EX-AID・A・LIVE ~SPIRITS LOVERS~ 作:エルミン
狂三がシミュレーションゲーマーの力を入手して少し経った頃、西暦2044年六月のとある日。
この日、誘宵 美九は女性マネージャから新たな仕事の説明を受けていた。
「本当ですかぁ!?本当にツヴァイウィングと一緒にお話出来るんですか!?」
興奮を隠さず前のめりに尋ねる美九。女性マネージャーは落ち着かせてから説明する。
「は、はい。ツヴァイウィングの方で、色々な歌手やアイドルと一緒に交流を深めるためのミニステージを開催しようという話があったようで。
その最初の一人目に、美九さんが選ばれたんです」
「はぁぁぁぁぁ・・・・・・素晴らしい企画です~・・・喜んでやらせていただきます!」
「そう言うと思ってました、ではこの話は受けるという事で。東京都心の方で行いますので、スケジュール調整をしておきますね」
「はーい♪」
大喜びの美九は笑顔でテンション高く返事する。そこで、大きな事件に巻き込まれる事も知らずに・・・。
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同日。天宮市内のカフェの外にあるテーブルに座り、紅茶を飲みつつ本を読む一人の男性がいた。
黒いシャツとスーツを着たの男性だ。かなりの美形で、その姿はまるで天才が描いた一枚の絵画のような美しさと妖しさすら感じられる。
実際、周囲の客達からも注目されている。だが男性は注目される事に慣れているのか、特に気にすることなく平然としている。
「相席、いい?」
「どうぞ」
そんな男性の前の席に、中学生位の少年が座る。
少年の元に店員が注文を聞きに来る。少年はコーヒーを注文して前に座る男性に話しかける。
「相変わらず、紅茶が好きなんだね」
「あぁ、紅茶は私の相棒みたいなものさ」
「ふーん・・・で、本題は?」
紅茶に興味のない少年は本題を聞く。男性はカップを置いて話し出す。
「君、もうすぐ動き出すそうだね」
「そうだけど、悪い?」
「そんな事は無い、ただ油断しないように・・・とだけ」
「わかってるよ。バグヴァイザーを含めて必要な物は揃った。僕は新たなステージに進む・・・そしてこの共存世界をぶっ壊してやる」
「そうか、頑張るがいいさ」
中々物騒な話をしているが、周囲の者達は特に
少年は店員からアイスコーヒーを受け取ると、砂糖もミルクも入れず飲んでいき、三分の一飲んだところで男性と話を再開する。
「・・・で、そっちはどうなの」
「順調だよ。人工
「バグスターウイルスの事?轟木 零士が持ってきたサンプル・・・あれを見て、僕は確信した。あれこそ僕に必要な物だって」
「そうか。元はコンピューターウイルスだと言うが、あんな物を生み出してしまうとは、人間とは本当に業が深い」
「・・・・・・業の深さで言うなら、あんたもじゃない?」
「おっと、その通りだね」
お互い飲んでいた飲み物が無くなったところで、二人共席を立つ。会計は男性が行うという事で、少年はそのまま出る事に。
「じゃあね。終焉の革命団の
「あぁ、成功を祈っているよ」
二人は店前で別れる。男性・・・ウェストコットは後ろを向いて、少年の後ろ姿を見ながら言う。
「野望を達成出来るといいね・・・終焉の革命団幹部、
その言葉はまるで、少年の・・・
次にキバの話を一つ投稿してから、ノベル大戦を新規の別作品として投稿します。