EX-AID・A・LIVE ~SPIRITS LOVERS~   作:エルミン

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久し振りのエピソードZEROです。


第SP話 狂三のエピソードZERO・4

狂三と薫のデートから数日。二人はCRの中におり、一緒にジュースを飲んでいた。

 

「くーちゃん、リンゴジュースをどうぞなのです」

「えぇ、ありがとうござい・・・・・・薫さん、これは何ですの?」

 

「え?美味しいのですよ」

 

「・・・"ニューステージな白銀リンゴ味"って何ですの?白銀リンゴなんて知りませんわ」

 

「飲まず嫌いはもったいないのですよ~」

「・・・薫さんのは、"禁断の果実な赤リンゴ味"って、神話に出てくるやつですか?」

 

「気にせず飲んでみるのです・・・ごくごく・・・美味しい!」

 

「不味かったら薫さんにも飲ませますからね・・・ごくごく・・・・・・美味しいですわ」

 

「ちなみに、滅多に店に並ばないレアの"金メッキな黄金リンゴ味"、"ダークネスな黒リンゴ味"もあるのですよ」

 

「金メッキな時点でパチモンですわ・・・・・・後、黒リンゴってどう考えても、熟しきって腐ったリンゴですわよね」

 

「ふふ、くーちゃんは律儀にツッコミを入れてくれるから、ボケがいがあるのです」

 

「ぶっ倒しますわよ?」

 

やーん、と笑いながらジュースを飲む薫と呆れながらも笑顔でジュースを飲む狂三。

 

二人は精霊や仮面ライダーなど関係なく、良き友人同士の姿であった。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

翌日。

 

ゲーム病を発症した患者が見つかり、急遽CRに運ばれた。しかし、診察中にバグスターユニオンが出現。

 

「全く、このバグスターも大きいですこと」

「ちゃっちゃとやっつけるのですよ。でも・・・」

 

「何ですの?」

「くーちゃんと一緒に戦うのは初めてだなぁって。何か嬉しいのです!」

 

「・・・・・・もぉ、さっさと始めますわよ」

 

ほんのりと頬を染める狂三は、照れ隠しにゲーマドライバーを装着。薫も微笑みながらゲーマドライバーを装着。

 

《バンバンシューティング!》

《爆走バイク!》

 

「「変身!」」

 

プロトガシャットを起動してゲーマドライバーに入れて変身。レベル1となり、ゲームエリアにバグスターごと送る。

 

 

バグスターユニオンは体を回転させて二人に突進してくるが、跳んでかわす。

 

「派手に撃ちますわよ!」

 

狂三はガシャコンマグナムから、薫はタイヤからエネルギー弾を放って攻撃する。

 

しかし、ユニオンはダメージを物ともせず迫ってくる。

 

「薫さん!」

「はいなのです!」

 

お互いに声を掛け合うだけで、何をするかが伝わる。

 

もう一度突っ込んでくる所をかわし、今度は二人一緒に同時に攻撃を叩き込む。

 

「「はあぁぁぁぁぁぁ!!」」

 

マグナムの銃身とタイヤの全力同時打撃によって、ユニオンが仰向けに倒れる。

 

トドメに、狂三はエネルギーを纏って銃弾のようになってユニオンに向けて体当たりをくり出した。

 

薫も足に力を入れ、高くジャンプ。上空から力を込めて両手のタイヤを投げて更に落下の勢いも加えたキックを当てる。

 

ついにユニオンを撃破、患者の治療に成功した。

 

二人は着地して、プロトガシャットを抜いて変身を解く。プロトガシャットの負担でよろけるが、二人で肩を組んで、お互いを支え合う。

 

「やったのですよ!私達は無敵のコンビなのです!」

「まぁ・・・悪くなかったですわね」

 

「え~、本当は最高って思ってるですよね?」

「そんな事・・・・・・無くは無いですわ」

 

ほんのり頬を赤く染めながら、少しだけ本音を出す狂三。嬉しさから、もっと狂三に密着する薫。二人の今日のオペはこれで終わった。

 

 

 

 

 

 

 

筈だった。

 

