EX-AID・A・LIVE ~SPIRITS LOVERS~   作:エルミン

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お待たせしました。


第四話 進軍のRevol!

「あ、狂三。ちょっといいか?」

 

真那と出会った翌日の放課後。廊下を歩いている狂三に士道は声をかける。

 

「はい?何でしょう」

 

「明日は開校記念日で休みだろ。明日は暇だったりするか?もしよければ、その日に俺と一緒に出掛けないか?」

 

士道が言った言葉に狂三は、あらあら・・・と察したように言う。

 

「つまり、デートのお誘いですか?」

 

「まあ、そうだな。狂三にはバグスターとの戦いでたくさん助けてもらってるし、その礼も兼ねてって感じだ・・・どうだ?」

 

「もちろんよろしいですわ。ふふふ、士道さんとのデートですか・・・初めてですから楽しみですわ」

 

狂三は士道のデートの誘いを承諾。士道は嬉しそうに微笑んでいる狂三を見て安心した。

 

「良かった。じゃあ、明日の午前十時半に天宮駅の改札前の広場を待ち合わせ場所にしよう」

 

「えぇ、わたくしは構いませんわ。士道さん、明日はよろしくお願いします」

 

狂三は士道に一礼。すると、丁度話終えたタイミングで二人のスマホにメールが。

 

見てみると、CRからの緊急連絡メールで、ゲーム病患者が発見されCRに搬送されたのだ。

 

「今が放課後で良かったぜ・・・行こう!」

「はい」

 

二人はCRのドクターとしての顔になり、士道は十香にゲーム病患者が出たことを伝え、栞と折紙を加えた四人で急いでCRに向かった。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

CRでは、ライダー達四人が運ばれてきた患者の対応をしていたが・・・。

 

 

「いや~、まさか私がゲーム病っていうのにかかるなんて予想外ですよ・・・」

 

運ばれてきた患者は、崇宮 真那であった。機械でスキャンしたところ、バンバンシューティングのウィルスに感染しているのがわかった。

 

 

「イギリスでも、テレビやネットのニュースでもバグスターウィルスや、ゲーム病の事は取り上げれらていやがるんです」

 

「俺達が真那を治す・・・任せてくれるか?」

「え、えぇ・・・それはいいですけど・・・」

 

何かを気にしているのか、真那の返事はたどたどしい。すると、狂三が言う。

 

「皆さん、患者の対応はわたくしが行いますわ。皆様はその間に準備を」

 

「・・・わかった。皆、行こう」

士道は狂三と真那の様子から何かを察し、折紙と栞を連れてベッドルームから出る。

 

 

「さて・・・余計な方達は退かしましたわよ、崇宮 真那さん」

 

「最悪の精霊がお医者さんなんて・・・どういうつもりでいやがるんですか?ナイトメア、時崎 狂三」

 

真那は敵にあった戦士のように鋭い目付きで狂三を睨んでいるが、狂三は全く気にしていない。

 

 

「・・・・・・四年前まで、わたくしは自分の目的のために多くの方を手にかけてきました・・・それは否定はしませんわ。

 

ですが、ある方との出会いを切っ掛けに、わたくしは変われたのです」

 

狂三は自分の事を語りながら、真那のベッドの空いている所に座る。

 

戸惑う真那を敢えて無視して、狂三は語り続ける。

 

「精霊、ナイトメア・・・・・・そしてCRのバグスターウィルス専門ドクターで、仮面ライダースナイプ・・・・・・それもわたくしですわ」

 

「・・・・・・何を」

 

「だからこそ、真那さん・・・あなたはわたくしが治療します。どんなに嫌がっても止めるつもりはありませんわ」

 

「待っ・・・!」

話終えた狂三はさっさと去っていく。真那が止めようとしたがそのまま行ってしまった。

 

真那は困惑の表情を隠せなかった。突然の自分語りもそうだが、今の狂三は・・・。

 

 

すると、士道が入ってきた。

 

