EX-AID・A・LIVE ~SPIRITS LOVERS~ 作:エルミン
それと、この話を上げる前に以下の修正をしました。
1.幼少期の士道と栞の出会いについて書き直し(第八話 悲しい心をSlashせよ!(前編)を一部修正)。
2.士道は医者を目指して勉強中(第一話 その名はEX-AID!の一部修正)。
第一話 特殊精霊・Ruler
「どうして・・・士道がこんなに傷付かないといけないの?」
「どうして・・・士道がこんなに苦しまないといけないの?」
「・・・・・・私が士道を守る。もうこれ以上、傷付かないように。苦しまないように。だから・・・!」
「五河 士道。あの日常の中にもどりなさい・・・そして次こそは幸せな夢を・・・!」
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西暦2044年、六月二十五日。五河 士道は何時も通り、朝に目を覚ましベッドから起きる・・・。
「おはようだぞ、シドー!」
「あー・・・・・・十香、おはよう」
「うむ、今日もいい朝だぞ!早速朝餉にしようではないか!」
「作るのは俺だけどな・・・」
二人でリビングに降りると、リビングにはすでに琴里(白リボン)、四糸乃、八舞姉妹がいた。
「おはよう、おにーちゃん!」
「お、おはようございます。士道さん」
「一時の静寂な眠りから覚めたか、我が騎士よ」
「挨拶。おはようございます、士道」
「おはよう。今朝飯用意するから待ってろ」
いつものように慣れた手付きで全員分の朝食を用意し、いつものように皆で食べて、いつものように登校する。
何気ない平和な日常。バグスターがいない本当に平和な・・・。
「あれ・・・?」
「ん?どうしたのだシドー?」
「いや・・・なんでもない。行こうぜ」
一瞬違和感を感じたが、それは本当に一瞬でありすぐに消えてしまった。そして家を出ると家の前に一人の少女が待っていた。
「おはよう、士道。今日は朝ごはん任せちゃってごめんね」
緩いウェーブの掛かったセミロングの薄い桃色の髪と、ほんわかとした性格と口調が特徴的でどこか神秘的な雰囲気を持っている。
「おはよう凜祢。料理は俺の趣味だし、気にする事はねぇって」
ラクロス部所属で背も女子の中では高い方であり、士道の身の回りの世話を甲斐甲斐しくこなす姿はまさに大和撫子そのもの。
そんな凜祢ととても仲が良いため、士道は精霊達や折紙に栞の事も含めて男子からかなり嫉妬されている。
「え・・・!?」
だが、士道から挨拶された凜祢は驚きの声を上げた。まるで「あり得ない事」に遭遇したような・・・。
「凜祢、どうしたんだ?」
「あ、ううん!何でもないよ・・・お詫びも兼ねて今日の夜ご飯は私が作るからね」
「おはようだぞ、凜祢」
「十香ちゃん、おはよう」
それから、皆に挨拶して一緒に登校する。途中で栞、折紙、狂三も合流。いつものメンバーで学校に着いて皆が自分のクラスに。
ちなみに、美九は明日行われるテレビ番組収録についての話し合いがあるそうだ。
授業も何事も無く終わり放課後。士道の隣に栞、折紙、狂三が寄る。
「士道、今日はどうするの?」
「そうだな、買い物の必要は無いし、医療の勉強も進んでるし・・・どうするかなぁ」
「じゃあさ、今日は久しぶりにゲームで遊ばない?もちろん、十香さん達も一緒に」
「お、それは良いな。でもそれは、俺が天才ゲーマーだとわかってての発言か?」
「ふふふ、今日こそ勝つかもよ?」
「えぇ。わたくし達でリベンジですわ」
「いいぜ、ノーコンティニューでクリアしてやるよ」
と、何気なく言ったこの言葉にまた何か引っかかる感覚があったが、それも一瞬で消え去った・・・。
それから皆でゲームセンターに。幻夢コーポレーション製のゲームで遊ぶがやはり士道が全てで一位を独占。
まだまだ士道には及ばぬと実感しながらも、皆は笑顔で遊んでいた。
そして夜。士道達が五河家で夕食を食べている頃、一人の青年・・・パラドは高台から街中にある新天宮タワーと呼ばれる巨大な植物が束ねられた様な塔を見ていた。
だが、パラドは知っている。新天宮タワーという塔は
「つまんないな・・・この世界はちっとも心が踊らない。やっぱりぶっ壊しちゃおうか」
そんな事を言うパラドの正面に複数の個体が現れる。
それらは個体ごとに赤、黒、白のローブをまとっていて一般人がイメージする天使を思わせる。
だが、それらは全てパラドを排除するために現れた。パラドは特に慌てずガシャットギアデュアルを使い変身する。
《パーフェクトパズル!》
「変身」
パラドクスに変身した直後レーザーの雨が降り注ぐが、パラドクスはその全てを軽やかな動きでかわし、展開されたゲームエリア内に存在するエナジーアイテムを複数得る。
《ジャンプ強化!》
《伸縮化!》
《マッスル化!》
伸縮化で体を伸ばして、ジャンプ強化で高くジャンプ。天使たちより高い位置に来てから、マッスル化で攻撃力を上げた状態で腕を伸ばし攻撃。
手の指を全て伸ばし手槍のようにして天使の腹を貫く。
そして天使を刺した手をそのまま振り回してチェーンアレイのように使い、周囲の天使達を攻撃して倒していく。
全て倒して攻撃し終えて手を腹から抜いて着地。追撃や増員が無い事を確認してから、変身を解く。
妨害が入ったのでタワーへの攻撃は中止する事にしたが、やはりあのタワーは今の世界に深い関係にある事を確認したのであった。
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「おかしい・・・終わったはずの世界の記憶が存続している?それにパラドも動き出した・・・
「いいえ、そんな事があってはならない。絶対に・・・士道の幸せの為に・・・!」
次回予告
殿町から「天狗牛」について聞いた十香達は、凜祢を含めた皆で夜に天狗牛のお参りをする事になった。
第二話 夜に行うVisit
「怖いに決まってるよ・・・」
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凜祢ユートピアはNOVEL大戦 SYMPHONYの後の話ですが、その内容のネタバレになる事は書かないようにします。