EX-AID・A・LIVE ~SPIRITS LOVERS~   作:エルミン

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お待たせいたしました。久しぶりに書いたお話しですが、内容は短くなってしまいました。

申し訳ございませんが、ご了承いただけると幸いです。


第五話 プールで爆走Race!

 

オーシャンパーク・・・天宮駅から五駅先の駅の近くにあるテーマパーク。

 

屋内アトラクションのウォーターエリアと、屋外遊園地のアミューズエリアの二つで構成されている。

 

夏休みでは遠方からも沢山の家族連れやカップルが訪れる人気スポットだった。

 

士道は着替えを終え、屋内プールへと移動した。

 

まだ女性陣は着替え中のようで、士道は辺りの様子を一望した。

 

広大なプールや岩山のようなウォータースライダーなどが見える。

 

興味から周りを見渡していると、士道の背に元気な声がかけられた。

 

「シドー! 待たせたな!」

 

士道が振り返るとそこには、着替えを終えた十香達、そして琴里の姿があった。

 

琴里は白いセパレートタイプに、ブラ部分がホルターネックチューブトップになり、何やら妙に色っぽかった。腕組みをして、口にチュッパチャップスをくわえている。

 

「琴里、水着似合ってるぜ」

 

「そ、そんなありきたりな・・・・・・ちょっと待って士道。あなたインカムを付けてないみたいだけど?」

 

「琴里とのデートに、インカム通じて指示をもらう必要はない。

 

琴里の事は世界で一番わかってるって自負してる・・・だから、今はラタトスクの事は関係なく楽しもう」

 

「・・・・・・そ、そう」

 

士道の言葉に、琴里は顔を赤くしながら答える。「自分の事を一番わかっている」・・・そう言われたのが嬉しかったのだ。

 

「よし、早速行くか!」

 

士道の言葉に皆が頷き、準備体操をしっかり行ってから皆でプールに飛び込む!

 

プールの水は温水になっており、季節に関係なく遊べるように配慮されている。

 

「四糸乃、あっちのウォータースライダーというのを一緒に体験しよう!」

「は、はい」

 

「夕弦、我と水泳で勝負だ!」

「承諾。受けて立ちます」

 

「では栞さんと折紙さんは、わたくしと好きにやりましょうか」

「「はーい♪」」

 

士道、琴里、令音の三人以外の皆がバラバラに移動する。気を使ってるのがバレバレだが、士道に琴里を優先させるためだろう。

 

「・・・私はここでのんびりしているから、二人で楽しんでおいで」

 

令音は椅子に座り、タブレットを操作する。

 

「・・・気を使わせちゃったな・・・行こうぜ」

「えぇ・・・行きましょう」

 

士道が差し出した手を、琴里は少し照れながらも取った。そして遊びだした二人だが、特別な事は何もしていない。

 

 

一緒に泳いだり。

 

「何だあの二人、滅茶苦茶早えぇ!」

「オレンジ色の髪の子達も早いけど、この二人も中々・・・」

 

遊んだり。

 

「水中バレーやってるけど、何なのあの若い二人!?」

「ちょっ強すぎ・・・きゃああ!」

 

特別な事は無くてもお互いが楽しめているのは確かであり、二人とも笑顔であった。

 

「「「「あの二人、特別満喫してるよね・・・?」」」」

 

「いやー、遊んだ遊んだぁ」

「確かに、プールであんなに遊んだのって、幼い時以来かしら」

 

二人は今プールから上がって、テーブルでフルーツティーを飲みながら小休止中。

 

「琴里、今楽しいか?」

「・・・えぇ。わがままを言って良かったって思えてるわ」

 

「そっか、良かった・・・・・・それで琴里、大丈夫か?」

「え?・・・まぁ遊び疲れはあるけどそれくらいで」

 

「違ぇよ、精霊の力だ・・・・・・かなりキツイんだろう?」

「・・・ッ」

 

驚き言葉を詰まらせる琴里に、士道は更に言う。

 

「気付かないと思ったか?今日このプールに来た時から辛そうだったぞ」

 

士道は気付いていた。琴里がずっと無理していつも通りに振る舞っていた事に。

 

”イフリート”の力は今も確実に琴里を蝕み、苦しめている事に。

 

「・・・・・・やっぱり、わかるのね」

「当たり前だろ。何年一緒にいると思ってるんだ」

 

でもな、と士道は琴里に優しく言う。

 

「今日は俺とお前のデートだ・・・俺がいる、だからそんな辛さもふっ飛ばしてやるさ」

 

