『倉元家』異世界に転生させられちゃう ~まさかの家族で異世界生活!?~   作:しげちゃん

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犠牲者増やしちゃう

イヤイヤイヤ!!流石にこれはダメだろアカンだろ!!

いや可愛い 確かに可愛い子だ うん認める!!

 

見た感じ多分同い歳くらいだし? 長髪ストレート好きだし? 黒髪だし?

胸は……今後期待するとして、展開的に言えばまずヒロイン候補だ! 

俺の目の前にいるのは勿体ないくらい可愛い!!

 

しかし流石に他人巻き込むのダメでしょこれ!!

一応ある!俺にも良心とかある!両親もいるっ!

第一なんで記念すべき最初の魔法が召喚術なんだあの野郎……。

ほいでまたパジャマだよ! 今度はチェックパジャマだよ!!何だこの世界のルールか?

パジャマ着てるタイミングでしか召喚出来ないのかこの世界っ!!

 

「ここ……どこ?」

 

ボーッと立つ彼女は目をパチクリさせている。ポーズ的に扉を開けた瞬間!!みたいな感じだな。

振り返ってもドアないですゴメンね。どこでも行けるドアじゃないですゴメンね。

 

「……へぇ?」

 

ですよねそうなるよね。俺も数日前そうだったから分かる。 

合ってるよー心配しないでもその反応合ってるよー

町の中じゃないだけマシだよ?ホントに 

まぁ召喚したの俺なんだけど。

 

「まぁ驚くのも仕方ない ここは異世界という奴らしいです」

 

「はい? 確か今日は休みでさっき玄関開けて……で今は森で男の子がいて……?」

 

パジャマで外出とか結構やりよるな。それにしても

あぁ……この反応 とても新鮮だぁ

そうなんだよ これだよ このアホみたいな異世界にオロオロするのが当たり前なんだよ

あぁ……困ってるなぁ 可愛いなぁ これが普通の反応だよなぁ

まぁ召喚したの俺なんだけど。

 

「今のはなんだ武! 剣が吹き飛んだじゃないか! 

俺の愛刀ライトニングストロングデリシャ…… おや?この子は?」

 

最後デリシャスって言おうとしたか親父? なんだ?旨いのかその剣。 

ライトニングくらいで止めときなさいよ。それでも若干ダサいけど。

 

「心配せんとその愛刀とやらで、さっさと冒険者らしくドラゴンでも魔王でも倒して来やがれ」

 

「次期伝説になる男にその口の聞き方か! でもいいなドラゴンか……

よっしゃちょっと行ってくる!討伐討伐♪やっほーぅ♪やっほーぅ♪」 

 

いい歳こいたおっさんが、そんなにはしゃいでスキップしたら誰かに……

あーあ……ほーらぶつかった あらー連れてかれたなー

悪いけど今忙しいからゴメンな こっちも緊急事態だから

 

「えーっと……ここは君のお家なのかな? あれ何!? 赤ちゃん! 赤ちゃん飛んでるっ!?」

 

「あぁ俺の妹だ 可愛いだろー?」

 

「うん 可愛いー! へぇー女の子なんだー……じゃなくて!! 浮いてるよ! てか飛んでるよ!? イリュージョン!?」

 

……クッ! ノリツッコミができるのか これは新たなライバルやもしれぬ。

可愛いのが残念だがここは早々にお帰り頂きたい。決して俺のキャラがブレるからではない、これは彼女のためであるっ!!

