EX-AID・A・LIVE ~SPIRITS LOVERS~   作:エルミン

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今日は狂三の誕生日ということで、エピソードZERO内での狂三の誕生日の話を書きました。

千字と少しの短編となっています。


第SP話 狂三のエピソードZERO・X

西暦2040年6月10日。この日は、一人の少女にとって特別な日となった。

 

 

「くーちゃん!お誕生日、おめでとうなのです!」

「ありがとうございますわ、薫さん」

 

この日は、時崎 狂三の誕生日。CRの中で、テーブルの上でバースデーケーキが用意されていて、風鳴 薫が笑顔で祝福してくれた。

 

「ところで・・・どうして薫さんは今日がわたくしの誕生日なのを知ってるんですの?話した記憶が無いのですが・・・」

 

「・・・・・・聞きたいのです?」

「遠慮しますわ」

 

速攻で断った。聞いてはいけないと乙女の直感で察したのだ。

 

実は薫が狂三の事に詳しいのは、薫が初めて狂三に出会った後に風鳴の情報網を駆使して身辺調査を行ったからである。

 

薫は初対面から良い印象を持っていたが、万が一にも悪人である可能性を捨てきれず、念の為に調査を行った。

 

その後の交流で狂三は大丈夫と信頼したのだ。

 

 

話題を変えようと、狂三はケーキについて尋ねる。

 

そのケーキはフルーツケーキであり、色鮮やかな見た目でもある。

 

「このケーキは薫さんが作ったのですか?」

 

「いえいえ、私の母校・・・リディアン音楽院の友人の家族がパティシエで、その人にお願いして用意してもらったのです」

 

「リディアン・・・あぁ、私立リディアン音楽院・・・東京都内の女子高校でしたわね」

 

「私の従姉妹に翼ちゃんっていう子がいるのですけど、その子も来年入学するのですよ〜」

 

「従姉妹がいらっしゃるのですか、お会いしてみたいですわね」

 

「真面目でいい子なのです。でも直人君・・・幼馴染の男の子の前では恋する乙女で、とっても可愛いのですよ♪」

 

「まぁ」

 

などと雑談をしながら、ケーキを薫が切り分け狂三に渡す。

 

「くーちゃん、ケーキの前に・・・プレゼントなのです」

「まぁ、ありがとうございますわ」

 

ケーキとジュースが用意できた所で、薫は狂三にプレゼントを渡す。丁寧にラッピングされており、狂三が開けて中身を取り出すと、中にはぬいぐるみが入っていた。

 

「あらあら、可愛い猫さんのぬいぐるみですわ!」

 

喜びに満ちた笑顔になる狂三。その猫のぬいぐるみは、黒猫と白猫の二匹が一緒にいるものだ。

 

「黒猫がくーちゃん、白猫が私・・・この子達の様に一緒にいられたら・・・そんな想いを込めてプレゼントしたのです・・・気に入ってもらえたら嬉しいのです」

 

「ありがとうございます・・・確かに受け取りました・・・大切にしますわね」

 

薫のプレゼントに込めた想いを、狂三は確かに受け取った。二人は笑顔でケーキを食べる。

 

その姿は、仮面ライダーでも精霊でもない・・・普通の女の子としての姿であった。

 

 

「ところで・・・どうしてわたくしが猫好きなのを知ってるんですの?話した記憶が無いのですが・・・」

 

「・・・・・・聞きたいのです?」

「遠慮しますわ」

 

風鳴の情報網は、狂三の好きな動物まで調べていたのであった。


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