「あ・・・兄様」

「悪い、真那・・・さっきの話を聞いちまって・・・」

 

「え、あ・・・その・・・・・・もう、女の子同士の会話を盗み聞きなんて感心しねーです!」

 

「ごめん・・・・・・でも、真那の仕事って精霊が関係しているんだな」

 

「え・・・」

「俺はちょっと訳ありでな、精霊の事を知っているんだよ。それで、狂三は昔多くの人を手にかけた最悪の精霊ということも知っている」

 

「・・・・・・」

「真那・・・・・・狂三は、昔は人を手にかけるような事をしていたんだろう。

 

でも、今は違う。狂三は過去に犯した罪と向き合っている。

 

今の人々の命を救うことで、過去に命を奪った罪の償いとしているんだ」

 

「・・・償い」

「俺は狂三を信じている。あいつはいい奴だってさ」

 

士道の言葉に葛藤する様子の真那。

 

しかし、それは真那にとって大きなストレスになってしまい、バグスターウィルスが活性化。そして、リボルバグスターが出現してしまう。

 

「作戦開始ぃぃぃ!!」

そう言うと、リボルは体を粒子状にしてワープ、姿を消してしまう。

 

狂三達も加わり、士道は琴里に連絡を取る。

「リボルが消えた・・・何処に現れたか、わかるか?」

 

『ちょっと待って・・・・・・嘘、バグスターが家から少し離れた所にに現れたわ!真っ直ぐ家に行って・・・まさか五河家を壊すつもり!?』

 

「そっちで回収してワープだ、急げ!」

『わ、わかったわ!すぐに外に出て!』

 

士道の指示に慌てて対応する琴里。四人は急いで外に出る。

 

外に出てすぐにフラクシナスに回収され、三秒も経たない内に五河家の前にワープされる。

 

 

「・・・?ねぇ、令音」

「どうしたんだい?琴里」

 

「さっき、()()()()()()()()()()?」

「・・・いや、見えなかったが・・・?」

「・・・・・・?」

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

五河家の前に着いたリボル。配下のウィルスを召喚し、銃を構える。

 

「我が宿主はここに住んでいる者と仲がいい・・・ならば、ここを破壊すれば凄まじいストレスとなるだろう!」

 

リボルは、進化によって宿主の記憶を読み取りストレスを与える最適な作戦を立てる能力を身に付けた。

 

ただし、全てを読めるわけではなく最近の出来事・・・数日以内で最も印象に残っている部分のみに限定される。

 

これが、リボルバグスターの進化によって得た能力である。

 

全員で銃を構え、発砲しようとしたところで、ワープしてきた士道達が現れた。

 

小さな人影(五人目)は士道達の背に隠れるように、こそっと動いて離れた。

 

「誰の許可取って、人ん家に銃を向けてんだ?」

「邪魔するなら、貴様らから倒してくれる!」

 

四人はゲーマドライバーを装着して変身する。

 

《マイティアクションX!》

《ゲキトツロボッツ!》

 

《タドルクエスト!》

《ドレミファビート!》

 

《バンバンシューティング!》

《ジェットコンバット!》

 

《爆走バイク!》

《ギリギリチャンバラ!》

 

 

「「「「変身!」」」」

 

四人がレベル3の仮面ライダーに変身したところで、戦闘を始める。

 

放たれる銃弾を、士道が左腕のアームで防ぎ、弾く。

狂三はバグスター達が撃ち終えた直後にガトリングを連射する。

 

更に、折紙がガシャコンソードから音符型のエネルギーを放ち、栞はガシャコンスパローから矢型エネルギーを放つ。

 

三人の攻撃で周囲のバグスターウィルスは全滅。更に、士道はアームを放ちリボルを吹っ飛ばす。

 

 

「次はこれだ!」

 

士道がドラゴナイトハンターZガシャットを起動。士道の持つオリジナルから仮想ガシャットが三つ出て栞達の手に渡る。

 

《ファング!》

 

