈴は見つからなかった。そろそろ戻らなければならなかった。僕の分はジニーに譲って、先輩の所まで帰る事になったのだ。残り3分というところで、戻って来た。

 

ハリー視点

 マクゴナガル先生は戻っていった。先に戻っている事、遅くならない様にと言い残してね。ジョジョの奇妙な冒険でも読みながら待つ事にした。日本語版だが、元々日本にいたので会話も読み書きも出来る。ある程度漢字も使える。尤も、ルビが張ってあるので漢字は読めなくても大丈夫ではあるのだが。

 

 ランク付けでもしようかね。AからFの6段階でさ。Fは魔法の概念と1年生。Eは2,3年生レベル。DはOWLレベル。CはNEWT及び卒業レベル。Bは超高等及び外国の魔法。Aはオリジナル呪文及び戦術の創作。

 

 あの3人、帰って来たみたいだな。蹴落し合う事をしないで協力し合う姿勢でこの試験を受けた。合格だ。鈴は、1つあれば良い方だろう。最悪無くても良い。この試験の答えは、いかに利害の枠を超えてチームワークを見せられるかがカギなのだから。

 

「お帰り。お疲れ様。」

 

「戻りました。2個しか見つかりませんでした。」エックスが疲れ果てている。

 

「2個!?予想以上だな。1個見つかればいいと思ってたんだが。」

 

「え?でも鈴の数が……」とジニー。

 

「鈴を1人1個持って来いなんて一言も言ってないぞ。俺は、鈴を3人で一緒に持って来いって言っただけ。それに、感知呪文で一連の動きは見させて貰ったよ。チームワークを見せた君達は合格だ。約束通り、修行を見るよ。」

 

「「「やったー!」」」

 

 3人共、喜んでいる。まあ、これから忙しくなりそうだな。そんなわけで、午後5時半に城に戻って来た。今後のスケジュールの調整をするといってこの場で解散した。

 




と言うわけで、ハリーによるエックス、コリン、ジニーの戦闘能力大幅上昇(魔改造)フラグが立ちました。3人にはそれぞれ単独で、ルシウス・マルフォイの様な上級死喰い人を撃破出来る位の実力を最低でも身に付けさせる予定です。

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