「ぁ・・・うん!」

 

琴里の苦しみは続いているが、それでも士道は琴里の気持ちを優先し、デートを続ける事にした。

 

琴里も士道の気持ちを嬉しく思い自然と笑顔になっていた。そんな二人が次に来たのは・・・。

 

「体ピッタリ心ドキドキ、カップル限定ウォータースライダー!次の方どうぞー!」

 

カップルだけが楽しめる、密着型ウォータースライダーである。

琴里は顔を真っ赤にして士道に詰め寄る。

 

「し、しししししし士道!?カップル限定って・・・カップルってぇ!?」

 

「いや落ち着けって・・・今日は俺とお前のデートだから、カップルとしても色んな事を楽しみたいんだ・・・お前と一緒にな」

 

「はうぅ・・・!う、うん」

 

士道の言葉に、琴里は俯きながらも肯定する。近くにいた若い女性スタッフもキュンキュンしていた。

 

その女性スタッフに案内され、出発口前に座った琴里を士道が後ろから抱きしめるように座った。

 

(ひゃあああああああ!お、おにーちゃんが抱きついてるよぉ!)

(琴里・・・暖かいな・・・)

 

琴里は幼い頃からずっと士道を、異性として意識して恋をしていた。

 

士道は最初は妹と思っていたが、十香達との出会いを切っ掛けに様々な一面を見せる琴里との交流を通じて、少しずつだが琴里の事も一人の女の子として見るようになっていった。

 

「では、スタートです!」

女性スタッフの言葉の直後、二人は出発。そのまま一緒に滑っていき、特に問題なくゴール。

 

プールから顔を出した二人は、ウォータースライダーを終えた後も十秒程お互いを抱きしめたままだった。

 

そして離れた後は、お互い照れながらも笑顔であった。

 

 

 

「さて・・・俺も動くか・・・」

 

そんな二人をプールに水着を着て浮き輪で浮かびながら、パラドが見ていた。

 

「もう十分遊んだだろう?ここからは、俺の楽しみのために動いてもらうぜ、士道」

 

パラドは何処からか取り出した”二機目のバグヴァイザー”を、近くにいた男性に向けウイルスを放出。

 

モロに吸い込んでしまい、倒れて苦しむ男性。パラドはそんな男性に目もくれず、プールの中を泳いでプールサイドまで移動していった。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

士道と琴里がもう一度プールに行こうとした時、男性が倒れたという声が聞こえた。

 

士道はもしもに備えて持ってきておいたバックからスコープを取り出して駆け寄り、見てみるとモータスの反応を検出。

 

それと同時に、モータスが実体化を果たす。

 

 

「ヒャッハー!俺様の走りは進化するぜぇ!」

 

男性から現れた爆走バイクのバグスター、モータスは叫んだ直後に乗っていたバイクのエンジンを吹かせ、パーク内部を走り出す。

 

逃げる利用客達。それに逆らって留まるのは士道。そこに栞達も合流。

 

「・・・二人共!」

令音が、士道と栞のゲーマドライバーとガシャットを投げ渡す。

 

折紙と狂三はガシャットを奪われていて変身できない為、精霊達と一緒に実体化した複数のウイルス達に対処する事に。

 

狂三は霊力を封印されていない為、完全な霊装と天使を出す。狂三以外の皆は水着と一体化した限定霊装と天使を展開した。

 

「栞!」

「うん!」

 

《マイティアクションX!》

《爆走バイク!》

 

「第二変身!」

「セカンド・ギア、変身!」

 

レベル2となり、エグゼイドはレーザーに乗りモータスを追いかける。

 

「・・・琴里、私と一緒に離れよう」

 

令音は琴里に避難を促すが、琴里は俯いたまま動かない。

 

「・・・琴里!」

「・・・・・・っ!・・・令音?」

 

「・・・ここはシン達に任せて離れよう」

「私も・・・!」

 

「・・・ここで力を暴走させてはいけない。今度こそ戻れなくなってしまうかもしれない」

 

「・・・・・・っ」

 

令音に言われて、手を引かれてプールの外に出る・・・しかし、令音は気付けなかった。

 

琴里の眼が精霊の時みたいな危険な輝きを出し始めている事に・・・。

 

オニーチャンノテキ・・・オニーチャンヲキズツケル、ワルイヤツガイル・・・

 

 




次回予告

レベルアップしたモータスとの戦いが続く中、栞は新たな力を使う。


第六話 激走のNew bike!


「このまま一気に・・・突っ込め!」


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