《ブレード!》

 

《ガン!》

 

《クロー!》

 

ドラゴナイトハンターZガシャットを起動し、ドライバーにセット。そしてレバーを開いて四人同時にレベル5に変身。

 

「第五!」

「ステージ5!」

 

「第伍弾!」

「フィフス・ギア!」

 

「「「「変身!」」」」

 

全員がレベル5になった。リボルは反撃に銃弾を拡散して連射するが、四人が放った炎のバリアで防がれる。

 

 

 

「・・・・・・」

 

その戦いを見ていた五人目・・・崇宮 真那は、CRユニットを纏った魔術師と精霊の戦いのように激しい戦いであることはわかった。

 

ゲーム病の身でありながら、俊敏に動き隠密スキルを駆使してここまで来たのだ。

 

 

「・・・・・・過去の人々の命を奪った罪を償う為に、今の人々の命を救う・・・・・・」

 

士道から聞いた話を思い出す真那。真那にとって、精霊・・・特に狂三は排除すべき敵。

 

だが、その狂三が敵である自分を救う為に戦っている。その光景に、複雑な気持ちを抱いていた。

 

 

一方、フラクシナス内部。琴里は隠れている真那の存在を発見した。

 

「あの人影・・・崇宮 真那だったのね!」

 

「・・・見間違いでは無かったようだね。しかし、ゲーム病の状態で動けるとは・・・」

 

「あぁもう・・・一応、崇宮 真那からも目を離さないで!」

 

 

 

士道達は、アームからエネルギーを放つ攻撃にしているが、これはリボルを家に近付けさせず、攻撃を確実に防ぐためにそうしているのだ。

 

「さて、トドメですわ!」

狂三の声と共に、四人はガシャットを抜いてキメワザスロットに入れてスイッチを二回押す。

 

 

《ガシャット!キメワザ!》

《DRAGO KNIGHT!CRITICAL STRIKE!!》

 

四人が同時に必殺技を発動。四人が付けているパーツにエネルギーが溜まり、それを同時に放った!

 

リボルはそれを防ごうと最大出力で放つ。レベルの上がった攻撃は、レベル5の攻撃を相殺し爆発が起こる。

 

「フハハハハハ!これで「フィニッシュですわ!」さ、何!?」

 

《ジェットコンバット!》

 

《ガシャット!キメワザ!》

《JET!CRITICAL STRIKE!!》

 

爆発から、再びレベル3となった狂三が飛び出し、リボルにゼロ距離で銃口を突きつける。

 

ガトリング砲にエネルギーが溜まり、引き金を引くと強化されたエネルギー弾が無数に発射。

 

全てをゼロ距離で受けたリボルは耐えきれず、吹っ飛ばされながら、爆発。倒されたのであった。

 

「作戦失敗!!」という言葉を残して・・・。

 

そして、リボルのデータは駆けつけた黎斗がバグヴァイザーに回収。気付かれないように姿を消した・・・。

 

 

戦闘を終えた四人は変身を解くと、ゲーム病が消えた真那が狂三にズカズカと近づく。

 

真那がいることに驚く皆を無視して、真那は狂三の前に立ち、睨みながら言う。

 

「・・・・・・礼は言わねーですよ」

 

「礼も感謝もいらないですわ・・・代わりにまた、わたくしを狙って来なさいな」

 

「・・・・・・CRに戻ります。着替えとか取りに行かねーとです」

 

真那は士道達と一緒にCRに戻った。抜け出した事に狂三以外から軽く説教を受けながらも、真那は元気になれたことを喜んでいた。

 

狂三は、そんな真那を見て微笑んでいた。

 

自身を敵視する者であっても救う為に戦った・・・・・・その姿は、果たして本当に"最悪の精霊"なのだろうか・・・?

 




次回予告

リボルバグスターとの戦いから少し後。士道と狂三のデートが始まる。


第五話 狂三とのデートはExciting?


「もっと刺激的なの・・・・・・いかがですか?」

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