 

二人の背後から、突如()()()のバグスターユニオンが出現し襲いかかって来たのだ。

 

「「二体目!?」」

驚きながらも、二人はもう一度変身しようとする。しかし、先程の戦いの負担で思うように動けない。

 

ユニオンの攻撃が二人に当たると思われたその時、一本の剣が飛んできて、ユニオンの攻撃しようと伸ばしていた腕に命中。

 

そのまま腕を切り裂き、床に刺さる。ユニオンが一旦後退する。

 

剣を投げたのは、医師の白衣を着た女性。二十代後半くらいだろう。黒い髪をポニーテールに纏めていて背も高く、目付きも鋭い。

 

「あの患者には、二体分のバグスターウィルスが感染してたのよ。ご丁寧に診察機でも感知できないくらい奥深くに潜伏してね」

 

女性は狂三と薫に言いながら、ユニオンと対峙する。

 

「イチャイチャすんのは良いけど、患者をちゃんと治療したのを確認してからにしなさい。誤診やオペミスがあったら、どうすんのってハナシ」

 

女性の正論に、二人は何も言わず素直に認め頷いた。女性は、「次からは気を付けな」と優しく言い、ユニオンと対峙する。

 

 

「ここからは、私のターンよ。後輩達は下がってな」

「あの・・・あなたは?」

 

牧村(まきの) 恵子(けいこ)

 

「え・・・もしかして、私が通ってる医大で優秀な成績を出したっていう外科医さん!?」

 

「まぁ・・・そうかもね。今は普通の医者で・・・プロトブレイブよ」

 

女性・・・恵子はゲーマドライバーを装着して、プロトガシャットの一つ、プロトタドルクエストガシャットを取り出して起動する。

 

《タドルクエスト!》

 

モノクロのタイトルが表示され、ゲームエリアが展開。エナジーアイテムを収納した宝箱も複数出現。

 

ゲーマドライバーにガシャットを入れ、変身する。

 

 

「変身」

 

《ガシャット!レッツゲーム! メッチャゲーム! ムッチャゲーム! ワッチャネーム!?》

 

《アイム ア カメンライダー!!》

 

全身がモノクロの、仮面ライダープロトブレイブ・レベル1に変身した。

 

軽やかに動き、ユニオンの攻撃をかわし、投げた剣を回収。

 

剣を右手に持ち、ユニオンの腕の上に飛び乗り肩元から切り裂く!

 

奇声を上げて痛がっている様子のユニオンだが、恵子は・・・。

 

「喚くなよ、ウィルス野郎」

 

と、乱暴な言い方をしながら高くジャンプし、頭から足まで一刀両断。

 

ユニオンは爆発し、二体目も無事に討伐された。

 

 

「「おぉ~!」」

「はい、おしまい」

 

恵子はガシャットを抜いて変身を解く。ポニーテールが風でゆらゆら揺れる。

 

「さて、時崎 狂三と風鳴 薫ね。改めて自己紹介しとくけど、私は牧村 恵子。

 

一応、あんた達の先輩よ。仮面ライダーとしてしっかり戦えるようにしてやるから、覚悟しなさい」

 

「・・・わかりました、よろしくお願いしますわ」

「はい、牧村先生!将来医者になりたい私に、色々教えてほしいのです!」

 

「私が卒業した医大行ってんの?」

「はいなのです!一年生なのです!」

 

「あー・・・じゃあ、時間が出来たら教えたげる」

「イェア!」

 

ガッツポーズを決める薫。狂三は薫の様子に苦笑していた。

 

 

今日この日、仮面ライダープロトブレイブこと、牧村 恵子が現れた事により物語は彩られていくのであった。

 




次回予告

恵子が加わり、三人体制となった仮面ライダーとしての戦いの為、特訓を行うことに・・・?


第SP話 狂三のエピソードZERO・5


「いや、私もう女の子って歳じゃ無いし、自覚あるし」


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新キャラの登場です。そしてプロトブレイブです。

プロトエグゼイドこと、ゲンムも出す予定ですが、まだ先です。恵子は本編にも登場します。

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