 

しかしMPが一切増える感じがしない……たった一発の魔法で魔力がスカスカになったようだ。魔力枯渇で死ぬタイプの世界だったら一撃ゲームオーバーだったな……なんちゅー魔法最初から使わせてくれとんだ! しかしこれは時間と共に戻るのだろうか? それとも外部から自力で補給するのか? 彼女がパニックなのは当たり前だが、俺もそれなりにパニックしている。

 

「それで色々説明が欲しいんですけど 答え次第では大声で叫びますよ?」 

 

俺が拉致でもしたと思っているのか?この子は……

まぁアニメとかラノベに興味なかったら異世界なんてワードしっくりこないわな。

気がついたら森で知らない男が二人いて 一人は剣持って連れ去られたし 

まぁあれだよね めっちゃ怖いよね

 

「まぁ簡潔に説明するとだな 俺が異世界召喚される→魔法覚える→俺が君を異世界召喚する 以上だ質問あるか?」

 

「やだどうしよう!質問しか浮かばない!!」 

 

「とりあえず俺ら以外の景色を見て異世界は納得してくれ」

 

町がよく見えるように自分の体を彼女の視界からずらす

すると驚くよりも 意外と興味津々で目を輝かせていた。

 

「ほっほぉ~ 綺麗な町ですねぇ~ あ、猫耳ちゃんもいるー!可愛いぃ!!」

 

「お袋ほどじゃないがそこそこ受け入れ早いなアンタも……」

 

「あ、名前は結衣だよ えっとー……」

 

「結衣な 俺は武だ どーだ? 異世界ってのは分かったろ?」

 

「ほぉー……映画みたいな世界だねぇ 夢でも無さそうだし信じられないけど異世界は一旦理解したとして……さっそく質問して良いかね?」

 

「うむ なんでも聞きなさい」

 

「私が武に召喚されたのは嫌々理解したとして、武は誰になんでこの世界にその~ しょーかん?されたの?」

 

「アリアにノリと勢いで」

 

事実だけを簡潔に伝えると眉を潜めて表情が凍結してしまっている結衣

だって事実なんだもの! 俺もさっき知ったばかりなんだからな?

だから この人何言ってんの? の顔やめて!!

 

「アリア? ノリ? ゴメン全然分からない 想像以上に」

 

「これは俺もムカついているから どうしようもない上に今尚俺も分からないんだなこれが

 あと俺は一人じゃなくて ご覧の通り家族 一家四人で巻き込まれている」

 

後方に建てられた新築の家を指差すと、お袋がこっちに手を振っている。

はいそうなんです。家族で異世界生活中なんです。俺はまだする事さえ決まってないんです!

現実世界ではちゃんと毎日学校も行って友達と遊んで?部活で汗流して?規則正しい生活してたのに?

異世界来てニート予備軍ですわチクショウめ!!

 

地団駄踏む武に対し若干ビクつく結衣

 

「家族で?」

 

「ウォーターの魔法で水を散布させながらガーデニングして

こっちに手ぇ降ってるのがお袋で さっき連れ去られたのが親父

妹はまぁ浮いてる子だ 物理的に」

 

やはり魔法は衝撃らしくどんどん顔がひきつるが

手を振り替えして苦笑う事しかできない

 

「アハハ……えとー……いつからここに?」

 

「驚くことに早いもので3日目だ 恐いね時の流れって ホント容赦ないよね」

 

「たった3日!? 馴染み方が半端ない!!」

 

怒濤の連続衝撃に面食う彼女

あぁ……やっぱいいなぁ この反応いいなぁ

 

「それで一番大事な質問に入るんだけど……なんで私を召喚?したわけ?」

 

もっとも重要な質問に

人生最大速度で腰を折り曲げ謝罪する 今の俺の謝罪速度に敵う者はいまい!!

 

「それに関してはすいませぇぇぇぇん!! ほんっっっとーーーに申し訳ないっ!!!」

 

「ないないねー」

 

「え? え?」

 

「ついさっき魔法習得して ついはしゃいで使ったらこれですわ 本人もビックリですわ

 妹もお兄ちゃんを思ってか 一緒に謝ってる事だし以上だ よしスッキリした!」

 

「……終わりっ!!? もっと理由があるんじゃないの!?」

 

「全てに理由があると思うな」

 

「全然カッコ良くないんだけどっ!?」  

 

ー 倉元家 犠牲者増やしちゃう ー


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